物理 II  第一回レポート

2013 年/前期
HI/TE

1  物理 (力学) の基本 + 等速直線運動:

以下の (1) ∼(10) に当てはまる語句や数式を答えよ。

物理学における古典力学の目的は、
「考えている物体が、時間とともにどのように運動していくのかを知る」

言い換えれば「全ての時刻 t[s] での位置 x(t)[m] を求める」というものである。そしてこの目的を果たすため
・・・・
の出発点が 2 年生の時に習った Newton の運動の3法則*1 である。そのため、力学における物理系の力学的情

報は運動の 3 法則から全て導かれる。*2
簡単な例として、2 年生の時に習った「力を受けていない質量 m[kg] の粒子 (1 次元)」の時刻 t での位置

x(t) を求めてみよう。スタート地点は前述のように運動の法則、特に運動方程式

x(t) = F
である。今、力が作用していないので F = 0 より

x
¨(t) = (2)

(A)

となる。講義で紹介したように、この方程式は今まで諸君が習ってきた一次方程式や二次方程式と異なり、時
間の 2 階微分 (d2 /dt2 ) を含む「微分方程式」と呼ばれるものである。この方程式は「t で 2 回微分して 0 にな
る関数 x(t) = ?」という問題であり、答えは当然、t の一次式 x(t) = 3t + 5 の様になる。以下ではこれを一
般的に解いてみよう。
始めに、微分と積分が逆演算


x
¨(t)dt =

dx(t)
˙
dt = x(t)
˙
dt

であることに注意し、(A) の両辺を t で積分して

x(t)
˙
= v0

(B)

となる。ここで v0 [ (3) ] は積分定数である。さらにこの式を t でもう一度 (4) すれば、積分定数を x0 [m]
として

x(t) = (5) t + x0

(C)

より運動方程式の答えが得られた。つまり質点は等 (6) を運動する事がわかる。
ここで、2つの積分定数 x0 , v0 は運動方程式からは決めることが出来 (7)

ことに注意したい。これらの

意味は (C),(B) で t = 0 としてみれば x(0) = (8) , v(0) = x(0)
˙
= (9) , であるから、それぞれ初めの位置

x(0) と初めの速度 v(0) を表しているのがわかる。そこで例えば「初期条件」として t = 0 の時、x(0) = 3[m],
v(0) = −2[m/s] 等を定めると x(t) = (10) となって、全ての時刻 t[s] における粒子の位置 x(t)[m] がわかる
事になる。

[2 × 10 = 20] 点
*1
*2

(1) ・運動方程式・作用反作用の法則
ここで力学的情報とは粒子の位置や速度、さらに運動量及びエネルギー保存等を表す。ただし跳ね返り係数 e や摩擦係数 µ 等の物
・・・・・・
質の性質や形状といった非力学的性質から定まる量に関しては、運動の 3 法則から導出する事は出来ない。

2

等価速度運動 (自由落下): 質量 m[kg] の小球を、地表から高さ 5.00[m] の位置から初速度 8.00[m/s] で鉛

直上向きに放り投げるとき、以下の問いに答えよ。ただし、重力加速度の大きさを g = 9.80[m/s2 ] とし、地
表を原点に、鉛直上向きを正にとる。

(1) 時刻 t[s] における小球の地表からの距離を x(t)[m] とする時、小球の運動方程式を書け。
(2) 運動方程式の両辺に v(t) =

dx˙
(t)[m/s] をかけることによってエネルギー保存則を求めよ。
dt

(3) 運動方程式を解け。(積分定数は残したままでよい)
(4) t = 1[s] における小球の位置と速度を求めよ。
[5 + 5 + 5 + 5 = 20] 点

3

運動量保存: 以下の問いに答えよ

(1) 水平方向に 400[m/s] の速さで飛んできた、質量 10.0[g] の鉛の弾丸が、長い糸で天井から吊るされて
静止している質量 2.00[kg] の鉛塊と衝突して一体となった。衝突後、鉛塊が上る高さは何 [m] か。ただ
し重力加速度は 9.80[m/s2 ] とする。(テキスト p120,20-13)

(2) 質量 m[kg] の台車 A と質量 M [kg] の台車 B を、押し縮めた軽いばねをはさんで挟んで糸でつないで
静止させる。糸を静かに切ると、台車 B は速度 vB で右向きに動き始めた。この時、台車 A の速さを
求めよ。(問題集 p75,119 の図参照)

(3) 質量が 4.0[kg] の物体 A と、2.0[kg] の物体 B が一直線上を運動している。A は 3.0[m/s] で右向きに
進み、静止していた B に衝突した。A、B の間の反発係数を 0.5 として衝突後の A、B の速度の大きさ
と向きを求めよ。また衝突によって失ったエネルギーを求めよ。(類テキスト p117、例題 11-1)

(4) テキストの p120 の問題 20-12 の (1)、(2) でエネルギー保存則が成立しない理由を簡潔に述べよ。
[5 + 5 + 5 + 5 = 20] 点

4

円運動: 水平に固定されている滑らかな平面の薄い板に、小さな穴を開けて長さ l[m] の軽い糸を通して

上端と下端にそれぞれ質量 m[kg] と M [kg] の質量の小球を取り付ける。さらに板の上に出ている糸の長さを

x[m] にして m を板の上で速さ 2v[m/s] の等速円運動を、そして M を水平面内で速さ v[m] の円運動 (円錐
振り子) をさせると、糸は鉛直線に対して π/3[rad] だけ傾いて板の上と下の部分の糸長さが一定になって2
つの小球は円運動し続けた。この時、重力加速度を g[m/s2 ] として以下の問いに答えよ。(類 Wisconsin 大、

Princeton 大入試)
(1) 糸の張力 S を m, v, x を用いて表せ。
(2) 糸の張力 S を M, v, l, x を用いて表せ。

(3) x を m, M を用いて表せ。
(4) m の周期 T [s] を v, l, m, M を用いて表せ。
[5 + 5 + 5 + 5 = 20] 点

5

単振動: 水平面上になめらかな溝を持った直線のレールがある。この溝の中に質量 m,M [kg] の小球 A,B

を置き、両者をばね定数 k[N/m]、自然長 l[m] のばねでつないだ。この時、以下の問いに答えよ。(類 MIT
入試)

(1) 時刻 t[s] での A,B の座標を xA (t), xB (t) とし、A と B の運動方程式をかけ。[ヒント:A,B の座標が
xA (t), xB (t) の時、自然長からの変位は (xB (t) − xA (t)) − l である]
(2) (1) の 2 式を重心座標 X(t) =

mxA (t)+M xB (t)
m+M

と自然長からの相対的な変位座標 x(t) = xB (t) −

xA (t) − l で書き直す事によって、重心が静止するか等速直線運動を、相対座標が単振動することをそ
れぞれ示せ。

(3) m = M = 1[kg] とし、初期条件 xA (0) = 0, vA (0) = 0, xB (0) = l, vB (0) = 4 のもとで xA (t), xB (t)
を求めよ。

[5 + 5 + 10 = 20] 点
注意事項 (スキャンのため)

• レポート用紙 A4 に限定する
• 解答が複数枚にわたるときは、ホッチキスで留めてしまわないこと
• 解答が複数枚にわたるときは、全てに記名すること
• 自分で考えること (試験まであわせれば、これが最短経路である)

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