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放射性物質汚染対処特措法施行規則第二十八条、第三十条及び第三十一条の一部を改正する省

令案に対する意見
[1]氏名(企業・団体の場合は、企業・団体名、部署名及び担当者名)
森口祐一
[2]住所
**********
[3]電話番号又はメールアドレス
**********
[4]御意見
意見 意見の
番号 該当箇所
1
2 頁 1⑤
規制の合
理化

意見の要約

意見及び理由

規制緩和だけでなく、
規制強化すべきもの
がないかどうかを含
め、拡散防止の観点か
ら合理的な検討を行
うべき

規制強化すべきものがないかどうかの点検なしに、
規制緩和のみを行うことは、事故由来の放射性物
質を厳格に管理し、拡散を防止しようとする努力
を怠るものであり、事故により失墜した政府への
信頼をますます損ないかねないものである。本改
正案のように、緊急時対応として制定した基準を
逐次的、部分的に規制緩和するのではなく、また、
廃棄物処理法上の廃棄物に該当するか否かを問わ
ず、事故由来放射性物質で汚染されたあらゆる原
材料、製品、廃棄物等に含まれる放射性物質につい
て、被ばく線量でみた安全評価だけでなく、拡散防
止の観点から包括的に管理する原則を示し、その
もとで、規制緩和すべきもの、規制強化すべきもの
を抜本的に再検討すべきである。例えば、エアフィ
ルターへの放射性物質の集積が知られており、事
故後初期に付着したものが交換等によって遅れて
廃棄物として排出されることがないかどうか、ま
た特措法 18 条に基づく国への届出等による情報
によって、新たに規制対象に加えるべきものがな
いかどうかについても検討すべきである。
今回の改正は、特措法制定段階での特定一廃、特定
産廃の指定項目についての規制緩和を行おうとす
るものであるが、図1に示された指定項目、ひいて
は指定廃棄物として想定されている項目の想定範
囲が不十分である。道路側溝汚泥のように、明らか
に高濃度汚染がみられることが広く知られている
にもかかわらず、明示的な指定対象となっていな
いものがある。排水経路たる側溝から発生する汚
泥は産廃に該当するとの法解釈があるが、図1に
示された下水汚泥は発生施設が限定されており、
側溝から発生する汚泥がこれに該当しないなど、
指定範囲に不備がある。
9 月 12 日に発表された文部科学省の第 2 次分布
状況調査によれば、東京都内などにおいて、それ以
前の航空機モニタリングによる把握に比べてより
高濃度の土壌汚染が確認されている。雨水の流路
等において、道路表面や道路側溝の土砂、泥等には
10 倍以上に濃縮される状況が各地で観測されて
おり、8000Bq/kg を超える土壌等が、汚染状況重
点調査地域以外においても、東日本の広い地域で

2

1 頁 1①
および図
1

現行の特定一廃、特定
産廃、および指定廃棄
物の想定範囲が不十

3

1 頁 1①
および図
1

廃棄物に該当するか
否かにかわわらず、汚
染土壌と廃棄物との
整合のとれた管理が
必要

4

図 2 およ
びその背
景にある
1③ の 安
全評価

埋立処分を想定した
安全評価に基づく規
制緩和は実態に即し
ておらず、今回の改正
案は国の管理責任を
軽視ないし放棄する
ものである

5

図2

地域指定範囲は産廃
の流通・処理実態を
踏まえて設定すべき

6

図 2 およ
び 2①②

図 2 お よ び 2①② に
示した規制緩和は不
適切

7

2①

「6,400Bq/kg を超え
る廃棄物が排出され
ておらず」の判断根拠
に不備がある

発生していると考えられる。これらが図 1 の除染
廃棄物に該当するか否かがあいまいであり、また
除染実施区域外で発生する可能性もある。廃棄物
については 8000Bq/kg を境に厳格に管理してい
るにもかかわらず、子供を含む一般公衆の生活環
境により近い環境中にこうした汚染土壌が管理さ
れないまま放置される状況はバランスを欠いてお
り、廃棄物処理法上の廃棄物に該当するか否かに
とらわれすぎることなく、指定廃棄物や特定一廃、
特定産廃と同様の管理強化が必要である。
8000Bq/kg という基準やその元となる安全評価
は、主に埋立処分を想定して行われてきたのに対
し、今回の規制緩和の主対象となる浄水発生土や
下水汚泥は、事故前から埋立処分よりも中間処理
後の再生利用が主であり、そうした再生利用シナ
リオに沿った安全評価はほとんど行われていない。
また、再生利用は 100Bq/kg という卒業基準を示
しているのみで、それをどう担保するかについて
は、意見提出者が関係各省に対し中央環境審議会
循環型社会計画部会で質問したのに対し、十分な
回答が得られていない。こうした状況下で規制緩
和を行うことは、事業者の「性善説」的な管理に委
ねるところが大きすぎ、放射性物質の無用な拡散
を防止できない。すなわち、国の基準そのものに対
する信頼が十分得られておらず、埋立処分の受け
入れが進まない中で、規制を緩和すれば、結果的に
管理の曖昧な再生利用ルートに流出につながる蓋
然性が高く、それが予見できるにもかかわらず規
制緩和を行うことは、今般の事故への責任を有す
る国が果たすべき管理責任を軽視ないし放棄する
ものである。
上記 4 のような再生利用の存在や産業廃棄物の県
外処理の実態を踏まえれば、廃棄物の発生都県ベ
ースで規制緩和した場合、当該県外に移出された
後の処理の安全性が担保されない。このような規
制緩和を行うのであれば、その代償として、これら
都県から移出された廃棄物の移出先で採用されう
る処理過程について十分な安全評価を行い、図 2
の対象都県や対象施設の範囲が必要十分かどうか、
精査することが必要である。
上記 1、4、5 の理由により、今回提案された規制緩
和は不適切である。
「6,400Bq/kg を超える廃棄物が排出されておら
ず」の判断は、平成 23 年 12 月 28 日付の通知(環
廃 企 発 第 111228002 号 、 環 水 大 総 発 第
111228002 号)5 頁の以下の考え方の②が適用
されていると考えられる。
「この要件については、①直近の廃棄物の調査に係
る測定結果において、廃棄物のセシウム 134 及び
セシウム 137 についての放射能濃度が 800 ベク
レル毎キログラム以下であること、②直近3回以
上の廃棄物の調査(60 日以上の期間にわたり行

われている調査に限る。)に係る測定結果におい
て、廃棄物のセシウム 134 及びセシウム 137 につ
いての放射能濃度が全て 6,400 ベクレル毎キログ
ラム以下であること、のいずれかに該当すること
とする。」
 これらのうち、②については、今回の規制緩和対
象以外の施設も含め、季節変動を考慮した慎重な
見直しが必要である。すなわち、東京 23 区の通年
調査や岩手県における季節別の調査等から判断す
れば、焼却灰について、60 日以内の期間にわたっ
て 6400Bq/kg 以下の測定が 3 回以上続いたとし
ても、再び 8000Bq/kg を超える状況は十分に起こ
りうる。これはとくに初夏において、雑草、剪定枝
などの排出が増えるためと考えられる。特措法全
面 施 行 後 、 60 日 以 上 の 期 間 に わ た っ て
6400Bq/kg を下回ったとしても、2012 年初夏に
は 8000Bq/kg を超える状況が起こりえたが、測定
義務を免除してしまえば、そうした状況を見逃す
ことになり、本来、指定廃棄物として申請すべきも
のまで見落とす懸念がある。この季節サイクルが
当面繰り返されると想定するべきである。改正前
の対象施設も含めて免除要件の判断の見直しを行
8

4 頁 3①

今回の改正前に排出
された廃棄物に対す
る管理の徹底が必要

9

4頁4

公布から施行までに
周知徹底期間をおく
べき

うことが必須である。
「完全施行日以降に排出された廃棄物を対象に適
用することとする。」とされており、今回の改正が
実施された場合でも、それ以前に排出された廃棄
物には適用されないと思われるが、いつ排出され
た廃棄物なのかが十分に管理されているかの確認
を徹底させる仕組みが必要。すなわち改正前に排
出された廃棄物と改正後に排出された廃棄物を混
合して基準をクリアする脱法的行為を避けるべき
こと、改正後に特定一廃・特定産廃から外れる廃
棄物を処理する施設で、それまで課せられていた
特定一廃・特定産廃の処理物への規制(図 2 の最
下行)が曖昧になることを避けるべきことなど、
改正前の廃棄物の管理が曖昧になることを避ける
ことが必要である。
本特別措置法による規制は難解であり、現行の規
制が現場に周知徹底されているかどうかすら、把
握が不十分である。そうした中で、公布と同時に施
行するような改正を行うことは、現場を混乱させ、
都合のよい解釈で管理が不十分になる恐れがある。
関係自治体等に対する説明会の開催などの周知徹
底期間をとるべきである。