江戸共通語

四︶ G日本随筆全集 5によ る︶ ﹄ 6︶森 岡健 二氏 は ﹁ ︵ 日語史 におけ る心学道 話 の位 置 ﹂ ﹁国語 学﹂ 2集、 昭和 五 五年 一 二月 ︶ にお いて、 ﹁ 標準語 ︵ =共 通語 y 2 ︲ の源流 とし て江戸講義物 をとらえ る。■屋 は、そ の中 立的な 国語 が、滑稽本等 の戯作 の言語 の中 にも存在 し、東京方言 に連 な る江戸言葉 と並存 し て いて、場面 によ って使 い分 けられ て いただ ろうと いう仮説 を立 てる。

116

だ﹂ の 一 用法 第 四節  江戸語 の ﹁

だ﹂ の存在 活用語 に直接する ﹁
。 だ が活 用 、 ﹂ だ ﹂ の終 止 形 は、 江 戸 語 東 京 語 を 通 じ て 体 言 ま た は準 体 助 詞 に続 いて用 いら れ る ﹁ 指 定 の助 動 詞 ﹁ 、 、 。 語 に直 接 続 いて用 いら れ る場 合 は、 東 国 方 言 と さ れ る言 語 の中 であ る こと が多 い と いう より も 文 学 作 品 では 登 だ ﹂ を 用 いる こと によ って、 そ の人 物 を東 国 の田舎 者 と し て性 格 づ け る こと が多 いと言 った 方 場 人 物 の会 話 に こ の ﹁ 、 だ ﹂ が使 わ れ て いる。 浮 世 風 呂 ﹂ でも 、 田舎 出 の下 男 三助 の ことば と し て こ の ﹁ が適 切 であ ろう 。 例 えば 、 ﹁

117 江戸語 の 「だ」 の一用 法

o半 分 薯 預 だ物 が、 が ら ゝ鰻 な つた も ん だ か ら

、 あ つち イ ぬ た く り 、 こ つち イ のた く り 、 孤 べ いと し ても 指 の股

。 前編 上 ︶ 浮世風 呂 ・ さ、 ぬ る ノヽ ぬ る ノヽ か ん出 て、 によ ろ ヲリ ′ヽ 鰻 のぼ リ イ引 劉 剌 列                   ︵ だ ﹂ が、 どう 考 え て み ても 江 戸 者 と し か考 え ら れ な い人物 の会 話 の中 に現 わ れ と ころ が 、 こ の活 用語 に直 接 続 く ﹁ ︶ の中 に合 計 三 〇 例 ほ 後 掲 のリ スト を参 照 の こと。 る こと が、 ご く わず か だ が存 在 す る。 これ ま で私 の調 べた資 料 ︵ だ ﹂ の総 数 は、約 三 、 ○ ○ ○例 ほ ど であ ろう と 思 わ れ ど存 在 す る。 調 べた のは原 則 と し て平 叙 文 だ け で、終 止 形 の ﹁ 、 浮 世 風 呂 は日 本 古 。 テ キ スト は、 ﹁ 男 伊 達 初 買 曽 我 ﹂ は日 本 名 著 全 集 ﹁ ﹂ る。 以下 に そ のす べ て の用 例 を 掲 げ よ う ︵ ﹁ ︶ 妙 竹 林 話 七 偏 人 ﹂ は有 朋 堂 文 庫 を 用 いた。 花 暦 八笑 人 ﹂・ 浮 世 床 ﹂ は日本 古 典 全 集 、 ﹁ 典 文 学 大系 、 ﹁

三  茶 屋 の主 人 長 八 が別 当 行 実 に 例 ① 男伊 達 初 買 曽 我 ・

118

行実 ﹁ 其 許 が御 亭 主 か。 亭 主 長 八 で御 座 り ま す 。 長八 ﹁ 行実 ﹁ 然 らば 其 許 へ、 チ ト御 無 心 が御 座 る が。 長八 ﹁ イ エ仏 飩 袋 な ら宗 旨 が違 ひま す だ 。 前 編 ド   先 蔵 が後 兵 衛 に ︵ 将 棋 を さ しな がら ︶ 例② 浮世 風 呂 。

江戸共通語

、 粥 ば 凱 贈 朴 劉 剌 げ レ は と ソ よ た れ ん の く く
三編上  さ るがとり に ︵ 老婆同 志︶ 例③ 浮世風呂 ・ 。年 が年百 くさ ノヽ し て居 るだ。 こちとら は気 の晴 やう がね へ さるがとり に 例④⑤同 ・ 。 おめ への方 へ も行 だらう が、椎葺 さん、千瓢 さんと いふ天窓をし て、 あ のま アざ まを見なせ へ だ。 略 ︶洗濯物 は置 け、針を ひと つ 持 す べをしらね へ う らを着殺 に着切 て仕 ま ふだ。 ︵ さるがとり に 例⑥ 同 。
こ つち と ら ど のは こ つち と ら ど の であ た け ち らし て、 傍 にあ る人物 小 鉢 は そ の度 に ぶち こわ す だ 。 二編 下   女 房 が下 女 や す に 例⑦ 浮 世 風 呂 o アノも う 、講 間 だ の、 神 だ のと いふ者 が し み だヽ にく いよ。 主 が お と な し く せう と 思 はじ つても 、 湯 の行 返 や髪 結 床 あ たり に ぶ ら ついて居 て、 す ゝめ出 す だ 。 ば アさ ま ︶ に ● ︵ か みさ ま ︶ が ▲ ︵ 例③ 同 ・
ツ て な け 無t の

︲ ーる か 山白 さ に  し う ノヽ り ︲ 獄 の沙 汰 も 金 次 第 で、 人 に持 長 じ らオ 地 ず に遣 ツた ほど に の。 絲 身 上 も構 何 がおめ へ                                                単ふ ん だ い  マ か 蓋 と な つた だ 。 代 を潰 し て、百 貫 のか た に笠 一 下 女 の友 達 同志 ︶ ● が■ に ︵ 例⑨ 同 ・ 解 物 を す る と き襟 かた を 引 裂 た事 と 、 火 のし摺 を出 来 し た こと が 十 近 き老 婆 同 志 ハ 三編 下   エ 例⑩ ① ⑫ 浮 世 風 呂 ・ 人 で身 じ ん ま く でも す る事 か お め へ、 い つでも 私 に尻 を ぬぐ はせ るだ ●う ぬ 一 、ア ゝ﹂ と の度 に出 るだ。

i ば ︲  せゎ ガ  か ︲ 、 。既 此頃 ま で蟹 糞 の世 話 を し た も のが 、 最 う 又金 屎 を川 測 力引 劉 剌 もさ ▲どこの うさ
。 い つでも 附 E を曳 連 て、 あ たり 近 所 の恰 好 も悪 いに、兎 角 か ら ろく な 所 へは行 や し ね へ ● イ イ ヱサ、 友 が悪 い                                 ︰ げ F′ ん      ・  ︲ ︱ 外 間 と いふ事 を し ら ね へだ 例⑬ ⑭ ⑮ ⑬ 同 ︲剌 。 サ ア、夫 か ら はや 、 指 合 構 はず の女 ば ● 友 達 ど も が集 ツた と き ては踏 込 に下 駄 が重 り 合 ツ て足 の立端 が劉 へ                                                                   セ︶ ゐ 、 。 、 な し で、 起 て居 ら れ ね へか ら、 はづ し て寝 た ふり を し てゐた ら 手 だヽ に出 し ツ こ で奢 か け るだ 大 福 餅 か ら ゆ で鶏 卵 。 お芋 のお 田 。 な ん でも 通 るも

119 江戸語 の 「だ」 の

き 。按 摩 を六 だ にか お め へ 。 睡 馳 蝶 淵 期 引 ど 剌 略 こ の ︵ ︶ し 出 と て の を う

^用

、 人 ま で呼 込 で、 手 だヽ に肩 を揉 せ な が ら、 風 鈴 蕎 麦 を惣 仕 舞 にし て 蕎 麦 屋 に爛 を さ せ てと ち

おはした のおは つは、 いはねどじ るき部屋 がた風俗︶ おむす に ︵ 初 がおさ め ・ 例⑫ 同 ・

もだ ご 甜 ヽ が 配 証 明 ガ 齢 避 ぼ 剌 利 引 引 村 術 人 に お ば と こ そ 最 す う植 り し け に お お 御 つ

むかしきほひとよば れたるどう らくぢぢ い︶ が古左 工門 に 四編下  きも右 工門 ︵ 例⑬ 浮世風呂 ・ それだ から栄耀 にほげ てさま だヽ のご たくを つくすだ

120

近所 のむす こかぶ連中 ︶ 初編中 聖吉 が賢蔵 に ︵ 例⑩ 浮世床 ・ そ こは不便 だから。露 の情 をかけ て つかはさるだ 初編中 費 五郎 が作兵衛 に 例⑩ 浮世床 ・

江 戸共通 語

ェ 規て 離 き 琳 ‘ 蹴 剌 がじ が口 気 ツ 方 の手 め く

初編中 長六 が短 八 に 例④ 浮世床 ・ 此頃 はを つな所 へはま つて血道 を ぶちあげ て騒 いでゐるが。今 に見 ね へよ。なけなし の金を捨 て。ち つとば かり の株家督 を他 の手 に渡 し てしま ふだ 初編下 短 八が長六 に 例② 浮世床 o ぱ し能書 の心 いき で祐筆 になり た いの物書 に成 た いのと。 ほらば かり ふ いて凋d測 。 其 く せ己 が気 で い つ 短八 ・ 費 五郎 に 初編下 銭右衛門 が長六 。 例④ 浮世床 ・

ど こ き 熱 棚 軒 配 れ 配 d 剌 き な の に ゆ も 所 で で か と ろ ぺ に 来 ふ べ 何 た つ つ て て う せ

二編 上  野 呂 松 が仲 間 七 人 に 例② 八 笑 人 ・ そ こ で土 手 通 り を ぶ ら ′ヽ 、草 履 の古 い のを ひ ろ つて腰 へぶ ら さげ た り 、 そ ら笑 を し てを ど つたり 、 何 でも 出 た ら め にし や べ つて歩 行 く だ

二編上 安波太郎 が図武六 に 例④④② 八笑人 ・
ヽ 、 そ

略︶ かけ て引く。今度 はグ ツト引 か へ された心持 です こし反 るだ ︵ ソレ腰 の手を払 はれたから、左 の手を肩 へ

、 そ こで胸倉 だ。 ソレ後 から斯う取 るは、 とりな がらキリ ノヽ と引回す。 こ つち へ 司q冽 。 ヱ こで卜、 ム ヽ さう回れ るも のか。 こ つち ヘヨ。 ヤ、 さう む いた。 そ こで両手 で鰐檀 に、胸倉 を引封湖日引剌

四編下 左次郎 が図武六 に 例④ 八笑人 。 事 が有 るノヽ 、図武 公 は縫ぐ るみ の狐 に引劉剌 ヱヱそ こで卜、 ム ヽい ゝ 四編追加上 左次郎 が質兵衛 に 例⑩ 八笑人 ・ か ゞん で、 ソレ今 のやう に斯う いふ身 で 力を入れ て、前 へ モシそ の棒 を杖 にし て、今 い つた通り、 ふく らはぎ へ

二編中 下太郎 が跛助 に 例⑩ 七偏人 o と祈 つて置く のだが、糞難ば かり は気 が付 かなんだ ので、 女難 は勿論盗 難釧難、も ろも ろ の災難 を のがさじめ給 へ

一 七 五 三 ︶ のも の で、 こ の時 期 は、 江 戸 語 の完 成 期 と し な い人 も あ り 、 こ のう ち 、 ﹁ 男 伊 達 初 買 曽 我 ﹂ は宝 暦 三年 ︵ 浮 世風 呂 ﹂ ︵ 文 化 六 ︱ 九 年 ︿一 八〇 九 ︱ 無 条 件 に江戸 語 の例 と し て他 と 同 様 に扱 う のは危 険 だ と 思 わ れ る。 し か し 、 ﹁ 八一 四︾、 ﹁ 八笑 人 ﹂ ︵ 文 政 三︱ 天 保 五年 ︿一 八 一二し 、 ﹁ 浮 世床 ﹂ ︵ 文化九 ︱ 一一 八一 二︱ 一 八 二〇 ︱ 一 八三 一 年 ︿一

121 江戸語 の 「だ」 の 一 用法
せ る。

八五七︱ 一 八 六 三 と はと も に滑 稽 本 であ り 、 江 戸 語 の完 成 期 の資 料 であ る 五 ︾、 ﹁ 七偏 人 ﹂ ︵ 安 政 四︱ 文 久 三年 ︿一 か ら 、等 質 の江 戸 語 資 料 と みな す こと が でき る。 と く に、 登 場 人 物 の ことば づ か いに細 心 の注意 を払 った式 亭 三馬 が、 だ ﹂ が江 戸 語 と し て正 常 な も の であ った と いう 確 信 を抱 か だ ﹂ に ついて は、全 く 触 れ て いな いこと は、 こ の ﹁ この ﹁

だ ﹂ の用 例 を知 ら な い。 ま た 、外 山映 次 氏 な お、 右 に拳 げ た例 以外 に、 江 戸 語 資 料 にお いて、活 用 語 に直 接 続 く ﹁ だ ﹂ は存 在 し な いと の こと であ る。 の御 教 示 によ れば 、東 国 の抄 物 にも 、活 用 語 に直 接 続 く ﹁

122

だ ﹂ の機 能   活 用 語 に直 接 す る ﹁ 一 一 。 、 は、 ほとんど取り上げ られ て いな い わず かに湯沢 だ﹂ に ついて、関東方言 と みなされたためか 研究書 で この ﹁ 、 浮世床 の語法 ︱︱ ﹄ には この 。 江戸 言葉 の研究 ︱︱ 浮世風呂 ・ 正紀氏 の ﹃ 田 山 幸吉郎氏 の研究 があ る のみであ る ︵ だ﹂ 七︺ ﹁ 、﹁ 。 語 ﹁現代語法 の諸相﹄所収 ︶第五章 助動詞 ︹ ﹁ だ﹂ に ついて の記述 はな い ︶湯沢氏 は 江戸言葉 と東京 ﹂ 0ぺ︲ジ︶ にお いて、 ﹁ す ﹁ ﹁ ぢゃ ︵ で な ﹂ 9 ﹂ ﹂ 、 それ には命令 の意 のも のも ではな い ︵ の﹂を介 しな いで活用語 に付 いたも のは 上品な言 ひ方 な ほ次 のやう に ﹁ 。 あ る︶ 。 。 命令 ノ意﹂と注 があ る ︶ の三例を引 いておられる 共二 ④② には ﹁ とし て例③④④ ︵ だ﹂注意 にお いて、 ﹁だ﹄ は活用語 項 ﹁ だ﹂第 一 〇節 ﹁ 章 助動詞 第 一 江戸言葉 の研究 ﹄第 一一 また、湯沢氏 の ﹃ 3ぺ︲ジ︶とし て、例④⑤⑮② の四例 を引 き、 。 ︲ に直接す る こと がぁ る ﹂ ︵ 4 、 る形 であ る。 これらは普通 の言 い方 ではなく ぞ んざ いに いう時 に用 い と述 べられ、さら に、 。 ﹁ が動詞式活用 に付 いた形 を、命令 に用 いる ことがぁ る だ ﹂ 、 七ご、 および例④ 娘節用 ・ し てゐる のだ ョ ︵ り ゃ金ぼ う や⋮⋮あ んまり世話 をやかせず に おとな しく と し て、 F﹂ 。 ⑩ の三例を引 いてぉられる 。 、 ﹁ 用法を検討 しよう では、湯沢氏 の二著書 をもと に この だ﹂ の品詞 ・

江戸共通語

、 ぃ だ ﹂ の終 止 形 と考 え てさ し っか え な いか否 かを検 討 し よう 後 述 す る よう に だ ﹂ を指 定 の助 動 詞 ﹁ 最 初 に、 こ の ﹁ 、 ﹁ 、 、 だ ﹂ の終 止 形 が、 活 用語 に続 だ ﹂ の機 能 は終 助 詞 的 であ り ま た 歴 史 的 にさ か のぼ っても 指 定 の助 動 詞 この ﹁ ﹁ 、 。 ﹁ だ ﹂ と 考 え た 方 が よ いと思 わ れ る理 由 が いく つ く 例 を 見 出 す こと は でき な い し か し こ の だ ﹂ を指 定 の助 動 詞 かあ る。 ﹁ 、 自 然 ではな い。 のだ と置 き 代 え る と ほと ん ど の例 が現 代 語 の のだ ﹂ の用 法 に照 ら し て不 だ を ﹁ 一   この ﹁ ﹂ ﹂ 。 っ 、﹁ のだ ﹂ が同 じ意 味 であ る か だ﹂ と ﹁ ﹁ のだ と置 き 代 え ら れ な い のは例① と 例⑩ だ け であ る だ か ら と い て ﹂ だ ﹂ が でき た も のか どう か も資 料 の上 で確 か め の﹂ が脱 落 し て こ の ﹁ のだ ﹂ の ﹁ どう か は知 り え な いし、 ま た ﹁ れ は指 定 の助 動 詞 ︶ と密 接 な 関 係 を 持 って いる こと は確 だ ﹂ →﹂ のだ ﹂ の ﹁ ら れ な い の であ る が、 少 な く と も ﹁ か であ る。 、 で﹂ は反 語 と し な ら はと も に活 用 語 に直 接 続 く し 連 用 形 ﹁ だ ろ 仮定 形 ﹁ だ の未 然 形 ﹁ ﹂ ﹂ 一   指 定 の助 動 詞 ﹁ 一 ﹂ 。 じ ゃな いか﹂ と いう 形 で用 いると き は活 用語 に直 接 続 く で はな いか ﹁ て ﹁ ﹂ ′ 二編 下 ︶ 。                                      ︵ 浮 世風呂 ・ そ の倣 な物 は湖 劉 剌 引 引 ﹂ 中年 増 ︶ ﹁ 例① お し っ ︵

^用 法

123 江 戸語 の 「だ」 の

おぱ腰 にさし て郡d劉刷冽潤 へか ﹂ なく した﹂下太郎 ﹁ 夫 や ア宜 いが、孫 の手をど こか へ 例⑫ 喜次郎 ﹁
二編 上 ︶ ︵ 七偏 人 ・ 。 だ ﹂ が存 在 す る可 能 性 はあ る し た が って、 活 用 語 に続 く ﹁ 、 、 ら ま で の例 が命 令 と 言 だ の用 法 を検 討 し よう 。 まず 命 令 に用 いると いう こと に ついては 例④ か ④ 次 に この ﹁ ﹂ 、 ︱ のだ ﹁ で、 ﹂ ︱ も のだ ﹂ の形 も命 令 表 現 に用 いら れ る の 娘 節 用 ﹂ の例 や次 の用 例 が示 す よう に ﹁ え な く も な いが、 ﹁ 用 法 ではな い。 だ ﹂ 特 有 の意 味 ・ こ の活 用語 に直 接 続 く ﹁

例 ⑪ 貴 さ ま はぁ す の晩 行 けば う ら だ

か ら若 い者 に花 を引 劉 倒 剌 日本 名 著 全 集 本 によ るこ ︵ 柳巷 訛 言 ︹

、 遣 り や う は かう かぅ

124
飛 八 が鉄 胞 作 に︶ 四編 上 o 浮 世風 呂 ・                   ︵ ︲ 。 ︱ 。 d 剌 d 川 劉 洲 へ 例⑭ 乍 館 嚇 は つ 、 だ に 、 ﹂ 。 代 に生 き た 人 間 の ﹁ し いだ ろう か 上 品 か下 品 か は こ の時 上 品 な 言 ひ方 で はな い﹂ と ぃぅ のは正 では ﹁ 、 、 ﹁ 会 話 か ら想 像 す ると どう 考 え ても こ の 、 得 な い。 し か し こ の だ ﹂ の前 後 の 関 す る記 述 がな い以 L な かな か知 り 、 八 は、 初 対 面 の客 別 当 行 実 、 出 く わ す。 例 ① に お いて 茶 屋 の主 人 長 ﹁ ﹁ 下 品 でぁ って はまず ぃ と いう 例 に が だ ﹂ ﹂ 、 ⑫ で は、 作 者 は、 。 で御 座 り ま す ﹂ で応 対 し て いる ま た 例 ます ﹂ ﹁ に対 し て、 ﹁ 、 部 屋 が た風 俗 お は し た のお は っは いは ね ど じ るき 房言 葉 よ に女 一 奉 公 に出 て いる娘 と し て性 格 づ け次 の う 、 大 名 屋 敷 の女 中 部 屋 へ と し る し て いる よう に お初 を 町家 か ら 。 を使 わ せ て いる
)l:戸

共通話

初 ⑮ 例 下︶ 三 編 浮世風呂 ・ 雌 に給 てもとお云 ひな      ︵ 。 が米を 一 ヲヤ、廻りくど い事 を お云 ひだ のう 百 むす ﹁ 、 だ ﹂ の性 格 とし て で、 こ の ﹁ 、 とば づ か いを し て いると は考 え られな いの こ のよう に、例① と例⑫ では 下 品 な こ 、 い。 ﹁ ではな い と いぅ のも 正 し ぃと は言 えな ひ 方 言 な ﹂ 品 上 上、正 し いと は言 え し いだ ろう か。 これも先 の例①⑫ がぁ る以 ぞ んざ いに いう時 に用 いる﹂と いぅ のは正 では、 ﹁ 、 ④⑤ は老婆 が嫁 を非難し て いる場面、例⑦ は女房 が亭主 。 例 は の い う と な いが、見過ごし てはな らな いこと でぁ る 、 難 し慨嘆 し て いる場面 であ 、 除 いて④ ま では 話題 にのぼ った人物 を非 、 を ⑩ を非難す る場面 と いう ょう に ①②③⑫ 、 であ るから、 これらも含 め て考 えれば 三〇
、 分 の失敗 をくやん で いる場面 る。また③は 我 が身 の不幸 を嘆 き ⑩ は自

ぅ 肝 お ち ぃ 勢 屹 ん ゎ ま せ は . 腺 が ↓ も ゞ な 料 ぃ て 織 た い ﹄ に 耐 Q ど 。 績 虚 耐 も ネ ヱ だ ﹁ に と こ ま ン ニ ホ

。 人 数 で いえ ば だ ﹂ のう ち 二〇 例 は嘆 き 、 ぐ ち を いう 場面 に使 わ れ て いる こと にな る ︵ 例の ﹁

、 この ﹁ だ ﹂ を使 って

。 ぞ んざ いに いう 時 に用 いる﹂ と し た のは、 嘆 き 九 人 のう ち 一二人 は嘆 き の場 面 で用 いて いる ︶ 湯 沢 氏 が ﹁ いる人 一 の場面 に出 てく る こと が多 いか ら で はあ るま いか 。 、 この ﹁ だ﹂

二人 、 女 性 七 人 で、 有 意 な 差 はな いよ う だ し 九 人 を性 別 に分 け れ ば 男 性 一 だ ﹂ を 使 って いる 一 この ﹁

、  ^ む か し き ほ ひと よば れ た る 九 人 中 老 人 は四人 し か いな い。 ま た 、 例⑬ の人 物 は 三 馬 が ﹁ を老 人 の語 だ と し ても 、 、 例① の長 八 を含 めた 二人 し か いな い。 どう ら く ぢ ヽい﹂ と し るし て いる の で、 男 伊 達 の ことば であ ると し て み ても ﹁ だ は心 にあ る不 満 を 吐 き出 す 場面 に出 てく る こと が比 較 的 多 い﹂ と の ﹃ 討 か ら は、 F﹂ 検 れ 場 面 の わ る だ 使 の ﹄ ﹂ 。 いう 結 論 以外 のも のは、 お そ ら く 得 ら れな いと 思 わ れ る 、 指 定 の助 動 、 だ を検 討 し よ う 。 こ こ に いう 指 定 表 現 と は ﹁ ﹂ 次 に、 指 定 表 現 の文 の構 造 か ら 活 用 語 に直 接 続 く ﹁ 、 、﹁ 、 私 は かも め。 ﹂ な ど は こ こ で は指 定 表 現 詞 に よ る断 定 表 現 ﹂ を指 す 。 指 定 の助 動 詞 を 伴 わ な い断 定 表 現 例 えば 、 冽 。 な 推 量 の表 現 も 含 めな い。 Tし ﹂ 剌 と い よ う う れ う 晴 る 日 は 明 ﹂ に は含 めず 、 ま た 、 指 定 の助 動 詞 を 伴 っても ﹁ 。 指 定 表 現 ﹂ より も 狭 く定 義 さ れ て いる ︶ 国語 学辞 典 ﹄ の ﹁ 指 定 表 現 ﹂ は、 ﹃ に いう ﹁ ﹁ 、 指 定 表 現 の基 本 的 な 構 造 は、 主 概 念 を 表 わ す 体 言 を 主 語 と し て 賓 概 念 を 表 わ す 体 言 の下 に指 定 の助 動 詞 だ ﹂ 。 、 は﹂ を 伴 って現 わ れ る こと が多 いが 全 く 現 わ れ な い こと も あ る ﹁ です ﹂ な ど を 添 え て述 語 と す る。 主 語 は助 詞 ﹁ 例 を あげ れば 、
︱ ︱  ユ         述  語    述  五 m ︲ ︱ ︲ L概念    賓慨念     賓 概 念︲ ︲︲

川法 125 'I:'F語 の 「だ」 の ‐

︲ 。 、。 相     州 翻 引 ﹁ ョ 測 困, 引は ︲ ・ 、 、 、 のよう にな る。述語 の賓概念 は、体言だけ でなく 用言 および そ の複合体もなりう るが そ の場合 は

l l L  五     述   m i ︲

。 = 州 利 劇 ﹁ 咽 釧 測 ﹁ は 翻
︱ ′ L  工       述   叩 ︱ ︲ 卜概 念             賓 概 念       ︲

1概 念         賓 概 念   1 ︲ ︲

川 刻 利は 洲翻Ⅷ引引刻 Ⅵ利 、 こ れ て いる。 こ の構 造 は ど の時 代 の指 定 表 現 にも 共 通 の ﹁ っ のよ う に、 形 式 名 詞 や 準 体 助 詞 の﹂ に よ て体 言 化 さ 。 の抄 物 、 近 世 前 期 の上 方 語 に見 ら れ る たり ﹂ によ る指 定 表 現 も こ の構 造 で説 明 でき る 中 世 なり ﹂ ﹁ と で、 古 語 の ﹁ 。 用 例 は、 と によ って説 明 でき る ︵ じ ゃ﹂ は、 活 用 語 の連 体 形 が体 言 化 し て いると考 え る こ 次 のよ う な活 用 語 に続 く ﹁ 。 徳 川 時 代 言 語 の研 究 ﹄ より 引 用 ︶ 室 町 時 代 言 語 の研 究 ﹄ ﹃ 湯 沢幸 吉 郎 氏 ﹃ 二︶ 桃源抄 。 ︵ 例① 大 衆 ノ坐 禅 ス ルヲ ミ ルチ ヤ ソ 四〇 ︶ 今 宮 心中 ・ ︵ 夜 は蚤 と蚊 に此膚 を 手 向 け る じ や 例⑫ 今 宵 一 。 ③ ﹁ こち と ら は ⋮ ⋮ く さ く さ し て 、 だ の つ いた文 は ど う いう 構 造 にな る のだ ろ う か 例 で は、 活 用 語 に直 接 ﹁ ﹂ 。 ﹁ ゃ く さ く さ し て居 る﹂ が体 言 相 当 句 と し て用 いら れ る に、 ﹁ 居 る剌 を例 と し て考 え て み よう 抄 物 の じ ﹂ のよ う ﹂ 、 、 と﹂ 、 だ ﹂ に続 く と き は 大 部 分 F﹂ 、 に、 活 用 語 が ﹁ 。 と考 え れば 、 説 明 は つく し か し こ の期 で は 先 に述 べた ょう 、 語 の連 体 形 に体 、 ﹁ ん と を 介 し て続 いて いる こと か らも わ か るよう に 活 用 ﹁ も の な ど の形 式 名 詞 か 準 体 助 詞 の ︵ ﹂ 、 。 のだ ﹂ 等 の用 法 を 検 討 す る こと によ って確 か こと だ ﹂ ﹁ の ﹁ 言 相 当 句 を構 成 す る働 き はな い こ の こと は こ の時 期 な り ︺ に、 にあ り 。 あ ゅ ひ抄 ﹂ 巻 四有 ︹ め得 る。 ま た 、 富 士 谷成 章 の ﹁ 。 ノヂ ヤ﹂ な ど里 す ノデ ア ル﹂ ﹁ デ ア ル﹂ な ど言 へり 。 靡 を受 け て は ﹁ ヂ ヤ また ﹁ 里に ﹁ ﹂ 、﹁ の﹂ を 介 、 な り ﹂ と 違 って、 ﹁ じ ゃ﹂ は ﹁ ぁ ゅ ひ抄 新 注 ﹂ によ る ︶ す な わ ち 安 永 期 の京 都 で は 引用 は ﹁ と あ る。 ︵

、 。 し て、 活 用 語 に続 く と 意 識 さ れ て いた こと が わ か る 活 用 語 の連 体 形 が体 言 相 当 句 を 構 成 し な いと す る な ら ば 活 。 ち と ら は ⋮ ⋮く さ く さ し て居 るだ ﹂ だ ﹂ の ついた文 は、 指 定 表 現 と はな ら な いと考 えぎ るを得 な い F﹂ 用語 に直 接 ﹁ 、﹁ 。 だ ﹂ は指 定 の助 動 詞 と く さく さ し て居 る劃 ﹂ と 同 じ構 造 の文 にな ってし ま う つまり は ﹁ く さ く さ し て居 る制 ﹁ ﹂ 。  一 個 の終 助 詞 と し て、 文 全 体 の末 尾 に ついて いる と考 えぎ るを 得 な い し て の働 き を せず 、   活 用 語 に 直 接 す る 他 の指 定 辞 て一 、 、 だ﹂ だ ﹂ の意 味 に つ い て は不 明 の点 が多 いが 文 の構 造 か ら考 え て こ の ﹁ だ ﹂ の検 討 の結 果 、 ﹁ 活 用 語 に続 く ﹁ 、 。 だ ﹂ の用 法 を さ ら に堀 り 下 げ て だ ﹂ の終 助 詞 的 な 用法 であ ると考 え る に到 った こ こ では こ の ﹁ が指 定 の助 動 詞 ﹁ 、 、 だ ﹂ を歴 史 的 に さ か のぼ れ る か どう か   一つは 他 の指 定 表 現 にも こ の種 の現 象 が見 ら れ る   一つは、 こ の ﹁ みよう 。 か どう か、 の二点 であ る。 。 、 男 伊 達 初 買 曽 我 ﹂ より 古 い用 例 を 知 ら な い だ ﹂ が古 く か らあ った か ど う か。 先 にも 述 べた よう に 私 は ﹁ この ﹁ 、 じ ゃ﹂ が、 活 用 語 に直 接 続 いて いる の で 活 用 語 に直 し か し 、 先 に引 用 し た よう に、 近 世 前 期 ま では指 定 の助 動 詞 ﹁ 。 だ ﹂ が 江 戸 にあ った と も 、 方 言 と し て存 在 し そ れ が 江 戸 に は い ってき た と も 考 え ら れ る 古 く 接続く ﹁ 用 語 に続 いて いた と す るな らば 、﹁ だ ﹂ が活 、 。 、 こ こ で取 り 上 げ た ﹁ だ ﹂ の発 生 のき っか け を そ こ に見 出 す こと が でき よ う し か し

、 、 化 石 ﹂ と し て軽 視 す る こと は でき な い。 だ ﹂ が占 く か ら あ った と し ても 先 の三 〇 例 を 単 に そ の ﹁ 活 用 語 に続 く ﹁ 、 化 政 期 、 天 保 期 にま で用例 が存 在 し そ れ が特 定 の階 層 の人 に限 らず 。 だ ﹂ の生 き た用 法 の 一つと認 めな いわ け に は いかな い う こと は、 ﹁ 次 に、 他 の指 定 の助 動 詞 によ る指 定 表 現 にも 目 を向 け よう 。﹁ だ 、 ﹁ ゃ ﹁ ﹂ と 同 じ資 料 を使 って 指 定 の助 動 詞 じ ﹂ で 、 庶 民 の中 でかな り 広 範 囲 に使 わ れ て いる と い

、 でごぎ る﹂など の終止形 が、活用語 に直接続 いた例を調 べた結果 は次 のよう にな 、 す﹂など の終止形 が また ﹁ 。 ﹁春色梅美婦弥﹂ は岩波文庫 による ︶
A じ ゃ

った。

江戸共通語

128   静 が富樫 に 例⑩ 男伊達初買曽我 ・一

。 d 引 矧 釧 ド 凋 計 が 、 の も ふ い と ば ね か い も れ で そ ア サ

四編 上 =次 がむだ助 に 例⑩ 浮世風呂 ・

く 催 て 部で潤劉づ はて、ぁのやうに ょ こ 対句 ︲ 、 を るに 出脚置 の 事 割 ぐ が ν 称 ひ 欧 風 o 晰 肝 拙 た m の 子 母 ﹂ が 騰 事 さ き れ あ

やテ

出目助 に 二編下 侍 が呑七 ・ 例⑩ 八笑人 ・ いや はや以 ての外尾籠 がましき狼籍 に及び

、甚だ御むL のさまたげ に構成る故 量 と 観 ︻ は り 、 勲 さ へ 計 の こ へ ま て あ に お も し づ d 引 日 げ て
B  です 三  源兵衛 が奥州 に 例④ 男伊達初買曽 我 ・ ︲引﹁引劉口 。 お麟 へ 訛 込 みませう か。 恋 に身 を引 つ 五  権八 が喜六 に 例⑫⑬ 男伊達初買曽我 ・ 、 に掛人 きな 潤﹁引洲 、 この春大磯 から鞍替 をし て来 た虎 が 梅 の由兵衛 が所     徊︲ つ け てヽ吉原 へ 付  に  事 わしや今朝商 ひ . 議ぼ物 をu潤爛引が 、 ︵ 略︶ にな つてゐる曽我十郎祐成 殿 へ

ど 、すでに切捨 にもなるべき所、御前様 のお詞がか ゝッて、追はら へ し な ご 、お慈 相を以て協遜り、しばり

C  でごぎ る oでご ざ い と も に武 士 ︶ 四編 追 加 下   岩 永 左 門 が秩 父繁 太 夫 に ︵ 例⑭ 八笑 人 ・ イ ヤ秩 父 殿 、 これ は今 晩 のお狂 言 に付 き 入り こむ や つゆゑ 、 わざ と まぎ ら はじう 出 立 ち 居 つた でご ざ る。 に つく い奴 。 お白 湯 に ︵ 芝 居 の 口上 風 ︶ 二編 中   野 良 七 が お麦 ・ 例⑮ 七 偏 人 ・ 年 増 と新 造 の標 致 と程 が大 評 判 に付 、 岡 惚 の我 々ま でか た みを広 く 思 う でご ざ い 喜次郎 に ︵ 芝 居 の口上 風 ︶ 四編 中   茶 目吉 が虚 呂松 ・ 下 太郎 ・ 跛助 ・ 例⑩ 七偏 人 ・ ハイ 此 方 の隅 へま かり 出 でま し た は、 番 丁 皿屋 敷 似 の幽 霊 で、 次 にま かり 出 でま し た は鬼 で御 座 い、睦 だ と 思 . 召名 のると いふ  一 ふな ら手 を出 し て天窓 を探 つて御 らう じ ろ、 直 乳 で標だ た角 が額 に有 る で御 座 い卜 、

D  でござります ・ でござ います   八幡 が朝比奈 に 例○ 男伊達初買曽我 ・一 129 江戸語 の 「だ」 の 一用 法 、  ハテ扱 、朝比奈様。御親切 の段、拙者 におきまし て有難う存 じ利明剥引劉爛側回明剥引d 。 ヲヽ 初編 三  お繁 がお京 に 例⑬ 春色梅美婦弥 ・ 人もありません ヨ。私なんぞ こそ絵土 ッ  一 ヲヤノヽ 然 お言だ が、 お前 さんを田舎 で育 つたお嬢 だと いふも のは、 ︱ ょ、 児 の、顔 よごしと口劃﹁J劃口劃引 ︱ E  そ の他 前編上 医者 が隠居 に 例⑩ 浮世風呂 ・

︱ 。 れ ィ ぽ 敵 批 脇 厨 蹴 ご 引 ロ し な こ に つ

130

商 人 体 の男 ︶ に 俳 諧 師 ︶ が点 兵 衛 ︵ 四編 上  鬼 角 ︵ 例⑩ 浮 世風 呂 ・ 。 坊 主 あ た ま は枕 当 の械 ぬ のと是 ば かり が能 でご つす 虚 呂松 に 跛助 ・ 下太郎 ・ 茶 目吉 o 四編 下   大 愚 が喜 次 郎 ・ 例① ⑫ 七偏 人 ・ 噺 ツ鼻 血 が ま た出 た ア﹂ 虚ろ ﹁ と ︲ ゝ 兎 解 洋 か け での ぼ d d 爛 酬 引 力引 州 ﹂ 大愚 ﹁ 、 サ ア ノヽ 引 いたり 国 を引 いたり ﹂ 跛助 ﹁

江戸共通 語

く 献 蟹 対 矧 ら か ん お さ 愚 喜 次﹁ ﹂
ぎ ヽ 様 でげ す ナ﹂ 中ぐ﹁酬引 と申 すと、義胸 の固 い鼠 が鍵錐 へ か ゝつキ 然 らば お矩 へ 大愚 ﹁ 跛助 に 茶 目吉 ・ 四編中 大愚 が喜次郎 ・ 例① 七偏人 ・
じや ﹂ 八 ︾ 中 に、 次 のよ う な ﹁ 七 一 享 保 三 年 ︿一 う ゐ ら う 売 のせ り ふ﹂ ︵ 所収 の ﹁ 歌 舞 妓 年 代 記 ﹂巻 一 こ のほ か、 ﹁ 引 用 は日本 古 典 全 集 によ る︶ があ る。 ︵ 。 ひよ つと舌 が廻 り 出 す と 、 矢 も 楯 も潤 劃 引 硼 例 ⑦ 扱 此 規 第 一の奇 妙 に は舌 のま は る事 が銭 ご ま が はだ し で逃 る
。 ヨ

み 。 ヨ . 、 グ 席 鮮 ビ 静 だ な ん ら 、 見 底 は 離 ダ 鮮 れ る 酬 が 餓 d 川 引 所 曜 冽 ﹁ 獣 れ 弔 は は に テ ハ

こ のよ う に、 指 定 の助 動 詞 が活 用 語 に続 く 例 は か な り 見 出 さ れ

、 。 、﹁ だ ﹂ だ け の現 象 で は な いこと が わ か る た だ

、 が のま ま伝 ﹁ です ﹂ 等 は特 定 の位 相 の語 であ る た め 活 用 語 に直 接 続 いた か つて の用 法 そ じ や﹂ ﹁ だ ﹂ と 違 う 点 は、 ﹁ 、 、 、 、 、 ⑩ は 医 者 。 ⑩ 伊 達 は 男 ④ は 武 士 ⑭ 統 的 に残 さ れ て いかも 知 れ な いと いう こと でぁ る 例 え ば 例⑬ は遊 女 例 ⑩ 、 、 、 、 身 分 の人 が 用 い て いる。 これ ら の人 々 を 除 く と は俳 諧 師 、 と いう よ う に か な り 特 殊 な ま た 世 襲 的 な 職 業 o

﹁ ぶ った 人 ︶ と 浮 世 風 呂 ﹂ の甘 次 、 ﹁ 七 偏 人 ﹂ の大 愚 、 野 良 七 、 茶 目吉 な ど が残 る が、 厳 密 に考 え て、 前 二者 は通 人 ︵ 梅 美 婦 弥 ﹂ の例① し か残 らな い こと にな ってし ま う 。 し て除 き、 後 二者 は芝 居 の口上 風 と いう こと で除 く と す れば 、 ﹁ これ ら の用 例 だ け か ら、指 定 の助 動 詞 が活 用 語 に続 く 現 象 を 江 戸 語 の傾 向 と 断 定 す る こと は危 険 であ る。 です ﹂ の変 遷 に お い て は、 です ﹂ の語 史 に転 じ て み よ う 。 と いう の は、 中 世 の能 狂 言 本 に始 ま る ﹁ こ こ で目 を ﹁ ﹁ です ﹂ の流 れ によ って こ の ﹁ だ ﹂ の用 法 です ﹂ が活 用語 に直 接 続 く か否 か が、 重 要 なポ イ ント にな って いる の で、 ﹁ ﹃ です ﹄ の語 史 に ついて﹂ ﹁東 京 語 の性 格 ﹄ 所 収 ︶ で、 近 が裏 付 け ら れ る か も 知 れ な いか ら であ る。 中 村 通 夫 氏 は ﹁ 、 の を 介 し な いも 5 です ﹂ に ついて、 沢 一 ︶ 助 詞 ノを 介 せ るも の若 干 を も交 え る。 世後 期 の ﹁ ﹂︵ ﹂ 9 ぺ︲ジ ︶ と し て ﹁ 近 世 後 期 の待 遇 表 現 ﹂ ∩国 語 と 項 目 と し て拳 げ てお ら れ る。 ま た 、辻 村 敏 樹 氏 は ﹁ のが多 い点 を東 京 語 と の相 違 の 一 〇 月 ︶ に お いて、 中 村 氏 の論 文 を 承 け て、 近 世 後 期 にな ると 、 国 文 学 ﹂ 昭 和 三 四年 一 3 の﹂ ︵ ん ︶ を 介 し て接 す るよう にな るな ど 、 接 続 の面 でも今 日 同様 にな る。 ︵ ④  活 用語 に は ﹁ 6 ぺ︲ ジ ︶ 0 ぺ ︲ジ ︶ に お ﹁ 国 語 と国 文 学 ﹂ 昭和 三五 年 九 月 、 5 です ヒ ︵  一 雑 俳 ノー ト ﹃ と述 べ てお ら れ る。 方、鈴木 勝 忠氏 は ﹁

131 江戸語 の 「だ」 の一用法

体 だ と主 張 さ れ る。 こ こ で私 が問 題 です ﹂ と 一 いて、 ﹁ の﹂ を介 し た例 を 引 か れ 、 現 代 語 の ﹁ 男伊 達 初 買 曽 我 ﹂ の、 ﹁ です ﹂ が江 戸 時 代 の い つご ろ ま であ る のか、 と と し た い のは、 ﹁ の﹂ を い つか ら 介 す る か で はな く 、 活 用 語 に続 く ﹁ です ﹂ の用例 の中 か ら、 最 も 新 し 口語 法 別 記 ﹄ ﹃ 東 京 語 の性 格 ﹄ ﹃ 江 戸 言 葉 の研 究 ﹄ に引 か れ た ﹁ いう こと であ る。 ﹃ い例 を整 理 す ると 次 のよう にな る。 九︶ 八一 人 心覗 機 関 ﹂ ⋮ ⋮文 政 元 年 ︵ 一 動 詞 十 です   ﹁ 年 ︵ 一 七九九 ︶ 廓 の花 見 時 ﹂ ⋮ ⋮寛 政 一 一 形 容 詞 + です   ﹁ 九︶ 八一 人 心 覗 機 関 ﹂ ⋮ ⋮文 政 元 年 ︵ 一 た + です   ﹁

132

人 心 覗 機 関 ﹂ ⋮ ⋮文 政 元 年 ︵ 九︶ 一 八一 た い十 です   ﹁ ぬ 十 です       〃 な い十 です   ﹁ 春 色 江 戸 紫 ﹂ ⋮ ⋮元 治 元 年 ︵ 一 八六 四 ︶ だ ﹂ と比 べ て こ のよ う に、 活 用 語 に続 く ﹁ です ﹂ は近 世 後 期 ほと ん ど幕 末 ま で現 わ れ て いる。 これ を活 用 語 に続 く ﹁ だ ﹂ に見 ら れ る終 助 詞 的 用 法 が、 ﹁ み る と 、 ほぼ 同 時 期 に当 た る こと が わ か る。 つま り 、 江 戸 時 代 後 期 の ﹁ だ ﹂ のみ な らず ﹁ です ﹂ の場 合 は指 定 の機 能 を失 っても 、 敬 語 と し です ﹂ にも あ った の ではな いか 、 と 想 像 さ れ る。 ︵ た だ、 ﹁ ま す ﹂ のよう な 丁 寧 語 と し て の機 能 を持 つよう にな った と考 え ら れ る。 こ て の機 能 は残 り 、 終 助 詞 化 と いう より 、 ﹁ です ﹂ の用 例 に つい て、 そ の機 能 を 十 分 検 討 す る必 要 が あ る。 の想 像 を 確 実 な も の にす る た め に は、 近 世 後 期 の ﹁ ︶ でご ざ いま す ﹂ な ど の用 法 を含 め、 指 定 表 現 の構 造 の崩 壊 が指 定 表 現 一 こ の想 像 が正 し いと す れば 、 先 に見 た ﹁ 般の 傾 向 であ った と いう こと が でき る。 です ﹂ の側 か ら 言 え ば 、 中 世 の能 狂 言 本 に始 ま る ﹁ です ﹂ の語 史 の中 で、 江 戸 後 期 に は、 狂 言 に見 ら れ る ま た、 ﹁ だ﹂ ﹁ でご ざ いま す ﹂ な ど と 同 様 に、 指 定 の機 能 を 失 った 活 用 語 に直 接 続 く ﹁ です ﹂ の単 な る延 長 と し て でな く 、 ﹁ です ﹂ が存 在 し た 、 と いう こと が でき る。 ア ﹂ う 考 え れば 、 明 治 以後 、 形 容 詞 お よび 一 部 の助 動 詞 に 用法 と し て こ の ﹁ ﹁ です ﹂ が直 接 続 い て用 いら れ る現象 が、徐 々 に 一 般 化 し て い った のも 、 同 一 傾 向 と 見 る こと が でき る。 聞 剖 刈 口 爛 引 洲 ﹂ 鋭 い稲 妻 が お延 の細 い日 か ら ま と も に ほとば し つた 。     ︵ 漱石 ﹁ 例① ﹁ 明暗 ﹂ 八 八 ・ お延 ︶ 人 です 。 芸 術 の為 な ら自 地 の区 別 はな い です 。      ︵ 荷風 ﹁ 腕 く ら べ﹂ 一 山井 ︶ 例 ① 僕 だ つて芸 術 家 の 一 五・ だ ﹂ と 同時 代 の ﹁ こ のよう に、 こ の ﹁ です ﹂ と を 比 較 対 照 す る こと によ って、 ﹁ です ﹂ の語 史 も 、 ま た 、 ﹁ だ﹂ の語 史 も 、 幾 分 か ではあ る が、 明 ら か にす る こと が でき た と 思 う 。

江戸共通語

録 音 器 ﹂欄 に見 ら れ る、 次 のよう な現 代 の用 例 も 、 こ の傾 向 の 一つと 見 る こと か でき な お、雑 誌 ﹁ 言語生 活﹂ の ﹁
。 フ0

。 笑︶ 例⑦ エー答 は上 がる﹁コu口刈湖明劃引 。登 る で正 し い、 エー御名答 でした ︵ 6号 ・ 十代 のア マチ ュア無線家 の交信 ︶ 1 ∩言語生活﹂ ︲ 例① 中 にはどう し ても、 コノ安全運転 できませんと いう かたが冽劉﹁引剌 。 8号 ・ 運転者講習会 の講師 ︶ ﹁言語生活﹂ 1 ︲

調

津 夢 子 園 言 諄 帖 我 珠 筆

貞 享 三年 元 禄 二年 宝 暦 三年 宝暦 七年 明和 六年 明和七年

一 六八七︶ 一 六九〇︶ 一 七五 三︶ 一 七五七︶ 一 七六九 ︶ 一 七七〇︶ 七七〇︶ 七七 四︶

133 江戸語 の 「だ」 の 一 用法

安 永 四年 安 永 七年 天 明 五年

七七五︶ 七七九︶
天 明 六年 床 呂

■︶ 八一 八〇九︱ 一 一 文化六︱九年 ︵ 四︶ 二︱ 一 八一 一 八一 文化九 ︱ 一一 年 ︵

L 七 ノ ヽノ ヽ 六 五
│:焼

花 肝 八 笑 人

134

春 色 梅 児 誉 美 春抄媚 景英 対暖 語 春 色 梅 美 婦 弥 ノ ヽ ノ i ^ .八 ︶ 八 天 保九年 ︵ . 1年 ︵ . 八四 . 天保 .

一 ︱ 天 保 五年 ︵ 文政 . . ^ . 八三. 人 保 三年 ︵ ︶

f共 通 語

V

'l:ナ

七  偏  人

1 . 年 ︵ 安 政 四︱文 久 ^

付記 だ ﹂ が存 在 す る こと は明 ら か に し得 た が 、 そ の機 能 に つ いて は、 う ま く 説 明 でき て いな いと いう 江 戸 語 に活 用 語 に直 接 続 く ﹁ のが実 感 であ る [

第五節 江戸語東京語 の断定表現

はじめ に 、 も の であ る。 調 べ て こ の稿 は、 江戸 語 東 京 語 の指 定 表 現 の通 時 的 考 察 を す るた め に 文 末 指 定 表 現 に ついて調 べた 、 、 指 定 表 現 と いう より 、 ﹁ 指 定 助 辞 によ る断 定 表 現 ﹂ であ る こと に気 付 いた が そ ゆく う ち に、 私 のめざ す も のが ﹁ ﹂ 、﹁ 、 指定 表 現 ﹂ そ のも の に疑 間 指 定 表 現 ﹂ と いう 限定 にし な か った のは こ の考 察 の過 程 で のま ま考 察 を す す めた。 ﹁ が生 じ てき た た め であ る。 ま だ 十 分 に説 明 でき るだ け の材 料 を整 え て は いな いが た いと思 う 。 、 問題 点 を述 べ て、 御 批 判 を あ おぎ

こ の稿 のね ら い
1 、 ﹁ ど 指 定 表 現 ﹂ が いかな るも のを指 し て いる か ま た こ こに取 り 1 げ る 断 定 表 現 ﹂ が  一 般に ﹁ 本 論 には いる前 に、 。 う いう も のな のか を述 べ てお き た い 指 定 表 現 ﹂ を的 確 に把 え て いる と 思 う 渡 辺実 氏 御 執 筆 ︶ は、 ﹁ ﹃ 指 定 表 現 ﹂ の項 ︵ 昭 和 三〇 年 ︶ の ﹁ 国語学辞 典 ﹄ ︵ 指定 表 現 ﹂ を 、 国 語 学 辞 典 ﹄ では、 ﹁ の で、 そ の要 点 を示 す 。 ﹃

ノ ヽ

L

土屋 信 一 (つ ちや 0し ん い ち ) 出生 年 :昭 和 14年 (1939) 学 歴 :昭 和 36年 (1961)東 京教 育大学文学部 国語学国文学専攻卒業 昭和 38年 (1963)東 京教 育大学 大学 院文学研究 科修 十 課程修 了 職 歴 :昭 和 39年 (1964)∼ 昭和 59年 (1984)国 立 国語研究所 員 昭和 59年 (1984)∼ 平成 2年 (1990)香 川大学教 育学部教授 平成 2年 (1990)∼ 平成 16年 (2004)共 立女 子大学 国際文化学 部教授
2005〉 ∼ ) 現在 :計 量国語学会会長 (12成 17年 〈

業績 ・ 編 著書

:

国語研究所報 告 40『 送 りが な意識 の 調査』昭和 46年 (1971) 国語研究所報 告 76『 高校教科書 の 語彙調 査』昭和 58年 (1983) 国語研究所報 告 81『 高校教科書 の 語彙調 査 H』 昭和 59年 (1984) 以 Lの 調査研究 に参加 『 論集 日本語研究 空社 ほか

15 現代語』 (編 )昭 和 58年 (1983)有 精堂 出版

『 明 治期 漢 語 辞書 大 系』 (共 編 )平 成 7年 (1995)∼ 平 成 9年 (1997)大

江戸 。 東京語研究 一一 共通語への道
2009年 1月 30日
著 者 発
`j者 発イ 所 ∫

とう きょう ご けん きゅう

きょう つう ご

みち

初版 発行

土 屋信 一 池嶋洋次 勉 誠 出 版 株式会社 2-206 〒 101-0051 東京都千 ∫ fヽ 111区 神lll神 保‖
1`

EL:(03)5215-9021(イ t) FAX:(03)5215-9025

(出 版 詳細情報 〉 httpブ /www.benseyocojp

,1 業

l lll 自 井 11製 本所 製 本 ISBN978-4-585-03216-8 C3081
J‐

和久幹人・ 清井悠村 青木紀 r・ 榊太 ` r印 刷社
i

Prillte(l in JaF)an

本書の無断複写 ・複製・転載を禁 じます。 L「 ・ 落 本 はお取 り替えいた しますので、 ご面倒ですが 舌 小社 までお送 りください。送料 は小社が負担 いた します。

Sign up to vote on this title
UsefulNot useful