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リカバリー全国フォーラム 2010 Web 開催レポート http://www.comhbo.

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9/11(土)

【分科会 21】精神保健医療福祉システムとリカバリー
〜私たちはこんな精神保健医療福祉システムを望んでいる〜

ファシリテーター:
伊藤順一郎(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)
福井里江(東京学芸大学)

この分科会には、さまざまな立場の 50 名の方々が集まってくださいました。
この会で大切にしたのは、“参加者みずからが精神保健医療福祉システムの未来を担う主体とし
て集い、語り合う”ことです。そこで、「ワールドカフェ」という、参加者の主体性と創造性を高
める話し合いの手法を取り入れました。これは、カフェのようなオープンな雰囲気の中で自由な対
話をおこない、ときおりメンバーをシャッフルしながら対話を続けて、知識や知恵を生み出してい
こうというものです。
当日のお題は、「もしも日本の精神病院から入院病棟がなくなったら、どのような変化が起こる
でしょうか。そのとき皆さんはどのように考え、行動しますか」というもの。意表をつくお題にあ
ちらこちらから「えーっ!」という声があがる中、ワールドカフェがはじまりました。
まず、1 テーブルに 4 人が座り、大きな紙にみんなで自由に思いついたことをいたずら書きのよ
うに書き込みながら語り合いました。次に、1 人を残して3人が他のグループに出かけていき、い
ろいろな人たちと混ざりあって、さらに語り合いを続けました。
ここで、スペシャルゲストが登場!なんと記念講演をしてくださった大熊一夫さんと、大熊さ
んと一緒にイタリアのトリエステに視察に行った皆さんです。精神病院をなくしたトリエステの先
進的なシステムの具体的なお話や、そこを実際に訪ねた感想などをうかがいました。
その後、再び一番最初のグループに戻って新しい情報や気づきを持ち寄り、さらに話し合いを重
ねました。そして、明日から自分の地域でどのようなことに取り組んでいきたいか、自分なりの心
意気を一人ひとりが手持ちの用紙に書き出しました。話し合いの軌跡である大きな紙は、部屋の前
に貼り出してみんなで眺めました。
最後に、全員が大きな輪になって座り、この分科会に参加した感想や、考えたこと、問題提起な
どを自由に語り合いました。
このようにして、2時間という限られた時間でしたが、充実したひとときを過ごすことができま
した。今回、ワールドカフェをやってみて実感したのは、多様な人同士が混ざりあい、語り合うこ
とで、いかに新しい発想が刺激されるかということです。ぜひこれからもこのような語り合いを重
ね、精神保健医療福祉システムに変化を創りだす主体としての可能性を、お互いに広げていけたら
と思いました。
≪福井里江(企画委員)≫

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