§
1
今後の日本の医療システムに求めるもの
今回の研修を通じて様々な経験をさせて頂いたと同時に日本の医療システム、とりわけホスピス・緩和ケアに対する自分としての意見・提言もいくつか出てきた。報告書として研修全体の報告をさせて頂く前に自分としての意見を述べさせて頂きたいと思う。
§1.1日本のホスピス緩和ケアに対する提言
約
6
ヶ月に渡りオーストラリアでホスピス・緩和ケアの研修をさせて頂いた結果辿り着いた日本のホスピス緩和ケアの今後の方向性に関する個人的な考えを最初に述べさせて頂きたいと思う。
「ホスピス・緩和ケア」という言葉が普及し始め、緩和ケア病棟や在宅緩和ケアという言葉も聞き慣れたものになりつつある現在の日本にとって今後キーワードになるのが、「地域に開かれた
End of Life Care
」という考え方ではないだろうか?
日本では、ホスピス緩和ケアに携わらせて頂き多くの患者さんや家族と接する機会に恵まれたが、自宅で療養したい方が様々な理由で帰宅できないケースにも数多く遭遇した。もちろん、医療者側の力不足という部分もあるかもしれないが、在宅での介護力不足、介護者の不安、在宅ケアをサポートする医療資源の不足など様々な要因が関係しているように思われた。
今回の海外研修に応募したきっかけの1つが、海外では在宅で療養したい方々をどのようにサポートしているか?ということを学ぶ事であった。
オーストラリアでは、各地域で症状コントロール、
End stage care
、そしてレスパイト・ケアなどを行う緩和ケア病棟と他の専門医や看護師をサポート・教育する緩和ケアチーム、そして在宅療養をサポートするホスピス・ケアプログラムという3つの組織が連邦政府、州政府によって運営されている。
日本では、幸運にも施設やスタッフに恵まれた地域ではオーストラリアと同等もしくはそれ以上のケアサービスが提供されていると思うが、残念ながらそのサービスを受けられるのは限られたごく一部の地域というのが現状と思われる。
「人間の
mortality
は
100%
」と言われているように、全ての人々に
End of Life
というものが存在し、死というものが避けられないものになった時に、その時間を少しでも自分らしく満足いくように過ごしたいというのが多くの人々の願いであろう。しかし、地域や医療機関の事情によって不幸にも
End of Life
を望み通りに過ごすことができないというのが日本の実情であり、課題でもあると思われる。
今後の日本のホスピス緩和ケアにとって重要なことは数多くあるが、より多くの人々の
End of Life
を充実させるシステムを日本の実情に則して構築していく過程に関わっていくことが、今回の研修を通じて自分が学んだことを日本のホスピス緩和ケアに貢献する方
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