写真を見るレッスン:写真の表面/写真の層(レイヤー)© Mika Kobayashi
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見て取ることができます。この二つの作品の中に書き込まれている文字は、誌面の裏側から先の尖ったものを強く押しつけるようにして書かれたもの(書くときは左右反対ということになります)であり、それを表側から見ると、あたかも女性の肌の上に押された烙印や傷跡、瘡蓋のように皮膚の表面から浮き上がって見える、という仕掛けになっているのです。ブエッティはこの作品を通して、ファッション雑誌に登場する美しいモデルの女性達の顔や身体は、ファッション・ブランドや化粧品のような商品に結びつけられていて、その身体自体が商品 と同様に物として扱われている、ということを批判的に表していると、読みとることもできるでしょう。多くの人が憧れの的になるような高級ブランド(そもそも、ブランドという言葉は元来「烙印」という意味を持っています)のロゴが、美しい女性の皮膚に刻まれた傷や烙印、痣のようにも見えるグロテスクな印象を与えるものになっているということは、皮肉なことだと言えるかもしれません。また、このような作品の意味合いに加えて、写真に施されている加工がどのようなものであるかということや、加工を施された写真を見てどのような印象を受けているのかということが、意識の中に浮かび上がってきたりもします。つまり、普段何気なく見ている雑誌に掲載されている写真──(図1)や(図2)の作品に使われている元の写真もその中に含まれますが──は、すでにさまざまな加工や修整が施されているのにもかかわらず、私達はそのことをあまり意識せず、それらの写真を、現実をある程度忠実に写し取ったものとして受け止めていることの方が多いのではないでしょうか。
写真の修整/肌の修整
読者を惹きつけ、購買意欲を刺激するための広告写真やファッション写真には、商品や人を魅力的に見せるためにさまざまな修整や加工が施されています。フォト・レタッチャーという修整を専門とする職種もあり、デジタル技術の進歩により、修整の精度はますます高くなってきています。たとえば、クリステーヌ・ボーリューというフォト・レタッチャーのサイト(
http://cbeau.ca
)では、修整を施される前の写真と修整を施した後の写真を比較して、それぞれの写真に施された修整による効果を見て取ることができます。画面の明るさや商品の色合いが変えられているだけではなく、モデルの肌の毛穴や皺、産毛、シミ、クマなどがきれいに消し取られていたり、手足が細長く見えるように修整されていたり、表情が微妙に変えられ
(図2) ダニエーレ・ブエッティシリーズ作品〈Looking for Love Good Fellows〉1996-1998
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