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1はじめに

1 1 研究背景

1990 年代以降国際援助における援助効果有効性見直きを背景キャパシティデ ィベロップメントCapacity DevelopmentCDする議論活発われてきたその中心 的役割たしているのは国連開発計画United Nations Development ProgrammeUNDPであるUNDP 1997 Capacity Development Technical Advisory Paper 2』、そして 2002 Capacity for DevelopmentNew solutions to old problemsによって CD 概念支援理論的 枠組みを提示それを国際機関二国間援助機関CD 定義援助方針基本アプロ ーチについてのをそれぞれ発展させてきたすなわち1990 年代CD 概念について模索 1 していた時代だったといえるだろうそれにしてわが技術協力事業有効性効果持続性めるCD 概念有用で あるとの認識国際協力機構Japan International Cooperation AgencyJICAじてUNDP など他援助機関連携しながら本分野におけるイニシアティブを積極的にとっているえば国内的には2004 、『キャパシティディベロップメントハンドブック作成CD 概念導入けた指針とするとともに同年調査研究CD 概念整理JICA 協力 事例分析から CD 視点づく事業改善方向性検討しているまた国際的にも 2003 そして2004 国際シンポジウムを開催実践的CD アプローチについて議論める提供してきた 2 このようにCD をめぐる議論1990 年代概念整理確立から2000 年 以降その概念をいかに現場協力事業反映させていくかという概念から実践へとシフトして きたといえるだろう 3 こうした議論発展JICA 地域開発 4 廃棄物管理 5 灌漑農業 6 家族計画女性 のエンパワーメント 7 のそれぞれの分野において CD 視点から事例分析CD づ いた協力事業実践するでの教訓今後課題抽出している教育開発分野においても同様事例研究われその実践アプローチの検証われてい るえば馬渕横関JICA 基礎教育分野における技術協力代表である理数科教育協 力についてケニアガーナフィリピン 3 事例CD 観点から見直しをったそし て CD 視点った同分野での協力教訓として1制度化意識した協力方法への

転換2キャパシティの把握づくリスク要因への戦略的対応3制度化のための環境づく

1 駒澤2005p. 5

2 マ ニ ラ 会 議 に お い て はUNDP世 界 銀 行 研 究 所World Bank Institute)、 カ ナ ダ 国 際 開 発 庁Canadian International Development AgencyCIDAそして東京会議においては3 機関にドイツ技術協力公社 Deutsche Gesellschaft für Technische ZusammenarbeitGTZえての共同開催

3 Ibid. p. 6

4 馬渕角田2004

5 JICA2005

6 三好永代2005

7 駒澤2005

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4CD 達成度評価するためのプロセス指標開発げている 8 一方開発途上国における教育セクター開発支援においては従来教育向上教育マネジメントの能力強化重要性強調されてきている 9 すなわち教育向上けた活動効果的かつ持続的われるためには地方学校レベルにおける 教育マネジメントの改善必要不可欠であるという議論である地方教育行政においては教育開発現状とニーズを正確把握それにじた政 策計画立案事業実施モニタリング予算管理能力強化学校レベルにおいては父母 会などもんだ学校運営能力強化られた教育資源有効活用することがめられてい るこの教育マネジメントの CD 実現するためには教育行政官学校長する人材育成すなわち「個人レベルのCD意思決定迅速化組織体制効率化など組織レベルの CD」、さらには個人組織能力発揮できる環境える制度レベルの CD包括的強化していくことが必要であるこうした背景からこれまで教育マネジメント分野における CD 目的としたさまざまな開 発途上国政府自らのみやドナーによる協力活動実施されそれらはプロジェクトやプ ログラムにする報告書として徐々蓄積されてきているしかし一方それらのほとんどはプロジェクトごとの目標活動計画づいた実績成果そして教訓提言抽出視点かれておりそれらが CD 概念整合性のある政策協力であったのか対象とする個人組 織社会制度特性にどのような配慮われたのかといった視点による分析考察った 研究蓄積はいまだ十分とはいえない状況である

1 2 研究目的課題

このような認識本研究目的事例研究して教育マネジメントの CD 目的と したみが対象とした個人組織社会制度特徴してどのような配慮がなされたの かまたはなされてこなかったのかを考察今後JICA 事業する提言うことである事例としてはマラウイ教育セクターをげるがその選択においては以下3 基準 とした

1990 年代以降政治民主化そして教育開発においては国際的基礎教育重視潮流初等教育無償化政策などによって教育へのアクセスは改善されたものの教育低下教育行政全体のマネジメントが課題とされているサブサハラアフリカ地域

近年地方分権化政策により中央教育本省地方教育行政強化一層重要にな っている教育行政組織改善行政官能力向上必要性指摘されている

教育セクター開発重点課題位置付わがむドナーによって教育マネジメント

8 馬渕横関2004pp. 1719

9 外務省2002)、JICA2002aなど

2

強化のための支援われてきた実績する

セクターワイドアプローチSector Wide ApproachSWAp直接財政支援などの援 助モダリティの導入模索される援助協調課題とされている

マラウイでは1994 複数政党制による大統領選挙実施後民主化政策推進しておりそ のでも教育セクター開発重点分野のひとつとして位置付国際機関二国間援助機関基 礎教育分野への支援中心積極的支援われているわが同国における教育セクタ ー支援重点分野位置付開発調査技術協力プロジェクト無償資金協力実施専門家 青年海外協力隊理数科教師派遣っているしかし行政能力する教育行政官離職によるキャパシティの外部流出教育省な どの教育行政組織において人材組織能力最大限かす組織構造組織文化制度 的体制っていないことによる内部非効率問題などが課題として指摘されている政府教育マネジメント強化重要政策課題として位置付それにしてくのドナーから も支援があるにもかかわらずなぜ期待する効果げられないのかこれまでマラウイは 教育マネジメント強化のためどのような政策をとりドナーはどのような方針アプローチで支 援ってきたのかそれにする個人認識はどのようなものなのか効果的CD 阻害し ている要因としてえられるのかそれは援助れるであるマラウイ組織体 制社会制度的問題起因しているのかそれともドナー支援アプローチにけている視 点があるのかいずれの場合においても今後われわれはどのような改善策をとることがえ られるのだろうか本研究以上のようないについて考察うものであるそしてそこ からかれる教訓同様問題える開発途上国教育セクター支援においても参考と なることを期待するものである

1 3 本書構成

本報告書3 12 から構成される1 1)。

123では教育マネジメントをめぐる議論整理本調査理論的枠

みについてべるまず2 では、「教育マネジメント定義範囲研究分野国際開発分野について概 観本研究における議論範囲提示するそして現在教育マネジメントにおける CD 必要性がなぜ指摘されているのかその背景について教育地方分権化との関連整理するそして3 ではCD 支援のありについての理論的枠組みを紹介するJICA2006づきCD におけるドナーの役割事例分析枠組みとしてCD 促進する 5 つの提 示する

246ではマラウイ教育セクターを事例教育マネジメント強化

のためのマラウイ政府政策とその実施それにするドナーの支援方針実施状況課題につ

いて整理する

3

1 1 報告書構成

1 総論理論的枠組

第 1 部 : 総論 : 理論的枠組 み 【 第 2 章 】 教育 マネジメントをめぐる 議論
【 第 2 章 】 教育 マネジメントをめぐる 議論

2 教育マネジメントをめぐる議論

教育マネジメントの問題

議論 ・ 教育 マネジメントの 問題 ・ 教育 の 地方分権化 の 背景 ・

教育地方分権化背景 アフリカにおける教育地方分権化 3 CD 支援のありドナーの役割 CD 促進する 5 つの提示

【 第 3 章 】 CD 支援 のあり 方 ・ ドナーの 役割 ・ CD を 促進
【 第 3 章 】 CD 支援 のあり 方 ・ ドナーの 役割 ・ CD を 促進
【 第 3 章 】 CD 支援 のあり 方 ・ ドナーの 役割 ・ CD を 促進
【 第 3 章 】 CD 支援 のあり 方 ・ ドナーの 役割 ・ CD を 促進
【 第 3 章 】 CD 支援 のあり 方 ・ ドナーの 役割 ・ CD を 促進
役割 ・ CD を 促進 する 5 つの 鍵 の 提示 第 2 部 : 事例─
役割 ・ CD を 促進 する 5 つの 鍵 の 提示 第 2 部 : 事例─

2 事例─マラウイの教育マネジメント

4 としての国家人材育成政策概要とプロセス 教育セクターにおける人材育成政策 政策評価 5 ドナーによる支援特徴 キャパシティにする認識 ドナー支援状況とアプローチの特徴 6 教育行政官する人材育成現状課題

に 対 する 人材育成 の 現状 と 課題 第 3 部 : CD の 視点 からの

3 CD 視点からの考察

7 オーナーシップ ステークホルダーの特徴関係性力関係 オーナーシップと教育開発目標 8 良好政策制度環境 新家産国家制度 政治特徴 公務員制度改革 9 インセンティブ 組織構造とインセンティブ 給与格差とインセンティブ 動機付けの要因

10 リーダーシップ 教育マネジメントモデルとリーダーシップ のスタイル リーダーシップと権限 11 知識 知識マネジメントにおける留意点 教育統計知識マネジメントの課題

教育統計 に 見 る 知識 マネジメントの 課題 【 第 12 章 】 JICA 事業適用 への 提言

12 JICA 事業適用への提言

はじめに4 でマラウイの公共セクター全般および教育行政官人材育成政策についてそ の特徴課題について概観する5 ではドナーの教育セクター支援方針CD す る認識アプローチの特徴について整理するそして6 ではこのような政府とドナーの みによる教育マネジメント強化目的とした研修やトレーニングプログラムの実施状況 課題について考察3 7 11 では2 事例られる課題要因について1 した CD 促進する 5 つのから考察これまでの教育マネジメントの CD 目的とした支援けていたとわれる視点について考察するまず7 ではステークホルダー分析によりステークホルダーの特徴関係性力関係 考察するとともに国際社会による開発目標設定SWAp 直接財政支援といった援助モダリ ティとオーナーシップの関係について議論する8 では教育行政政治制度環境について考察まず新家産国家 概念について紹介その枠組みからマラウイの政治特徴について考察独立から 1990 年代前半までのバンダ政権民主化後のムルジ政権政治のありについて共通点相違

4

整理それが公務員制度改革公務員行動規範にどのような影響えてきたかにつ

いて考察する

9 では教育行政組織現在公務員制度下における給与格差インセンティブにどの

ような影響えているのかを考察するまたインセンティブをえる要因について考察

インセンティブを創出する留意すべきについて考察する

10 では教育マネジメントのモデルから必要とされるリーダーシップのスタイルを考察

それがなぜうまく発揮されないのかその理由についてリーダーのかれた立場環境か ら検討そして11 では知識効果的にマネジメントするための留意点マラウイ教育 統計マネジメントを知識マネジメントの課題考察する最後12 では事例考察まえ今後JICA 技術協力事業への提言

1 4 調査方法

本研究定量および定性分析などのさまざまな研究方法いた政府および二国間国際 機関および NGO などのドナー関係者分析においては現存する資料収集オリジナルの質問 票やインタビューによる第一次資料活用した

先行研究レビュー文献レビュー

教育セクター開発政策とその現状政策関連のオリジナル資料収集政策意思決定者への質問票およびインタビュー Structured および Un-structured Question

現地調査教育セクター政策支援アプローチの現状分析 ドナーなどに支援実績する資料収集関係者への質問票およびインタビューStructured および Un-structured Question)(調査面談者別添参照

1 5 研究意義限界

本事例において教育行政従事する個人とその組織社会制度特徴考察これまでの 教育マネジメント CD 支援けていた視点がなかったかを検討教訓抽出することは同 分野における支援のありえる事例同地域であるサブサハラアフリカ地域協力における留意点基礎資料となるものである本研究対象としている CD その定義課題対処能力個人組織社会などの複数 のレベルの総体として向上していくプロセス」(JICA 2006とあるように社会における多様要 素のキャパシティ課題対処能力とそれらの相互作用しておりその本質包括

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視点であるにそれは個人組織社会のかかわりという研究対象複雑性してい るまた教育マネジメント分野における CD 支援についての先行研究しくかつ効果的

CD 支援必要かはそれぞれの社会経済環境歴史文化など諸条件によってなり一般

困難分野でもある

って本研究においては定性的研究Qualitative Study一手法である事例研究 Case Studyによってマラウイ教育セクターを考察することにより実際教育マネジメント

CD 支援から教訓抽出今後のありについて検討うものである

一方事例研究その結論一般化困難なこと採用される理論的枠組みがずしも科学 的確立されたものではないことなどの方法論的限界するって今後CD 促進す る要素についてのさらなる実証研究事例研究分析蓄積必要であるとともに有効CD 方法論についてマニュアルえを早急めない研究実務姿勢必要である

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