You are on page 1of 6

社団法人北海道勤労者医療協会 勤医協中央病院・勤医協伏古10条クリニック

生命の力
[写 真]鈴木 隆司
(勤医協中央病院 内科副科長)

特 集
循環器疾患の診断と治療
謹んで新春のご挨拶を申し上げます。昨年4月に勤医協中央病院は新管理体制に移行し、あっという間に
1年近くが過ぎようとしています。この間賜りましたご指導、ご鞭撻に心から感謝申し上げ、厚く御礼申し上
げます。昨年は地球規模で金融危機が生じ、生活や健康にも先行き不安がよぎるような1年でしたが、地域
の多くの医療機関、福祉施設の皆様との交流を通じ、視野を広げることで新たな希望を持つこともできまし
た。本年も地域の二次救急医療機関、ガン治療認定医養成施設にふさわしい整備を進め、一層皆様のお役に
たてる病院づくりを推進して参ります。旧来にも増して、当院医療連携室、救急診療部、各種専門病棟への入
院など、お気軽にご利用いただければ幸いです。 勤医協中央病院 院長
田村 裕昭
循環器内科のご紹介
勤医協中央病院 内科副科長 循環器内科 鈴木 隆司

生活習慣の変化および長寿社会化により、心臓病は増加の一
途をたどっており、その傾向は当面続くと思われます。その心
臓病の診断・治療の進歩は、近年一段と目覚ましいものがあり
心カテ室スタッフ
ます。今回は、当院循環器内科のご紹介です。当院では最先端
の技術の導入を目指すと同時に、総合的な循環器科を目指しま
す。更に内科の各専門科や、総合診療科(総合内科)との連携が 使用開始になり4年が経過しました。DESの問題点も、国内の
基本にあります。 経験および当院の経験から、明らかになってきています。抗血
1.虚血性心臓病の診断 小板剤継続・中止の問題は、実際に大きな問題です。再狭窄予
狭心症の診断にとって、冠動脈CT 防を重視するか、安全性を重視するか、当院では、各症例毎に
検査は欠かせない検査となりまし 検討し、インフォームド・コンセントを得てから決定するように
た。既に本誌5号でお知らせしてい しています。当院の現状は、ステント全体のうち、おおよそ半分
ますが、ご紹介患者様を含め、順調 がDESの使用となっています。
に稼動しています。従来、狭心症の 3.全身動脈硬化ケア CLI症例のカテーテル治療
冠動脈CT3D画像
診断も、入院して心臓カテーテル検 虚血性心臓病をお持ちの
査が必要でしたが、CTの利用により、診断はCTで、治療は心臓 患者様の多くは、全身の動
カテーテルでという流れも可能になりました。 脈硬化症もお持ちです。最
冠動脈CT検査の所要時間は、通常のCTと同程度です。冠動 近は全身の血管に対するカ
脈CTの弱点は、血管壁の石灰化と、ぶれです。わずかなぶれで テーテル治療の進歩も著し
も径3mm程度の血管はきれいに写りません。脈が速くないこ く、循環器内科での治療範
とと、きっちりとした息止めが必要です。 囲が広がっています。
治療前 浅大腿動脈75%狭窄
心臓カテーテルによる診断は2泊3日の入院を基本とし、カテ 例えば、難治性高血圧や、
室看護師による検査前訪問など、検査前の準備も充分行ってい 心不全を反復する症例の中
ます。ご希望により1泊2日でも可能です。 に、一定の割合で腎動脈狭
2.虚血性心臓病の治療 窄症が潜んでおり、ステン
冠動脈狭窄が見つかって血行 トによる腎動脈拡張によ
再建が必要な場合、約9割の患者 り、高血圧や心不全が治る
様で経皮的冠動脈インターベン 方がいます。従って、高血
ション(PCI)
による治療を行って 圧や心不全の精査の際には バルーン拡張後

います。PCIも低侵襲化を目指 腎動脈も検査しています。
心カテ中の鈴木医師
しており、ほとんどの場合、上肢 また、下肢の閉塞性動脈
からのカテーテル挿入で治療可能です。上肢からの治療により、 硬化症(ASO)
については、
術後安静による苦痛がなくなり、術後出血の可能性も減少しま 下肢の痛みが主訴ですの
した。さらにカテーテル径を極力細くし、上肢の血管を傷めな で、受診のきっかけは外科
いように最大 や整形外科であることが多
限の配慮をし いのが現状です。外科、整
治療前 後脛骨動脈90%狭窄
ています。や 形外科との連携により、当
はり2泊3日、 科ではカテーテル治療が増
または1泊2 加しています。
日で退院とな また、下肢(足趾)の壊疽
ります。 や潰瘍形成にまで至った
日本で薬剤 critical limb ischemia
溶出性ステン (CLI)の症例は、以前は保
心カテ室 ト(DES)が 存的治療か切断しかありま バルーン拡張後
せんでしたが、これもカテーテル治療の分野となりました。整 6.心不全治療
形外科、皮膚科が受診のきっかけとなりますが、創部の治癒の 終末期慢性心不全患者様に対する治療も、当院では最近変化
ためには、やはり閉塞血管の開通が必要であり、連携して当科 を見せています。終末期医療、または緩和医療の導入です。ス
でカテーテル治療を行っています。 タッフによるカンファレンスと、ご家族へのインフォームド・コ
新たに導入した皮膚灌流圧測定器(SPP)により、診断、治療 ンセントを繰り返し行い、改善の見込みが無い場合、心不全の
効果判定が非常に確実になりました。下肢切断の回避が目標で 苦痛から開放できる方法を積極的に選択するようにしています。
すが、切断が必要な症例でも、切断範囲を縮小します。壊疽ま 7.睡眠時無呼吸外来
たは潰瘍を形成した下肢には、先ずは、血管造影による評価、血 睡眠時無呼吸があるだけで、急性心筋梗塞などの心疾患を引
行再建をすることが必須です。 き起こしたり、QOLを障害するということは、常識となりまし
本来は壊疽になる前に発見して治療することが重要であるこ た。睡眠時無呼吸の治療は心疾患の治療の重要な一角を占める
とは言うまでもありません。下肢温存のためには、早期発見、早 ようになりました。拡張型心筋症として長年治療してきた方に
期治療の原則が重要な分野の一つであり、この点ではまだ一般 無呼吸の治療を行ったところ、心機能が戻った例を経験し、当
的な認識になっていないように思います。現在、医療者向けの 科では無呼吸が疑われる患者様には積極的に検査を行い、発見、
啓蒙活動も盛んに行われています。 診断を行っています。睡眠時無呼吸外来は循環器内科医が担当
そのほか、虚血性心臓病に合併する全身動脈硬化症として、 しており、治療は耳鼻科、歯科と連携して集学的治療を行ってい
頭頚部の動脈硬化症があります。以前から、脳動脈はMR検査、 ます。内科的治療は、鼻に装着するCPAPを用いて、吸気時の
頚動脈はエコーにより診断が容易であり、当科でも行っていま 気道閉塞を解除することです。
す。治療は脳神経外科と連携して行います。 8.禁煙外来
4.不整脈治療 禁煙外来自体は、もちろん様々な疾患をもった外来患者様が
不整脈治療については、上室性頻拍、心房細動の一部、心室 受診されますが、心疾患の入院中に発覚した喫煙習慣について
頻拍の一部に対し、カテーテル治療(カテーテルアブレーショ も、外来の禁煙チームに治療を依頼します。循環器医も担当し
ン)を行っています。薬物治療と違い、カテーテル治療は不整脈 ています。心臓病で入院したというきっかけが、重要な動機付
の根治術です。上室性頻拍には薬物治療を行う前の第一選択の けとなります。
治療法として定着しており、また、発作性心房細動や新しい持続 9.ACLSチーム
性心房細動も、ご希望により治療の第一選択として、カテーテル 院内に、ACLSプ
アブレーションを行います。薬剤フリーとなることが目標です。 ロバイダーを中心
5.心臓リハビリテーション としたACLSチー
心臓病による入院治療後の患者様で廃用が起こったり、外来 ムがあります。職
通院中でも体力・筋力が低下した患者様を対象として、心臓リ 員などに対する心
ハビリテーション(運動療法)を行っています。心臓リハビリ導 肺蘇生法の教育を
入時に医師、看護師、理学 担っています。別
職員向けBLS講習会
療法士によるカンファレン 途ご紹介します。
スで病態や目標を共有しま 10.心臓生理検査部門
す。また心臓リハビリテー 心臓検査の中核を成すこの部門には、循環器領域超音波検査
ション指導士による指導に 士や、心臓リハビリテーション指導士など資格のある心臓専門
より、重症心疾患をお持ち の検査技師がおり、常に新しい診断技術を導入しています。別
の方でも安全に施行できる 途ご紹介します。
ようにしています。 11.循環器病棟
心リハ風景
入院、外来のどちらから 2005年、循環
でも導入できます。具体的な疾患は、心筋梗塞急性期、PCI後、 器内科と循環器外
慢性心不全、心臓手術回復期です。大変広い心臓リハビリ室が 科の共同の病棟が
あり、キャパシティ スタートしました。
ーは充分です。別 診断から術後リハ
途ご紹介します。 ビリまで、当病棟
で一貫した治療を
行います。別途ご
紹介します。 病棟での臨床倫理4分割カンファレンス

心リハカンファレンス
12.患者会(心臓病患者会=サフラン会)
当院では、古くから患者独自の運営による心臓病の患者会が
活動をしています。患者様同士の親睦はもとより、医療運動推 循環器内科病棟
進の源にもなっています。総会、新年会、観楓会と、年に3回
循環器内科病棟 主任看護師 菊池みのり
は大きな集まりがあります。また、心臓病の学習会を主催して
当病棟はベッド数46床で、心臓カテーテ
おり、当院スタッフがお話しに伺います。 ル検査や治療で短期間入院する患者様を中心
に、心不全の終末期を迎える方まで、あらゆ
る病期に対応しています。
急性期と慢性期が混在し、平均在院日数
10日前後の中でも、患者様やご家族の想い
を大切にし、入院から退院後の生活をみすえ
5東病棟主任 菊池看護師 た援助を目標にケアを行っています。4年前
から、患者参加型看護計画や一部プライマリーナーシング制を導
入し、患者様やご家族の意向を反映させ、目標達成に向けた具体
的なケアが提供できるようになってきました。患者様からは「希
望が取り入れられ励みになる」など評価されています。
サフラン会と勤医協友の会による患者様向け学習会 さらに、他職種を含めた臨床倫理4分割カンファレンスでは、患
者様の病状・目標を共有し、今後の方針などの検討を行っていま
す。その結果、これまでよりも他職種と話す機会が増え、様々な
視点から患者様をとらえられるようになりました。また、退院が
近い患者様には、MSWと連携し状況に応じて自宅訪問を行うな
どして、退院後の生活を不安なく過ごせるように支援しています。
その他、日常の関わりを振り返る機会として、病棟内で事例検
討会を開催し、循環器医療
を担う看護チームとして質
の向上をめざし取組んでい
ます。

サフラン会観楓会
私たちが病棟担当です

2003年1月31日作成
勤医協中央病院「医療・福祉宣言(理念)」 2007年8月 2日改定

以上、詳細は紙面を割けませんでしたが、現在の循環器内科
私たち勤医協中央病院は、地域の人々に支えられ、こ
医療の概要をご紹介致しました。心臓カテーテル検査・治療を
の地域になくてはならない病院として発展していくこと
中心としながら、幅広い守備範囲を持っています。また、現時 を目指し、ここに「勤医協中央病院 医療福祉宣言」を
点で不十分なものは、他院とカンファレンスを開き、連携して 発表し、「勤医協綱領」に基づき、その実現に努めます。
治療を行っています。今後、予防活動等も含め一層発展させて 1.安全・安心で納得のいく医療・福祉をすすめます。
いく所存です。 2.地域・友の会とともに健康で住みやすいまちづくりを
めざします。
3.互いに学び成長する職場・病院づくりに努力します。

筆者プロフィール
内科副科長 循環器内科 鈴木隆司 
1989年 旭川医科大学卒業
北海道勤医協で初期研修。当別診療所々長
表紙の写真 幹が折れても、たくましく枝を伸ばし生き
ている冬山の木。生命の力を強力に感じま
のほか、旭川、函館で地域医療を経験。 した。この木のように、今の社会を生き抜
きたいと思ってしまいます。撮影は、実は
1995年より勤医協中央病院 循環器内科
キロロスキー場です。滑りに行ってスキー
1999年には岩手医科大学循環器医療センターで研修 板が壊れてしまいました。幸いカメラを持
っていたので、被写体を探して歩きまし
専門:冠動脈および末梢血管のインターベンショ た。滑っていた時には気付かなかった風景
ン。心エコーや心リハも好きですが、日常的 をたくさん発見しました。天気も終日最高
で、ハプニングから撮影旅行となった一日
にはカテーテル治療です。
でした。
趣味:水泳、剣道、自転車、スキーと、子供の時から無意識のうちに運動を 表紙の写真に1年間お付き合い頂き、あり
続けていました。医者になり運動を止めた時、初めて運動の大切さを がとうございました。また、感想をお寄せ
痛感しました。現在は一人でできるトライアスロンを続けています。 下さった皆様、ありがとうございました。
また、自分の原点は旅だと思っています。今北海道にいるのも、高校
表紙の写真「生命の力」
時代にした北海道旅行がきっかけです。大学時代にも毎年放浪の旅
(?)に出ていました。原点への回帰を夢見つつ……もっともっと仕 内科副科長
事頑張ります。 循環器内科 鈴木隆司
心臓リハビリは循環器専門医、理学療法士が診療にあたりますので、

心臓リハビリテーション お気軽にご相談ください。

リハビリテーション部 心臓リハビリ室 理学療法士 赤坂拓海
2007年6月、当院は心臓リハビリ実施施設(心大血管リハビリ1)の
1、ウォーミングアップ
施設基準を取得し、入院(急性期∼亜急性期)から外来(回復期∼維持
期)の心臓リハビリ診療を実施しています。
リハビリテーションという言葉から、運動器疾患や脳血管疾患など肢
体運動機能障害、日常生活能力が低下している患者さんに行う機能回復
訓練や運動療法をイメージされる方が多いかと思います。現在、リハビ
2、歩行時の血圧チェック
リテーションは保険区分で脳血管疾患等、運動器、呼吸器、心大血管の
4つに区分され、心大血管リハビリに関しては施設数がまだ少なく、普
及も不十分だと感じております。
心筋梗塞、狭心症、心臓手術後、心不全の患者さんは、心臓機能低下
により体力が低下しています。また、どの程度の運動が安全かわからな
3、安心の監視型運動療法を実施する
いですし、発作の不安もあります。かつては心疾患を持つ方は安静を保 赤坂技師
ち、運動は禁忌、というのが一般的でした。現在は、絶対安静が必要と
いう状態はほとんどありません。心臓リハビリは、心疾患改善・予防、
運動耐容能(体力)改善、QOL(生活の質)改善を目的とします。
心臓リハビリのプログラムは、ウォーミングアップ、歩行運動、トレッ
ドミル、自転車エルゴメーター、レジスタンス運動、卓球、フィットネス
運動、クールダウンなどを組み合わせて1回1時間程度行います。運動
プログラムは医師や看護師と常に連携し、年齢・体力・病態に適した内
容で実施し、心疾患急性期のリハビリから維持期の在宅運動療法まで包
勤医協中央病院ACLS委員会
括的なフォローを目指しています。 内科医長 循環器内科 委員長 河野龍平
病院の中というのは、院外と比
較して急変の起きやすい場所で
す。医療従事者にとって心肺蘇生
というのは、目の前で命を落とし
心臓検査室 そうな患者さんを助けるために必
須のスキルです。勤医協中央病院
検査部 臨床検査技師 河村弘子 には、医師・看護師だけでなく、リ
看護学校で講義中の河野委員長
当院心臓検査室では主に心電図、負荷心電図(エルゴメーター、 ハビリ技師・臨床工学技士・事務
トレッドミル)、ホルター心電図、心エコー検査を行っています。 職など、すべての職種で構成されるACLS委員会という組織があり
また検査室内のみにとどまることなく、心臓カテーテル室に出向 ます。この委員会は「Preventable death(避けられた死)を無く
き心電図と圧のモニターを担当したり、循環器病棟に出向いては す」というのを最大の目標に日々活動しています。最も重要な役割は
入院患者さんに検査案内や内容の説明、急性心筋梗塞後の心臓リ 心肺蘇生の啓蒙活動で、2か月に1回のBLSコースを中心に、ACLS
ハビリ等にも携わっております。 コースや、職員・患者・患者家族に対する短時間の学習会なども担当
この他、動脈硬化や慢性動脈閉塞症の補助的検査であるPWV しています。内容は「Guidelines for CPR and ECC 2005」および
(pulse wave velocity:脈波伝播速度)とABI(ankle brachial 「救急蘇生法の指針2005年度版」を元にしており、筆記試験・実技試
pressure index: 上 腕 血 圧 比 )、 SPP( skin perfusion 験も行っています。当コースは日本医師会の認定を受けており、認定
pressure:皮膚灌流圧)も行っています。SPPはABIでは困難な 内科医の申請にも使えるものとなっています。
足関節より末梢の病変の評価に有用とされており、当院でも今年 コース運営以外にも、院内の心肺蘇生の環境整備も担っています。
8月より導入し末梢動脈閉塞性疾患による下肢血行障害の診断や 具体的には、心肺蘇生の際の記録用紙の作成や、蘇生に関する統計、
治療の指標として血行再建術前後で測定を行うなど重要視されて AEDの設置場所や緊急時使用の薬品の検討、実際に行われた心肺蘇
います。 生の振り返りを行っています。
私たちはこれからも、亡くならなくてもよい人を亡くさないよう
にするために活
動を続けていき
ます。

心カテモニター中の前田技師

2008年12月BLSコース受講者と講師、試験を終えて

※ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)


心臓検査室メンバーと河村技師(中央) BLS(Basic Life Support)
シリーズ検査紹介

冠動脈CT  放射線2科技師長 中村 公継
 2008年3月より64列マルチスライスCTが稼働し、今まで当院では不可能であった、心臓の血管である冠状動脈の撮影(冠動脈
CT)が可能となりました。これまで、狭心症や心筋梗塞の原因となる冠状動脈を診るためには心臓カテーテル検査が主となり、通常
は入院が必要でしたが、冠動脈CTでは、腕の静脈から造影剤を注入するため、外来での検査が可能となりました。
 冠動脈CTのメリットは、何と言っても、普通の造影CT検査と同様に短い検査時間で、冠動脈の狭窄の有無などの形態情報が得られ
る事です。
 図1は心臓と冠動脈を立体的に観察できる、VR(Volume Rendering)画像です。図2は、心臓カテーテル検査の冠動脈造影と同
じ表現をしたAngiographic View(MIP画像)です。いずれも、回転させる事によってあらゆる方向から観察可能です。
 また、CPR(Curved Multi Planar Reconstruction)画像では、蛇行した冠動脈を任意の曲面に沿った切断面を再構成する事
によって、冠動脈の狭窄の有無を観察する事ができます。さらに、直線上に伸展して表示するストレートビューでは、 より分かりやすく
表現する事ができます。

図1.VR 図2.MIP 図3.CPR 図4.ストレートビュー

検査の手順は
①腕(通常は右正中静脈)に血管確保して、検査のベッドに寝ていただきます。
②心電図モニタを付け、 しっかり息を止めて頂くために酸素をカヌラで2リットルを流します。
③血管を拡張させ撮しやすくするために、 ミオコールスプレーを舌下へ投与します。
④頻脈あるいは不整脈のある方は、 β遮断剤(インデラル)を静注する場合があります。
⑤撮影は約10秒間、しっかりと息を止めて頂きます。
⑥検査終了。通常10分から15分で検査終了となります。
⑦検査終了後、コンピュータによる画像処理を行うため、検査結果は後日お知らせ致します。
 簡単で有用な冠動脈CTですが、造影剤を使用するため、造影剤アレルギーの方、喘息の方、腎機能障害のある方は検査する事は出
来ません。息がきちんと止められない方や不整脈が多い方では画像の構成が難しく、冠動脈像が良好に見えない場合があります。病
状やその他の検査所見から、明らかに治療の必要な冠動脈の動脈硬化を持っておられると想像出来る患者様に対しては、冠動脈CT
検査以外の検査をお勧めする場合が有ります。また、はじめて中央病院に受診される方は、あらかじめ、当院循環器内科で診察を受け
ていただく場合があります。

サンワドー コープ セブン

編集後記
さっぽろ イレブン
札樽自動車道 伏古IC
勤医協中央病院

札幌新道 勤医協伏古10条
クリニック びっくり
札幌は地球温暖化を考えずにはいられないほど暖かい正月でした。12月の積雪量は 勤医協メンタル 新道ひまわり薬局
ドンキー

過去10年間で最低とのこと。暖かいついでにホットな話題を… 昨年9月に更新受 クリニック東 勤医協札幌ふしこ歯科診療所


ひまわり薬局
審を受けた病院機能評価ですが、更新認定されました。職員一丸となって取り組ん
東在宅
だ成果です。さてこの病院機能評価、賛否両論ありますが、この間の改善や頑張り 総合センター 苗

は受審があったからこそできたもの。本来は自発的に取り組むべきものとわかって 通
いても、できずにいましたが受審で一気に進みました。患者様の視点が重要視され
ており、ずいぶん考えさせられたのも事実です。今年7月からVER6となり、地球
環境を守るエコの取り組みも評価されるらしい。また認定期間中の質の維持・改善
ヴィクトリア 北ガス 回転寿し
の努力も今まで以上に評価されるので、今回の努力の流れを止めずに新病院建設に ステーション ジェネックス トリトン ホンダカーズ
つなげたいと思います(K)
宮の森北24条通

F E B R U A R Y .
No.
2 0
008
0 9
勤医協中央病院 ● 〒 0 0 7 - 8 5 0 5 札 幌 市 東 区 伏 古 1 0 条 2 丁 目 1 5 - 1
T E L . 0 1 1 - 7 8 2 - 9 1 1 1   F A X . 0 1 1 - 781-0680
勤医協伏古10条クリニック ● 〒 0 0 7 - 0 8 7 0 札 幌 市 東 区 伏 古 1 0 条 3 丁 目 2 - 8
[発行責任者] T E L . 0 1 1 - 7 8 6 - 5 5 8 8   F A X . 0 1 1 - 782-3428
勤医協中央病院事務長 安井重裕 勤医協メンタルクリニック東 ● 〒 0 0 7 - 0 8 7 0 札 幌 市 東 区 伏 古 1 0 条 2 丁 目 1 4 - 1 6 水 島 ビ ル 2 階
T E L . 0 1 1 - 7 8 9 - 6 1 0 0   F A X . 0 1 1 - 787-0750
www.kin-ikyo-chuo.jp 勤医協中央病院 医療連携室 ● E- m a i l : re n k e i s i t u @ k i n - i k y o - c h u o . j p
携帯はこちらから T E L . 0 1 1 - 7 8 7 - 7 0 3 7   F A X . 0 1 1 - 784-2735

You might also like