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仕入していますか?

私は仕事上、いろいろな寝具店さんに行ってお話を伺う機会があります。そこでよくあるケー
スが、ここ数年の一番のおすすめ商品が変わっておらず、一年を通じてもおすすめ商品が大し
て変わらないというものです。
「これ1枚あれば1年中オーケーです。」ということで、毎年同 じ
商品を売り続けているのです。各メーカーから毎年新しい商品が出ますが、どれも大して目新
しくないということであまり仕入れることもなく、結局また同じ商品を売り続けています。

しかし、これが大きな間違いです。お客さんにとってみれば、いつ行っても変わり映えのしない
商品を売っている店なんて、何の魅力もありません。ただでさえ個人経営の専門店というもの
は、“扱っている商品が古そうだ”とか“あまりいい商品を置いてなさそうだ”と思われがちです。
自分で輪を掛けては、お客さんが来てくれるはずがありません。
店と商品をつなぐものは「商品」に他なりません。どんなに良いチラシ・DMを打っても、どん
なに良い売場や接客であっても、商品が良くなければ一部の心優しいお客様にしか来ていただ
けないのです。

新商品や季節商品は、理屈だけで考えるものではありません。お客様も我々も、人間は皆“新し
い物好き”の動物です。実際に買うのが定番品であったとしても、人はまず新しいものに飛びつ
くんです。そして、そういう他人の姿を見て、人は集まってくるんです。
ルイ・ヴィトンが良い例です。実際に売れるのは「モノグラム柄」の定番品ですが、毎年新しい
商品が発表され、ナカタ選手や浜崎あゆみ等の有名なセレブ達が競って購入し、それを見た一
般の人々がまたヴィトンへと集まるのです。ソニーも良い例です。美しいデザインの新商品を
次々に出すことで話題づくりを行ない、ごく普通のラジカセまでが何だかカッコいい商品に見
えてくるわけです。
理屈でなく、新商品や季節商品はしっかりと扱っていただきたいものです。売るものがなけれ
ば、販促だってできません。自店のコンセプト(例えば健康・快眠)に合うものを、あちこち探
していただきたいものです。
「最近はメーカー自体が面白いものを作らないんだよ」なんて話 も
良く聞きますが、果たしてすべてのメーカーのすべての商品がそうでしょうか? 普段付き合
いのあるメーカーや問屋さんのなかで自分が眼にしたものだけの話ではないでしょうか?

日本中・世界中のいろいろなメーカーから本当に良いものだけをセレクトして自店の売場で
編集し、お客様に対して商品を熱く語れる。それが「寝具専門店」の一番の強みではないでしょ
うか?
(2003.6.6)

おすすめ商品、使ってますか?
「よそで売れてるっていう話を聞くから一応やってみてるんだけど、いまいち良さが分からな
いからお勧めしきれない。
」。寝具店さんで、そんな話をよく聞きます。しかし一方で、
「 ○○は 自
分も使ってて良さが分かるから、自身を持って接客できるよ。」なんて話もよく聞きます 。

今日、商品に対するお客様の興味は“使い勝手”にあり、その商品を使うことによってどのよう
なメリットが得られるのかという内容によって動機付けされるようになっています。特に寝具
は“使ってみて分かる価値”が大きい商品であり、自身の体験談や他のお客様の事例がお客様の
動機付けに大きな役割を果たします。
であれば、寝具専門店では自店取扱商品を各販売スタッフが使用し、接客やPOP,チラシや
DMなどにおいてその使用体験を伝えていくことが必要ではないでしょうか? 敷きふとん
や掛けふとんはもちろん、敷きパットや合掛けふとん,本麻ふとんなどの季節商品についても、
まずは自分達で使ってみなくてはならないのでしょうか?
他業種の事例になりますが、あるアパレルメーカーでは、自社として重点販売していきたい自
社ブランド商品について、原価で社員に販売しています。取引先の小売店バイヤーや販売員は、
商談に来たそのメーカー社員の話を聞いたり服装を見たりすることで発注や販売が大きくな
っています。該当ブランドの売上は、前年比で140%となりました。
(2003 6.6)

貴重な意見、活かしていますか?

多くの寝具店さんは、社長と奥さんを中心に、お子さんや他の販売スタッフで運営されており、
一般的には社長が中心となって商品,販促,売場づくりなどの方法を決められているようで
す。リーダーシップがしっかりしており店の方針がブレないことは良いことですが、それが弊
害になっているケースが結構あります。
私が伺っているお店では、こんなことがありました。
あるとき私が、
「健康寝具の販売強化のために、1週間程度の有料貸し出しをしてみませんか ?
まくらは300円、ムアツやダンクリは500円くらいでどうでしょう?」とご提案したとこ
ろ、その店の奥さんが「私もそれをやってみたかったの! 以前もそう言ったことがあるんで
すけど、この人は頷くだけで全部自分で決めちゃうんですよ。だから私も行ってもムダな気が
して、最近は何も言わなくなっちゃったんですよ。」とおっしゃっていました。社長は笑いな が
ら納得され、その店ではまくらと健康寝具の有料貸し出しをすることになりました。

奥さんやご家族、他の販売員の方々の意見は実はとても貴重な得がたいアドバイスです。この
世知辛い世の中で、自店について寝具について真剣に考えてくれる人が何人いるでしょうか?
特に寝具は、主な購入者が「主婦」であることが多い商品です。また、今日の消費者はは五感で商
品を捉えて購入することが多く、商品の素材や縫製,価格等による左脳を刺激する商品説明で
はあまり動機付けされなくなっています。
女性の気持ちを理解し、感覚的に物事を捉えることのできる奥さんやご家族,他の販売スタッ
フの方々の意見は、自店の販売ターゲットであるお客様の心理へアプローチしていくために重
要であるのです。
もし、社長が自分で多くを決めてしまう傾向がある場合、“身近で最大の助言者”のアイデアを
どう活かすか、しっかりと考えてみませんか? 業績アップの鍵は、意外と近くにあるもので
す。
    (2003 6.1
5)

ラ イ バ ル

本当の競合店
イオンやイトーヨーカドーの出店,ディスカウントストアーやホームセンターの激安プライ
ス,周辺地区寝具店の売り出しチラシ、どれも気になるものです。しかし、市場全体を見渡すと
き、本当の競合店は他にあると改めて思います。
「通販」です。訪販を加えた「非店頭小売業」の売上シェアは全体の60%に上り、ますます拡大
しています。それは単なる時代の流れではないでしょう。何故でしょうか? 注文した商品が
送られてくるまでのワクワク感とか、カタログをめくるときのワクワク感とか、理由はいろい
ろあるように思えますが、一番の理由は“徹底的な単品訴求”にあります。
通販では、商品へのこだわり,生産の背景,使い勝手から使用者の声まで、商品者の心を掴む
仕掛けが盛りだくさんです。このライバルの一人勝ちの秘密を小売に活かせないないでしょう
か?

私の支援先の寝具店さんでは、この夏、それを「DM」へ取り入れられる予定です。
“お得意様には安売りしない”という方針の下、本当に良い商品をおすすめしていきたいとのこ
とで、通販形式の単品訴求DMを間もなく打たれます。
  (2003 7.7)

対象顧客別アプローチ

マス・マーケティングの手法がどんどん通じなくなっており、時代は確実にワン・トゥー・ワ
ン・マーケティング主流へと移っています。チラシやDMの内容も、対象顧客を絞ったもので
ないと当たりにくくなっています。
「ああ、私のことだ!」と思わせる表現や連動する商品が 重
要です。こちらがお客さんを絞ることで、より多くのお客様から選ばれるようになるのですか
ら、面白いものです。
「経営とは捨てることだ」なんて言葉を聞きますが、なるほどなあと思い ま
す。

ある寝具店さんの事例を紹介します。そのお店は横浜の郊外、人口16万の街に立地しており、
売場は28坪です。周辺ではマンション建設が進み年々人が増えているのですが、お店は街の
はずれにあるので付近住民の方々はあまり通らず、立地としてはあまりよくない状況です。や
はり集客に苦労されていますが、いろいろと工夫されています。1~2ヶ月に1度、17,000
枚の折込チラシを撒いて知名度アップを図ると共に、毎週1,000枚のポスティングを始めら
れています。
ターゲットは周辺のマンションに住む「ヤングファミリー」であり、その中でも「奥さん」を主な
対象としています。対象顧客の心理を研究し、子供の健康,毛族の健康,清潔好きなどをテー
マにして、チラシのサイズやタイトル,プレゼントにまで工夫をされています。
7月の中旬から撒き始めるとのことでまだ反響は分かりませんが、思いの伝わる内容に感動し
ました。
     (2003 7.
7)

ふとんを買ってもらおう!

今日、面白いものが世の中に溢れています。しかし、厳しい時代で使えるお金は限られています
から、その中でいかによいものを買うか、賢い消費者はいろいろな候補の中から「コレだ!」と
思うものにお金をつぎ込むようです。そうなると、寝具の競合は寝具にあらず、ブランド商品や
デジタル商品,趣味やレジャーなど、様々になっています。その並み居る競合の中で寝具を選
んでもらうというのはなかなかの激戦です。
そこで、次のようなメッセージをDMなどで謳ってみてはいかがでしょうか?

~おしゃれ、旅行、化粧品。パソコン、デジカメ、携帯電話。
  どれも素敵なものだけど、1つ我慢して「ふとん」を買ってみない?~

頑張った自分へのごほうび、忙しい毎日のプチぜいたく、1年1度のリフレッシュ。
どれも本当に素敵なことで、そこに向かって頑張れる。私だって同じです。今年の夏はあれを
買おう、今年の冬はあそこへ行こう、そう考えるとワクワクしてきて毎日が変わってくる。結
構、真剣な活力になる。
でもね、当たり前すぎて忘れてしまうけれど、毎日の活力に本当に大切なものがあるんです。
それは「眠り」。だって、毎晩眠るでしょう? 誰だって眠るでしょう? 眠るときって、幸 せ
でしょう? でも、「本当のグッスリ」、あなたは知っていますか ?
私は知っていますよ、眠りの専門家だから。体の中からキレイになろうとか、バランスよく栄
養補給しようとか、いろんなキャッチコピーが世の中に溢れてるけど、私たち人間にとって
一番のクスリは「正しい眠り」です。
欲しかったものを買ったり、美味しいものを食べたり、1年に1度まとめて元気になるより、
毎日元気で活力のある人生を過ごすほうが素敵でしょう?! 今年はごほうびを1つだけ
我慢して、
「ふとん」を買ってみませんか? うちの店には結構良いものが揃ってますよ。 あ
なたにピッタリのまくらだって、シーツ・カバーだってありますよ。
結構長く使えます。1度、見に来て見ませんか?

              ○○ふとん店 店主  ** **

    (2003 6.1
7)

下取セールチラシ

この春のある寝具メーカーのチラシに「下取りセール」というタイトルのものがありました。私
の支援先の寝具店さんで取り入れましたが、全然当たりませんでした。
そのチラシの失敗には、3つの理由があったように思います。

理由1: 昨年とほぼ同じ内容であった
  1度当たったチラシでも、2度目の反響は6~8掛け、3度目は3~5掛けになってしま
うのが今日の販促の法則であるようです。常に新しい仕掛けが必要であり、似た内容のも
のを使う際には新たな何かを付加しなくてはならないことを改めて痛感しました。

理由2: 下取りセールとは名ばかりであった
「下取りセール」と謳いながら “期間中にふとんをお買い上げの方、今お使 い
  そのチラシは、
のふとんを無料でお引き取り致します”という内容になっていました。その代わり、チラシ
掲載商品の値引額を大きくしていましたが、その分上代をいつもより上げていました。し
かし、お客様にとっては商品の割引額が魅力なのではなく、“今自分が使っている古いふと
んが3,000円で引き取ってもらえる!”ということが魅力なのです。

理由3: 私の判断ミス
  昨年はそこそこ当たったチラシであるし、既にメーカーにも発注してあるのでやりたいと
いうのが支援先の社長のご意見でした。上記のような不安材料はありましたが、“昨年はそ
こそこ当たったことだし”ということで少しばかりの期待をして「では、やりましょう」と
判断した私のミスがありました。平行して何らかの別な仕掛けを準備していけばよかった
のですが、あとの祭り。非常に残念な結果になってしまいました。
  当たらない内容のチラシは、どう間違っても当たらない! ということを改めて痛感する
と共に、“やらない”という判断の重要性を学びました。
    (2003 6.
17)

当たる販促要素のまとめ(チラシ・DM・POP・接客に向けて)

・前提:成熟業種では、チラシにおいても「リピート客(Not ファーストユーザー)を呼ぶこ
とを目的とする。
    →安さではなく“価値訴求”が大切。但し、予算帯に見合っていること。

・商品:×モノが売れない→○売れる価格帯が変わった。更に2極化している。
            (バブル期の1/3~1/4倍、あるいは3~4倍)

・価値を挙げる工夫
→商品へのこだわりが不可欠。
  (お客様との競争に勝つ。お客様のウォンツは、どんどんおおきくなっている)

・所得階層に応じた「価格帯」「ストーリー性 」
 →お客さんの関心事にどうアプローチし、いかにニーズを満たすか(問題を解決するか)。
  商品よりも“関心・ニーズ”を先に考える。
  Ex)10代:恋愛・勉強,20~30代:結婚・出産・仕事・お金,
     40~50代:若返り・お金,60代~:健康 など

・使用価値・使い勝手のアピール
 →その商品が生活にどんな変化をもたらすのか、どんなメリットがあるのか。
  絵・写真,使用時のイメージ,一番のポイント
  (体験談,他のお客様の事例)
  Ex)心を掴むPOP→ 体験談+写真

・女性の心を掴む
 →ヒフ感覚の言葉にする,五感に訴える,目標達成のための理想とのギャップ,
細部へのこだわり(手抜きをしない,ONE MORE),暖色系,曲線系

・サービスのモノ化
 →打ち直し・リフレッシュ・丸洗い等のメニュー化,品揃え化
  無料集配,貸し出し,まくらカルテなど

(2003 7.7)