You are on page 1of 3

中国経済・株式市場概況 2010 年 5 月 18 日

5月17日(月)の中国株式市場の下落について

HSBC 投信株式会社

・ 17 日(月)の中国株式市場は、本土市場の上海総合指数が前営業日比-5.1%、香港市場上場
の H 株指数、レッドチップ指数が各々同-3.1%、同-2.6%と下落しました。
・ 本土株式市場急落の主因は、温家宝首相が視察先で、急騰している一部地域の不動産価格を抑
える必要があると発言したこと、また国家発展改革委員会(NDRC)がより強力な不動産価格抑制
策を策定中と報じられたことにあります。
・ HSBC では、主要都市の不動産価格は、今後数ヶ月以内に 2 割程度の調整を経て、年初のレベ
ルに戻るものと予想しています。当面、政策リスクが高まっていることもあり、中国株式市場の見
通しは短期的には中立とするものの、2010 年の力強い企業利益見通しを背景に、バリュエーショ
ン(株価評価)面では割安感が出てきていると判断しています。

1. 17 日(月)の中国株式市場の下落とその背景

17 日(月)の中国株式市場は、一部欧州諸国の財政問題の長期化懸念に加え、当局が不動産市場の過
熱抑制に向け追加的措置を検討する姿勢を示すなど不動産関連の悪材料が相次いだことを背景に地合
いが悪化、本土市場の上海総合指数は前営業日比-5.1%と過去 8 ヶ月間で最大の下落率となり、終値
は 2,559.9 と約 1 年ぶりの安値水準となりました。また、香港市場上場の H 株指数、レッドチップ指数も
連れ安となり、前営業日比で各々-3.1%、-2.6%と下げました。個別銘柄では、H 株指数では中興通訊
(ZTE)が-8.0%、充州媒業が-7.7%、比亜迪(BYD)が-6.5%、またレッドチップ指数では保利投資が
-7.3%、聯想集団(Lenovo)が-5.8%と下げ、指数下落を牽引しました。

今回の本土株式市場の急落は、温家宝首相が先週 13 日(木)~14 日(金)に天津市を視察した際、急騰


している一部地域の不動産価格を抑える必要があると発言したこと、また国家発展改革委員会(NDRC)
がより強力な不動産価格抑制策を策定中と報じられたことが主因です。市場では当局が不動産市場の過
熱抑制策を一段と強化するのではないかとの警戒感が高まった模様です。

既に上海市では、銀行業監督管理局(銀監局)が市内の銀行に対し、中央政府が定めた 4 兆元の投資プ
ロジェクト以外の新規建設プロジェクトに対する融資を行わないよう指示したとのことです。また、上海市
計画・国土資源管理局は今月 18 日(火)から 25 日(火)にかけて 40 ヶ所の土地を売り出すと発表していま
す。上海市が短期間にこれだけ売り出しを集中させるのは今回が初めてであり、供給を拡大することで不
動産価格を抑制するというシグナルを市場に送ったものと見られます。

※末尾の「当資料のお取り扱いにおけるご注意」をお読みください。

2010 年 5 月 18 日 マーケットレポート

-1-

一方、国家発展改革委員会は、不動産業を中長期的に健全に発展させることを目的に、新たな不動産投
機抑制策を策定中とされます。国務院は短期的対策として、一部都市の急激な不動産価格上昇抑制に
関する通知を既に出しています。今回、新たに発表が予定される政策には、土地制度改革や公共団地の
建設促進策などが盛り込まれる見通しです。

2.今後の見通し

国家統計局は、11 日(火)、4 月の主要 70 都市の不動産価格が前年同月比+12.8%と 2005 年 7 月の統


計開始以来、最大の伸び率となったと発表しました。取引件数は減少傾向が報じられているものの、不動
産価格は依然として高水準にあること、また当局が引き締め策を強化していることなどから、内外の市場
関係者の間では、当局が不動産市況を如何にソフトランディングさせるかに関心が集まっています。
人民銀行が、向こう数四半期に亘り、預金準備率の更なる引き上げ、中銀手形の増発による量的引き締
めを中心に金融引き締めを行い、新規中長期融資の抑制に向けた一段の措置を講じるものと見られるこ
と、また当局が新規インフラプロジェクトへの支出を削減していることから、HSBC では、2010 年下半期に
かけて建設投資は抑制され、主要都市の不動産価格は、今後数ヶ月以内に 2 割程度の調整を経て、年
初のレベルに戻るものと見ています。

尚、市場関係者の中には、当局の対策の効果について、一般的に十分理解されていないと指摘する向き
もあります。
一つには、預金準備率引き上げがもたらす政策効果が挙げられます。人民銀行は、5 月 2 日(日)、預金
準備率を各々0.5%引き上げ、大手行については 17.0%、中小行では 15.0%としました。しかし、市中銀行
の実勢の準備率は既にこれら法定の準備率を上回る高い水準となっており、預金準備率引き上げは金融
引き締めの明確なシグナルを送るというアナウンス効果はあるものの、銀行の貸出抑制の効果は限定的
と見られています。
二つには、中国では不動産取引について現金決済が一般的で借り入れの利用は限られているため、不
動産価格の下落が、銀行の不良債権の発生など国内経済に及ぼす直接的な影響は限定的であるとの見
方もあります。
さらに、不動産の高騰は、地方政府が開発した土地の利用権を売却する土地供給の仕組みに起因すると
の指摘もあり、この点についての中央政府の対策が必要との見方があります。

前述の通り、政府は不動産投機抑制策を相次いで打ち出していることから、株式市場では当面、政策リス
クが高まっています。人民銀行は、早期の利上げに対しては消極的で、可能な限り先送りしたいと考えて
いるものと見られますが、4 月の主要経済指標は依然として景気が過熱気味であることを示していること
から、第 2 四半期に利上げが実施される可能性は残されていると見ています。このため、HSBC では、市
場見通しは短期的には中立としています。但し、2010 年の力強い企業利益見通しを背景に、中国株式は
バリュエーション(株価評価)面では割安感が出てきていると見ています。

以上

2010 年 5 月 18 日 マーケットレポート 2

<関連するファンドに関わる事項>

投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし投資元本が保証されて
いないため、当該資産の市場における取引価格の変動や為替の変動等により投資一単位当たりの価値
が変動します。従ってお客様のご投資された金額を下回ることもあります。又、投資信託は、個別の投資
信託毎にリスクの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては「投資信託説明書(交付目論見
書)」を良くご覧下さい。

お客様には投資信託のご購入にあたり、以下の費用をご負担いただきます。
○申し込み時に直接ご負担いただく費用
- 申込手数料 上限 3.675%(税込)*
○換金時に直接ご負担いただく費用
- 信託財産留保額 上限 0.5%*
○投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用
- 信託報酬 上限年 2.1%(税込)*
○その他費用の詳細は各々の投資信託の「投資信託説明書(交付目論見書)」をご確認下さい。

*費用の料率につきましては、HSBC 投信が運用するすべての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費
用における最高の料率を記載しております。投資信託に係る費用はそれぞれの投資信託により異なりま
すので、ご投資をされる際には、事前に良く「投資信託説明書(交付目論見書)」をご覧下さい。

HSBC 投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 308 号
(社)投資信託協会会員/(社)日本証券投資顧問業協会会員

当資料のお取り扱いにおけるご注意

当資料は、HSBC投信株式会社(以下、当社と言います)が情報提供を行う目的で作成したものであり、特定の投資
信託等の売買を推奨·勧誘するものではありません。当資料は法令に基づく開示書類ではありません。当資料は信
頼できると考えられる情報をもとに作成しておりますが、その正確性·完全性を保証するものではありません。当資料
に記載された市場の見通し等は作成時点での当社の見解であり、今後予告なしに変更されることがあります。また、
当資料に記載された当社の見解等は、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。

2010 年 5 月 18 日 マーケットレポート 3