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背景 地域医療実習の概要

実習スケジュール例
医師の地域偏在が大きな社会問題になる中で、 月 火 水 木 金
若手医師が医師不足地域での勤務を敬遠する傾向が 午前 午後 午前 午後 夜間 午前 午後 夜 午前 午後 午前 午後 夕

強まっている。 オ 地
外 健 学
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筑波大学では、5年生全員を対象に、医師不足地域にある テ
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茨城県神栖市に1週間滞在して地域医療学実習(左記)を シ

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実施しており、今回我々は実際に地域医療の現場で実習 り

した医学生からみて、将来医師不足地域で勤務する際に 実習の概要
どんな環境が整備される必要があるのかを明らかにする
ことを目的に調査を行った。 医師不足地域に医学生全員が3-4人ずつ、1週間泊まり込んで行う。
地域住民との触れあい、地域を知る機会がある。
(地元旅館へ泊まり込み、自転車での通学、健康教育を通して)

方法
調査対象:
2009年度に神栖市での実習を行った5年生全員

調査項目:
一部、NHK総合ニュース
「あなたがこのような場所で勤務するには、 「首都圏ネットワーク」
どんな環境を整備する必要がありますか?」 (2010年 2月 8日放送)より

という項目について、自由記載アンケートを行った。

結果 神栖市の医師数
【人口10万人対医師数】
全国平均:約220人
対象者77人中、67人(男性43名、女性24名;(回答率87%) 茨城県:約150人(ワースト2位)
より回答があった。 神栖市:約90人
回答のカテゴリーおよび回答数を下記に示す。

 指導体制の充実 28名(男性:17名、女性:11名)  症例経験 8名(男性:4名、女性:4名)


<代表的意見> <代表的意見>
・「若いうちは、指導医・上級医は必須だと思う」 ・「手術をたくさんやりたい」
・「経験を積んだ後でないと不安で出来ない」 ・「難易度の高い疾患も学べるような、院外研修制度は必要ではないか」

 ワーク・ライフ・バランス 17名(男性:8名、女性:9名)  生涯教育サポート体制 8名(男性:5名、女性:3名)


<代表的意見> <代表的意見>
・「家庭と両立できるサポートシステムが必要」 ・「高度・先進医療から遮断されないよう、勉強の機会が欲しい」
・「子育が終わった後など、落ち着いてから地域医療に従事するのは良いと思う」 ・「自己学習環境が整っている必要がある」

 行ったことがある地域 4名(男性:3名、女性:1名)
 医師間での業務シェア 16名(男性:12名、女性:4名) <代表的意見>
<代表的意見> ・「行ってみるとかなり印象が違った。ここなら住めるかもと思った」
・「常勤医が少ないので、各診療科の助け合いが必要。」 ・「しばらくいて人との繋がりが出来ると、自然に残る人も出てくると思う」
・「年齢・学年の近い医師がいれば、がんばれそう」
 給与 4名(男性:4名、女性:0名)
<代表的意見>
 住みやすさ 14名(男性:4名、女性:10名) ・「多くなくてよいが、仕事の内容に見合う報酬はもらって当然だと思う」
<代表的意見> ・「根本解決にはつながらない。別のところへお金を回すべき」
・「交通の便の良し悪しは、大きな要素だと思う」
・「子育てや教育環境が不足している状況だと厳しい」  住民の理解と協力 2名(男性:2名、女性:0名)
<代表的意見>
・「医師不足について、住民が真剣に悩まれている実情を肌で感じた」
 医療体制の充実 10名(男性:9名、女性:1名)
・「社会全体の協力が必要不可欠であると感じた」
<代表的意見>
・「後方病院が近隣に欲しい(千葉県のA病院に送っている現状がある)  出身地であること 2名(男性:2名、女性:0名)
・「科が不足しているので、互いに病院同士が連携して、患者さんを振り分ける」 <代表的意見>
・「出来るだけ地元で働きたい」
・「地元だと、ほっとけないと感じるので」

考察
• 今回の実習(医師不足地域)の様な場所で将来勤務するには、“指導体制の充実”を要望する意見が半数近くを占め、
重要なファクターであることが伺えた。
• 子育て環境やプライベートな時間の確保などの“ワーク・ライフ・バランス”の項目に関する意見が多く挙げられていた。
特に女性にその傾向が強くみられた。
• “給与”を挙げる医学生は少なく、多くの学生は、この項目は重要視しない傾向がみられた。
• 医師不足地域の解消のためには、このような事実を踏まえた若手医師が働きやすい環境整備が必要であることが示唆
された。

医学生から見た、医師不足地域で医療を行う際に将来必要な勤務環境とは?
What factors are important for medical students to work in areas with a doctor shortage ?

第42回日本医学教育学会(2010年7月)にて発表 筑波大学 人間総合科学研究科 地域医療教育学 阪本 直人、大久保 英樹、前野 哲博