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クロストーク・シリーズ 写真の内側、と外側vol.220091023@Nadar Shibuya 335
クロストーク・シリーズ 写真の内側、と外側vol.2
「銀板写真師
ダゲレオタイピスト
」という仕事
新井卓  小林美香
ダゲレオタイプとは
 
ダゲレオタイプ(銀板写真)は、フランス人ルイ=ジャック=マンダゲールによって発明され、1839年にフランスで公表された、世界で初めての実用的写真技法です。良く磨かれた銀のプレートを画像の支持体として使用するため、写された像は光の条件によって見え方が変化し、くっきりとした画像(ポジ像)に見えたり、見る角度によっては反転したネガ像に見えたりすることもあります。また、フィルム・ネガのように原版からプリントを作ったり、引き伸ばしたりすることもできません。複製不可能なたった 1 枚きりの写真しか、得られないのです。さらに、光に感じる性質(=感度)も現代の写真感材にくらべて非常に低いため、撮影には初期ダゲレオタイプで数分から数十分、改良型ダゲレオタイプでも数秒から数分を要しました。したがって、ポートレイトを撮影するとき、モデルは長い露光時間のあいだ完全に静止しなければなりませんでした。このように、一見すると利便性に欠ける写真技法ですが、その画像のもつ鮮明さや豊かな諧調、透明な奥行き、それによく磨かれた銀の表面が放つ宝石のような輝きは、現代の写真技術からみても、比類ない完成度に達しているといっても過言ではありません。19世紀当時人々は特別な思いを持ってダゲレオタイプに接していました。特に肖像写真には、まるで小さな鏡のなかに閉じ込められた人間がこちらを見返すような独特の存在感があり、それらの写真は通常、蓋のついた特別なケース(ダゲレオタイプ・ケース)に収められて鑑賞され、時には身に付けて持ち運ぶこともあったようです。
 
ダゲレオタイプの撮影方法(※ダゲールが考案した最初期の方法)
1.
 
まずベースとなる銀板を完全な鏡面になるまで研磨する。2.
 
暗室の中で、表面にヨウ素ガスを当てる。こうすることで感光性のあるヨウ化銀が表面にできる。3.
 
この銀板をカメラにセットして、撮影。当時の露光時間は野外で数分から数十分程度。4.
 
この状態では画像はまだ目に見えない「潜像」という)暗室に戻り銀板に水銀の蒸気を当てると、目に見える画像が浮かび上がってくる(現像)5.
 
飽和した食塩水で未反応のヨウ化銀を除去したのち(定着)、水で洗浄して完成。
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