You are on page 1of 4

分科会Ⅴ

多国籍企業と国際情勢
                         テーブルチーフ  菅原 聖

➢ はじめに
 第5分科会も他の分科会に漏れず、多くの方々からの協力によって有益な議論をすることが出来たことを感謝したいと思いま
す。
特に 経済人コー円卓会議日本事務所(CRT)の石田 寛 様には第5分科会でのFW を始め、全体プログラムでの企業訪問、第1分科
会での NHK 訪問、開会式でのワークショップ、閉会式でのサマリーにおけるフィードバックなど 様々な面で御賛助いただき、
感謝しても感謝しきれない思いでございます。本当にありがとうございました。

➢ 議題の背景
100 のうち、51 を企業が占めており、トップ 300 の大企業が人類の総
 現在、世界中の国と企業を 経済規模で比較すると、トップ
資産の 25%を所有している。そして全世界の貿易の 40%以上がこの企業によって行われている。これらのような企業が果たす役
割、影響は 増加の一途をたどっており、現在の国際情勢を認識するには不可欠な存在である。昨今の金融危機において、多くの企
業が倒産・破綻し、雇用、社会貢献といった面でますます多国籍企業の役割が問われることとなった。一方で多国籍企業によりも
たらされる問題は長年にわたり後を絶たず、技術移転、移転価格税制、国際基準の設定など企業だけではなく、多くのステーク
フォルダーに影響を与えている。

➢ 背景を受けて
 私たち学生が今世界に直接影響を与えることは難しいが、長期的な視点から、参加する学生が、将来企業に就職、あるいは起業、
大学での講義活動などを行い、グローバルに活躍することを視野に入れ、各分科会を通じて、今私たちは何をすべきか考えること
とした。

➢ 事前勉強会内容
 多国籍企業という切り口から社会問題を分析する際に、ひとつの社会問題だけを扱うだけでは、多国籍企業に関するより十分な
議論を進めることはできない、と考え、2つの社会問題を取り上げ、2つのグループに分け、それぞれのグループで勉強を行った。
1つは、労働問題。2つ目が環境問題である。
労働問題に関しては、低賃金労働させられている発展途上国の人々の生活状況を改善するためにはどうすればいいのか?という話
ではなく、私たちが、affiliate company などで苦しんでいる従業員もいる、と知っている状況で、経営者の立場に立ち、どのよ
うな意識を持ち、どのように会社をマネジメントすることが、従業員の労働環境改善につながるのか?今回は、グローバル化する
社会を念頭に、多国籍企業がどのように従業員をマネジメントするべきか?に焦点を当てるため、ダイバーシティマネジメントに
ついて勉強した。
環境問題に関しては、①多国籍企業と環境政策の関連、②多国籍企業の国際社会での社会的責任、③ケーススタディーの3つの
パートに分け、それぞれを分担して勉強した。具体的に①については、移転価格税制と企業、国との関係、国際的な環境制度と企
業の関係などである。②については多国籍企業の CSR 活動を調べ、環境問題に対してどのような取り組みをしているかを調べる 。
取り組みが至らなかった会社については、なぜそうなったのか?なども調べた。

➢ 本番内容
 [分科会Ⅰ] 「アイスブレーキング」
ディスカッションしやすい雰 囲気を作る、お互いの事を理解するということを狙いとして、自己紹介を行った。参加者はお互い向
きあう形で並び、3 分間話した後、片方の列が一つずれて、また違う人と話す、といった合コンのような自己紹介を行った。
 ここで、面白いと思ったことは、日本人は 1 対 1 になると会話をリードしたがるということ。会議では率先して発言することは
あまりないが、インフォーマルな場では、自分のことを表現するの
が実に上手で、会話をするのにぎくしゃくした雰 囲気を感じさせることなく相手を引き入れて話していた。
 
自己紹介の後は、環境グループと労働グループに分かれ、①環境グループでは、多国籍企業によって引き起こされる環境問題の確
認、②労働グループでは、多国籍企業の雇用とい観点から、グローバル化が進む世の中で、従業員同士が相互理解を深めるために
は何をすべきかを話した。

 [FW-CRT 事務所にて― 分科会Ⅱ]
「CSR と環境問題、CSR とダイバーシティマネジメント」

Field work にて、経経人コー円卓会議事務所(CRT office)を訪問。


その目的は、テーブルの内容に幅を持たせ、今企業が抱えている課
題をレクチャーを受けることで理解することであった。
レクチャーの内容は、いかに CSR を企業戦略として取り入れ、よりよい社会の実現を目指すか、ということであった。その中で
もこのレクチャーを通じて、注目すべき発し続けられた問いがある。それは、「社会が求めることは何か?」である。

環境問題に関して、話の流れとしては、企業はどうあるべきか?企業はどのような影響を社会に及ぼしているのか?企業は何がで
CRT の事務所にて
きるのか?という 3 部構成になっており、紙面の関係上、最後のパートにだけ 説明を書かせて頂く。企業の CSR、すなわち企業
に何をできるのかを考える際に必要な概念として、Risk と Opportunity があるとレクチャーを受けた。それらは、企業・業界に
よって異なるが、Risk について一例をあげるとすれば、RoHS や REACH といった製造物、製造体制に対する国際規制である。現
在、ヨーロッパでは、このような規制ができており、たとえば、中国がこの規制に引っかかる製品を作った場合、中国はヨーロッ
パの市場で物を売ることができない。環境問題に焦点を当てるとすれば、ISO14000 などが多国籍企業によってリスクとなる規制
であろう。このように先進国という市場では、このような持続可能性のある取組を求め始めているが、発展途上国の市場では必ず
しもそうではないことがある。それぞれの国の多国籍企業はこれらのリスクを十分に把握した上で、行動しなければ、ナイキのよ
うな不買運動に遭うであろう。
Opportunity について例をあげるとすれば、Sharp の Solar Panel の製造、GE の Ecomagination、トヨタのハイブリッドカー
などである。これらの会社はそれぞれの商品を initiative とし、新たな市場を開拓、現在は成功している。

ここで、労働問題に目を向けてみる。
同じく CSR という観点からダイバーシティマネジメント、すなわちステークフォルダーの一つである従業員の存在を見つめなお
したとき、企業にとって最も大事な存在が従業員である事に気づく。従業員はサービスを生み出す源であり、従業員がいなければ 、
企業活動は成立しない。従業員の労働環境を整えることは、企業の社会的責任という観点から見ても、企業の生き残り戦略から見
ても重要なことである。

日本企業はこのダイバーシティマネジメントを取り入れることに相当
苦労している。
ダイバーシティマネジメントとは、性別、人種、国籍の違いなどの多
様性を通じて、組織の力を高め、競争優位を実現すること。そして単
に多経な状態を作るのではなく、それを経営することである。
勘違いしてはならないのは、ダーバーシティとは目に見える違いでは
ないこと。
ダイバーシティとは個の違いである。
そういう意味では日本企業は既にダイバーシティに富んでいるといえ
そうであるが、グローバル化が進み、人権に対する概念も様変わりし
てきた日本では、女性や障害者に対する雇用以外にも外国人に対する
処遇という問題を抱えている。アメリカの先進的な多国籍企業は人権や雇用の均等といった課題をクリアしている。そういった状
況で、日本企業は単にナイキのような Risk を考えるのではなく、Opportunity を考えていく必要があるという。
解決策の一つとしては、Nissan や Sony のように、経 営幹部を日
本人ではなく、外国人にしてしまうこと。こうすることで、グロー
バルに視野を広げた 戦略 を 練ることができるという。この場合
Opportunity とは、多 様性に 満ちた海外の市場である。

 [Feed Back in CRT Office― 分科会Ⅲ]


「Regulation and Freedom」
Risk の規制(Regulation)という話が多国籍企業について議論す
る上でキーワードになる。
そこで、多国籍企業が海外に進出する際に考えられうる
Regulation と Freedom を、グループに分けて議論した。