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ママラウイママラウイラウイ国ラウイ国国国 教育教育教育教育セクターセクターセクターセクター 開発調査開発調査開発調査開発調査 NIPDEP 後継案件後継案件後継案件後継案件形成形成形成形成のののの 方向性方向性方向性方向性・アプローチ・アプローチに・アプローチ・アプローチにに関に関関する関するする一考察する一考察一考察一考察

2005 年年年年 2 月月月月

マラウイマラウイ共和国マラウイマラウイ共和国共和国共和国 教育省計画局教育省計画局教育省計画局教育省計画局 教育行政教育行政教育行政教育行政アドバイザーアドバイザーアドバイザーアドバイザー 中山中山中山中山 嘉人嘉人嘉人嘉人

1

1 <本拙稿の目的>

<本拙稿の目的> これまで実施されてきたマ国教育セクター教育行政能力強化支援を目的とした我が国開発調査の成果と 課題をレビューする。 マ国教育セクター地方分権化の経緯、アフリカにおける地方分権化全般に係るキャパシティ・ディベロップ

メント支援におけるこれまでの教訓等、開発調査フェーズ2:NIPDEP 後継案件を検討するにあたり考慮す べき事項を整理する。 上述2点を踏まえ、『NIPDEP 後継案件』の方向性とアプローチについて考察する。

[目目目目

次次次次]

I.

我我が我我がが国開発調査が国開発調査国開発調査国開発調査によるマによるマ国教育によるマによるマ国教育国教育国教育セクターセクターセクターセクター教育行政強化支援教育行政強化支援教育行政強化支援教育行政強化支援のの背景のの背景背景背景

2

1. 国国レベルの国国レベルのレベルの地方分権化政策レベルの地方分権化政策地方分権化政策地方分権化政策のの経緯のの経緯経緯経緯

2

2. 教育教育教育教育セクター・レベルのセクター・レベルの地方分権化政策セクター・レベルのセクター・レベルの地方分権化政策地方分権化政策地方分権化政策のの経緯のの経緯経緯経緯とと進捗とと進捗進捗進捗

2

II.

調調調調

2

---- まとめまとめまとめまとめ

----

4

III.

アフリカにおけるアフリカにおける地方分権化支援アフリカにおけるアフリカにおける地方分権化支援地方分権化支援地方分権化支援のの教訓のの教訓教訓教訓とと今後とと今後今後今後のの支援可能性のの支援可能性支援可能性支援可能性

5

1. これまでのキャパシティ・ディベロップメントこれまでのキャパシティ・ディベロップメント(これまでのキャパシティ・ディベロップメントこれまでのキャパシティ・ディベロップメント(((CD))支援範囲))支援範囲支援範囲支援範囲とそのとその限界とそのとその限界限界限界

5

2. 調調調調 NIPDEP

5

3. 地方分権化支援地方分権化支援地方分権化支援地方分権化支援とととと SWAP とのとの関係とのとの関係関係関係

6

4.

6

5. 中央政府中央政府中央政府中央政府のの役割のの役割役割役割とキャパシティ・ディベロップメントとキャパシティ・ディベロップメントとキャパシティ・ディベロップメントとキャパシティ・ディベロップメント

6

---- まとめまとめまとめまとめ -

7

IV.

NIPDEP 後継案件後継案件後継案件後継案件のの方向性のの方向性方向性方向性とと案件形成とと案件形成案件形成案件形成アプローチアプローチアプローチアプローチ

7

1.

7

2.

7

1)

支援形態支援形態支援形態支援形態のの類型のの類型類型類型

7

2)

地域地域地域地域・コンポーネ・コンポーネント・コンポーネ・コンポーネントント形態ント形態形態形態のの「のの「「メリット「メリットメリット/メリット//機会/機会機会機会」」と」」とと「と「「デメリット「デメリットデメリット/デメリット//リスク/リスクリスク」リスク」」」

9

3. NIPDEP

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2

2 I.

I. 我我が我我がが国開発調査が国開発調査国開発調査国開発調査によるマによるマ国教育によるマによるマ国教育国教育国教育セクターセクターセクターセクター教育教育教育教育行政強化支援行政強化支援行政強化支援行政強化支援のの背景のの背景背景背景

1.1.1.1. 国国レベルの国国レベルのレベルの地方分権化政策レベルの地方分権化政策地方分権化政策地方分権化政策のの経緯のの経緯経緯経緯

<国レベル>

1998 年 12 月:『 National Decentralisation Plan 』が国会を通過。

1998

12 月:『National Decentralisation Plan』が国会を通過。

地方分権化により以下の達成を目標とする。 1)民主的な環境を整備。地方レベルで意思決定に人々が参画できるようなガバナンス整備 2)行政の効率化、経済化、コスト削減のための県レベルの行政の二重構造の解消(現場と地方行政) 3)貧困削減のために地方レベルでの説明義務、グッド・ガバナンスの推進 4)地方レベルでの社会経済開発活動への大衆の動員 国会通過後 1998 12 月の直後に、『Department of Local Government』を設立。目的は、NDP 進捗の監

督と、『Technical Cooperation Programme (TCP)』の作成。TCP 2000 8 月に『Decentralisation Implementation Plan (2000-04)』及び『Technical Cooperation Framework』となる。

2000 年 8 月:『 Decentralisation Implementation Plan (2000-04) 』及び『 Technical Cooperation Framework 』

2000

8 月:『Decentralisation Implementation Plan (2000-04)』及び『Technical Cooperation Framework

作成

8つの枠組みからなっており、すべての項目は相互に関連しあっている。

1)

法的枠組み

2)

市民教育

3)

地方政府選挙

4)

行政改革

5)

財政及び会計管理

6)

機能の分権化

7)

地方開発計画

2.2.2.2. 教育教育教育教育セクター・レベルセクター・レベルのセクター・レベルセクター・レベルのの地方分権化政策の地方分権化政策地方分権化政策地方分権化政策のの経緯のの経緯経緯経緯とと進捗とと進捗進捗進捗

<セクター・レベル>

保健、教育、農業の3セクターは、地方分権化推進のモデル・セクターとしてスタート。

7 7 月~:教育セクターにおいては、1)初等教育、2)遠隔教育、3)就学前教育、が地方政府レベ ルに権限委譲される予定だったが延期となる。

5 月:教育セクター地方分権化会議=>権限委譲の内容、プロセスについての意見交換 5 月:教育セクター地方分権化会議=>権限委譲の内容、プロセスについての意見交換 その後、毎月の開発パートナー会議で議題に上るも特筆すべき進捗は見られず。

1 月: 「 Devolution of Primary Education to Local Assemblies – Devolution Guidelines 」(案)が作 1 月: 「Devolution of Primary Education to Local Assemblies – Devolution Guidelines」(案)が作 成されるとともに、2005/06 予算策定においては、県教育事務所、政府系中高等学校もコス ト・センターとなる。

2001

2002

2005

特に、開発調査フェーズ1が開始された 2000 年は国レベルにおける地方分権化関連法案、枠組み案が次々と 発表され、その政策の実施促進支援というのが、本調査による支援の正当性、妥当性とされた。

3

3 表1: 我が国開発調査の成果と課題    

表1: 我が国開発調査の成果と課題

   

全国全国全国全国スクールマッピング・マイクロプランニングスクールマッピング・マイクロプランニングスクールマッピング・マイクロプランニングスクールマッピング・マイクロプランニング

 

全国地方教育支援計画策定調査全国地方教育支援計画策定調査全国地方教育支援計画策定調査全国地方教育支援計画策定調査 (NIPDEP) ((開発調査((開発調査開発調査開発調査フェーズフェーズ2フェーズフェーズ22)2)))

((開発調査((開発調査開発調査開発調査フェーズフェーズ1フェーズフェーズ11)1)))

目的目的目的目的

基礎教育に係る県レベルの教育計画策定(マイクロプランニング) マイクロプランニングに関する研修 地方分権化パイロット 6 県におけるマイクロプラニング及びデモンストレーショ ン・プロジェクト の実施を通して、マラウイ国の基礎教育分野における中央・地方レベルの行政 組織強化、地方教育計画策定・実施のための人材育成に資する

県別教育計画(DEP)の実施促進 地方分権化の中での中央、地方レベル教育行政官及び行政組織の教育計 画策定能力及び実施能力の向上 DEP 及び PIF に基づいた全国地方教育支援計画の策定 を通じて持続的な DEPs 実施体制の確立に資する

 

パイロット地区におけるデモンストレーション・プロジェクトの実施 マイクロプランニング作成のための研修実施 教育基礎データマネジメントのための研修実施

33 県教育事務所 DEPs のレビューと改定

主主な主主ななな

6パイロット県における教育行政官に対する研修(教育計画、プロジェクト管 理等) 6 パイロット県におけるパイロット・プロジェクト(フェーズ1:39 コンポーネント、 フェーズ2:41 コンポーネント) DEPs 実施促進マニュアルとしての全国地方教育支援計画書(NDEP)作成

活動活動活動活動

内容内容内容内容

 

マイクロプランニング(地方教育開発計画)作成のためのシステム構築案作成

より現実的な活動予算を設定した改定版 DEPs 2005-8(全 33 県)

成果成果成果成果

マイクロプランニング研修マニュアル作成

教育セクターの地方分権化促進のための人材育成とパイロット・プロジェクト 実施による基礎教育のアクセスと質の向上 ( )

PIF サマリーの作成と配布

 

地方教育行政官の教育計画立案能力向上

DEPs 実施体制案の提示

 

1111))))

全般全般全般全般 教育省側の受身の姿勢 (オーナーシップの欠如)。計画策定・実施ともに ドナーからの支持町となるケースが多々。事業のモニタリング・評価につい ても積極的な実施関与がなされてない。 地方分権化推進について中央政府の役割とその責任、そしてリーダーシッ プが発揮されず、遅々として進まない。 省内部局が縦割り行政で情報共有、連携のメカニズムがない。また、地方と の連絡も悪く、教育現場の状況が中央に正確に伝わっていない。 援助事業はドナー主導で進められ、月例定例会議においても課題の解決 のためのアクションがマ国側から積極的に行われない。 開発パートナー支援による活動報告書、研修マニュアル、教材等が作成さ れているが、教育省による一括管理されず、また情報共有(ナレッジマネジ メント)の意識が低い 人材育成人材育成人材育成人材育成/組織制度組織制度組織制度組織制度 州・県教育事務所には優秀な人材が配置されているにもかかわらず、彼ら の DEPs 実施促進上の役割が不明確かつその活動を正当に評価するシス テムが整備されていない。 マイクロプランニングの基礎となる教育データ管理システム(EMIS)が整備 されていない。

フェーズ1時の課題の中で、地方分権化の進捗について「ガイドライン(案)」の策

課題課題課題課題

定がなされたこと、EMIS システムの整備においては若干の前進、改善が見られ るもののその他は依然として根本的な解決には至っていない。それに加え、以下 の点が指摘できる。 地方レベル策定の DEPs と中央・ドナー中心で策定作業を行っている「セク タープラン」との非整合性、特に活動予算。 本省計画局の実施促進・調整に対するリーダーシップの欠如 本省各部局(初等教育、中等教育)の DEPs 実施に対する積極的な役割遂 行の必要性 各州事務所プランナー(本プロジェクトのコア・トレーナー)による円滑なファ シリテーション能力向上の必要性 地方レベルにおける更なる個人・組織のキャパシティ・ディベロップメントとオ ーナーシップ強化

 

2222))))

開発パートナー(特にドナー)と NGOs の支援活動調整のハーモナイゼーシ ョンと DEPs 実施支援に対する共通認識

4

4 (注1) NIPDEP パイロットプロジェクト活動成果   フェーズ1( 2003 年度)

(注1)NIPDEP パイロットプロジェクト活動成果

 

フェーズ1(2003 年度)

フェーズ2(2004 年度)

教員教員教員教員//行政官研修//行政官研修行政官研修行政官研修

教員:3,330 人、学校運営委員会/PTA メンバー:970

教員:1,850 人、学校運営委員会/PTA メンバー:1,760

学校教室建設学校教室建設学校教室建設学校教室建設

8

ブロック

 

7 ブロック

教員住宅建設教員住宅建設教員住宅建設教員住宅建設

13

住宅

 

5 住宅

理科実験室建設理科実験室建設理科実験室建設理科実験室建設

1

実験室

 

1 実験室

トイレトイレ施設建設トイレトイレ施設建設施設建設施設建設

20

トイレ

19

トイレ

彫彫り彫彫りり抜り抜抜き抜きき井戸き井戸井戸井戸

 

 

養殖用池養殖用池養殖用池養殖用池

 

-

 

3

学習教材配布学習教材配布学習教材配布学習教材配布

 

5,170

 

3,410

机机・机机・・椅子配布・椅子配布椅子配布椅子配布

1,400 セット

1,490 セット

科学科学科学科学セットセット配布セットセット配布配布配布

12

キット

15

キット

---- まとめまとめまとめまとめ

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上述表上述表上述表上述表からから、からから、、以下、以下以下以下のことがのことが言のことがのことが言言える言えるえる。える。。。

これまでのこれまでの支援これまでのこれまでの支援支援支援をを通をを通通じ通じじ、じ、、地方教育行政、地方教育行政地方教育行政地方教育行政レベルのレベルの教育開発計画能力レベルのレベルの教育開発計画能力教育開発計画能力教育開発計画能力、、実施能力強化、、実施能力強化実施能力強化実施能力強化はあるはある程度はあるはある程度程度程度のの成果のの成果成果成果をを挙をを挙挙げたとともに挙げたとともにげたとともに教育環境改善げたとともに教育環境改善教育環境改善教育環境改善がなされたとがなされたと言がなされたとがなされたと言言える言えるえる。える。。。

教育教育教育教育セクターのセクターの地方分権化セクターのセクターの地方分権化地方分権化地方分権化のガイドラインとなるであろうのガイドラインとなるであろうのガイドラインとなるであろうのガイドラインとなるであろう NDEP とととと DEPs のの実施運営体制のの実施運営体制実施運営体制実施運営体制についてもパイロット・プロジェクトをについてもパイロット・プロジェクトを通についてもパイロット・プロジェクトをについてもパイロット・プロジェクトを通通じ通じじ、じ、、モデル、モデルモデル案モデル案案となるものを案となるものをとなるものを経験となるものを経験経験経験しし、しし、、、

教育省側教育省側教育省側教育省側にに提示にに提示提示提示することができたすることができた。することができたすることができた。。。 一方一方一方一方、、中央、、中央中央中央のの教育本省のの教育本省教育本省教育本省のリーダーシップのリーダーシップ、のリーダーシップのリーダーシップ、、イニシアティブが、イニシアティブがイニシアティブが非常イニシアティブが非常非常非常にに脆弱にに脆弱脆弱脆弱なためなため、なためなため、、これまでの、これまでのこれまでの経験これまでの経験経験経験とと教訓とと教訓教訓教訓をを生をを生生かした生かしたかしたかした DEPs のの持続的のの持続的持続的持続的なな実施体制確立なな実施体制確立実施体制確立実施体制確立までにはまでには至までにはまでには至至っ至っっっ

ていないていない。ていないていない。。。 開発開発開発開発パートナーがパートナーが主導権パートナーがパートナーが主導権主導権主導権をを持をを持持ちながら持ちながらちながら本省ちながら本省本省本省レベルをレベルを中心レベルをレベルを中心中心中心にに作成にに作成作成作成しているしているしているしている SWAP セクタープランやセクタープランやセクタープランやセクタープランや MTEF のの枠組のの枠組枠組枠組みみ(みみ((トップダウン(トップダウントップダウン)トップダウン))と)とと地方と地方地方地方レベルからレベルから上レベルからレベルから上上がってくる上がってくるがってくるがってくる DEPs((ボトムアップ((ボトムアップボトムアップ)ボトムアップ))の)ののの 2 つのアプローチをどのようにつのアプローチをどのように整合性つのアプローチをどのようにつのアプローチをどのように整合性整合性整合性のあるものにしていくかのあるものにしていくか、のあるものにしていくかのあるものにしていくか、、特、特特に特にに予算計画に予算計画予算計画予算計画についてのメカニズムがについてのメカニズムが依然不明についてのメカニズムがについてのメカニズムが依然不明依然不明依然不明でありであり、でありであり、、それに、それにそれに対それに対対して対してして教育して教育教育教育 本省本省本省本省がががが Ministry of Local Government などなど他関係省庁などなど他関係省庁他関係省庁他関係省庁とどのようにとどのように役割分担とどのようにとどのように役割分担役割分担役割分担とと調整とと調整調整調整をを行をを行行っていくのか行っていくのかっていくのかっていくのか PS やや計画局長やや計画局長計画局長計画局長のの案のの案案として案としてとして表明として表明表明表明されつつもされつつも、されつつもされつつも、、それを、それをそれを実際それを実際実際実際にににに 体制体制体制体制としてとして調整としてとして調整調整調整するまでするまで環境するまでするまで環境環境環境がが整がが整整っていない整っていないっていない。っていない。。。

5

5 III.

III. アフリカにおけるアフリカにおける地方分権化支援アフリカにおけるアフリカにおける地方分権化支援地方分権化支援地方分権化支援のの教訓のの教訓教訓教訓とと今後とと今後今後今後のの支援可能性のの支援可能性支援可能性支援可能性 1

1.

これまでのキャパシティ・ディベロップメントこれまでのキャパシティ・ディベロップメント(これまでのキャパシティ・ディベロップメントこれまでのキャパシティ・ディベロップメント(((CD))支援範囲))支援範囲支援範囲支援範囲とそのとその限界とそのとその限界限界限界

CD概念の推進役を果たしているUNDPは、CDを以下のように定義づけている。 「個人、組織、制度や社会が、個別にあるいは集合的にその役割を果たすことを通じて、問題を解決し、また 目標を設定してそれを達成していく、“能力”(問題処理能力)」 2 そしてこのCDは具体的に以下の4つの分野;1)組織改革(Institutional Capacity Development)、2)法機構 改革(Legal Constitutional Reform)、3)財政改革(Financial Fiscal Policy Reform)、4)人事機構改革(Human Resources)における機能性の拡大を指している。上記のように定義づけることで、キャパシティ・ディベロップメ ントとは人材の訓練・リソースの量的改善等を超越した意味を含むようになる。 しかし、現実には多くの援助が「キャパシティ・ディベロップメント」という名のもとに専ら「研修や訓練」につぎ 込まれているが、それだけでは正確な意味でのキャパシティは確立されてゆかない。もちろん、現実の援助可 能性を考慮に入れた場合、研修や訓練というのは援助受け入れ側にとっては不都合が最も少ないし、援助側 も受け入れ国政府と摩擦を起こしにくく援助しやすい形態であることは否めない。しかしながら、研修によって 磨かれた人材が持続的に、また効率的に働けるような組織機構・法機構・人事機構そのものの改革を伴う包 括的なキャパシティ・ディベロップメントが必要とされている。

2.2.2.2. 開発調査開発調査開発調査開発調査 NIPDEPNIPDEPNIPDEPNIPDEP 後後の後後のの支援範囲の支援範囲支援範囲支援範囲のの可能性のの可能性可能性可能性

現状での地方分権化関連の協力は、大きくわけて以下の3タイプに分類することができる(平田[2001])。

① 中央―地方制度の改革やキャパシティ・ディベロップメント(行政管理・運営能力強化)支援 ② 行財政改革、法改革、公務員組織改革など、NGO を含む市民組織の「参加」及び民主化促進支援 ③ 地方におけるインフラ整備、教育、保健、水環境整備、土地改革、農村開発等セクターごとの協力を通じ て分権化支援

このうち、これまでの開発調査フェーズ1及びフェーズ2は、①のキャパシティ・ディベロップメント支援、特に

地方教育事務所レベルにおける教育計画策定のための能力強化と実施枠組み支援に関わるものであった。

今後、他の援助機関による地方分権化支援動向を概観した上で、日本のマ国教育セクターの地方分権化

支援として有効なものとして検討する中で、地方政府への直接財政支援に関連する分野は避けられないであ

ろう。なぜならば、地方分権化政策がうまく機能するためには、地方政府の財政的能力向上が絶対的に不可

欠であるという現状認識がマ国側にも開発パートナー側の双方に存在しているからである。もちろん、我が国

の協力スキーム、援助モダリティを鑑みるに、『直接財政支援枠組み』という直接的な表現による支援は不可

能であろう。

しかし、これまでの開発調査による支援も、特にフェーズ2によるパイロット・プロジェクトに見られるように

JICAの開発調査チームが財政管理などのプロジェクトマネジメントの面で「中間者」として介在している形態を

とってはいるが、実質的には地方教育開発計画(DEPs)実施のための間接的な『直接財政支援』と『技術協力

支援』の混合型支援だったといえ、これまでのアプローチを継続することで必要とされる地方政府・教育行政

1 この章の考え方は、ほぼ平田[2001]のものを支持し、引用している。

the process by which

individuals, groups, organisations, institutions and societies increase their abilities to: (1) perform core functions, solve

problems, define and achieve objectives; and (2) understand and deal with their development needs in a broad context and in a sustainable manner .”

2 これは、DACCIDAが採用している以下の定義ともほとんど変わらないといえる。

6

6 への地方分権化促進に向けた支援は十分に可能といえる。 3.

への地方分権化促進に向けた支援は十分に可能といえる。

3. 地方分権化支援地方分権化支援地方分権化支援地方分権化支援とととと SWAP とのとの関係とのとの関係関係関係

一方、SWAPなどの枠組みの中で、地方分権化支援という名目の下、多額の援助資金が中央政府に流れ

たとしても、それが地方政府レベルでどの程度有効に利用できるかという点に最大限の注意が払われなけれ

ばならない。また、マ国中央政府(教育省)レベルにおける教育行政の高い非効率性を考慮すると、地方政府

からドナーへ直接援助を要請できるシステムを確立する必要性についても考慮しなければならない。

しかしながら一般に、地方政府とドナーとの距離がより密接になるような枠組みは、中央官僚や利益団体か

らの政治的圧力が強くなかなか実現することが難しい。こうした場合には、地方政府及び地方教育事務所へ

の財政的支援プログラム(NIPDEP後継案件)は必ず、公務員の態度や意識改革を含む公共部門の管理・運

営能力向上プログラムと抱き合わせで実施されなければならない。

キャパシティ・ディベロップメントの中でも特に公務員の態度・意識改革は長期的視点に立ってのみ可能と

なる。具体的には人事評価記録制度の改善や公正な研修機会分配制度、そしてそれらとリンクさせた昇進・

昇給制度の確立支援を視野に入れなければならない。

4. 地方政府地方政府地方政府地方政府のキャパシティ・ディベロップメントのキャパシティ・ディベロップメントのキャパシティ・ディベロップメントのキャパシティ・ディベロップメント

地方政府の行政能力向上のために最も重要な要素の1つは、リソースである。リソースとはこの場合、財源と

人的資源の2つを指している。地方政府の行政能力を向上させるためには、財源の確保だけでは当然不十分

である。地方政府の行政機構としての能力は、政策を実施する地方官僚の質的・量的効率性にかかっている

からである。彼らは分担された責任を果たすだけの十分な技術・知識・管理能力を有している必要がある。そ

してそれらの能力を発揮できるだけの、適度な裁量の自由が保障されていれば、地方分権化は政府全体の

効率性を改善し、透明性の拡大に貢献することになる。

5. 中央政府中央政府中央政府中央政府のの役割のの役割役割役割とキャパシティ・ディベロップメントとキャパシティ・ディベロップメントとキャパシティ・ディベロップメントとキャパシティ・ディベロップメント

地方分権化が地方政府の行政システムの効率性を高め、市民組織の参加を促し、公共サービスへのアク

セス機会の拡大に貢献するためには、いかなる役割を中央政府が担う必要があるのだろうか。まず第1に、中

央政府は社会の異なるアクターがそれぞれいかなる利害関係を有して、どのように地方分権化の実施プロセ

スに関わってくるのかをしっかり把握しておかなければならない。

同じく中央政府の重要な責任として、地方分権化による負の効果のうち、特に地域間格差拡大の可能性に

十分留意し、この問題に対処できるような政策装置を分権化過程に伴って確立する必要がある。

地方分権化は自動的に政府内部の透明性・効率性・行為責任明確性を高めるわけではない。それらは分

権化というプロセスを利用しながら、特別な努力をもって実現され得る便益である。とくに公務員の一般的な勤

務態度・専門性は中央政府・地方政府の区別なく改善される必要がある。公務員のインセンティブを高めるよ

うな組織改革を実施し、分権化の目指す目的が国家や地方の公務員全体に、十分に把握されるよう留意して

おくことは分権化の成否を決定づける要素となる。

以上のように、中央政府の果たす役割の重要性という視点に立つと、地方分権化支援は地方政府の能力

向上は言うまでもなく、中央政府内部の行政能力の向上なしに語ることはできない。

7

7 ---- まとめまとめまとめまとめ ----

---- まとめまとめまとめまとめ ----

キャパシティ・ディベロップメントはキャパシティ・ディベロップメントは、「キャパシティ・ディベロップメントはキャパシティ・ディベロップメントは、「、「研修、「研修研修研修やや訓練やや訓練訓練訓練」」のみにとどまらず」」のみにとどまらずのみにとどまらずのみにとどまらず、、研修、、研修研修研修によってによって磨によってによって磨磨かれた磨かれたかれた人かれた人人材人材材が材がが持が持持続持続続的続的的的 にに、にに、、また、またまた効率的また効率的効率的効率的にに働にに働働けるような働けるようなけるような組織機けるような組織機組織機組織機構構・構構・・法機・法機法機法機構構・構構・・人・人人事機人事機事機事機構構そ構構そそのもののそのものののものの改のものの改改革改革革を革をを伴を伴伴う伴うう包括う包括包括包括的的な的的なな支援な支援支援支援、、またはそ、、またはそまたはそまたはそ れをれを可能れをれを可能可能可能にするにする他開発にするにする他開発他開発他開発パートナーとのパートナーとの連携協力パートナーとのパートナーとの連携協力連携協力連携協力がが必要がが必要必要必要であるである。であるである。。。 日日本日日本本のマ本のマのマ国教育のマ国教育国教育国教育セクターのセクターの地方分権化支援セクターのセクターの地方分権化支援地方分権化支援地方分権化支援としてとして有としてとして有有効有効効なものとして効なものとしてなものとして検討なものとして検討検討検討するする中するする中中で中でで、で、、これまで、これまでこれまで開発調査これまで開発調査開発調査開発調査でで行でで行行行 ってきたってきた地方政府ってきたってきた地方政府地方政府地方政府・・教育行政・・教育行政教育行政教育行政へへのへへのの実質の実質実質実質、『、『間接的、『、『間接的間接的間接的なな直なな直直接直接接財政支援接財政支援財政支援財政支援』』を』』をを効果的を効果的効果的効果的にに活用にに活用活用活用していくことがしていくことが望していくことがしていくことが望望まれ望まれまれまれ るる。るる。。。 今後今後今後今後のののの NIPDEPNIPDEPNIPDEPNIPDEP 後継支援後継支援後継支援後継支援においてはにおいては、においてはにおいては、、公務員、公務員公務員公務員のの態のの態態度態度度や度やや意識や意識意識意識改改革改改革革を革をを含を含含む含むむ公共部む公共部公共部公共部門門の門門のの管理の管理管理管理・・運・・運運営運営営能力営能力能力能力向上向上向上向上 ププロププロログロググラムグラムラムとラムとと抱と抱抱き抱きき合き合合わ合わわせわせせでせでで実で実実施実施施されなけれ施されなけれされなければされなければばならないばならないならない。ならない。。具体的。具体的具体的具体的にはには人にはには人人事人事事評価記録事評価記録評価記録評価記録制制度制制度度の度のの改善の改善改善改善やや公正やや公正公正公正なな研なな研研研 修機会分配制度修機会分配制度修機会分配制度修機会分配制度、、そしてそれらとリン、、そしてそれらとリンそしてそれらとリンクさせたそしてそれらとリンクさせたクさせた昇進クさせた昇進昇進昇進・・昇給制度・・昇給制度昇給制度昇給制度のの確立支援のの確立支援確立支援確立支援をを視野をを視野視野視野にに入にに入入れなければならない入れなければならないれなければならない。れなければならない。。。 地方分権化地方分権化地方分権化地方分権化をを推進をを推進推進推進するためにはするためには地方行政するためにはするためには地方行政地方行政地方行政のの強化のの強化強化強化ばかりにばかりに重点ばかりにばかりに重点重点重点をを置をを置置くべきではなく置くべきではなくくべきではなく、くべきではなく、、中央、中央中央中央のの情報収集のの情報収集情報収集情報収集、、処理、、処理処理処理 能力及能力及能力及能力及びび調整能力びび調整能力調整能力調整能力をを強化をを強化強化強化するする支援するする支援支援支援もあわせてもあわせて検討もあわせてもあわせて検討検討検討しなければならないしなければならない。しなければならないしなければならない。。。

IV. NIPDEP 後継案件後継案件後継案件後継案件のの方向性のの方向性方向性方向性とと案件形成とと案件形成案件形成案件形成アプローチアプローチアプローチアプローチ

1.1.1.1.

後継案件後継案件後継案件後継案件をを検討をを検討検討検討するする上するする上上での上でのでの留意点での留意点留意点留意点

具体的な検討を行う前に、案件形成プロセスを取り巻くマ国教育セクターの環境、留意点を以下に整理する 3 これまでのこれまでの開発調査これまでのこれまでの開発調査開発調査開発調査のの知見のの知見知見知見、、経験、、経験経験経験をどのようにをどのようにパイロットをどのようにをどのようにパイロットパイロット県以外パイロット県以外県以外県以外のの他地域のの他地域他地域他地域、、また、、またまた更また更更には更にはには全国展開には全国展開全国展開全国展開へのへのへのへの 技術的財政的技術的財政的技術的財政的技術的財政的支援支援支援支援をマをマ国側をマをマ国側国側国側はは期待はは期待期待期待しているしている。しているしている。。。 SWAP のの枠組のの枠組枠組枠組みみ構築みみ構築構築構築のの中のの中中で中でで、で、、「、「「プロジェクト「プロジェクトプロジェクト」プロジェクト」」の」のの弱点の弱点弱点弱点であるにであるにパイロットであるにであるにパイロットパイロット地域パイロット地域地域地域でしかそのでしかその有効性でしかそのでしかその有効性有効性有効性をを示をを示示せ示せせせ ないことにないことに批判的ないことにないことに批判的批判的批判的なな他開発なな他開発他開発他開発パートナーからもパートナーからも理解パートナーからもパートナーからも理解理解理解をを得をを得得られる得られるられる案件形成られる案件形成案件形成案件形成をを留意をを留意留意留意しなければならないしなければならない。しなければならないしなければならない。。。 11)11))初等教育)初等教育初等教育初等教育、、2、、22)2))就学全教育)就学全教育就学全教育就学全教育、、3、、33)3))オープン・クラスについての)オープン・クラスについてのオープン・クラスについての地方分権化オープン・クラスについての地方分権化地方分権化地方分権化ガイドラインガイドライン案ガイドラインガイドライン案案が案がが作成が作成作成作成されされ、されされ、、、 来年度来年度来年度来年度からから、からから、、県、県県や県やや政府系中高等学校や政府系中高等学校政府系中高等学校政府系中高等学校がが予算がが予算予算予算のコスト・センターとなることがのコスト・センターとなることが予定のコスト・センターとなることがのコスト・センターとなることが予定予定予定されるなどされるなど、されるなどされるなど、、右政策、右政策右政策右政策がががが ゆるやかながらもゆるやかながらも、ゆるやかながらもゆるやかながらも、、進、進進んでいることから進んでいることからんでいることから、んでいることから、、地方教育行政、地方教育行政地方教育行政地方教育行政のの実施能力面のの実施能力面実施能力面実施能力面でギャップのあるでギャップのある分野でギャップのあるでギャップのある分野分野分野をを積極的をを積極的積極的積極的 にに支援にに支援支援支援することがすることが必要することがすることが必要必要必要であるである。であるである。。。 教育省人的資源開発局教育省人的資源開発局教育省人的資源開発局教育省人的資源開発局((((JICA のの技術のの技術技術技術・・財政支援・・財政支援財政支援財政支援))が))がが実施が実施実施実施しているしている、「しているしている、「、「、「Training Needs Assessment」」」」 ((本年((本年本年本年 3 月報告書予定月報告書予定月報告書予定月報告書予定))の))のの調査結果の調査結果調査結果調査結果からはからは、からはからは、、各州、各州各州各州・・県教育事務所・・県教育事務所県教育事務所県教育事務所によってキャパシティ・ディベロップメによってキャパシティ・ディベロップメによってキャパシティ・ディベロップメによってキャパシティ・ディベロップメ ントのントの分野ントのントの分野分野分野にはには違にはには違違いがあり違いがありいがあり、いがあり、、今後、今後今後今後はそのニーズにはそのニーズに即はそのニーズにはそのニーズに即即した即したした効果的した効果的効果的効果的なな案件形成なな案件形成案件形成案件形成がが必要がが必要必要必要であるである。であるである。。。

2.2.2.2. コンポーネントコンポーネント、コンポーネントコンポーネント、、対象地域別支援形態、対象地域別支援形態対象地域別支援形態対象地域別支援形態

1)1)1)1)

支援形態支援形態支援形態支援形態のの類型のの類型類型類型

案件形成のスコープを検討する際に重要な3要素は「誰に対して」、「何を」、「どこで」行うのか、という ことである。「誰に対して」を行うかは、「何をするか」によっても変わってくるので、ここではまず、「何を」 「どこで」について検討する。 次ページの図は、縦軸に対象地域(広域、地域重点、限定地域)、横軸にコンポーネント(ハード、ソ フト、混合)に、各組み合わせによるシナリオを示している。対象地域は、軸の上方へ行くほど対象地域 が広くなり、コンポーネントは、軸の右方にソフト面支援、左方にハード面支援をとり、左右どちらかにぶ れることで、ソフトとハードの支援割合が変化することを示している。ここで、「広域」とは、県レベルの支 援をほぼ全国の教育行政 33 県、「限定地域」とは、2~3 県を、そして「州/地域重点」とは、全国 6

3 これまでの開発パートナーとの協議や NIPDEP Steering Committee 等で表明されてきた内容。

8

8

の教育事務所をフォーカルポイントとして、そこを中心に基本的にはカスケード方式で全県を対象とした

協力することを指す。以上から、9 つの組み合わせを考えることができる。

シナリオシナリオシナリオシナリオ

 

((1((11)1))地域)地域地域地域

((2((22)2))コンポーネント)コンポーネントコンポーネントコンポーネント

 

広域広域広域広域

限定限定限定限定

重点地域重点地域重点地域重点地域

ソフトソフトソフトソフト

ハードハードハードハード

混合混合混合混合

 

1

   
● ●
   

広域ソフト重視支援

 

       

限定地域型ソフト重視支援

3

     
● ●
 

広域型ハード重視支援

4

 

       

限定地域型ハード重視支援

5

         

広域型混合支援

6

   

   
● ●

州/地域重点型混合支援

7

 

     

限定地域型混合支援

8

   
● ●

   

州/地域重点型ソフト重視支援

9

       

 

州/地域重点型ハード重視支援

対象地域

広域(全国/全県) シナリオシナリオシナリオシナリオ5555
広域(全国/全県)
シナリオシナリオシナリオシナリオ5555
シナリオシナリオシナリオシナリオ 3333
シナリオシナリオシナリオシナリオ1111
広域型
広域型
広域型
混合支援
ハード重視支援
ソフト重視支援
シナリオシナリオシナリオシナリオ9999
シナリオシナリオシナリオシナリオ6666
シナリオシナリオシナリオシナリオ8888
州/地域重点型
州/地域重点
州/地域重点型
ハード重視支援
型混合支援
ソフト重視支援
ハード
ソフト
シナリオシナリオシナリオシナリオ 4444
シナリオシナリオシナリオシナリオ 2222
シナリオシナリオシナリオシナリオ7777
限定地域型
限定地域型
限定地域型
ハード重視支援
ソフト重視支援
混合支援
限定地域

|

9

9 2)2)2)2)

2)2)2)2)

地域地域地域地域・コンポーネント・コンポーネント形態・コンポーネント・コンポーネント形態形態形態のの「のの「「メリット「メリットメリット/メリット//機会/機会機会機会」」と」」とと「と「「デメリット「デメリットデメリット/デメリット//リスク/リスクリスク」リスク」」」

各組み合わせのメリット、デメリットは以下の表のとおり推察できる。

   

メリット/機会

デメリット/リスク

 

広域

「プロジェクト」の欠点 - パイロット地域のみ での効果発現」- というマ国側や他ドナー からの批判を避け、プロジェクトの知見を他 地域に広げていくことができる。 (例:ケニア SMASSE フェーズ2) 地方分権化や SWAP の流れの中でその促 進支援に適合する。 案件形成に係るマ国側、ドナー調整の際、 理解や合意を得やすい。

投入量とのバランスで、コンポーネントを絞 らない限り、援助効果が不明確となる恐れ がある。 活動実施やモニタリングの際、広域を移動 しなければならず、その分、本来活動への 費用に比して間接費部分が増加してしま う。 対象地域が広がる分、きめ細かい支援がで きなくなる可能性がある。

 

「広域」のデメリット部分がメリットに逆転

「広域」のメリット部分がデメリットに逆転。 プロジェクトに対する教育省及び他ドナー からの理解を得にくくなる可能性がある。 全国レベルでの議論である地方分権化や SWAP 促進に対する直接的な支援となるの が不明確になる。 地方分権化や SWAP の流れの中でその全 国的な促進支援となり得ない可能性がある

限定

限られた投入量に見合った援助効果が期 待できる。 効率的なプロジェクト運営が可能になる。 頻繁なモニタリング活動等きめ細かいキャ パシティ・ディベロップメント支援活動が期 待できる。

 

「広域」と「限定」のそれぞれのアプローチの折衷案。

重点

メリットの有効性が減少する分、デメリットによるマイナス面を案件形成に係る協議方法やプロジ

ェクトデザイン次第では補える。

   

ハード面の支援だけではカバーできない個 人、組織、そして地域のキャパシティ・ディ ベロップメント支援が行える。

目に見えた効果が短期間では測定するの が困難である。 C/P との間で信頼関係を築いたうえで、柔 軟性と機動性が支援アプローチに求められ る。

ソフト

活動を通じて個人や組織の能力向上に向

けた内発的動機付けを支援することができ る。

 
 

支援の実態・効果がわかりやすい。 日本の比較優位を示しやすい(質の高い 施設建設支援)。

学校関係者やコミュニティを含めた教育開 発支援が行えない。 信頼できる現地業者を確保できるか否かに よってプロジェクトの成否がほぼ決まってし まう。

ハード

   

混合

ソフトとハードの効果的な組み合わせがデ ザインできれば、支援の相乗効果を期待で きる。

双方をバランスよくできるコンサルタントや 専門家チームを形成できるか、人材確保の 面で困難が予想される。

以上から、

 

地域については、

 
  地域については、   限 定 限 定 限 定 限 定 型 型 型 型

広域広域広域広域型型型型 <<<< 州州/州州//重点地域/重点地域重点地域重点地域型型型型

と「州/重点地域型」すなわち全国 6 州の教育事務所をフォーカルポイントとして、そこを中心に基本的にはカス

ケード方式で全県を対象とするのが最も望ましいだろう。

また、コンポーネントについては、マ国教育セクターにおいて地域住民参加型の学校運営、教育に対する地

域のリーダーシップ向上が政策的にも奨励されていることも考慮すると、

ハードハード重視ハードハード重視重視重視

ハードハード重視ハードハード重視重視重視 <<<< ソフトソフト重視ソフトソフト重視重視重視 <<<< 混合混合混合混合型型型型

とハードとソフトを組み合わせた「混合型」が最も望ましいといえるだろう。

10

10 3.3.3.3. NIPDEPNIPDEPNIPDEPNIPDEP

3.3.3.3. NIPDEPNIPDEPNIPDEPNIPDEP 後継案件後継案件後継案件後継案件のコンポーネントのコンポーネント案のコンポーネントのコンポーネント案案案

11)11)))

案件案件案件案件のの目標のの目標目標目標

マ国において、我が国開発調査によって作成された国家県別教育開発計画(NDEP)に基づいて県別教育開発計画(DEPs)を実施するための教育行政

体制及び効率的な行政執行のための組織文化が強化される。

22)22)))

ソフトソフト面支援ソフトソフト面支援面支援面支援コンポーネントコンポーネント案コンポーネントコンポーネント案案案 4

 

支援コンポーネント

目標とする成果

対象

 

所管業務内容の明確化支援

☑ 各教育行政レベル・部局における業務内容、役割が明確になり、業

本省及び地方教育事務所

務の効率化を促進する。

   

☑ 各自が TOR を認識するとともにスケジュール管理能力が向上する。

本省及び地方教育行政官

個別業務プロセス・マネジメント向上支援

☑ 各自の業務執行プロセスが効率化される。

☑ 各事務所・部局でチームワーク力が向上する。

 

情報共有システム改善支援

☑ 本省と地方教育事務所、同事務所内の部局間における情報共有

本省及び地方教育事務所

のためのプロセスをレビューし、システムが改善される

 

人事評価記録制度改善支援

☑ 能力と業務態度、実績など人事評価記録制度が整い、公正なキャ

本省人的資源開発局及び

リア開発、昇進昇級がなされる。

地方教育事務所人事課

 

DEPs と整合性のある教育予算策定に係るプロ セス構築支援

DEPs に基づいた地方からの教育予算計画策定が国レベルの教育 予算案と整合性が取れるような予算策定プロセスが構築される。

本省計画局、地方教育事務

所計画課

 

教育予算管理・アカウンタビリチィ向上支援

☑ 予算の執行管理能力が強化され、教育予算管理のアカウンタビリ

本省財務局、計画局、方教

ティが向上する。

育事務所財務課

 

県 別 教 育 デ ー タ 管 理 シ ス テ ム 改 善 支 援 (USAID との連携)

☑ 県別教育基礎データ(DEMIS)の収集、補正、管理能力が向上す

地方教育事務所

る。

DEPs 改定作業支援

DEPs が定期的に改定され、実情に適合した地方教育開発計画が 策定される

地方教育事務所

 

DEPs マ-ケティング支援

☑ 円滑な DEPs 実施のために、他開発パートナーに向け、DEPs 財政 支援のためのマ-ケティング活動を支援する。

地方教育事務所及び調整

役として本省計画局

 

DEPs 機能強化支援

DEPs 改定作業→地方議会の承認→教育省による裁可→予算手 当までの流れを構築し、DEPs の機能を強化する。

地方教育事務所、地方議

10

会、本省

4 効果的かつ効率的な教育行政を実施するための「組織文化」改善を目標としたコンポーネントのみを記した。もちろん、これまで開発調査で実施してきた教育啓蒙活動や現職 教員向けの研修など教育の質向上を目標としたコンポーネントを含むことも十分に考えられる。

11

11 33)33)))

33)33)))

ハードハードハードハード面支援面支援面支援面支援ココンポーネントココンポーネントンポーネントンポーネント案案案案

 

支援コンポーネント

目標とする成果

対象

   

☑ 一クラスあたりの生徒数の減少による教育の質の向上

各小・中学校

教室建設

☑ 住民参加型による地域住民の教育へのオーナーシップ醸成

☑ 教育行政官の建設プロジェクト・マネジメント能力の向上

 
   

☑ 教員の教育セクター定着率増加とモチベーション向上による教

各小・中学校

教職員住宅

育の質の改善

☑ 教育行政官の建設プロジェクト・マネジメント能力の向上

 
   

☑ 保健衛生施設の改善による子供の福祉向上

各小・中学校

トイレ建設

☑ 教育行政官の建設プロジェクト・マネジメント能力の向上

   

☑ 学習環境改善による教育の質の向上

各小・中学校

教室家具配布

☑ 教育行政官の調達管理能力の向上

   

☑ 学習環境改善による教育の質の向上

各小・中学校

学習教材配布

☑ 教育行政官の調達管理能力の向上

   

☑ 教育事務所の業務執行能力の効率化

地方教育事務所

オフィス機材調達

☑ 教育行政官の調達管理能力の向上

   

☑ 養鶏小屋建設支援などを通じた学校ベースの運営資金調達能

各小・中学校、コミュニティー

学校ベースの所得向上活動支援

力の向上

12

12 2.2.2.2.

2.2.2.2. プロジェクトプロジェクト実施上予想プロジェクトプロジェクト実施上予想実施上予想実施上予想されるリスクされるリスクされるリスクされるリスク

以下は、プロジェクト実施上予想されるリスクである。項目によっては、案件実施自体の正当性、妥当性に関

わるものもあるが、これらをどのようにプロジェクトの内部条件としてデザインしていくかが、案件形成過程で重要

になってくるものと考える。

<マ国側教育行政体制に係る事項>

現計画局長の存在(2006 8 月まで契約継続):政策執行の一貫性、継続性、公平性、信頼性に疑問

計画局の調整活動のための体制が脆弱(上と関連)

教育行政組織改革に対するリーダーシップ強化の方向性が不透明

教育省全体としてモニタリング・評価(M&E)体制が未整備

頻繁な人材異動:研修を受け能力向上した人材が別の仕事を任されてしまう。

<事業実施に係る事項>

教育セクターへの予算配分優先度の低下(経済開発に直接資するセクターへの重視)

マ国側の費用負担能力(スタッフへのアローワンス、交通費、宿泊費、プロジェクトオフィスのレンタル費)。

他開発パートナーとの調整、コミットメント

現地建設業者、機材調達業者の質の問題

季節によって異なる資機材の流通状況:必要な時に必要な資機材が入手困難

<参考文献>

以上

平田慈花[2001]『アフリカの地方分権化-南アフリカ共和国の財政地方分権化と予算配分の公正に関する考

察-』(平成12年度 JICA 客員研究員報告書)JICA 国際総合研修所 JICA [2001-2005]マ国教育セクター 開発調査フェーズ1「全国スクールマッピングマイクロプランニング」及び フェーズ2「全国地方教育開発計画策定支援(NIPDEP)」プログレスレポートなど関係資料

Davies L. & Harver C. [2003] “Educational Decentralisation in Malawi: a study process” Compare, Vol. 33, No. 2 JICA [2002] 『開発課題に関する効果的アプローチ:基礎教育』 JICA 国際総合研修所

McGinn N. & Welsh T. [1999] “Decentralization of education: why, when what and how?” IIEP UNESCO, Paris MoE [2005] “Devolution of Primary Education to Local Assemblies: Devolution Guidelines”, Ministry of Education, Malawi, Lilongwe