第1回

環境省との対話
報告および議事録

2011 年 8 月 10 日(水)

1

日時:

2011 年 8 月 10 日(水)

場所:

参議院議員会館

主催議員:

13:00~15:15

B105 会議室

川田龍平参議院議員

出席者(国会議員):

出席者(環境省):

川田龍平参議院議員

環境省保健部企画課

課長補佐

谷貝雄三

環境省保健部石綿健康被害対策室

出席者(NGO):

室長補佐

伊藤隆晃

室長補佐

大坪寛子

中皮腫・アスベスト疾患患者と家族の会

副会長

高橋晴美

副会長

古川和子

尼崎支部世話人
中皮腫・じん肺・アスベストセンター

尼崎労働者安全衛生センター
関西労働者安全センター
社団法人

事務局長

事務局長

永倉冬史

事務局次長

植草和則

事務局次長

斎藤洋太郎

飯田浩

事務局次長

片岡明彦

神奈川労災職業病センター

専務理事

全国労働安全衛生センター連絡会議

平田忠男

西田隆重

澤田慎一郎

※議事録および報告は全国労働安全衛生センター連絡会議・澤田がまとめた。
※議事録中の○印は聞き取りが困難であった箇所を示している。
※議事録中の括弧内は全て本報告書作成者が付け加えたものである。

懇談に際して環境省に事前提出した質問書

p.3

質問の回答と懇談の要旨

p.7

議事録

p.12

参考資料

p.53

アスベスト被害地域住民ネットワーク 2010 年 7 月 5 日提出要望書

p.64

2

懇談に際して環境省に事前提出した質問書

環境大臣
江田五月

中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会
中皮腫・じん肺・アスベストセンター
全国労働安全衛生センター連絡会議

環境省の石綿健康被害救済対策の状況と認識に対する質問
石綿健康被害については先日、石綿健康被害救済小委員会から答申が出されるなど、被害の実態を
十分に注視していかなければならない状況が続いています。日頃から被害者の支援活動に取り組んで
おります私たちは、被害者救済の円滑な実施が図られるよう希望していますことから、面談形式で現
状認識のすり合わせをしたいと思っています。
つきましては以下に掲げる各項目について貴省の取り組み状況と認識をお教え頂ければと思います。
円滑な話し合いを実施したいと思いますので、お手数ですが当日までに文書にてご回答頂ければ幸い
です。

石綿肺の認定状況
厚生労働省のじん肺管理区分申請は胸部 X 線写真 1 枚で、申請からひと月後の判定です。それに比べ、

環境省の判定は過去 10 年間の画像を採用し、審査に半年もかかっています。2011 年 6 月段階で認定 5
件に対し、不認定 22 件です。救済法の趣旨に照らして審査の円滑性と被害者救済が十分に担保されて
いるとお考えでしょうか。
また、間質性肺炎との関係や、喫煙、環境暴露由来の石綿肺の潜在性についての認識はどうなってい
ますでしょうか。

肺がん認定要件
判定要件に、石綿ばく露情報を取り入れる必要があります。環境省(救済給付)と厚生労働省(労災)と

合同で作成された認定基準に関する報告書では、肺がんの認定要件として、石綿肺・肺内石綿・石綿ばく

3

露の 3 つが挙げられています。しかし、救済給付は石綿ばくろが省かれていています。救済の趣旨に
外れると思われますが、いかがお考えでしょうか。
公害審査会でも、石綿ばく露情報も取り入れて認めた例も出ています。また、肺がんの判定につき、
上記いずれかの要件を満たせば救済するべきだとの判示もあります。労災と合わせ、肺がんの救済率を
高める観点からの検討を相談したいと思います。

第二次答申の解釈

3-1

被害者救済の前提認識

石綿健康被害救済法のみの給付を受けている被害者は、労災補償法や公害健康被害補償法(以下、
公健法)、あるいは民事賠償の実態などの状況等と比較した場合、同等の、あるいはそれ以上に損害の
補填がされているとの認識でしょうか。
また、石綿健康被害はその全てに汚染者が存在していると考えられますが、汚染者(原因者)の存
在しない被害があるとの認識でしょうか。
さらに、石綿健康被害の原因者は、石綿関連製品製造事業者や石綿取扱い作業事業者、石綿含有建
物所有者等に限定されると考えられますが、それ以外に汚染者責任が生じる可能性のある対象者はい
るとの認識でしょうか。
あるいは、石綿使用による社会的恩恵をほぼすべての事業者、国民が受けているので、汚染者責任
はいずれの対象にも生じないとの認識でしょうか。

3-2

公害健康被害補償法の解釈

答申では公健法の対象となっている大気汚染に関して「被害者と原因者について、疫学的知見等に
基づいて法的因果関係を推定することが全く不可能というものでもなく」とされ、石綿被害について
は「①原因者や、排出実態、汚染状況等に関する知見が整っておらず、②公害健康被害補償制度でい
うところの賦課金といったものの徴収対象者を特定することが難しい」、「仮に因果関係が明らかなこ
とを前提とした補償制度を構築した場合には、論理的には、現行の石綿健康被害救済制度で救済対象
となっているものの多くが制度から漏れてしまう可能性が高くな」る、との解釈がされています。し
たがって賦課金等の設定が困難とされていますが、以下の各項目ごとの現状認識について説明をお願
いします。

3-2-1
公健法の「個々に厳密な因果関係の証明を行うことはまず不可能であるので、指定地域にあってば
く露要件を満たす者が指定疾病にかかっていると判断されれば、個々の患者につき因果関係ありとし
て認定する」 1 、「大気汚染系疾病にあっては、個々の原因者の汚染物質の排出行為と疾病との間の因

1

環境庁損害賠償保障制度準備室 1974『公害健康被害補償制度のあらまし』p.19
4

果関係を個々に証明することもまた不可能に近い」 2 、「個々に大気の汚染と疾病との関係を厳密に証
明することは不可能に近いため、指定地域において一定のばく露要件を満たしている者が指定疾病に
かかっている場合には公害患者と認めることとしてい」 3 るとの趣旨に関する現状認識。

3-2-2
石綿救済法における特別搬出金は「石綿の使用量、指定疾病の発生の状況その他の事情を勘案して」
4

いるが、これは汚染負荷量に着目して賦課金を課す公健法の理念と重なるが、賦課金的要素を全く含

んでいないと考えているのでしょうか。

3-2-3
排出実態、汚染状況に関しては以下の調査資料が実態把握に寄与し、一部は特別搬出金の算定基準
などにも採用されていると考えられますが、それぞれについてどんな評価をしていますか。
① 財 団 法 人 ・ 機 械 電 子 検 査 検 定 協 会 1984 『 ア ス ベ ス ト 製 品 等 流 通 経 路 調 査 』
(http://www.env.go.jp/air/asbestos/commi_coe/ref01/index.html)
②石綿の健康影響に関する検討会2010『大阪府・尼崎市・鳥栖市・横浜市・羽島市・奈良県・北九州
市における石綿の健康リスク調査報告の概要』
③経済産業省 2005『経済産業省の所管に係る企業のアスベストによる健康被害の状況の結果につい
て』
④厚生労働省「石綿ばく露作業による労災認定等事業場一覧表」

3-2-4
公健法における大気汚染の問題は個別の因果関係が明らかでない被害者も存在しうることから、因
果関係の問題を賦課金で調整し、救済・補償のすき間を埋めてきました。公健法のような克服事例が
あるにも関らず、なぜ石綿健康被害は補償的制度設計をした場合、
「多くが制度から漏れてしまう可能
性が高くな」る、との認識が示されたのでしょうか。また、救済給付受給者の多くが個別の因果関係
の特定が困難との見方がされていますが、その論理を裏付けるものは何でしょうか。

3-3

労災保険制度

逸失利益や慰謝料が「労災保険制度等の保険(的)制度では支給されている」との見解があります。
労災保険制度は労働基準法に規定され、労働基準法第は 1 条 1 項にあるよう「人たるに値する生活を
営むための必要性を充たすべきもの」を謳っています。さらに労働基準法は憲法第 25 条第 1 項の「す
べての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」に規定されています。つまり、

2
3
4

同上
同上、p.52
石綿健康被害救済法 47 条第 1 項
5

労災保険制度は労働者の生存権の保障制度でありますから、逸失利益や慰謝料が含まれているとの解
釈には疑問があります。さらに、無過失責任という大原則すら無視しています。
労災保険においても、事業主の責任はほとんどあり得ない通勤災害給付があったり、アスベスト労
災に限っても、最終粉じん職場における事業所の労災保険を適用したり、その事業所名を公表したり
していることなどからも、必ずしも厳密な補償的意味合いよりも、社会保障的な色彩が色濃くなって
いるのが現状だと考えます。
これらの認識をお聞かせください。

4

疫学調査
尼崎市において新たな疫学調査が予定されていますが、趣旨として尼崎市における「石綿ばく露の

形態による石綿関連疾患発症リスクを評価していくことを目的とする」とされています。
しかし、これまでにも疫学的な観点から発症リスクを評価する調査が実施されてきたはずです。こ
の間、リスクを評価できる調査がされてきたはずですが、なぜ改めてリスク評価をするのでしょうか。
また、なぜ尼崎なのでしょうか。さらに、これまで様々な疫学調査に協力してきた私たちと被害者支
援に取り組む地元の団体が新しい調査の設計に関与していないのはなぜでしょうか。当事者の理解が
得られれば、調査の質も比例して高まると思います。
加えて、これまでに以下のような汚染状況把握の知見が積み重ねられてきました。それぞれについ
てどんな評価をしていますか。また、新たに実施する疫学調査はこれら調査のいかなる不足部分を補
う為に実施するのかを含め、目的を明らかにしてください。

① 車 谷 典 男 ・ 熊 谷 信 二 2006 年 『 尼 崎 市 ク ボ タ 旧 神 崎 工 場 周 辺 に 発 生 し た 中 皮 腫 の 疫 学 評 価 』
(http://joshrc.org/files/20060331-022.pdf#search)
② 環 境 省 ・ 尼 崎 市 2007 『 平 成 18 年 度 石 綿 ば く 露 の 疫 学 的 解 析 調 査 報 告 書 ( 尼 崎 市 )』
(http://www.env.go.jp/air/asbestos/commi_hefc/rep_h18/01.pdf)
③第 8 回尼崎市アスベスト対策会議 2006 年 3 月 24 日「過去にアスベストを使用していた事業所の調
査状況について」
④尼崎市 2010『中皮腫死亡小票調査報告書―平成 17 年から平成 19 年までの調査及び、平成 14 年か
ら平成 19 年までの累計について―』

6

質問の回答と懇談の要旨

石綿肺の認定状況

環境省回答:一般環境ばく露の石綿肺なので喫煙者の間質性肺炎、原因不明の間質性肺炎との鑑別が
難しい。判定基準は今後も検討する。事務処理期間は迅速化を目標として進めている。現在は平均 4.5
ヶ月。だいぶ縮まってきた。

○回答後の意見交換
<NGO 側意見>
・石綿肺で申請した事例があれ特発性間質性肺炎された。不認定理由が明示されない。画像がない場
合でも(カルテ、CT の所見所、組織標本など)。開示請求をするが、ごく簡単な判定会議の議事録し
か出てこない。
<環境省意見>
・申請書を書く医師からも問い合わせがある。改善していく案件だと思っている。

<NGO 側意見>
・胸膜プラークがあるという認識で申請するもないと判断される。胸膜プラークの診断基準がない。
否定する医学的根拠も書かれない。診断額的な根拠がほしい。行政手続法の趣旨に反している。不利
益処分の時は丁寧に説明すべきと通達も出ている。労災、公務災害はそうなっている。
<環境省意見>
・一般のレベルを上げるのも 1 つのテーマ。不利益処分の教授の仕方が色んな所で議論になっている。
可能な限り対応したい。棄却理由についても。

<NGO 側意見>
・救済法も一般環境というよりも労働者性がない、労災特別加入をしていない自営業者が多い。建設
業などの自営業の職業ばく露の患者さんに重点を置いた対応を。胸膜プラークを典型例しか認めない
委員がいるのではないか。労災は 2 段階の認定で、初期段階で簡単に従事歴を認定している。10 年分
のレントゲン提出も厚労省では考えがたい。
<環境省意見>
・ばく露情報を画像で判断するのは難しい。機構で従事歴を聞き取り。石綿小体の本数なども考慮に
入れて救済の範囲は広げているつもり。ばく露の確認に手間取っているのは事実。しかし欠かせぬ要
素である。10 年分のレントゲンを求めるのは例外的な事例。常時、そういった対応はしていない。

7

<NGO 側意見>
・意見申し立て時の弁明書がすごく遅い。異議申し立てがあって初めて書くから。
<環境省意見>
・なるべく早く返せるように努力したい。

<NGO 側意見>
・在野の研究者と意見交換の場を持ったらどうか。
<環境省意見>
・中環審の場に呼ぶのは可能かもしれないが、それと別の議論を持つというのはあり得ない。

2

肺がん

環境省回答:平成 18 年 2 月の『石綿による健康被害に係る医学的判断に関する検討会報告書』から指
摘を頂いているんだと思う。10 年間の従事歴を持ってベルギーが認めているとか、色んなご示唆に富
む報告があることは承知している。肺がんリスクを 2 倍に高める指標とは何かというところが議論に
なっていて、25 本/ml かける年間を何で担保するか。引き続き検討は続けたい。

○回答後の意見交換
<NGO 側意見>
・プラークや繊維化の確認のため追加資料を求められる際に、どちらがないから追加資料を求めてい
るのかが判別しない。電話で環境再生保全機構に問い合せなければならない。
<環境省意見>
・既に改善している。いずれにしろ、誤解がないように改善する。

<NGO 側意見>
・ばく露要件を入れるかどうかが焦点。石綿肺を入れる時に、ばく露歴をチェックすることになった。
労災認定では救済される人が、救済法では棄却される事態が発生。石綿救済小委員会でも指摘してい
る。厚労省の検討を待っていたら堪らない。早く検討をしてほしい。
<環境省意見>
・了解した。

<NGO 側意見>
・尼崎など特殊な地域については、ばく露状況を十分に考慮した認定要件にしてほしい。肺の組織を
調べれば良い。厚労省で患者から病理組織の提供を受け、既に石綿小体と繊維を調べる調査をしてい
る。そういう情報の共有をしたい。それを状況調査と組み合わせてはどうか。クボタ周辺の患者の石

8

綿小体の本数を読んだ人のデータが厚労省にはあるのではないか。
<環境省意見>
・まだ出来たばかりの制度。申請・認定件数が増え、統計学的な検討が出来れば意味があるかもしれ
ない。医学的なエビデンスが必要。たまたまアスベストがあってもタバコでなっているかは公平性の
観点から検証しないといけない。500 メートル圏内の肺がんは全員アスベストで吸っているエビデン
スが出れば。タバコ吸ってようが何してようが、絶対にアスベストと言えるだけの根拠は今のところ
ない。肺がんだけでも様々な原因がある。

3

第二次答申の解釈

環境省回答:石綿健康被害救済法は救済法は公健法や労災保険法とは意味が違うので、それをただち
に比較することは適当ではない。
石綿被害は非常に古い時代のばく露によるものと誰が排出したかわからない。汚染者の特定が極め
て困難。汚染者が存在しない、という意味がどういう意味かに拠るがが結局、特定ができないと考え
ている。
建築物や自動車などを通じてきわめて広い分野において石綿を使用してきた。それによって利益を
受けてきた。これだけの方ではないが、汚染者あるいは原因者の特定というのは非常に難しい。健康
被害については本来であれば原因者がその損害を賠償すべきと考えている。しかし個別の石綿の排出
と健康被害の因果関係を証明することが非常に難しい。
公健法においては排出者が誰かは明確になっていた。石綿の場合はそもそも誰が排出したかという
こと自体わからない。
石綿救済法の特別拠出金と公健法の賦課金はそもそも法律の趣旨が違うことを認識してほしい。特
別拠出金は特に石綿との関係が深くて、それだけ石綿によって恩恵を被ってきたという方がより大き
な責任を負うべきとの判断からお金を頂いている。それは賦課金とは違うものである。
排出実態、汚染状況に関しての調査はそれぞれの研究者・研究機関がそれぞれ個別の目的を持って
実施されている。それについて当方から評価というのはなかなか難しい。当省が実施しているものは
今後も着実に実施していきたいと考えている。
公健法と同じような制度設計をするとすれば地域を限定しなければいけない。さらに言えば 10 年間
そこに住んでいたということも当然、求めなければいけない。そういう意味で今よりも範囲が狭くな
ってしまうと当方としては考えている。
労災保険制度の解釈については当省が所管していないので責任を持ってお答えすることはできない。
答申で労災保険制度が補償的なものであると述べているわけではない。労災保険制度が補償であると
いう認識もない。

4

疫学調査

環境省回答:尼崎市においては石綿のばく露経路が特定できなかった方が相対的に多かったという特

9

徴が過去の調査で指摘をされている。より角度の高い疫学的調査をおこなうためにはこの症例対照調
査をおこなう必要があるという専門家からの指摘を受け実施する。
調査の質については専門家から助言を得て進めながら質の担保に努める。また調査の実施にあたっ
ては地元の皆様にご協力頂くので調査内容、実施方法等について皆様のご意見をお聞かせ頂ければと
考えている。
過去のそれぞれの調査はそれぞれの関係者・機関、それぞれの目的のもとに実施をしているもの。
環境省としてこれらの研究等について評価をおこなっていない。質問書に提示された研究の不足を補
うために実施する調査ではない。活用できるものは活用に努める。

○回答後の意見交換
<NGO 側意見>
・話が突然出てきた。調査が出てくる流れはどのようなものなのか。進めていく経過でしっかり当該
団体の意向も聞いてほしい。

<環境省意見>
・石綿健康影響検討会の中でより詳細な把握をするのに症例対照調査をやらないといけないという指
摘があった。5 月よりも前に石綿健康被害対策室の中で検討。やろうと思ったきっかけはわからない。
調べてみる。経緯については丁寧な情報提供に努めていく。

<NGO 側意見>
・環境省と尼崎のリスク調査の見解が違う。誰がまとめたのか。誰が責任者なのか。
<環境省意見>
報告書の本体をみた上で確認する。

<NGO 側意見>
・予算の内訳はどうなっているのか。今年度中に調査を実施すると決まっているのか。今年度、調査
を実施するのは控えられないのか。
<環境省意見>
・今年度予算として計上されているので今年度、実施に向けて着手するという予定。民間の調査会社
に委託をして競争入札を出す。具体的には 10 月にならない、年度の下半期にならないぐらいのタイミ
ングで。確定はしていないが希望として 9 月の末くらいにそういった契約先を決めるぐらいの所まで
いければという予定で今日までは考えていた。
内容はご意見を伺った上でも考えたい。調査をやるということで予算があるので何かしら関連のあ
るものとしてきちんと執行していかなければいけない。

10

<NGO 側意見>
・尼崎に来て意見交換をしたらどうか。市長も入れて三者で話し合ったら良い。
<環境省意見>
・承知した。市とも相談させていただく。

11

議事録

○澤田

時間がきましたのではじめさせて頂きます。今日の進行役をさせて頂きます全国労働安全衛

生センターの澤田です。よろしくお願いします。
今日は環境省との対話ということで、交渉ではなく対話をしていこうということで、労働組合とか
の交渉ではある意味で対決型のやりとりになってしまって、部分的にはお互い思考停止に陥ってしま
ってなかなか議論が発展していかない面もあると思います。今日は 3 人来られていて石綿対策室に 7
月と 8 月から入られたという方もおられますので、これまでの経過をこちらも少し丁寧に解説させて
頂くなりをして発展的な話し合いができればと思います。
まず、対話ということですので自己紹介から始めさせて頂きたいと思います。今日はこの場を作っ
てくださいました川田龍平先生が遅れて到着しますので、到着されましたらご挨拶を頂きたいと思い
ます。じゃあ、こちらから。

○斎藤

アスベストセンターとアスベストの患者と家族の会の事務局の斎藤と申します。よろしくお

願いします。

○片岡

患者と家族の会の全国事務局の片岡と申します。常勤の職としては関西労働者安全センター

で石綿被害者などの支援活動をやってまして、クボタ事件と関わりを持ってます。よろしくお願いし
ます。

○西田

神奈川労災職業病センターの西田と言います。健康リスク調査ですと鶴見の旧朝日石綿の住

民被害等に取り組んできたところです。よろしくお願いします。

○高橋

患者と家族の会副会長の高橋晴美と申します。よろしくお願い致します。私は関東に在住し

ております。

○古川

患者と家族の会の古川です。大阪からやって参りました。一番最初に職歴がないのに 57 歳の

女性が中皮腫になっているという相談を受けて、そのばく露の原因を探しましょうとやり始めたのが
クボタショックの関係で、この位置に立っております。また今後ともよろしくお願い致します。

○植草

アスベストセンターと患者会の事務局もやっております植草と申します。この間、ここ 7、8

12

年くらいのことを考えてみたら、もう中皮腫の方に 150 人以上に会って来ていて自分でもびっくりし
ております。よろしくお願いします。

○飯田

尼崎労働者安全衛生センターの飯田浩と言います。尼崎の市民です。

○平田

中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会尼崎支部の世話人の平田です。私の場合はクボタ

の旧神崎工場の真ん前に 18 年おりまして、弟が平成元年に亡くなりまして。それがクボタショックの
ときに中皮腫やいう正確な病名がわかりまして、それ以降、当時同じ所に住んでいた、まぁ寮におっ
たんですけども。130 人程の寮の中から私の弟入れて 4 人、私の同級生なんか入れて 4 人亡くなっと
るんですよ、中皮腫で。それで、しゃべる人間が私以外いないということで、世話人会を通してずっ
と当時のことをお話させて頂いております。よろしくお願いします。

○澤田

そうしましたら役所の方から、もし差し支えなければ前職などもご説明ください。

○大坪

大坪と申します。環境省の環境保健部石綿対策室におります。私の前任が佐々木という者が

おりまして 8 月 1 日で彼が戻りましたので、私も佐々木も厚生労働省から出向しておりまして、私の
前職は厚生労働省の医薬食品局におりました。よろしくお願い致します。

○伊藤

環境省石綿健康被害対策室で室長補佐をしております伊藤と申します。私もこの 7 月から石

綿対策室に着任をしております。私も環境保健部はこのたび初めて着任しておりまして、前職は新潟
県のある財団法人に出向して 2 年間行って戻って参りました。その前は水部ですとか廃棄物の仕事を
しておりました。これまでの色々な経緯があるかと思います。色々ご教示頂ければと思っております。
どうぞよろしくお願いします。

○谷貝

環境省環境保健部企画課の谷貝と申します。私は 1 年前からおりますけれども主に水俣病等

中心に業務をしておりまして今回、石綿につきましてはあまり勉強しておりませんので今回、色々と
勉強させて頂ければと思います。前は温暖化ですとか、廃棄物をやっておりまして私もこういった保
健業務は初めてでございますので何卒ご教示頂ければと考えております。よろしくお願い致します。

○澤田

タニガイさんは、

○谷貝

ヤガイと申します。

○澤田

谷貝さんは同じ企画課に宇都宮さんという方がおられて、今その方が違うところに行ってい

てですね、また戻ってくるそうなんですけれども、そのピンチヒッターという形で来て頂いておりま

13

す。あと、川田事務所の秘書の大泉さんが傍聴ということで来られていますのでよろしく御願い致し
ます。それでは早速、質問書を事前にお送りさせて頂いておりますのでご回答を一通り頂くというこ
とでお願い致します。

○大坪

頂いている質問の 1 番目ですね。石綿肺の認定状況というところ。事務処理期間も含めまし

て、判定率が低いとか、間質性肺炎との関係、喫煙その他の潜在性についての認識はどうなっていま
すかというご質問を頂いております。
こちらに関しましては石綿肺、びまん性胸膜肥厚につきまして指定疾病になったのが後から入って
おりますので、まだそれほど時間が経過しておりませんので確かにご指摘のように今まで認定された
方、昨年 7 月から療養費、遺族からの受付を開始しておりまして 23 年 7 月末までに 38 件医学的な判
定をおこなったところです。
その中で石綿肺は 6 件認定がされていて、これ以外にも潜在的にあるのではないかというご指摘を
頂いているところなんですけど、なにぶん一般環境ばく露での石綿肺ということですので、例えば普
通にタバコを吸ってらっしゃる方の間質性肺炎ですとか原因不明の間質性肺炎ですとか非常に判断が
難しい所もありまして、そこら辺の医学的判定を基準としてどのように持てるかということは引き続
き検討はおこなっている所でございますので、それを踏まえて皆様のご意見を伺いながら今後考えさ
せて頂きたいと思っております。
事務処理期間なんですが、労災の方がどれくらいかということは正確には把握していないんですが、
おそらく労災の方では従事歴ですとかばく露歴ですとか、そういったところの確認の手間が一般環境
ばく露で判定する場合の判断と少し困難さが違うのではないかというのは推測するところですが、う
ちの方でも迅速化を目標として進めている所でして、6 月にまとめました石綿健康被害救済制度の在
り方 2 次答申の中でも判定の迅速化を進めていくべきであるとの指摘も頂いておりまして、様々な角
度から検討をしておりまして一応、石綿肺に関しましては 4.5 ヶ月の事務処理期間となっております
のでだいぶ縮まってきたのではないかと考えております。
肺がんの判定要件に石綿ばく露の情報を取り入れる必要がある。環境省と厚生労働省と合同で作
成された認定基準に関する報告書では肺がんの認定要件として、石綿肺・肺内石綿・石綿ばく露の 3 つ
が挙げられていますが、救済給付は石綿ばく露が省かれていています。救済の趣旨に外れると思われ
ますがいかがお考えでしょうか、というご意見を頂いております。
過去の報告書が厚生労働省でもこちらでも作られているわけで、平成 18 年 2 月の石綿による健康被
害に係る医学的判断に関する検討会報告書の中に記載されている所からご指摘を頂いているんだろう
と思います。一般環境ばく露と肺がんの発症のリスクというとこで各国の状況、10 年間の従事歴を持
ってベルギーが認めていますとか、色んなご示唆に富む報告書を頂いていることは承知しております。
この中での一般環境ばく露とただ肺がんということではなくて、肺がんリスクを 2 倍に高める指標と
は何かというところが議論になって参りまして、それを置き換える所見を何にするかというところで
年間 25 本/ml かける年間ですよね。妥当な数字であろうということはわかっているんですが、それを

14

何で置き換えて、何で担保するかというところが色々と議論があるのは理解しています。それは引き
続き検討は続けているんですけど、一方で厚生労働省でも石綿による認定の疾病基準に関する検討会
というのを補償部で設けているというのを聞いておりまして、過去 6 回議論をしていると。そこで認
定基準をどうするかといったご判断も含めて、うちの方でも引き続き検討を続けていきたいと思って
おります。

○谷貝

続きまして、3 番の第 2 次答申の解釈についてお答えさせて頂きます。まず、3-1 被害者救済

の前提認識という所でございまして、いくつかにわけてお答えさせて頂きます。最初が石綿健康被害
救済法のみの給付を受けている被害者は、労災補償法や公害健康被害補償、あるいは民事賠償の実態
などの状況等と比較した場合に同等、あるいはそれ以上に損害の補填がされているとの認識でしょう
か、というとこでございます。
そもそも石綿健康被害救済法は救済法でございますので、いわゆる補償法である公健法ですとか労
災保険法とは意味が違うのかなということで、それをただちに比較することは適当ではないのではな
いかと考えています。
次に 2 番目でございます。石綿健康被害はその全てに汚染者が存在していると考えられますが、汚
染者の存在しない被害があるとの認識でしょうか、とのお問い合わせでございますが当方と致しまし
て申し上げているのは、非常に古い時代のばく露によるものであるということと誰が排出したかわか
らないということがございますので、結果として汚染者の特定が極めて困難であると申し上げており
ます。存在しない、という意味がどういう意味かに拠るかと思いますが結局、特定ができないと考え
ております。
次に石綿健康被害の原因者は、石綿関連製品製造事業者や石綿取扱い作業事業者、石綿含有建物所
有者等に限定されると考えられますが、それ以外に汚染者責任が生じる可能性のある対象者がいると
の認識でしょうか、というお話でございます。こちらにつきましては実際には多くの事業者の方から
お金を集めておりまして、例えばこれ以外の事業者の方であっても建築物や自動車などを通じてきわ
めて広い分野において石綿を使用してきて、それによって利益を受けてきたわけですから別にこれだ
けの方ではないと考えておりますが、さきほど申し上げました通り汚染者あるいは原因者の特定とい
うのは非常に難しいと考えております。
続きまして、石綿使用による社会的恩恵をほぼすべての事業者、国民が受けているので、汚染者責
任はいずれの対象にも生じないとの認識でしょうか、ということでございます。もちろん健康被害に
つきましては本来であれば原因者がその損害を賠償すべきと考えています。しかし繰り返しになりま
すけれども、皆様よくご存知の通り石綿のばく露から発症までは非常に期間が長いということと非常
に多くの事業者が使ってきたということで結局、個別の石綿の排出と健康被害の因果関係を証明する
ことが非常に難しいという中で、さらに言えば中皮腫以外の石綿の疾病につきましては様々な原因が
ございますので、そういった点からも特定が困難であるという事情もあります。
そういった事情を含めまして救済法というものを作らせて頂きまして、制度にご不満があるかと思

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いますけれども、そこは汚染者負担責任というよりは被害者救済の観点ですとか、社会全体が恩恵を
被ってきた事情を勘案してできた制度でございますので他の公健法のような汚染者負担原則に基づく
法律とは趣旨が違うのかなと認識しております。
続きまして 3-2 に移らせて頂きます。こちらは公害健康被害補償法の解釈ということでございます。
まず 3-2-1 ですけれども、公健法においては個々の厳密な因果関係の証明をおこなうことは不可能で
あるということですとか、指定地域にあってばく露要件を満たす者が指定疾病にかかっていると判断
されれば因果関係ありとして認定するですとか、大気疾病にあっては個々の原因者の汚染物質の排出
行為と疾病との間の因果関係を個々に証明することもまた難しいといったのが書いてあります。
当時、そのような議論があったと。それに対する現状認識如何というお話でございますが、これも
繰り返しになりますが公健法自体は民事責任をベースとした補償法でございます。この時、確かに個々
の原因者の汚染物質の排出行為と個々の被害者の方の疾病の関係というのは、例えば A 社が出した排
ガスによって X さんが病気に罹ったという個別の因果関係の意図を結ぶということは難しいと当時は
判断されていたわけですけれども結局、裁判等によって例えば A 社、B 社、C 社と X さん、Y さん、Z
さんそれぞれを見れば一定程度、因果関係があるということが言えるのではないかということがあっ
て認めたという経緯がございます。
ただ、公健法におきましては排出者が誰かは明確になっていたと。問題になっていたのは排出した
A 社が出した排ガスによって X さんが病気に罹ったのか、そこははっきりとわからないよね、という
ことでそこはネックになっていたわけですけど、石綿の場合にはそもそも誰が排出したかということ
自体わからないということがございますので、そこはちょっと違うのかなと考えています。
少なくとも現状認識如何ということでございますが、個々の汚染物質との排出行為と疾病との個々
の健康被害の関係を証明するのは難しいことは今も変わっていないと考えています。
続きまして 3-2-2 でございます。こちらの方は石綿救済法における特別搬出金につきましては石
綿の使用量、指定疾病の発生の状況その他の事情を勘案しているが、これは汚染負荷量に着目して賦
課金を課す公健法の理念と重なるが賦課金的要素を含んでいないとの考えかというご指摘でございま
す。こちらにつきましては、まず法律の趣旨が違うということをまず認識して頂きまして、まず公健
法自体はまさに汚染者負担の責任に基づきまして汚染者・排出者がいて、排出した量に応じてお金を
集めますよということでこれはまさに汚染者負担の原則に基づくわけです。
他方、石綿救済法におきましては汚染者負担原則ではなくて、どれだけ石綿によってこれまで利益
を受けてきたかという観点から一種の社会的責任に基づいてお金を集めているということでございま
して、例えば特別拠出金につきましてはその中でも特に石綿との関係が深くて、それだけ石綿によっ
て恩恵を被ってきたという方につきましてはより大きな責任を負うべきとの判断からお金を頂いてい
るということですので、それは賦課金とは違うものであると考えております。
続きまして、3-2-3 でございます。排出実態、汚染状況に関しては以下の調査資料が実態把握に寄
与し、一部は特別搬出金の算定基準などにも採用されていると考えられますが、それぞれについてど
んな評価をしていますか、ということで①、③、④は当省がおこなっている調査ではなくて、それぞ

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れの研究者の方ですとか研究機関の方がそれぞれ個別の目的を持たれて実施されているので、それに
ついて当方から評価というのはなかなか難しいかと考えています。
②につきましては、これは当省が関係自治体の協力を得まして石綿ばく露の医学的な知見と健康影
響との関係に関する知見を集めておりまして、これは今後も着実に実施していきたいと考えておりま
す。
続きまして、3-2-4 でございます。公健法における大気汚染の問題は個別の因果関係が明らかでな
い被害者も存在しうることから、因果関係の問題を賦課金で調整し救済・補償のすき間を埋めてきま
した。公健法のような克服事例があるにも関らず、なぜ石綿健康被害は補償的制度設計をした場合に
多くが制度から漏れてしまう可能性が高くなるとの認識が示されたのかと。また、救済給付受給者の
多くが個別の因果関係の特定が困難との見方がされていますが、その論理を裏付けるものは何でしょ
うかとのご指摘でございます。
これは先ほども申し上げてしまいましたけれども、公健法におきましては個別の排出者の方と健康
被害を受けられた方との個々の因果関係の糸を引くのは難しいんですけど一定程度、集団になれば A
社か B 社か C 社かわからないけれども、あなたがたが出しているんだから同じ地域の中の X さん、Y
さん、Z さんとは関係があるんじゃないのという判断で因果関係を結びつけているという話がござい
まして、他方、石綿健康被害につきましては誰が出したのかというのがそもそもよくわかっていない
ということがございます。したがいまして公健法とは状況が違うのかなと当方としては理解をしてい
ます。
また後段で 2 次答申の中で多くが制度から漏れてしまう可能性が高くなるということは何かという
お話がございました。こちらは仮に公健法と同じような制度設計を考えた場合、公健法は第 1 種指定
地域においては 3 つの要件を設けていまして、指定疾病と指定地域とばく露要件というのがございま
して、まず病気が当然決まっていてなおかつ地域が決まっています。第 1 種指定地域というのがあっ
て、そこはかなり厳密にみていまして定量的に非常に高い確率で汚染を受けてそれによって病気が発
症しているということが言えるような、立証ができる地域に限って指定をしてなおかつばく露につい
ても例えば 10 年間そこにずっと住んでいたことという風な要件を求めておりますので、仮に石綿につ
きましても同じような制度設計をするとすればまず地域を限定しなければいけないというのがござい
ますし、さらに言えば 10 年間そこに住んでいたということも当然、求めなければいけないということ
でございます。そういう意味で今よりももしかしたら範囲が狭くなってしまうんではないかと当方と
しては考えております。
続きまして、3-3 労災保険制度でございます。こちらにつきましては当方の報告書の中で逸失利益
や慰謝料が労災保険制度の保険的制度では支給されている、との見解がありますと。これに対しまし
て労災保険制度というのは労働基準法に規定されていて、労働基準法 1 条 1 項にあるように人たるに
値する生活を営むための必要性を充たすべきものであると。また、労働基準法は憲法第 25 条第 1 項の
すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するという規定に基づくものである
と。つまりこういったものは労働者の生存権の保障制度であって、逸失利益や慰謝料ではないのでは

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ないか、

○片岡

質問文を読むのはやめてもらえませんか。

○谷貝

省略します。まず労災保険制度の解釈については当省が所管しているものではございません

ので、縦割りで恐縮ございますが、責任を持ってお答えすることはできませんのでご勘弁頂ければと
思いますけど、いわゆる 2 次答申の中で補償的色彩の強い逸失利益や慰謝料は保険料に応じた保険給
付をおこなう労災保険制度等の保険的制度で支給されているということを記載しておりまして、これ
を踏まえてご指摘を頂いていると思うんですけれども。ここで申し上げていることは、いわゆる民事
訴訟、民事責任で一般的に知られているような逸失利益とか慰謝料というのと同じような性質を有す
る給付項目が労災保険制度でも設けられていますよね、ということを申し上げているのであって、労
災保険制度が決して補償的なものであるということを述べているわけではないということでございま
す。
その前段のページでは労災保険制度と民事責任を踏まえた補償制度、公健法については分けて記述
をしておりますので我々としては労災保険制度が補償であるという認識であるわけではございません
ということをご留意頂ければと考えております。

○伊藤

4 の疫学調査について続けさせて頂きます。尼崎市において新たな疫学調査が予定されてい

ると。これまでに疫学的な観点から発症リスクを評価する調査は実施されてきたはずであるけれども、
なぜ改めてリスク評価をするのか、またなぜ尼崎か、さらにこれまで様々な疫学調査に協力してきた
皆様が新しい調査の設計に関与していないのはなぜかと、調査の質が担保されていなければ調査をす
る意味がないと考えます、というお問い合わせでありますけれども。
これまでにもご指摘の通り、中皮腫死亡調査などの疫学的な調査はおこなわれていたところであり
ます。今回、実施を予定しております調査でありますけれども、中皮腫の症例を持った人と持ってい
ない人を比較するという調査を予定しておりまして、症例対照調査というものをおこなう予定でおり
ます。この調査を実施する理由でありますけれども、尼崎市においては石綿のばく露経路が特定でき
なかった方が相対的に多かったという特徴が過去の調査で指摘をされておりまして、より角度の高い
疫学的調査をおこなうためにはこの症例対照調査をおこなう必要があるということが専門家から指摘
をされたために実施するものであります。
それから調査の質が担保できないと意味がないのではないかというご指摘でありますが、調査の質
につきましては専門家から助言を得て進めながら質の担保に努めてまいりたいと考えております。ま
た調査の実施にあたりましては地元の皆様にご協力頂くものになってまいりますので調査内容、実施
方法等について皆様のご意見をお聞かせ頂ければと考えております。
それから①~④ということでこれまでの調査をあげて頂いておりまして、それに対してどのような評
価をしているか、また新たに実施する疫学調査はこれらの調査のどのような不足を補うために実施す

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るのかということでお問い合わせ頂いた件でありますが、それぞれの調査はそれぞれの関係者の方々、
また機関、それぞれの目的のもとに実施をしているものでございますので環境省としてこれらの研究
等について評価をおこなっているものではございません。
お示し頂いている①~④の中にはこれらを不足するためにということで調査を実施するものではご
ざいませんけれども、一部の調査においては過去に中皮腫死亡調査等おこなわれているものも含んで
いますので、その調査結果を活用できる場合もあるのではないかと思っております。活用が可能な場
合には調査の重複を避けるためにもその活用に努めてまいりたいと考えております。4 の疫学調査に
ついては以上であります。

○澤田

それでは一通りご回答頂きましたので、それぞれ優先順位が 1~4 まであると思うんですけど、

ひとまず 1 の石綿肺のところの中でご質問を頂ければと思います。怒らずに、怒らずにまずどのよう
な認識を持たれているのかという認識の一致を探して頂ければと思うんですが。よろしくお願い致し
ます。あと、永倉さん簡単に自己紹介をお願いします。

○永倉

中皮腫・じん肺・アスベストセンターの事務局長の永倉です。よろしくお願いします。

○片岡

申請実務を担当しているのでその観点で要望があります。数字をみると不認定の件数がかな

り多い。申請件数に比べて不認定件数が多いですよね。実際に具体的なことで言いますと、僕が申請
を手伝った案件で、石綿肺というと石綿ばく露になりますよね。30 年ぐらいスレートを切断する作業
をした職人さんの死亡診断名は特発性間質性肺炎と言う人がいて申請をしたら不認定で返ってきたん
ですが、結論は結論であると思うんですが、そうすると異議申し立てが必要になってくるんですがそ
の時に不認定にする理由がほとんど示されてないんですわ。つまり石綿にばく露した石綿肺だとは認

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められないから、としか書いていないんです。わかりますよね。なぜそうなったのかの理由が全く書
かれてないので。そこをぜひ改善して頂きたいんですよね。先ほど室長補佐がおっしゃったように医
学的な問題があるんだと、おっしゃったと思います。一方では、申請する側ではどうしてもこういう
事案は過去の事案なので画像がないとか色々あるんですよね。ただ今のケースは画像はないけれども
カルテはあるとか、CT の所見書はあったとか、組織標本はあったとかいうのがあって、なおかつ不認
定で返ってきたので。受け止め側としてはそういう資料をみて石綿肺でないと判断した、だから駄目
なんだということしか返ってこないので異議申し立てする時にばく露ははっきりあるので、医学的に
みてどの点が石綿肺でないと判断する根拠になったのかを、素人に書いても仕方ないと思われるかも
しれないけれども、それはきちんと医学的判断をお書きになってだから石綿肺だとは認めがたいんだ
ということまで書ききって頂きたいんですよね。
そうしないとおじいちゃんとか、ど素人の家族がやってることもあって何を反論していいかわから
ないので異議申し立てするとなるともう 1 回、別の先生に判断を仰いでくださいという話にはならな
くて、こういうことを理由にして石綿肺でないと言われたけれども、第三者の先生に相談するときに
こういう風なロジックで判断されたので良いのでしょうかという相談すらかけれない状態なので、不
認定の判断が下されるというのは行政手続法の不利益処分の時にきちんと理由を説明しなさいよと。
私は趣旨として成っていると思うんですけど、それに非常に劣っているのではないかと思うので、あ
れは何とか改善して頂かないと非常に困難ですね。もう 1 つ付け加えると、そうなると開示請求する
必要があるんですね。その時に出てくるのは非常に簡単な判定に係わる議事録的なものが出てくるだ
けなんです。第三者の医者にみせる資料にもならないような、僕らが読んでもわからないような、結
論しか書いていないような不支給理由の説明にしかなっていなくて、そこはぜひ改善して頂きたいな
と。

○大坪

これ別にこの制度に限ったことではなくて、前省の厚労省でもそうでしたし、色んな救済制

度の中で色々ご指摘頂いているところでもあると思うんですね。確かにおっしゃるところはよく理解
できるもので、申請書を書いてる先生方からしてもよくわからないっていうお問い合わせがあったり
もしますので、そこは可能な範囲で理由なりを記載していく必要はあるんだろうなと思いますので、
改善していく案件だと思っております。
誤解があったりとか、言葉ってお話するわけではないので紙でお返しするものって非常に難しかっ
たりっていうのはご理解されているところだと思うんです。理由が全然ないっていうのはやっぱり今
の事例でも未申請死亡者の方だと思うんですけど結局、画像上否定されたのか呼吸機能がなかったの
か、なんだか全然わからないですから確かにご理解頂くのは難しいだろうと思います。そこは検討さ
せて頂きたいと思います。

○片岡

剖検記録があって、

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○大坪

でも剖検だと呼吸機能のところはどうなのと。

○片岡

そんなものはないわけですけど、ええ。

○大坪

おそらくそういう中のかなと思うんですけど。

○片岡

医学鑑定に近い形の意見をきちんと書いて駄目だっていう風にやって頂きたいんですよね。

○大坪

この制度ではこれが要件になっているので、呼吸機能がもしなかったらそこはただの間質性

肺炎と何が違うんだとなってしまうので。了解致しました。

○片岡

プラークがあるかないかもそうなんです。肺がんの時に線維化とプラークが 2 つないと駄目

だということですよね。この前もあったんですが、不認定にはしないけど追加資料の提出を求めるわ
けなので線維化およびプラークがあるという要件に合致しないのでって書いてあるんですよ。いった
いどっちがないんですかっていうことを 1 回電話で聞かないといけないんです。それで聞いたら機構
の人が、いや線維化もプラークもないので両方ともですってそこで初めてわかるんです。

○大坪

そこはおそらく改善しているはずです。いずれにしろ誤解があるような文書でお返しするの

はなるべく。

○片岡

あとはプラークがあるって書いて出しているのが、プラークがないって言われて返ってくる。

そうするとこれは共通問題としてあるんですけど、厳密に言えばプラークの診断基準がないわけです
よね。これはわかっておられると思いますが。プラークは診断基準がないんですよ。判定会議の専門
家の先生達もそうだと思いますけども。つまり判定基準がないので、これがプラークだと言ったらプ
ラークがあるという話なので、少なくともプラークがあるとして主張して出してきてる案件は、この
箇所にプラークがあるという風に出しているわけなので。ないっていうのだったら、素人がみてもあ
るのがないって書いてるケースがあるんですよ。じゃあ、なぜこのみえてる隆起がプラークじゃない
と判断したのかという根拠を書いて頂きたいんですよね。否定する方は。じゃあこれがプラークと言
うんだったら、これプラークだと言われる根拠を書けと言われるかもしらんけど、それは制度の趣旨
からして、素人がみてもわかる隆起が胸膜上にあるのにこれは違うっていうんだったら、なぜ違うか
という根拠をきちんと画像診断学的に書くべきだと思うんです。それを書いてこない。

○大坪

お答えになっているかわからないんですけど、プラークを発見するの非常に難しいんですね。

専門家の画像の先生の中でもかなり読める方、一般的にじゃあ誰でも読めるかって言ったら、

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○片岡

わかります。もうそういうことはわかって僕は言っとんですが、

○大坪

それですので、一般のレベルを上げるっていうことも私たちテーマとして考えています。

○片岡

ですからね。であるならば余計に申請時にこれがプラークだと指摘した内容がプラークでな

いということについては教育をする側としては、そうではないんだということを診断学的に詳述する
必要があると思います。

○大坪

制度と教育とまた別なので、

○片岡

違うと思うけど、そういう立場であるということであれば、否定する側は診断学的に、記述

的に書くべきだと思います。

○大坪

ご本人に返すものですので、そこまで教育っていうことではなくて。問い合わせがあった場

合にはお返し致します。

○片岡

いや、でもそれはやっぱりね、本人に返す時でもね、本人はどうするかというと不認定で返

ってきたやつは主治医の先生に持っていくわけですよ。そうすると主治医の先生はプラークだと言っ
ているのに向こうは結論的にプラークじゃないということだけ返ってくると噛み合わないじゃないで
すか。そうすると駄目だと言う方はなぜこれをプラークと読むことができないんだということをきち
んと書く必要があると思います。駄目だと言う方が説明する義務があると思います。

○大坪

制度と教育とちょっと切り分けてますので、そこはちょっと。教育の中では、

○片岡

例えば僕ら素人がみてそこに無かったらいいですよ。明らかにみえてるのに、

○大坪

みえてるものが全部プラークって言うと、

○片岡

そうなんです。だからみえてるのにそれが違うって言うんだから、違うって言う根拠を書く

べきですよ診断学的に。

○大坪

まぁ、それは違う機会で、

○片岡

裁判になれば初めて、その先生なり他の先生が出て来てこれはここにあるけれどもこれはこ

う読むんですよっていうのが初めて明らかになるんですけれど、それは原処分の段階からきちんと説

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明するべきですよ。法の趣旨からして。

○大坪

法の趣旨からするとそこはちょっとどうなのかなというのは、またちょっと意味が違うと思

うんですけどね。

○片岡

行政手続法ですよ。不利益処分の時には丁寧に説明しろというのが通達にも出てるし、おっ

しゃったように他の行政処分に係わる制度に一般的に言えることですよね。だから労災の制度なんか
では不支給理由の説明はかなり詳細にやりますし、公務災害認定の時の不支給理由の説明書きなんて
ものすごく詳しいしいですし、やろうと思えばできるのにやっていないというのは、機構が窓口の対
応はすごく丁寧なんですよ。やさしいですよ。労基署とかあんなのと比べて。だけど肝心要の最後の
所が画龍点睛を欠いとるんですよ。
ずいぶん改善されたと思いますよ。地方事務所は別ですよ。中央の川崎は非常に改善されたと思い
ますけど、最後の結論を出すところはあれですよ。不満に対しては丁寧に対応してくれるけれども、
本当はそういう不満が出ないようにしなきゃいけないという根本的な所が欠けてますよね。
つまり詳細に説明されて主治医の先生に持って行って、あぁこういう風に言うんか。こう言って言
われたら仕方がないなと言われたら異議申し立てをする必要はないわけですよ。無用の不服審査も減
るんですよ。

○大坪

全部の方に議事録をお見せして、

○片岡

議事録じゃないですよ。最後の判定会議の在りようがまずいんじゃないかと思いますよ。こ

れどうですかね、あぁこれはこうでしょうという議事録だけ残して結論だけポンっと判子押しとるの
が今のやり方ですよね。労災認定の時の復命書はちゃんと書きますよ。例えばプラークがあるかない
か医者の意見書を取って、担当官の復命書をつけて処理すると全部残るわけですよね。そういう体裁
が全くない。環境省の認定制度は。労災の認定の監督署がやってる中身と比べるとトレース(trace)
が全くできないんですよ。トレーサビリティ(traceability)が全くないからやりっぱなしになって
るんですよ。

○古川

確かにいま片岡さんが言っているように私も 1 件させてもらった時に、なぜ認定になったの

かということを知りたかったので。そしたら議事録ですね。例えば A 先生はこう言った、B 先生はこ
う言ったという本当に簡単な議事録のみ。繊維化があるのかないのか。まぁあったから認定になって
るんやけども肺がんで認定になってるんやけども。その明快な言葉がないんですよね。私たち素人だ
から。認定になったから良いものの、これ不認定だったら。認定でもスッキリしないんですよ。

○片岡

認定になる方がええんですよ。不利益処分する時のが一番問題なんです。それは行政手続法

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の精神ですからね。それに基づいて不服審査いうのができるわけですからね。非常に不備だと思いま
すよ。労災保険の労災認定の現場と比べたらよくわかりますわ。

○澤田

川田先生が来られたので。

○川田

途中で申し訳ありません。今日はお集まり頂きましてありがとうございます。今日は環境省

とぜひ当事者の人たちが話をしたいという事でしたのでこういった席を設けさせて頂きました。明日、
予算委員会で質問に立つことになっていまして、その勉強会などが延びてしまって遅くなってしまっ
て申し訳ありません。私も環境委員会でずっとアスベスト問題やってきたんですが、本当にまだまだ
皆様のお話をしっかり国の施策として生かしていくためには当事者の方の意見を担当の方にぜひ聞い
て頂きたいと思っていますのでよろしくお願い致します。

○澤田

確認をしたいんですけども、先ほど片岡さんから厚労省の復命書などはしっかり理由が書か

れているというご指摘であったと思うんですけども、大坪さんは厚労省にいたのでそういうのを見た
ことがあるのか把握していませんけども、もし見たことがあるようでしたらその点の認識をどうお持
ちかどうか。

○大坪

直接それを拝見したことはないんですけど、厚労省の労災の担当とはよく意見交換ですとか

色んなこと教えてもらってます。制度がどう違うのかとか、趣旨がどう違うのかとか。そういった中
で別に労災と比べるだけではなく、今ご指摘があったような不利益処分があった時の教授の仕方って
いうのが色んな所でも議論になっておりますので可能な限り対応はしていきたいと思います。先ほど
の理由については、棄却理由についてはやはり検討するべき所ではないかと思います。

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その上で教育に絡むところまで、これもプラークではないっていうところをどこまで書くかってい
うことの委員の先生とご相談していかないと、なかなかそこ学会ではございませんので、診断基準と
いうのは明確には学会が出すものでありますので、私どもの方で勝手に判定の基準から出すという立
場にないので。

○片岡

わかりますが、プラークのあると判定するのと、ないと判定するとでマルとバツが決まるの

で。

○大坪

おっしゃっている意味はよくわかります。

○片岡

だからそう言った重みを持った判定だということも含めてプラークだと。いわば救済のため

の施策で、ぜったいに言い切れるのか、これ違うと。そこまで言うんだったら、それはね。

○大坪

今後、医療機関へのフィードバックの在り方っていう、お医者さんに対して、

○片岡

何人かがみてね、普通はこれプラークとは言わないなみたいな感じでやられたら堪らんと。

○大坪

議事録ものすごい案件なので言葉がそんなに丁寧に言ってないところもあるんです。

○片岡

わかります。だから僕は言うとるわけです。その時の言葉ではなくて、やはり文書にしてで

すね、診断学的な判断根拠をきちっと書いて、これはこういう理由でプラークとは読めないんだとい
うところまで書ききればわかるわけですよ。それをまた見て判断すれば良いわけですよ。診断基準う
んぬんかんぬんの問題ではなくて、現在の水準でどういう判断をしているのかなっていうことがわか
れば良いわけですから。

○斎藤

一般環境というのは、ちょっと前もそういう話があるんで泉さん(元石綿対策室長・泉陽子

さん)なんかもおっしゃってたんだけど。ただ、救済給付はかなりの部分が一般環境よりも労災が効
かない、労働者性がないとか、労災特別加入していない自営業者がかなり含まれると思うんですね。
石綿肺になるとかなり大量の石綿のばく露作業が多いのでそういう意味ではかなり自営業者が多いの
で、そういう中で専門家の人たちの中にはですね、やっぱりこの石綿肺はあまり認めなかったりとか
ですね、それから石綿の関連肺がんも胸膜プラークが典型例じゃなければ認めないという感じの先生
たちも結構いるので、やはり自営業者や建設の関係の石綿肺を診ている先生方っていうか、そんなに
たくさんいるわけではないんですが。ちょっと後で資料をお渡ししたいと思うんですが、かなりの部
分が臨床的には間質性肺炎で、特質性の間質性肺炎は臨床上、下手すれば病理上のなかなか区別が困
難だと。そうなると後は石綿ばく露情報だということになってくると思うんですね。

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その辺りは一般環境というよりもかなり建設業などの自営業の職業ばく露のところにかなり重点を
当てて頂いて、認定して頂くということが必要なんじゃないかなと思います。

○大坪

ご指摘の通り石綿ばく露に関しましては画像で判断するのは極めて難しいので、従事歴を機

構の方で聞き取り調査をさせて頂いていると思うんです。そこから確実でない場合であったとしても
例えば石綿小体の数とかで担保して良いですよっていう風にしていて。報告書で先生方のご意見なん
か伺うと肺がんと同じような石綿小体の本数で良いのかと。本当はもっと石綿肺の場合はたくさんな
いと駄目なんじゃないか、といったご意見もありながらも肺がんのリスクと同じくらい本数は少なく
してなるべく救済できるような形は取っているんですね。おっしゃるように自営業者ですとか、1 人
親方であったら住所歴を担保するというのはなかなか難しかったりするので、そこはヒアリングの中
で聞き取った範囲でオッケーにしてますし、それができなくてもこういうことで病理の生検の所から
一部、アスベストの小体とかカウントできれば良いですっていう風になるべく幅を広げているつもり
ではあるんですけれども。

○斎藤

あと被災者側からすると救済給付の石綿肺の制度と厚生労働省の方のじん肺の労災の方の制

度がやっぱりこれはもうここにも書いたように、厚労省の方の制度というのは 2 段階になっているの
はご存知だと思うんですよね。じん肺の管理区分をまず健康管理の一環としてじん肺の管理区分を決
定した後、労災の認定になっていますので、そうすると厚労省の制度は始めの申請の所では 1 回分の
X 線とばく露歴ですね。そんなやたら詳しいものではないと思うんです。一定の会社の証明なり、同
僚の 2 人以上の証明ぐらいでそんなにやたらと詳細じゃないんです。それでもってじん肺の管理区分
が決まってしまえば後は 2 段階目の労災の制度においては労働者性がある程度認められれば基本的に
は労働局の決定を受けて認定をしています。
そういう事からすると救済給付の方は非常に時間が掛かった上に、そして 10 年間というレントゲン
があるし、それからばく露歴について否定したのかどうか今のところ実例が少ないのでわからないの
ですが、患者の側からするとじん肺の方はいわば始めの決定の段階で大体その後が規定されますので
ひと月で大体決定がされて大方、主治医の方でわかってる先生が出せばオーケーなんだけど石綿肺は
どうも特発性間質性肺炎という風にされているんじゃないかと。今後、公害健康被害審査会の中でそ
の辺りどうなってくるかっていうのはあるんですけれども、これはぜひ厚労省の方にじん肺の制度に
ついてそちらの方でももう少しどんな形で救済しているのかという辺りをやはり参考にして頂いた方
がよろしいんじゃないかと思います。

○大坪

そうですね。たくさんたくさん、あっちこっちから報告書が出てるんですけれど、お持ちだ

と思います平成 22 年度の中環審(中央環境審議会)の 1 次答申の所にも、じん肺法と救済制度の違い
ですとかそういうことは検討されたようでございまして、今おっしゃいましたばく露の確認が労災で
すと比較的簡単と言いますか従事歴の確認というのは事業所の証明がポンっと出てきますので、そこ

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で乗るか乗らないかというのはわりと簡単に判断が付くと。一方で私どもの制度はヒアリングで 1 人
親方の背景を確認するのに手間取っているところは事実でございます。そこをどのように改善させる
かというと公平性の立場から言いますと、そこのヒアリングはやはり欠かせなくて、会社からちゃん
と証明書が出てくればそれはそれで簡単ですけど、そしたら労災の方に行っちゃいますので、という
ところで労災で担保できない方がこっちに流れてきますからばく露の従事歴を確認するのに手間取っ
ているのは事実ですし、そこが困難であるということも事実なのでそこは制度の趣旨が違うってとこ
ろでこれまでもご説明してきたんだと思うんです。1 ヶ月で探すというのが、従事歴の確認というの
が向こうはそれほど掛からないので。

○斎藤

自営業辺りになってくるとそこはあんまり変わらなくてですね。要は労働者の方だって会社

は否定したがるわけなんで会社の証明が結構無かったりするんです。同僚 2 人の証明でオーケーだっ
たりするんです。ただ自営業だとある意味で同僚というか同業者がいて、一緒にやっているという 2
名ぐらいの証明でもっと簡便にやることが、だからそこの所はちょっとあまりにも極端なんですわ。
しかもレントゲン 10 年分なんていうのは厚労省の制度では考え難くて、レントゲンの部分というのは
医学的な部分ですから。

○大坪

10 年分というのはたぶん特定の方で何人かそういう方がいらっしゃってそうなんだと思い

ます。別に全て求めているものではございません。それも中環審の 1 次答申にあるんですけれど。画
像については一時点のみで判断が困難だった場合、その前後半年ですとか 1 年後のレントゲンを用い
て再度、確認することが望ましいとされているだけで、決して○○という規定があるわけではござい
ません。ただ本当にワンポイント、ポンって 1 番悪く肺炎ですねっていうことしかわからない画像を
出されている場合に、これがたまたま肺炎がかぶっているのか何かわからないっていう事例で過去 1
年とか最近ちょっと良いものないですかねっていう議論は良く出るんです。○○っていうのはたまた
まそういう方が 1 例いらしたかどうか、議事録見ると思いますけれど。必ずしも求めているものでは
ありませんので、そこは誤解があったのかなと思います。
ただあちらは従事歴、まず石綿吸ったことは間違いないと。それでじん肺法のこの影がかかって、
因果関係とのリンクが付きやすいです。うちの方では因果関係のリンクが難しいのでどうしてもギリ
ギリ病像をみるってことになってしまっているっていうのは確かだと思うので、その点でご負担かけ
ないようには判断していきたいと思います。またそういうご意見を頂ければと思います。ありがとう
ございます。

○斎藤

あと意見申し立てのあれがすごく遅いんです。公害健康被害不服審査会のせいなのか、それ

とも、本当だったら弁明書が早くに出てこないとおかしいんですが、弁明書がすごく時間かかって出
てこないんです。確かに始まったばっかりっていうのはあるんですが、ただこれはどういう事かと言
いますと自営業者、建設業者で例えば数年しか労働者の時代がなくって、あと 30 年間が自営業者の方

27

はちょっと労災は無理だと思うんですよ。その場合には救済の方に行って、で、身体の状態は本当に
肺機能が著しく困難でえらい状態になってるわけですね。だから半年待って駄目だったと。今度、公
害審査会に上げているんだけれどもこれもすごく時間が掛かっているので、これはぜひ弁明書早く出
して頂いて。

○片岡

弁明書が遅くなるのは異議申し立てがあって初めて書くからなんです。

○大坪

そういうわけではなくて本当にマンパワーの問題があって本省と機構と医学的判定に関して

はうちで引き取ってますし、

○片岡

いや、そうじゃなくて。監督署なんかだったら、原処分の段階で書ききっているから弁明書

なんかそれを写せば良いわけで、環境省は初めの原処分の段階できちんとした文書作ってないから異
議申し立てがあって初めて始めから文書作るから遅くなるんですよ。それはもう機構的にはっきりし
てるんですよ。さっきの話と完全にリンクしてるでしょ。だから不利益処分の時にきちんと不利益処
分の理由を役所に記録として残してなくて、結論だけ出して駄目ですよっていうことやってるから異
議申し立ての弁明書の作成に手間取ってるんですよ。構造的な問題ですわ。だって機構の方にも環境
省の方にも不支給処分の復命書もなければ、要するに簡単な議事録と結果の紙が残ってるだけと思い
ますよ。それじゃあ弁明書は書けないですよ。普通は監督署はそれを見ながら書きますからね。すぐ
弁明書なんか上がってくるわけですよ。

○大坪

資料ですと議事録から医学的な判断するのはそんなに難しいことではないんですけれど、実

際に雛形がなきゃ書けないっていう話じゃ全然ないので。

○片岡

だって異議申し立てで、石綿肺か石綿肺じゃないかいうことは医学的な議論になるから、じ

ゃあ医学的な根拠を弁明書で示しとかないと負けてしまうわけじゃないですか原処分庁が。だから、
そっから初めて書き始めるから、もう 1 回先生方にみてもらって不支給にしたやつをですよ、もう 1
回判定会議の先生にみて頂いてもう 1 回詳細な医学所見を頂いて弁明書を作成するという手間まで必
要かもしれないじゃないですか。そういうことを言ってるんです。

○大坪

いずれにしろ、なるべく早くお返しできるように努力したいと思います。

○澤田

石綿肺については他の方はよろしいですか。思いつきなんですが、この問題まだまだいくつ

かの問題がありますので今後もですね、先ほど斎藤さんが言われたのはたぶん海老原先生ご存知かど
うかわからないですけども。海老原先生という病理の私たちが信頼できる先生が論文など書かれてい
ますので、そういった方のお話ですとか、あとこちらもこうしたらどうだというのをもう少し私も勉

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強不足で十分に把握していない面がありますのでやはり代替案を出せるような、もう少し濃い話し合
いを今後また定期的に場を作って頂いて発展的な議論ができればと思います。

○片岡

判定会議に入っていなくてわりと申請してくるのが多い先生っているでしょ。海老原先生と

かね、何人かいると思うんですよ在野の。その在野の先生との懇談会を環境省の方で作ったらどうで
すか。

○斎藤

1 番みてる人ですね。こういう人(海老原医師)なんかは。建設業の方なんか。だから自営

業者、例えば石綿肺について。そういう人があまりいないので、非常に忙しい人だからたぶん会って
くれって言っても、会わないとか言われるかもしれないけど。

○澤田

例えば川田先生と今日みたいな主催で濃い目の勉強会とまでいくかどうかわからないですけ

ど、そういった意見交換の場を作って頂いて海老原先生なり、他に森永先生などおられますけれども。
まぁ一緒の場というのはちょっと難しいかもしれないですけど、私たちの勉強も兼ねてそういった場
をぜひ作って頂ければと思います。

○片岡

僕らも困るんですよ。僕らに関係する先生たちにプラークあるって言われて、そっちに出し

たらないって言われて、どっちに対しても怒りたくなるわけですよ。それだったらみんな集まってど
こがどう違うのかってはっきり、

○大坪

判定基準に考え方は中環審の中で議論してますので、そこにお呼びするっていうのはありか

もしれませんけれど、また中環審と別の議論を持つっていうのはあり得ないと思います。

○片岡

そういうのでも良いわけですよ。

○古川

どっかで交わっていかないとね。平行線ばっかりだもん。

○片岡

役所が場を作ってもらうのが 1 番良いと思いますよ。

○大坪

一般の先生でもなかなかじん肺の診断というのは難しくて、プラークみたことない先生も、

聞いたことない先生もいっぱいいるので。教育をどんどん進めていかなければいけないっていう課題
を持っています。

○片岡

だからそういう場を持ってくれたら 1 番ええと思いますよ。

29

○澤田

それについてはまた議論しながら検討できればと思います。じゃあ肺がんの方に移ってもよ

ろしいでしょうか。そしたら肺がんについてご意見ある方はお願い致します。

○片岡

これ大きくこの 1 点に集約されると思いますが、肺がん基準は繊維化プラス、プラークでし

ょ。ここにばく露要件をいかに入れるかっていうことがそれ 1 点ですわ。環境省の判定基準の問題っ
ていうのは。環境省はばく露要件は要件は除外して考えるという基本スタンスがあるから、ここをど
ういう風にして今までの認定実績を基に修正するのか、この 1 点です。

○大坪

それは先ほどの繰り返しになりますけど、石綿による健康被害に係る医学的判断に関する報

告書 18 年ご承知の。そこでどうしてそれを外したかっていうか、何を採用したかっていうことは縷々
書いてあるんですね。

○片岡

つまりその後の議論としては石綿肺を入れた時の検討会の最終段階の議事録を読めばわかる

んですが、肺がんのことはあの時はやらんという事だったんです。この前、石綿肺とびまん性胸膜肥
厚を入れた時は肺がんやらんとこっていう事になったんです。僕らの方は肺がん入れてくれ、入れて
くれって始めから言うとったわけですわ。つまり石綿肺を認定要件に入れてくるということは、おっ
しゃるようにばく露歴を調査するということですよね。職業ばく露歴があるかどうかをチェックする
ことになる。例外的に尼崎の事がありますけれどもそれは置いておいて、石綿肺入れる時は職業ばく
露歴のチェックが入ると。実務上やることになる。つまり今まで肺がんの人については職業ばく露歴
を抜きにして認定作業をやっていた。だけど環境省の方では石綿肺を入れることによってばく露歴調
査をグッと入れてくることになるんだから、肺がんの中に既に職業ばく露歴が明白な方の肺がんも入
ってきた。だけどこの人たちは労災認定基準では裁かずに環境省の判定基準で裁いてるからばく露歴

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を抜きにして職業ばく露歴の明白な肺がんを判定してたと。
その事によってどういう矛盾が起こっているかというと、この職業ばく露歴のある肺がんの方です
ね。この人をもし労災認定の認定基準でやるとすぐ認定される人がこっちでは認定できないのがたく
さんあるぞと。つまり 10 年ばく露があってプラークがあったら即、認定ですからね、労災認定基準。
で、その時の僕らの提起は石綿肺でばく露歴調査を入れるんだから肺がんにおいても同じようなばく
露歴調査を入れてくれと。ばく露歴の明白な人は労災認定基準準拠でやってくれと。非常にわかりや
すい話をしたんですが、どうもそれが。

○大坪

結局あれなんですよね。2 倍以上に高めるものがどうかっていう観点、

○片岡

ちょと待って、ちょっと待ってください。だから労災認定基準の 10 年とプラークのその 2

倍でやったんです。

○大坪

ただ一般環境ばく露の方を対象に、

○片岡

いや、つまり。じゃないから、職業ばく露歴を判定するというのをビルトイン(built-in)

されるわけですから。肺がんもビルトインすれば良いわけですよね。そうすると労災認定基準を横滑
りさせればそれで済むわけです。それをやってくれと言ったわけです。それで、この前の検討会の最
後の段階でもう 1 回その事を提起したわけです。僕らの代表の委員の方から。

○大坪

この前っていうのは厚労の方のですか。

○片岡

小委員会(2010 年 3 月 5 日、第 5 回環境省石綿健康被害救済小委員会)の。その時に古谷事

務局長(石綿対策全国連絡会議)っていう委員が、肺がんちょっとやりませんかとおっしゃったんで
す。ほんなら三浦委員が確かに我々判定をやってて労災だったら認定できるのになぁという、認定で
きなかったのがたくさんあるからそれはちょっと考えませんかという三浦委員が提言をされたんです
よ。だけど委員会としてはそれは今日はやらないのでそれは後に置いておきましょうとなって。ここ
なんですよ。

○大坪

ただそこは議題としては承知してますので、今も引き続き検討しないと、

○片岡

それで、続きです。それでさっきおっしゃったのは今、厚労でやってるからそれを待ちたい

とおっしゃった。だけど厚労の方は肺がんはやらないってことになってる。びまん性胸膜肥厚で終わ
りになってるわけです。とすると、厚労のを待っててもこっちは変わらないからそれはちょっと違う
よっていうことを言いたかった。

31

○大坪

了解です。あれはびまん性だけなんですね。

○片岡

だからちょっとね、検討は加速化してもらいたいんですよ。

○大坪

わかりました。

○片岡

厚労待ってたら堪らないんです。

○大坪

わかりました。ありがとうございます。確かに報告書がびまん性ばっかりだと思ったんです

けど。ありがとうございます。

○澤田

私が持ってきた資料のパワーポイントの 5 ページに認定基準の違いを書いています。あと肺

がんの認定については厚労省でもどうやら期日は正確には知らないんですけど、秋口くらいから肺が
んの基準の審査をはじめると。

○大坪

高濃度ばく露とか重さで変えるような話を聞いてたもんですから。

○片岡

もうちょっと向いた話を言うと、少しそういう所とは角度が違って肺がんの行政不服訴訟に

5 件くらいなってる。なぜかというと、ばく露歴が明白だと。で、画像上プラークがない。そうする
と石綿繊維とか小体とか、その時に石綿小体の数で例えば石綿小体 5000 本で切ってるけど、2 千何百
本が不支給になってる。だけども 2 千何百本の人が不支給なんだけど同じ仕事しとってたまたま 5000
本越えた人は認定してるけども、同じ職場で同じ職歴がある人に 2 千何百本を不支給にするのはおか
しいじゃないかということで、そういう種類の裁判が 5 件くらいあるんですよ。そういう裁判にらみ
の検討をしてるわけですよね。だからさっき言ったのは違うんです。
全然、次元の違う話をしてるのでそこはちょっと厚労の人によく聞いてもらいたいんですけど中身
の話を。向いた話はそうですよ。その肺がん訴訟が今、佳境になってて承認調べが終わった段階にな
ってるから判決が今年度中に出る可能性がある。だからさっき秋口からやるって言うとったでしょ。
だからそれはおそらく判決絡みを見ながらやるって話にたぶんなるんですよ。だけどさっきの話は大
きく違う話で、過去それでたくさん不認定になってきたやつをなんとか拾っていこういう話ですから
ね。
肺がんの話は飯田さん、環境の話はちょっと言うとかなあかんで。クボタのこと。

○飯田

簡単に。最初に肺がんを石綿救済法で入れた時に環境の人は職場で 10 年働いてたとか、こう

いう事は明らかにできないわけですから、だからひょっとしたら善意で考えればせめて本数で救えな

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いかと。画像が出なかったとしても本数で救えないかと。たぶん考えられた可能性はありますよね。
だから環境で肺がん認定されてる人っていうのは非常に数が少ないですよね。だから 1 つ 1 つ個別に
みていったら原因が全部わかるはずですよ。
例えばこの人は非常にアスベストを飛散させた工場の間近に住んでたとか、長い期間。なんか理由
があるから肺がんになってるんですよ。10 年基準なくらいだからね。そうすると今度は逆にそういう
人たちを調べていくとこの地域は有意に 5000 本越える人が相当いるんじゃないかと出てきますよね。
あるいは繊維で 200 万本、500 万本超える人がいるんじゃないかっていうことだけれども。そうする
とその地域の人、例えばクボタの周辺のことで言うと、隣同士に住んでいて A さんは 5000 本出たんで
労災認定されて、男性で。B さんは女性でタバコ吸ったことがない人が 50 くらいで亡くなったとしま
すよね。この方は本数を調べることができなかった。つまり解剖もしてないし手術もしてないので調
べようがない。だからこの人が出したけれども不認定になった。こういう場合に常識的に考えれると、
被災者救済の観点から考えればこの地域は 5000 本出てくる地域だったんではないかと。
つまり機械は置いてないけれども工場に匹敵するばく露状況にある地域だったんじゃないかという
風に判断することが可能なんですね。また、そう判断しなかったら救われない人が大量に出る可能性
があります。現に出てるからね。だからその辺の割り切りでさっきの出てきた職場での経験ですね。
これを重視するという事と同じように環境について救おうと思えば、この地域にどれだけの期間おら
れたかというような事で判断して救っていくというのが 1 番合理的だし、不公平が起こりにくいと思
うんですけど。後の事に関わるけれども、そういう事のために発生源の周辺でどんな風に被害が出て
きたかという事を調べなかったら、ほとんど意味がないんですよね。なんの為にするのかという事で
す。

○大坪

今後どんどん件数が増えてきて、そういう統計学的な検討っていうのができればそれはそう

いう意味もあるのかもしれないと思うんですけど、いま現在は出来たばかりの制度でどんどん判定を
しているところで、肺がんはいま累積で 1000 ちょっと医療費などもある程度認定者が出てるところだ
と思うんですけど。そこからどのくらい地域でここは 5000 本あってもおかしくない地域ですっていう
事が医学的に言えるかっていうのはまたちょっと別の話で難しいところだと思うんです。

○飯田

いや簡単に言えますよ。それはね、肺がんの人は数が少ないけれども中皮腫の人たくさんい

ますよね。そういう人たちの組織のある人は調べようと思ったら幾らでも調べられるんですよ。つま
りこの地域の汚染状況はどの程度だったのかという事を調べようと思ったら方法はいくらでもあるん
ですよ。そうするかしないかだけの事だから。

○大坪

今のはリスク調査っていう意味では別の観点で発生地域と思われる所の周辺で調べるってい

う手法を取ってやっているところなんですけど。そういったご意見も承ります。

33

○古川

いま気の毒な患者さんがいて、1 人肺がんの手術されて。それはクボタから、工場から結構

近い距離で。飯田さんが言ったように中皮腫の認定者いっぱい出てるんですよ。じゃあ肺がんのおじ
さん、手術したんだけれどもこともあろうか保存期限内に処分されてしまった。だから根拠がないん
ですよ本数の。要するに解剖待ちです。本人生きてるのに。解剖しなきゃ認定できない状況なんです。
こんなひどい事ないですよ。当初、その方は保健所に行って相談したり色々されてましたけども、如
何せん本数がわからないから。ただただ今はじゃあ自分が死んだら解剖してもらうと言ってるけど、
いま闘病してるのに、頑張って生きてるのに解剖のこと考えなきゃいけない。ひどい話でしょ。

○片岡

あの、ばく露状況調査やるでしょ、環境再生保全機構で。それから厚生労働省が中皮腫の死

亡者の調査を岸本先生たちに。全員にアンケート調査票出して、得られる人については病理組織提出
してもらって。つまり今、飯田さんがおっしゃったように石綿小体、繊維を調べる調査を部分的には
やってるんですよね。できたらそういうデータを共有。共有によってもっとこういう風に工夫すれば
いま言ってたような情報に迫れるんじゃないかとアイディアが出ると思うんです。ぜひそういうもの
を方向性として出してもらって、それを状況調査と組み合わせてやってはどうかなと思うんですけど
ね。
後で話をすると思いますけれども、症例対照研究は疫学調査ですけど救済という現場では今みたい
な角度の話が非常に重要なので積極論としてはあるんじゃないですかね。そういうデータをどのよう
に持ってくるかというと、つまりやろうと思うと尼崎のクボタの場合は病院の協力が必要ですよね。
県立尼崎病院と兵庫医大と関西労災病院と県立○○病院とだいたいその辺に限られるですよね。だか
らそうなる国の音頭をとらないとなかなか尼崎市単独でそんな調査できないから。すでに集まったデ
ータあるんじゃないかと思いますけれどね。クボタ周辺で石綿小体の数を読んだ人のデータを厚労省
の調査の細部では集積があるんじゃないかと思いますけどね。そういう調査あるんですよね。

○大坪

厚労の方ですよね。

○片岡

そうです。委託研究で。労災病院グループがやってるんですよ。もうクボタ事件起こってか

ら相当お金突っ込んで。報告書出てると思いますけど。僕らみてるのは中皮腫の診断された 1 割くら
いは中皮腫じゃないと言われることだけに使われた感じでなんか・・・。深刻ですよ。その肺がんの
問題は。汚染地区における肺がん問題は非常に深刻な問題で、救済法上不公正が生じている可能性が
非常に強いです。実感です僕らの。

○古川

向こう 3 軒隣に中皮腫の患者さんが数人出て、そこに発症した肺がんのおじさんが駄目とい

う実態です。

○片岡

人口移動が激しいからそういう所は疫学調査もかなり難しいんですわ。例えばクボタの周り

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で 500 メートルの地域を限定して、じゃあ肺がんの疫学調査やるってことはデザイン上は可能なんで
すけど、人口流動が激しいので既にいない人を追うから補足率が下がるので検出力のあるデータが得
られないというのがすぐわかるんですよ。そうすると、さっきみたいな病理組織の調査で真実に迫れ
ないかっていう方法論を取るしかないわけですよね。そういう趣旨です。

○古川

参考までに。今の方の場合はプラークたくさんあるんですよ。でも労災適応にならないから。

でも石綿ばく露した根拠は十分あるんだけど、たまたま手術した肺がないからと。

○大坪

プラークだけでは別に発がん性がないのでそこは吸った証拠でしかならないので。プラーク

があってもそれは肺がんとは関係ない可能性が、

○片岡

だからそこなんですよ。ばく露の証拠をどこに求めるかっていうことですよね。

○大坪

それとあと因果関係ですね。たまたまプラークがあった、たまたまアスベストがあってもタ

バコでなっているかってところはやはり公平性の観点から検証しないといけない為にいまエビデンス
が作られてるんですね。それは 500 メートル圏内の肺がんは全員アスベストで吸っているエビデンス
が出れば、それはそれであるでしょうけど。タバコ吸ってようが何してようが、これ絶対にアスベス
トですって言えるだけの根拠は今のところないので、肺がんだけでも様々な原因がありますから。

○片岡

だから 6 年経つから、じゃあ 6 年の間に何したんですかっていう事が僕らの疑問なんです。

ずっと検診は続けてきましたけど、因果関係を探るような調査計画は一切されていないわけですよ。
例えば石綿小体の、例えば主要病院に協力を求めて肺がん患者の標本を集めるだけ集めて石綿小体計
りまくるとか、いろいろ僕らは言うたんです。環境省の人とかにもっと色々できるんじゃないですか
と。なかなかそれは実行されなくて現在に至って、後の話につながるんですけどケースコントロール
スタディの話が半ば突然出てきて、ずいぶん危惧しているんです。

○大坪

ご指摘のように厚労省でやってる事実関係、友好関係というものもあるでしょうから。

○片岡

それはたぶんものすごくあると思いますよ。

○大坪

エビデンスを積み重ねていくことは大切だと思います。

○片岡

人事交流はあるのにね。情報交流がちょと、

○大坪

それはもちろんしてるんですよ、担当者同士で当然。わかりました。ありがとうございます。

35

○澤田

肺がんについては他の方はよろしいでしょうか。そしたら緊急性がありますので 3 を飛ばし

て 4 を先にやりたいと思います。症例対象研究について。その点について問題意識をごく簡単に説明
させてください。私の作成したパワーポイントの 7 ページに環境省が出してきた症例対照研究案とい
うのが出ています。こういうものが 5 月 23 日に出てきて、私たちからすると寝耳に水で、今までこん
な事をやろうとも言っていなかったのになぜ今頃こんな事を今さらなぜ、やるという事を言い出して
きたのかがよくわからないというのが正直なところです。パワーポイントの 9 ページにいきますと、
これ私が作ったものですが、理想的な調査の全体像というもので、研究設計をしっかりして調査の終
了までもっていくんですけど、そこに外部の評価とか国民へどのような調査をするのかの情報共有を
しっかりしたものが理想的な調査と思います。環境省でエコチル調査というものがおこなわれている
んですけれども、パワーポイントの 10 ページですけれども。エコチル調査っていうのは非常に丁寧に
何回も検討会や懇談会などをやって、外部評価の委員会というものも作って評価もするし、国民への
情報発信あるいは学術的な交流をするという機会をかなり綿密に作って今エコチル調査というものが
始まっていると把握しています。
最後のパワーポイントの 11 ページですが、尼崎の症例対照研究は私の認識はハテナマークがたくさ
んありますけれどもこういう状態で、まさに 5 月 21 日にいきなり環境省が尼崎市において症例対照研
究をやりますとだけ言って、じゃあ誰がそれを設計するのか、どういう情報発信をしていくのか、外
部評価は誰がやるのか、国民あるいはもっと言えば非常に大切な地元の被災者団体、自治体とどうい
う連携を取っていくのかということが全く説明がないまま既にいなくなってしまった柳田さん(前石
綿健康被害対策室長補佐)が説明されて、そのまま部署を移動されてしまったまま現在に至って何も
わからないという状況です。
まず基本的な認識は同じだと思いますので。飯田さん、先日の尼崎市長との面談もありましたので
その点も含めて地元の問題意識をご説明頂ければと思います。

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○飯田

簡潔にまずお聞きしますけれども、やっぱり一般的に尼崎でなんでこんなに患者さんが多い

のか調査しようと考えてもらうことはそれはありがたいことなんです。でも、今さらそんなにわから
ないんかなというのもあるんですけどね。だからまず、なぜこの疫学調査を症例対照研究をやりまし
ょうということが出てきたのか。私こういう所で聞かなければならないっていうのは本当は情けない
と思ってるんですよ。当然、当事者であるとか当該地域の団体であるとか色んな所にある程度、話が
いっていて皆が納得してそういう調査だったらぜひ大いに進めてもらいたいということになるんです
けども。まずこの調査が出てくる流れっていうのを知りたいんです。

○伊藤

私が承知をしている限りでは環境省の方で石綿の健康影響の検討会というものを年 1 回、開

催しているのはご存知かと思いますけれども。あの検討会の中で以前、この尼崎市の石綿の状況につ
いてより詳細なものを把握するためにはこの症例対照調査っていうものをやらなきゃいけないんじゃ
ないかっていうご指摘があったという風に聞いております。それを受ける形で前回の 5 月の検討会の
中でこの調査をやっていきますというお知らせをしたということで承知をしております。

○飯田

検討会の中で委員の中からそういう指摘があったという風に理解して良いんですか。それと

も私たちが、私たち地域ネットワークっていうのを作って去年だったと思うんですけど、各地域を代
表してお願いの文書を出してるんです(2010 年 7 月 5 日、第 20 回石綿の健康影響に関する検討会終
了後)。まず実際に被害が多発してる所について原因の究明をきちっとやってほしいということをたぶ
ん第 1 項目に挙げて出したと思うんですよね。そういう事とは全く無関係なのか、そういうことがあ
ったのでじゃあ被害者、当事者の要望に答えて自分たちもそういうことをしなきゃ納得がいかないか
らやろうという事になったのか。皆目、意味不明ですよね。誰か委員が言ったからじゃあやりましょ
うかっていうのは、じゃあ私が言ったらすぐやってくれっていったらそういう事にはならないでしょ
う。

○伊藤

そこはたぶん両方あったんだろうと思います。地元の皆様からの調査に関するご要望も以前

あったのかどうかそこはちょっと把握していないんですけれども、ご要望を受けた形でもあり、また
専門家からも調査をすべきだという両方の面があったんじゃないかと推測します。

○飯田

いや、推測を聞いているんじゃないんですよ。まぁ別に私はやりあう気はないんだけど、環

境省で来られてるわけだから、これこれこういうわけでこういう経過でこうしましたと言ってもらえ
れば非常にわかりやすい。だから今でなくても良いから、これ誰が聞いてても突如として出てきたと
いう印象がやっぱり否めないんですよ。皆さんがそう。私の場合はそれに輪をかけて、これは本当に
良い結果をもたらすのかなっていう不安があるんです。
それとちょっとけどごめんなさい時間取るけど少し話をさせてほしいんですけど。去年ですね、毎

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年リスク調査の結果のまとめというのを出してますよね。いま手元に持ってきたんですけども。去年
も大阪府、尼崎市、鳥栖市、横浜市以下、石綿の健康リスク調査結果報告書というのを環境省がまと
めてる。その環境省のまとめの中でクボタの旧神崎工場の所在地であった浜という地名があるんです。
浜と、浜に隣接する町と、それから隣接してないその他の町を比較したところプラークのある人の割
合は浜が 35.6 パーセントで、隣接する町が 19.5 パーセントで、その他の町が 17 パーセントだった。
だから浜が最も高いのはクボタの影響があるんだろうと、同工場との関連を示唆する結果であったと
書いてあるんだけれども。しかし隣接する町とそれ以外の町の間に大きな差がみられなかった。だか
らクボタの工場の影響の広がりについて評価することは困難だと書いてあるんですよ。
それからもう 1 つですね、この尼崎市内には他にも石綿取扱い施設があったことからして、それも
含めてクボタの影響の広がりを評価することは困難と書いてる。ご存知ですか?私、正直これどなた
が書かれたのか正直いって教えてほしいんですよ。というのはなぜそういう事を言うかっていうと、
同じときに尼崎市は尼崎市で出してますよね。各自治体が出して、もう一方でまとめたものを環境省
で出すという形になってるんですけども。尼崎市の方はそれとはかなり違うことが書いてあるんです
よ。それはご存知ですか?

○伊藤

そこまでは承知をしておりません。

○飯田

尼崎市の方は、JR 尼崎市を拠点として評価すると書いてある。JR 尼崎駅というのはクボタか

ら西へ 200 メートルぐらいに行ったところなんですよ。私まずこの事にちょっといちゃもん付けたん
ですけどね。というのは、アスベストの発生源がある所を、発生源があると考えられる所を中心にリ
スク調査を実施すると明文化されてますよね。しかし、その発生源についてあまり書いてないんです
よ。どこにも、そちらの文書を見てるとね。ただ発生源があると思われる所を中心にしてリスク調査
を実施しますと書いてる。だったら、この尼崎の場合だったら言うまでもなくクボタの神崎工場にな
るんですけども、じゃあクボタの神崎工場が距離が遠くにいくに従ってプラークのある人はどんな風
な頻度で出てくるかという風に出てくるのかというのが普通ですよね。
しかし尼崎市は 200 メートル外れた JR 尼崎駅を基点にしてデータを整理してるんです。JR 尼崎を
基点とした半径 1 キロから 1.5 まで、それから 2 キロまでの地域について検討したところ、1 キロ以
内の地域は 24 パーセントにプラークのある人がいたと。検診した人のうち。それから 1.5 キロまでは
19 パーセント。2 キロまでが 17 パーセントという風に距離が遠くなるに従って低くなる傾向が見られ
たと。で、今後はアスベスト発生源の存在しなかった地域と比較をしていきたいという事が書いてあ
るんです。
これ単純に読んで尼崎市の方はほぼ我々がそれに依拠してきた内容の論文っていうのは車谷、熊谷
報告というのがあるんですけども。ほぼそれに一致する内容でプラークのある人の出方も今は画で出
してくれてますから同じような内容なんです。ところが、これが環境省の手に掛かるとまず距離で分
けてない。隣接する町がどこだとかね。さらにそこから離れた町がどこだとか。そういう形で分けて

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最終的にはクボタ神崎工場の影響の広がりを評価することは困難という結論を出してるわけですよ。
これは実は、私は今クボタとの関係で 2 キロくらい離れた人について、しかも家庭の主婦だとかサ
ラリーマンだとか、一般的にアスベストを吸うと考えにくい人が一定の数おられるんです。6 名か 7
名おられるわけです。この人たちについて最初からクボタに、クボタが原因であると判断されるとい
う事で補償を求めてるんですけれども、1.5 キロを超えた人達については絶対に認めないという姿勢
をとってるわけです。
だけども、もう一方でクボタはなんか認めても問題が起こらないような文章とか公的な発表とかが
あると判断がしやすいわけなんですよ。株主総会でどつかれずに済むからね。わけのわからんもん出
すなとなるでしょ。ところがあなたがたが去年に出した文章は同工場の影響の広がりを評価すること
は困難だ、と書いてるものだからクボタの方もこういうものが出てるから安易には 1.5 キロ以上の所
について踏み込む事はできないということも言ってるんです。ましてや株主総会でこういう文章を基
にして今まで何十億もお金を、補償金を出してきた事について責任取れみたいな事になったらどうす
るんですかと。だから私、あなた方すごく無責任だなと正直いえば思ってます。
もう一つですね。尼崎市の出した内容は距離に従って、もちろんプラークのある人多いわけですけ
れども、距離に従って数が減っていくという意味では当たり前の事ですよね。去年は JR 尼崎を基点に
して出してると。行政が特定の工場を基点にして文章を書く事はなかなか難しい、というのは言い逃
れみたいなこと言ってましたけど。今年はですね、やはり今年も JR 尼崎駅よりやや東側を中心にして
胸膜プラークの発現、広がりがあるという風にみなされると。ちょっとだけ距離をクボタに近づけて
書いてます。それ自身は大きな意味はないけどね。
そうすると、こういう風にまとめようとする人たちが症例対照調査かなんか研究調査か知らないけ
ど、こういう事をやった時に 1 つはそもそも亡くなった人の調査をすると言ってもどんだけの人が応
じてくれるかわからないわけですよね。我々、非常に利害関係が密接な関係があるような立場にいる
ような人間でも調査に協力しないという人はいるんですよね。ましてや尼崎がやってる調査(環境省・
尼崎市 2007『平成 18 年度

石綿ばく露の疫学的解析調査報告書(尼崎)』)でも相当、拒否されてま

すよね。数字を見たらわかります。
これを第三者に委託してですね、どっかにやってもらうって事になったらますます数が減ると想定
されますよ。挙句の果てに出てくる結論は結局わからなかったと。それで終わりになる可能性が強い
んですよ。今の時効救済でなんか一生懸命全国的にやるとか言ってるけども。あれで結局終わりにし
たいというんじゃないかと私は思いますけれども。同じような事がこの調査でも出てくるんじゃない
かという危惧を持ってる。
もう 1 つは、さっきの国のまとめ方なんですけど。浜っていうのは確かにクボタのある地域なんで
す。隣接する地域っていうのは、例えば私は長洲って町に住んでるんですけども南北にすごく長いん
ですよ。クボタの直近の所から南の方に国道 2 号線ってあるんですけど、その辺の地域までずっと長
洲なんですよ。

39

○片岡

1 キロ超えるわな。

○飯田

うん。反対に潮江という地域は、これも浜に隣接する地域なんだけれども東西に広がるんで

すよ。そうすると、これ意味ないんですよ。私、科学者としてこういう事をしてるということは、今
日ね本当にこんな所で言ってるのもいささかあれなんだけども、最悪なんですね。誰がこういう事を
考えて、こういう事をしたのか知りたいんですよ。こんなこと考え付く人ってよっぽどの人ですよこ
れ。だから症例対照研究をする前にこれまでのまとめについてどういう経過でこういうまとめになっ
たのか誰がやったのか、責任者は誰なのか教えてもらえますか。

○伊藤

こういうまとめって言いますのは、今ご確認の報告書の方ですか?

○飯田

そう。あなたがまとめられたんですか?

○伊藤

報告書は石綿の健康影響の検討会として出しているものですので、その検討会でおまとめ頂

いたという理解でおります。

○飯田

環境省の名前で出てくるよね?出てくる文章の責任は誰が持つの?

○伊藤

そこは環境省が専門家の意見を聞きながら取りまとめていくという。

○飯田

つまり環境省が責任を持つわけやな?この文章の責任は環境省にあるわけですよね?

○伊藤

そこは報告書の本体を見た上で確認をさせて頂けます。

○飯田

うん。知らせてくれる?もちろん実務的にまとめた人がいるわけですよ。

○伊藤

はい。

○飯田

この人はひょっとしたら尼崎のこと知ってる人かもしれない。尼崎市はさっき言ったように

距離でまとめた。しかしなぜか知らないけれども、環境省の方は浜とか隣接する町内。まぁ、常光寺
とか次屋とか西川という地域があるんですけれどもね。それでまとめてる。なんのためにそういう風
にしたのか。普通に考えると距離で考えるのが当たり前でしょ。常識問題として。

○古川

飯田さんおっしゃったように私、尼崎の住民じゃないので、この最初の結果みたときにもの

すごい違和感あったんです。浜地区、何とか地区、まったくわからないこれ。

40

○飯田

それと 2 点目は同市内には他にも石綿取扱い施設があったと書いてありますね。石綿取り扱

い施設っていうのは、私も工場で 12 年ぐらい働いていましたけど。まず石綿のない工場ってありませ
んよ。配管には全部巻いてるでしょ、テープを。やけどしたらあかんし、保温せないかんし。機械の
間にもパッキン挟んでるでしょ。ちょっと物を熱くする釜でもあれば、釜のレンガの間には粘土を埋
めてるわけだから。無い工場ははっきり言ってないんですよ。そうすると一般的にクボタに匹敵する
ような他にも石綿取り扱い施設があったというんだったら明示すべきですよ。いま答えてほしいんや。
どこがあるのか。

○澤田

基本的なあれで、アスベストいくつか種類ありますけれども最も毒性が強いのは何かってい

うのはご存知ですよね?当然ご存知ですよね(環境省参加主うなずく)。いやたまに役所の方と話をし
ているとこの人何石綿が 1 番毒性が強いのかわかってるのかなぁというのがあるんです。

○飯田

それと、1 人でしゃべってごめんね。去年はそれぞれ別に尼崎に限らず泉南とか羽島とかみ

んなそうですけども、地域ごとに分けて数字を出してる。それ自身は前進なんですよ。それぞれの地
域にどういう労災認定をされてる事業所があったかというのも全部だしてるんですね。確かに尼崎の
クボタの周辺の浜とか潮江とか常光寺とか見ると、労災認定のされてる企業が多いんですよ。だから
単純にこれ上だけみると、この地域はすごいアスベストの工場が集中してたんじゃないかと、こうな
る可能性があるんですよ。
でもね、例えばクボタの前を真南に、線路を挟んでヤンマーっていう工場があるんですよ。農機具
とか大型のエンジンを作ってる。尼崎の工場がエンジン作ってるんですけどね。ここは 20 件近く被害
者がいたと思うんですけれども中皮腫と肺がんですね。同じ大型のエンジンを作ってる全国の類似の
工場を確かめてみたらわかりますよ。1 件あるかないかです。私も最初、たくさん被害が出てきた時
にこの地域には他にもかなりアスベストを扱ってる工場があったのかなと最初思ったんですけどね。
調べていくうちにそこに 8 時間なら 8 時間いるわけだから毎日来てたら毎日クボタの青石綿を吸うな、
と。だからヤンマーではそこの中にいた常務取締役も事務職もみんな被害にあってるんです。単純に
専門家ならこれを見て単純にこの地域はアスベストの取り扱い工場が多いですねとは言わないはずで
す。私みたいに素人でもある程度わかるんだから。
だからこれは隣接する地域にはクボタの影響が及んだ可能性があるな、という風に思うのが普通な
んですよ。にも関わらず、この中では同市内には他にも石綿取り扱い施設があった事からしてクボタ
神崎工場の影響の広がりを評価することは困難だと書いてある。だったら症例対照研究の調査したっ
て同じ結論書いてたらそれで済むんじゃないですか?

○澤田

4 番の質問の趣旨はいま飯田さん言われたように、これまで幾つも調査があったやないかと

いうことで、もちろん民間の熊谷・車谷調査っていうのもありますけれども、これ海外のかなり高度

41

な雑誌にも英文で載った評価された論文なんですね。こういった調査がある中でまず調査をやる前に、
エコチル調査もそうですけれども、これまでその地域において、あるいは日本国内においてどんな調
査があったのか、あるいは海外でどんな調査があったのかをまず十分に検討してから新しい調査をす
る必要があるのか無いのか判断をしなければいけないし、それを国民にわかりやすく伝えないといけ
ないと思ってるんです。
私は症例対照研究はやるべきだと思ってますけど、委員の先生が言ったからというだけでは何の根
拠があるのかよくわからないし、じゃあこれまでの総括をしっかりしてこれまでの調査では何が足り
ないのかという事を私たちにわかりやすく説明して頂かないと、とても症例対照研究をやると言って
も。私、症例対照研究なんてこの言葉が出てくるまで知らなかったもんですから、なんのこっちゃと
いう話で今だいたい症例対照研究の意味がわかってきてかなり高度な調査で費用も掛からないという
のはわかりますけれども、じゃあなんでこれを 2005、6 年の時点でやらずにリスク調査が長年、健康
管理の調査だとか。最初、あれも因果関係を特定するためにやるって言っていたのに、健康管理のた
めにやるというのにすり替わってるんです。なんで今頃、こんな重要な調査をやるなんて言い出して。
じゃあ今までの総括は出来ているのか、というのが皆さん共通の認識だと思います。

○川田

誰がやるって言い出したの?

○伊藤

この調査は環境省で実施すると。

○川田

環境省の中では誰がやるって言ったの?

○伊藤

石綿健康被害対策室の中で。これまでの検討の経緯としては 5 月よりも前からそういうこと

をしようという検討をしていたことは聞いています。

○川田

でも 5 月にやろうと思ったきっかけは何?

○大坪

前任者がセットしているところもありまして、ちょっと調べてみます。

○川田

予算も関わることですし、やるっていう事になるのはある程度、誰かがじゃあやろうって決

定をしないと気まらないんですよね。いきなり決まるっていうのは変な話ですよね。これちょっと調
べてもらって、前任者に聞いてもらって。

○澤田

事実として症例対照研究をその検討会で、症例対照研究やった方が良いぞって、症例対照研

究って言葉は出てきていないはずなんです。議事録をみたらわかると思うんですけど。某先生が、お
そらくもっとこのような調査をやった方が良いぞっていうのは、おそらく 3、4 年前から言われてたは

42

ずですけれども、言われてたけど私たちからするとなぜ言われてるのにやってこなかったんだ、とい
う思いを持っています。

○川田

あと、これさっき聞いていて思ったことは、1 キロと 1.5 キロとか 2 キロとかって、広がり

方って同心円じゃないですよね。放射性物質でもそうですけど。それだけでやっちゃうと、そういう
結果が影響してきて、拠点が違うとずれてきちゃうし、結果が書かれてしまうとその影響がすごい大
きく出てる事なので、そこは慎重に当事者の方の意見を聞いて、さっきの第 3 者に投げて調査やっち
ゃって結局、その結果みんな調査対象でも拒否していく、入らないっていうことになると本当に大変
な事になってしまいますので、そこはどういう形でそういう経緯が決まったっていうのは、過程をち
ゃんと明らかにしてほしいと思います。

○伊藤

地元のご協力ももちろん頂けなければならない調査であるにも関わらず、その情報提供の仕

方が少し○○なところがと思いますので、丁寧な情報提供をするように努めてまいりたいと思います。

○飯田

迂闊なところがたぶんあったんじゃないかと思います。その程度の説明でやってしまうのが

良いんじゃないかと判断をされているんだと思うんですね。行政ってそう迂闊な事はしないんですよ。
色んなケースを考えて、こういう風にしておくのが 1 番良いんだろうと思ってされているんだと私は
思うんですけれどね。
私は調査そのものを我々、要求してきたわけですよ。どこでばく露したかわからないけれども、大
量に被害者が出てきていると。我々はクボタだと言ってると。しかしあなたがた今まで言ったことが
ないんですよね。一度も言ったことがないんですよ。本当にそういう意味では加害者を救ってるんで
すよ。それは客観的な事実でしょう?客観的にそうなってる。そういう人たちに私たちが要求して原
因をきちんと究明してほしいと、そういう調査をしてほしいという事で地域ネットワークということ
で泉南の人たちとか羽島の人たちとか皆で要望書を渡したんです。もし、それに答えてやる事にした
ということであればそれはそれで意味があるんです。良い調査をしてもらえればね。
ところがその調査をしようという人がさっきも言ったように去年もああいう結論を堂々と書き付け
るんでね。こんなのに引っかかるとえらい目に会うんじゃないかと普通の人なら思う、普通の人なら
ね。だから思わないように手立てを組んでほしいんですよ。進めていくひとつひとつの経過で当事者
団体に話をする。その意向も聞く、意見も聞く。例えば面接調査をするとすれば我々はずっと面接調
査をしてきてるわけなんですよ。当事者の合意があれば立会いも認めるとか色んな方法があると思い
ます。
それと今、クボタの問題に限って言いますと、クボタは現実に救済できるような場合で因果関係を
100 パーセント認めてるわけではないけれども、クボタからアスベストが飛散した可能性は否定しな
いという言い方で補償してると。1 キロまでは無条件に補償すると。1.5 キロまでは一応、現地調査を
して了解した上で補償すると。それ以降については何があっても補償しない。今こういう事になって

43

るわけですよね。クボタとの話し合いはここに来られてる古川さんとか片岡君とか平田さんとかみん
な一緒にやってきた、大衆団交的な形でやってきたんですけど。その時、クボタの方は確かに被害者
がたくさん出てくることはわかりましたと。何らかの関係がありそうだと。たくさん出てきたという
事だけでいきなり例えば補償で何千万払うという事になると、先ほども言ったけど株主総会が承知し
ないとか、労働組合の方からそんな金があるんだったら従業員の被害者にもっと出さんかいっていう
事になるとか。だからできれば客観的に説明できるようなデータがあるとありがたいというのは言っ
てました。そうでなくても補償はしたと思いますけどもね、ある範囲までは。
だけども、特に距離を伸ばしていくにあたっては客観的にこういう資料も出てますんでと。例えば
尼崎市がさっき言った 1 キロ、1.5 キロ、1.2 キロという風にして胸膜プラークがある人を調査したと。
これから見ると推定されるから認めましたという風に言えますよね。同じように国が何か出せば言え
るしかし国は出さないんですよ。私できれば国が何か出してほしいってクボタが言ったもんだから、
それはたぶん出ないですよと言ったんです。そうすると、みんな亡くなってしまってますます怒りが
増幅してものすごい裁判闘争になっていくよと。収拾もつかない、それぞれがバラバラになって色ん
な団体でやりだしたらね、と言ったんですけど幸いな事に車谷、熊谷調査っていうのが出た。クボタ
を基点にして実際に被害者を置いてみてアスベストの汚染のシュミレーションを出すと、よく説明が
付くと。クボタを原因として非常に説明が付くという報告書を出してくれたんです。それはクボタは
認めたわけじゃないんだけれども、こういうものが 1 つの論文として出てるという事を株主総会でも
しゃべってます。
でも、あなたがたのようなもの出されたら全部ぶち壊しですよね。ひょっとしたらあなたがたが全
部ぶち壊すために何か策動しているのかなと思いかねないくらいですよ。ですから症例対照調査をや
るという前提で、さっき澤田君も言ってましたが今まで何ができて、何ができてないのか。例えば車
谷、熊谷の調査っていうのはまるっきる話にならんのやと。あんな調査するからこんなおかしな事に
なってしまったんやという事なのか、それともこれは一定の根拠があると思うけれども当時の人口を
きちんと把握してるんかなとかね。まぁ何かあるでしょう。これだけのものが出ていていま現在も患
者さんとずーっと面接調査をされてるわけです。了解される人だけですけど。それについて何の評価
もなしにまるであたかも何もなかったかのようになぜか知らんけどあの辺は原因がわからない被害者
が続出してるんで調査しましょうと。こういう風にはならないはずなんですよね。現にこういうもの
があるけれども、それはそれとして尊重するけれども違った角度から 1 つ調査をしてみようとかね。
それは場合によっては補強的な意味も持ちますから我々としたらある意味ではありがたいんですけど
ね。
別に我々に合わしてくれということではないんだけれども、しかしそれなりに理屈の通った事をし
てもらわないとね。それからこれ 800 万くらいの予算つけてやってますよね。これは予算策定時から
考えられて決めたとすれば当然、最初の予算を積み上げていく段階からもう出てたという事になるん
ですよね。そう単純に考えると去年の 10 月か 11 月ぐらいには既にこれは計上されてたのか、ってい
うのが 1 つですね。というのはひょっとして今年、リスク調査が数が全体的としては予定に至らなか

44

ったと。その事に環境省はお詫び書いてましたからね。環境省の責任で非常に遅れてしまって申し訳
ないみたいなこと文章に書いてましたよね。それはそれで良いんですけれども、それが例えばお金が
余ったんで急遽なんかやらないかんという事で出てきてるのか。

○伊藤

そこは自治体の方で委託してやってる予算とこの調査との予算の品目っていうのは違います

ので、あちらの方で執行が少ないのでこっちの調査をしますという事ではありません。

○飯田

いや、そうじゃないじゃない。要するに、10 月とか 11 月の段階で既に予算が作られるわけ

じゃない、原案が。その中に入ってたの?

○伊藤

入ってます。

○飯田

ということはかなり早くからこれをやろうと言っていた。ということは 5 月の話し合いで出

てきた問題じゃないよね、5 月の委員会で。さっき 5 月の委員会で出たからとおっしゃったでしょ?
それ以前から出てるから、じゃあ予算に計上するようになった根拠は何ですか、と逆になりますよね。
なぜ予算の中に上げるようにしたのかということが合理的に説明されれば余計な疑心暗鬼は解けるわ
ね。私はその環境省の持ってる姿勢については非常に疑心暗鬼なんだけれども、しかしこの出てくる
経過についての疑心暗鬼は解ける。
それかもう 1 つは 800 何十万だったかちょっと忘れましたけど、その予算は何に使う予算として計
上されているのか。

○伊藤

この症例対象調査をするための予算として。

○飯田

いや、それはわかってますやん。例えば、その中で被害者に会わなあかいかんから交通費が

いくらとか、尼崎で何泊するから尼崎のホテル代がいくらとか、専門家への人件費がいくらとかある
でしょ。その内訳はいま出してもらえます?

○伊藤

ちょっと今、手元にありませんけれども、お出しすることはできると思います。

○飯田

当然ですよね。

○澤田

それについては川田事務所を通してという事で。

○飯田

はい。

45

○澤田

基本的な事を聞きたいですが。まさかとは思うのですが今年度中にこれ、やりますよってい

う事は決まっちゃってるんですか?

○伊藤

今年度予算として計上されてますので今年度、実施に向けて着手するという予定でおります。

○澤田

ただ私のパワーポイントで 10 ページにありますけど、エコチル調査ってさっき言われたこれ

までの総括と、非常に疫学って研究設計が大切なんですよね。設計を間違えちゃうと調査やっても意
味のないものになりかねなくて、設計も公開でやられてないし、総括の検討も公開で全然やられてな
いし。疫学って 100 パーセントの調査はないんですよね、当然ですけども。何か欠けてる調査です疫
学って。全ての調査そうですけども。でも総括をすることによって何が足らないからこの調査をやる
んだという欠片を埋める調査をして集合体になるからこそ疫学って意味があるわけで、その総括をし
てないのに症例対照研究をやるから、もう予算がついちゃったからはじめようっていうのはあまりに
も危険。お互いにとって非常に不利益な事になりかねないですよね。中途半端にやってしまえば、環
境省なにやってんだとまた言われるし、こちらも中途半端な調査やられたら何で 800 万もかけてそん
な事やったんだってなっちゃう。
なのでまずスケジュールをオープンにしてほしいし、ちなみにいつから実施するとかっていうのは
もう決まってるんですか?

○伊藤

民間の調査会社に委託をして競争入札を出してやりますので、できる限り今年度という事で

着手をしていくのであれば、もちろん早めに着手をしていかなければいけないですけど。予定といい
ますのは、入札の報告をして進めておくわけですけれども、そこを可能な限り早くできればと思って
おりまして、具体的には 10 月にならない、年度の下半期にならないぐらいのタイミングでは可能なら
ば、まだそこまでもう出すということは確定はしてませんけれども希望として 9 月の末くらいにそう
いった契約先を決めるぐらいの所までいければという予定で今日までは考えておりました。

○澤田

今日までは、にしてください。非常にびっくりで、設計がどうされているのかというのが知

らない中で、調査だけやる、民間会社、民間を信頼していないわけではないですけれども。尼崎で症
例対照研究をするっていう事はアスベスト被害史上、人類史上、非常に貴重な調査なわけですよね。
それを一民間会社で、その過程がオープンにされてない状況で、任せるからやってねという事で安易
にそんな調査をされてしまったら何の為にまた環境省は調査をやったのかっていう。今日は懇談とい
う形ですけども、それこそ交渉をやらないといけない状況になってしまいますので、予算の関係あり
ますけど予算って使わなくちゃいけないもんなんですか?今年中に?

○伊藤

国会でお認め頂いた予算ですので難しいかと。

46

○澤田

調査の実施にするんじゃなくて、総括作業をこの 800 万かけて尼崎でやろうとか、各地でや

ろうとか、そういうことにちょっと切り替えて頂いて、今年度に何かをやるっていうのは。

○伊藤

ちょっと内容はご意見を伺った上でということも考えたいと思いますし、ただそういう調査

をやりますっていうことで予算を頂いたものですから何かしら関連のあるものとしてきちんと執行し
ていかなければいけないだろうと。

○永倉

それはでも恐いよな。とにかくやろうっていうのは恐いから。

○伊藤

全然ちがうものに変えていくことは難しいんですけど。

○澤田

いや、違わなくて良いんですよ。エコチル調査がやったように学術交流でこれまでどういう

事があったのか海外の研究者呼んだりして、そういうのにお金使うなり、やっぱり過程をしっかり積
み上げるものでまずお金を使わないと、いきなり調査をやるって言ってその欠けてる部分が何かわか
らないでやったらまた地元から何やってるんだって声が出てしまって、永遠にこういう意味のない事
が続いていく。お金をかけるなら、それなら 10 万円でも 20 万円でも中皮腫になった患者さんにみん
な平等に分けてとか、そのくらいの方がぜったい意味のあることで。

○古川

若いからご存知ないと思うけどね。父が言ってたんですけど、段取り八分って言葉あるんで

すよ。8 割が準備で当日 2 割やれば良いと。職人の世界では。その 8 割がゴボっと欠けてる。まぁ 8
割欠けてないかもわからないけど、ほとんど欠けてるということでしょ今の話では。

○片岡

あの意見というか、懇談ですからね、僕の感想ですけど。そもそも論の話を今ずーっとされ

てきたわけですよね。そもそもこの調査はどういう発想で始まっているのか非常に疑わしいと。まぁ
過激な言葉で言えば、要するにクボタ問題の幕引き調査やるつもりなのかと。ええ加減な調査やって、
ようわからんいう事にしてしまうんかと。それをクボタに使えるようにしてあげるんかと。ひょっと
したら環境省とクボタは相談しとるんかと。そこまで言われかねんよ、という事を言ったのでそれは
はっきり認識してもらいたいですね。だから現段階では反対だと。
それで、そもそも論の話をしたんですが内在的に少し考えた時に非常に疑問があるのは当然、ケー
スコントロールスタディだとケースの数が増えないと検出力が非常に劣るっていうことになりますよ
ね。これ一体、専門的に考えて検出力はどのくらいだと想定して調査にかかるつもりなんですか。

○伊藤

検出力っていうのは?

○澤田

つまり患者さんを何人拾うかっていう、

47

○片岡

違う、違う。検出力って意味がわからないですか?疫学調査における検出力をどのくらい想

定してこの調査やろうとしてるのかっていうことを今日は聞いて帰ろうと思ってあれなんですけど。

○伊藤

調査の規模として予定しているのはございます。

○片岡

いや規模じゃないですよ。検出力。

○伊藤

検出力については理解が不十分でお答えできません。

○片岡

そうするとね、もうちょっと根本的な問題ですよね。つまり、第三者の調査会社に委託で入

札入れるっていう話ですけど、彼が言ったように非常に重要な調査なので普通ですとこれは学術調査
ですよね。海外のちゃんとした文献に載るような精度のある調査をせなあかんですよね。

○澤田

論文を書こうとしてるんですよね?これを使って。

○片岡

いや、そんなこと無いですよね?これは結局、環境省の事務局が最後はまとめて報告書を検

討会に上げてチェックしてもらって終わりですよね。だからそんな事やられるのはたまらんっちゅう
事ですよ。ちょっとそんなん待ってくれと。で、これはジャパニーズ・ガバメントがやるんですから
ね。大権威になるわけです。そらぁクボタだって裁判に出してきますよ。日本政府はこない結論出し
たと。どないするんですか、そんな片棒担がされたら。それを信頼感のあるちゃんとした第三者的な
実績のある学術研究者の独立研究班に委託する、任せるというんだったら任せるにしても、調査会社
に入札入れて検出力の意味もわからない事務局の人がちょっとやるっていうのはちょっとまずいよ。
言葉すみません。懇談なのでざっくばらんに。怒らないでください。

○飯田

いや怒っても良いですよ。というのはね、去年の環境省のまとめた結果があるし、それから

最初にリスク調査やった時に SMR で 68 倍だったかな。そういう大きな数字が出たのに、やっぱり原因
はわからないみたいなことで出てくる結論そのものをひっくり返そうみたいな事をされてるわけです
よね。あの時は私は直接、参加してないけど記者発表を団体の方でしてた西田さんとかおられたんじ
ゃないんですかと思うんだけども、そういう経過をみてると環境省って環境による被害に遭った人た
ちを出来るだけいなかったようにするという仕事をされてるようにしか客観的にみると見えないのね。
さっきの肺がんの話もそうなんだけどね。出来る限り被害者が外に見えにくくするようにしようと
いう風にひょっとしたら考えてるんじゃないかと。いやもちろん対策室の人とかはですね、より真剣
に考えられてるのかもしれないけども最終的なところではなんか、

48

○片岡

僕、思い出しましたよ。思い出しました。あのスピーディーですわ。スピーディー。スピー

ディー言うたらもうわかるよね。文科省が後から出したやつ。あれですよ。あれと同じことやりはっ
たんですよ、環境省は。言うてもわからんですよね?来たばかりだから。それは何か言うとね、クボ
タ事件の年ですよ。それで尼崎市が大気汚染シュミレーションやろうとしたんですよ。1000 万円くら
いかけて。それで日本気象協会かどっかが、こんなのできまっせって持ってきたわけね。汚染の全体
のシュミレーションできますけどやりませんかって持ってきて、尼崎市はええなぁと思って環境省に
お伺い立てたらシュミレーションっちゅうのは一人歩きするからやめとけって言われてそれ潰したん
です。あのスピーディー事件と一緒ですよ。シュミレーションやめとけって。これ有名な話で国会で
も質問されとる話です。

○川田

ちゃんと調べてやろうっていう事ですよね、次は。

○片岡

症例対照研究は要するに数がそろう検出力がわからないということは、ケースがそろわない

と有意な結果がでないんですよ。要するに過去と未来は違いますけど、どの程度の被害の広がりがあ
るかを予測しようとしたわけですよね、あの時。だってあの時は健康診断のリスク調査とかそういう
ものを走らせようとしている時ですからね。どの程度の地域に検診を呼びかければ良いかという目安
を立てなければいけなかった時期で、色々と問題がありますけども森永先生なんかがプラークの CT
検査を徹底的にやれとかなり主張したんだけど、それが入れられなくて中途半端な検診調査がはじめ
におこなわれて 2 年後にやっと CT 検査が入ってきたんですね。だから非常に重要な時期だったんです
よ。その予測っちゅうのは。

○川田

予測をやろうとしないで結局、データとしてはちゃんと揃わない中でまとめようとしている

って事ですよね。この調査をやって予測でやっておけばある程度掴めたものをやらないって事で結局、
調査でデータが出た結果、終わらせようとなんですね。予測のところでちゃんと掴まえといてその対
策を取っておけば良いのに結局、今回だってこれだけ薄まっちゃって、これだけ出てくるものは因果
関係わかんないでしょっていう不安に持っていく政府の方針っていうのは全く変わってないわけです
よ。この問題も一緒ですよ。

○片岡

ケースコントロールスタディはよっぽど考え直さないと今の段階だけでそもそも論でもおか

しいと。方法論でもちょっとおかしいんじゃないかと、手続き上。予算付けたって言うけど 800 万く
らい別に他のところでも使えるだろうし。やるんだったらやっぱり少なくとも、着任されたんであれ
ば一度、尼崎市の患者と家族の会の事務所でも来て頂いて、非公式にでも。みんなと色々、話をする
っちゅうのもあってもええんやないですか?1 回も尼崎に行かんと、クボタの工場の周りもいっぺん
歩いてもらいたい。

49

○古川

1 回現場みてください。

○澤田

この調査が始まる前にやっぱり症例対照研究の説明も含めて、また尼崎は被害の実態もたく

さんありますのでそういった懇談も含めてぜひ一度、地元に 1 週間後くらいにきてほしい気持ちです
けども。調査が始まる前に、ぜひそういった場を作って頂くように前向きに検討して頂ければと思い
ます。

○伊藤

承知致しました。

○片岡

尼崎らの人も、この計画どういう事か聞いてますかって聞いたら、ほとんど聞いてないです

って言ってたからいっその事、市長も入れてみんなでいっぺん話をする場を持った方がええと思いま
すよ。

○伊藤

市の方と相談させて頂きます。

○片岡

市長はずいぶんこの事には関心を持っておられるので。

○川田

市長よく知ってますよ。うちの秘書が市長の前の秘書だったんです。僕もよく知ってます。

女性でしょ。稲村さん。

○澤田

地元が知らないって、私たちも飯田さんにお誘い頂いて市長との懇談があったんですけども、

つい 2 週間か 3 週間くらい前でしたけども。

○古川

このあいだの 27 日ね。

○澤田

地元が全然、知らないんで、何やるのかわからないで環境省がこれやりますよっていう事し

か、協力してくれみたいな事しか言ってないっていうのは非常に失礼な話で。

○大坪

そこは地元に何回も前の室長も説明に行ってましたし、

○澤田

いや、私たちは尼崎市からそう言われたんです。

○大坪

なるほど、なるほど。

○飯田

私たちが想像してた程にはご存知ではなかったなというのはあります。

50

○片岡

まぁ言うたらいけんことがあったんかもしれんですし。

○川田

市長も変わったばっかりだし。

○飯田

もちろんそういうこともあるかもしれん。あるかもしれんけどもトータルでみた時にかなり

尼崎市とも詰めてる話かなと思ってたんだけども、そういう話では実際にないと思いますね。

○伊藤

経緯についての理解の不足もあったかと思います。

○澤田

じゃあ時間もあれですので先生に最後にあいさつを。

○川田

3 番出来なかったですけど引き続き今後、地元にもぜひ、尼崎はとおったことあるだけです

けど、しっかりみていきたいと思います。話を聞いててがんのリスクなんかは、これ放射性物質なん
かも高まりますよ。やっぱりこういったものが結局、何がリスクかってわからないという事がわから
ないってうやむやにされちゃう歴史が繰り返されていますので、ここで立ち止まってしっかり取り組
まないとまた先送りになっていくだけになってしまいますので、できれば政権変わるかもしれないで
すけど、まぁそれは置いておいて、誰がやるかじゃなくて何をやるかですよね。しっかりそこはやれ
るようにぜひよろしくお願いします。ありがとうございました。

○古川

先生いらっしゃる間に 1 つだけ短く。東北のがれきの撤去とか色んな意味でボランティアの

人たちが入っていますよね。アスベストがぐちゃぐちゃに混ざってるんです。私はぜひ、どんなちっ
ちゃなものでも良いから、そこに入った記録を作ってほしいと思います。将来的にもし何かあったと
きにアスベストの場合、全く記録がないので環境省もそういった事について何か対策とか。

○永倉

ボランティアの人かなり最前線で。

○伊藤

ばく露を防止するっていうのは非常に重要な対策になりますので現地でマスクを配ったりで

すとか、業界の団体に提供頂いたもの提供しています。

○古川

それは今の当面の対応であって将来リスクのために今なにか考えなきゃいけないんじゃない

かという提案なんです。

○飯田

地域ネットワークの要望の中に石綿救済法の中に位置づけてアスベストの検診を地域の人が

受けられるようにしてほしいという事を出しているんですね。それは職歴の人がアスベストの健康管

51

理手帳持ってるのと同じようにそれ以外の人たちについてもそういう健康管理手帳を作ってほしいと
いう意味なんですよ。

○澤田

そしたらひとまずここで。どうもありがとうございました。

52

2011年8月10日

石綿健康被害に関する環境省との懇談
参考資料
全国労働安全衛生センター連絡会議
澤田慎一郎

53

1

平成23年7月21日
石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく指定疾病の
認定に係る医学的判定の結果について(お知らせ)

54

2

平成23年7月21日
石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく指定疾病の
認定に係る医学的判定の結果について(お知らせ)

55

3

平成23年7月21日
石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく指定疾病の
認定に係る医学的判定の結果について(お知らせ)

56

4

環境省の石綿肺・びまん性胸膜肥厚・
肺がんの認定基準
肺がんの認定基準

石綿肺の認定基準
(①~③の全てに該当する必要有)

原発性肺がんの診断


(①~④のいずれかに該当する必要有)
①胸膜プラーク+第1型以上の肺繊維化
所見(X線+胸部CT)

①びまん性胸膜肥厚の診断

①石綿肺の診断

②著しい呼吸機能障害

②著しい呼吸機能障害

②乾燥肺重量1g当たり5000本以上の
石綿小体
③乾燥肺重量1g当たり200万本以上の
石綿繊維

びまん性胸膜肥厚の認定基準
(①~③の全てに該当する必要有)

③大量の石綿ばく露
(石綿暴露作業従事期間3年以上)

③大量の石綿ばく露

④気管支肺胞洗浄液1ml当たり5万本以
上の石綿小体

ばく露歴は考慮せず

ばく露歴を重視

同一省の基準で矛盾が発生!
57

5

1995年~2008年の中皮腫・
石綿肺がんの救済・補償数
1400
クボタショック(2005)

1200

石綿肺がん未救済・未補償数

・石綿関連肺がん患者数は中皮腫
の1.0倍(環境省推計)※4
・「西ヨーロッパ、北アメリカ、日本
およびオーストラリアでは毎年約
10,000件の中皮腫と20,000件の
石綿肺がんが発生している」※5

1000

中皮腫未救済・未補償数

中皮腫死亡者数※1

800
中皮腫死亡年別救済・補償数※2
600

石綿肺がん死亡年別の救済・補
償数※3

400
200

19
95

19
96

19
97

19
98

19
99

20
00

20
01

20
02

20
03

20
04

20
05

20
06

20
07

20
08

0

※1 厚生労働省人口動態統計
※2 2010年7月28日石綿健康被害救済小委員会(第8回)配布資料
※3 同上
※4 2010年5月21日石綿健康被害救済小委員会(第7回)配布資料
58
※5 Asbestos,asbestosis,and cancer: the helsinki criteria for diagnosis and attribution (1997)

6

尼崎市における石綿ばく露に係る
症例対照研究調査について(案)
1.趣旨
石綿ばく露者については、石綿ばく露の状況の違いによる石綿関連疾患の発生状況の比
較等を行い、中長期的な健康管理のあり方を検討するための知見を集めることが重要であ
る。
疫学調査には、①クロスセクショナルスタディ(横断調査)、②コホートスタディ(前向き追跡
調査)、③ケースコントロールスタディ(症例対照調査)があり、これまで、平成21年度までの
リスク調査において①を実施し、平成22年度からの第2期リスク調査において②を実施して
いるところであり、知見の収集に努めているところ。
今般、尼崎市において、石綿関連疾患(中皮腫)の死亡者と対照群について、職歴、居住
歴等の石綿ばく露に関する状況の比較を行う(ケースコントロールスタディ)ことにより、石
綿ばく露の形態による石綿関連疾患発症リスクを評価していくことを目的とする。
2.調査の実施について
調査は、環境省が専門家の意見を聞きながら今後検討する。
(2011年5月23日 環境省:第21回石綿の健康影響に関する検討会資料
「尼崎市における石綿ばく露に係る症例対照研究調査について(案)」)

59

7

環境省アスベストによる
一般環境影響調査の予算
1、第二期石綿の健康リスク調査の予算計上額と執行状況について
(1)予算計上額(平成22年度)
204,642,000円
(2)執行状況について(平成22年度)
109,419,424円(7自治体との委託契約の精算額の合計)
2、石綿ばく露に係る症例対照研究調査の予算計上額について
8,180,000円(平成23年度)

60

8

疫学調査実施における
「設計」と「発信」
理想的な調査の全体像

調査までの基本的な流れ
現状認識
経験共有

外部評価
研究設計

国民・世界への情報発信

調査実施
学術発表
調査終了
61

9

エコチル調査の
「設計」と「発信」
調査の概観

調査までの基本的な流れ
現状認識

外部評価
2010年年9月9日
「エコチル調査企画評価委員会」
2010年年8月25日、2011年2月1日
第2、3回「疫学研究に関する審査検
討会」

2005年12月~
「小児の環境保健に関する懇談会」
2006年8月
「小児の環境保健に関する懇談会
報告書」

研究設計
2007年10月~
「小児環境保健疫学調査に関する検討会」

調査実施
2011年1月24日
参加者募集開始

調査終了
62

国民・世界へ
の情報発信

経験共有

学術発表

2008年10月16日~
「子どもの健康と環境に関する全国
調査に係る仮説の公募開始」
2010年年11月15日
「キックオフイベント」
2011年年1月20日
「環境省記者クラブ向け勉強会」
2011年2月2日、3日
「エコチル調査国際連携会議」(東京)
2011年年2月4日
「環境省エコチル調査国際
シンポジウムの開催」(東京) 10

尼崎市における症例対照研究の
「設計」と「発信」
調査の概観

調査までの基本的な流れ
現状認識

2011年5月23日
「尼崎市における症例対照研究案」


外部評価

調査実施

国民・世界へ
の情報発信

研究設計

調査終了
63

経験共有

学術発表

11

参考資料(古谷委員提出資料)

2010年7月5日
環境省石綿健康被害対策室御中

石綿健康被害救済法見直しについて
アスベスト被害地域住民ネットワーク
代表

飯田浩(尼崎)、柚岡一禎(泉南)

中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会尼崎支部
泉南地域の石綿被害と市民の会
河内長野アスベスト被害者とその家族の会
中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会奈良支部
アスベストに関する地域住民の会(岐阜羽島)
旧朝日石綿住民被害者の会(横浜鶴見)
連絡先:136-0071東京都江東区亀戸7-10-1 Zビル5階
石綿対策全国連絡会議
TEL03-3636-3882、FAX03-3636-3881、banjan@auwakwak.com
本日開催された第20回アスベストの健康影響に関する検討会を、同検討会の健康リスク
調査が行なわれている地域のアスベスト被害者・家族、地域住民の団体である私たちの代
表が傍聴いたしました。私たちのネットワークが共同で検討会の傍聴にのぞんだのは、昨年
6月17日の第17回検討会につづくものです。
石綿健康被害救済法は、施行から5年以内(2011年3月27日まで)に「見直しを行なう」こ
ととされており、国会答弁等において、同検討会の各種調査もこの見直しの基礎となるもの
であるとされてきたことから、昨年の第17回検討会の翌日に場を設定していただき、環境保
健部長に直接「石綿健康被害救済法見直しに関する要請」を手渡すとともに、石綿健康被
害対策室長以下と話し合いをさせていただきました。
貴省ではその後、昨年11月に中央環境審議会に石綿健康被害救済小委員会を設置し
て、見直しの検討に着手しているものと承知しています。そこで、私たちの切実な要望を見
直し作業のなかで実現していただくよう、あらためて要請する次第です。
1. 調査地域においてアスベスト被害及び/またはアスベスト曝露の医学的所見が高率に認
められることの(考えられる)原因を明確にしてください。
2. 調査と検診を兼ねた「健康リスク調査(事業)」ではなく、石綿健康被害救済法に基づく健
康管理体制を確立してください。その際、過去の一定時期に当該地域に居住・通学・通

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勤等した者が、全国どこでも継続的に自己負担なしに健康管理を受けられる制度を、導
入してください。この対象には、職業曝露であっても労働安全衛生法による健康管理制
度の適用をうけない人を含めてください。
3. 今後の調査については、あらためて私たちと話し合ったうえで実施するようにしてくださ
い。
4. 石綿肺がん、及び、新たに指定疾病とされた石綿肺、びまん性胸膜肥厚についても、職
業曝露歴のないいわゆる住民被害者の救済を促進する対策を講じてください。その際、
過去の一定時期に当該地域に居住・通学・通勤等したという事実に基づいて、認定を容
易にする制度を、導入してください。
5. 今回指定疾病とされなかった石綿肺の合併症など、アスベスト曝露によって起こる可能
性のあることの明らかな疾病をすべて指定疾病に追加すること等によって、「門前払い」と
いう最悪の事態を解消してください。
6. 石綿健康被害救済法の給付の水準・内容を、患者・家族の生活や就学等の実情を踏ま
えて見直してください。
7. 救済率の達成目標を立てて、救済状況を検証する仕組みをつくり、達成できるまでは請
求権を奪わないようにしてください。
8. 石綿健康被害救済法及び関連施策に関して、定期的見直しを制度化するとともに、その
プロセスに私たちが参加できるようにしてください。

65