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09/28/2013

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マシンインテリジェンス 期末課題
  
工学府 機械システム統合工学専攻
 10GB116
大矢徹二
 
1
講義では『ラプラスの悪魔』の運命決定論を,ゲーデルの不完全性定理を用いて科学的ではその存在を証明することは出来ず,『自由意志』はメタ科学的な,科学では規定できない存在であるという形で帰結した.本レポートでは授業とは別の視点で,現代ネットワーク社会の中での個人おける『自由意志』について,アニメ『攻殻機動隊』の世界観を交えながら述べる.
  
 
攻殻機動隊は士郎正宗原作のサイバーパンク
SF
に属する漫画作品であり,
1995
年に劇場用アニメ映画が公開された.公開当初,日本では大きな話題にはならなかったが,アメリカを始めとした諸外国で高い評価を受け,
1996
年に日本の映像作品としては初めてビデオセールスがビルボード紙面上で発売週に全米
No.1
を記録した.これを契機に日本でも話題が広がり,
2002
にテレビアニメが公開された.アメリカ映画の『マトリックス』
1999
)に影響与えた作品としても知られる.
 
物語の舞台は
1988
年以降の歴史が異なるパラレルワールドで,大規模な核戦争による第
3
次核大戦,および第
4
次非核大戦を経て荒廃した
2029
年より始まる.あらすじは以下のようになっている.
 
時代は
21
世紀,第三次核大戦とアジアが勝利した第四次非核大戦を経て,世界は「地球統一ブロック」となり,科学技術が飛躍的に高度化した日本が舞台.その中でマイクロマシン技術(作中ではマイクロマシニングと表記されている)を使用して脳の神経ネットに素子(デバイス)を直接接続する電脳化技術や,義手・義足にロボット技術を付加した発展系であるサイボーグ(義体化)技術が発展,普及した.その結果,多くの人間が電脳によってインターネットに直接アクセスできる時代が到来した.人間,電脳化した人間,サイボーグ,アンドロイド,バイオロイドが混在する社会の中で,テロや暗殺,汚職などの犯罪を事前に察知してその被害を最小限に防ぐ内務省直属の攻性の公安警察組織「公安
9
課」通称「攻殻機動隊」の活躍を描いた物語.
[1]
 
攻殻機動隊の世界観において,最も特徴的なのが電脳化技術とそれによってもたらされた高度インターネット網である.電脳化とは,
 
脳に直接,膨大な数のマイクロマシンを注入し,神経細胞とマイクロマシンを結合させ,電気信号をやりとりすることで,マイクロマシン経由で脳と外部世界を直接接続する技術.これによって,ロボットなどのメカニックを直接操作したり,電脳ネット(作中におけるインターネットのようなもの)などのネットワークと直接接続したりできる.その結果,あらゆる情報がリアルタイムで検索・共有可能になり,完璧なユビキタスネ
 
 
マシンインテリジェンス 期末課題
  
工学府 機械システム統合工学専攻
 10GB116
大矢徹二
 
ットワークを構築した.可視化されたネットワーク上にあたかも自分が入り込んだかのように様々なネットワークを自由に行き来できるようになる.
[2]
 
というものである.作中の日本ではほぼ全ての人間が電脳化しており,常時ネットワークに接続,生活に必要なサービスを得ることが出来る環境となっている.また,電脳化した者同士であれば,有線・無線を問わず他者との通信が行える他,自分の視覚情報や触覚,さらには感情まで相手に伝えることができる.相手との極めて正確な意思疎通や,記憶装置を外部に設けて必要な情報や自己の記憶を保存して再利用することも可能である.
  
 
脳内の信号が電気信号に変換され保存可能なデータにという扱いができるということは,「仮に死んだとしても,データから同一人物が複製できる」,「データの書き換えによって,全く別の個人が生じる」という破綻が生じるが,作中では個人の主体を『ゴースト』という霊的な概念に置くことで,そのほころびを埋めている.『ゴースト』は人間の肉体から生体組織を限りなく取り除く,あるいは機械で代行していった際に自分が,自分自身であるために最低限必要な物,又はその境界に存在する物,いわば生命体の根源的な魂と表現される.サイボーグ化により身体の置き換えや,記憶データの書き換えが出来てしまう世界において,この『ゴースト』が個人を特定するアイデンティティであり,作中に登場する高度な人工知能を持ったロボットと,人間を分かつものである.『ゴースト』は複製不可能であるメタ科学的存在であるため,
ある人
が死によって『ゴースト』が消失した場合,記憶データをもとに復元しても,それは
ある人
ではなく,
ある人
の記憶を持った別の何かにという扱いになる.従って,メタ科学的存在な『ゴースト』によって講義同様,人々の自由意志や自我が保証されているということである.
  
 
テレビアニメ版では,主人公ら公安
9
課が対峙した「笑い男事件」とそれによって起こった社会現象「スタンド・アローン・コンプレックス」を中心にストーリーが展開される.
 
「笑い男事件」とは作中で不治の病とされる電脳硬化症の治療方法に関わる企業と政界の汚職に気がついた青年が,義憤に駆られ起こしたサイバーテロである.事件の内容もさることながら,サイバーテロが桁外れのハッキング技術をもって行われたことからセンセーションを巻き起こす.しかし青年が多くを語らないまま終結宣言し,姿を消すという形で幕を閉じたためそれだけに留まらなくなった.実質的な真犯人の不在が,ネットワーク上で多くの憶測を誘い,全体の総意としての架空の犯人像を生みだした.更にその架空の存在から影響を受けた多くの模倣者が発生,この模倣者達が架空の犯人像を強化・達成する行動を取ることで架空の存在が一人歩きを始めるという社会現象に至ったのである.
 
この社会現象を発展した情報ネットワークにより,独立した個人
(
スタンド・アローン
)
がネットを介して不特定多数と情報を共有することで無意識下に意識が並列化され,緩やかに全体の総意
(
コンプレックス
)
を形成し,またその総意が個人の行動を規定するということから,主人公は「スタンド・ア
 
 
マシンインテリジェンス 期末課題
  
工学府 機械システム統合工学専攻
 10GB116
大矢徹二
 
ローン・コンプレックス」と名付ける.
  
 
スタンド・アローン・コンプレックスという社会現象はフィクションに留まらず,現実の世界でも似たような現象が生じていると言える.
 
昨年末に世間を賑わせた尖閣諸島沖の漁船衝突事件の海保職員による映像流出に,「笑い男事件」と「スタンド・アローン・コンプレックス」に一致する点が見て取ることができる.以下に一致点を挙げる.
 
 
投稿者が義憤にかられて,行動に至った事
 
 
投稿者が姿を消した事により多くの議論生じ,投稿者の人物像が模索された事
 
 
投稿者を支援し,同様な行動を起こした人物現れた事
 
第一に挙げた点について,これは事件後自首した投稿者は動機について何も語らなかったことから推察の域を出ないが,日本の海を守る立場である海上保安庁に身を置き,政府の映像を秘匿し続ける方針に納得が出来なかったのであろうと思われる.第二に挙げた点は,流出が発覚した
11
4
日から投稿者が自首をする
11
10
日までの間,マスコミに限らずインターネット上でも多くの議論や推察が飛び交った.投稿された動画に付けられたタイトルは「本当の尖閣」,「尖閣の真実」と言ったもので,コメントもなく,これだけで投稿者がどういう意図で流出させたかというものは言及していなかった.それにも関わらず,インターネット上で投稿者は『義憤に駆られた憂国の士』という人物像を獲得した.第三に挙げた点は,投稿後半日もおかずに投稿者がアカウントを削除したため,オリジナルの映像は視聴できなくなった.しかし視聴した利用者が保存し,自身のアカウントで
Youtube
に投稿,他動画サイトに転載,または録画した
DVD
を配布するといった形で映像が拡散していったというものである.これにより拡散規模は国内に留まらず,海外にまで伝播することになった.この一連の流れにおいて,インターネット上で各個人の行動動機が,架空の投稿者の像の意図に沿うような形で集団としての行動動機に形成されたと言える.
 
大規模な事件として,漁船衝突事件の映像流出を挙げたが,小規模なレベルでのスタンド・アローン・コンプレックスは日常的に生じていると言っても過言ではない.電子掲示板サイト『
2
ちゃんねる』などで見られる『祭り』がその一つである.個人がブログやSNSサイトで公開した軽犯罪や迷惑行為に対し,それを読んだ人々が制裁を与えるというものである.『祭り』は誰かが祭りの材料
(
軽犯罪,迷惑行為等が書かれたサイト
)
を発見,その旨を掲示板に書き込むこと始まる.そして同様に反感を抱いた参加者が現れ,独自に問題のサイトを精査,別の問題行動が無いかを調べ掲示板上に報告する.これを燃料に『祭り』は更に加速,拡大していく.問題のサイトが炎上し,ブログ閉鎖やSNS退会に追い込まれる形で終了することもあれば,時として自宅住所や勤務先・通学先などの個人情報が特定され,電話による抗議
(
電凸
)
,または自宅や勤務先を直接訪問して撮影しアップロードされる
(
スネーク
)
といった事態にも発展することもある.また曖昧な情報から誤解が生じ,昨年
9
月には北海道で起きた事件の加害者と同名であった全くの別人がインターネット上での中傷被害やいたずら電話になどの被害を受けるという事件も発生した.
[3]
 

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