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ヒロタカズマ

問題意識と出発点
 問題意識
 産業革命以降、人間の生産力は何百倍にも増大した
 生産力からみれば世界はパラダイスでなければならない
 貧困や格差、差別、犯罪、環境破壊、経済恐慌、戦争…持続
可能な世界像は見えてこない

 出発点



悪い動機で動く社会では不幸や悲劇が絶えない
マネーシステムが人間の主たる動機を操っている
神の見えざる手は経済恐慌を幾度となく繰り返してきた
構造的欠陥のあるシステムをパッチワーク(法律、思想や道
徳)で取り繕うには限界がある

資本主義社会の問題(1)
 利子貨幣
貨幣の3つの機能

価値尺度
交換手段

利子

 ここにあるのは利潤追求動機だけであり、
人々を幸福にするための動機は何もない
 市場は分業に基づく取引の場であって、
利潤追求動機が贖罪される場ではない

貯蓄手段

銀行
信用創造

バブル経済

信用恐慌

利潤追求・経済
成長の強制

資源・環境悪化

資本主義社会の問題(2)
 労働と所得
稼得労働

所 得




貨幣の獲得という手段が人生の目的化
働かざるもの食うべからず
労働=コスト → 不断のコスト削減
テクノロジーの進歩 → 雇用を所得分配
の手段とすることが無理になっている

無償の家事・育児労働
社会的に
必要な労働

女性差別

無償の各種ボランティア
働けない者に対する強制と保護

社会的差別

失業・格差・貧困問題

悲劇と犯罪

社会的問題

スウェーデンの場合
60億時間 : 70億時間

 『生命系の経済学』より

社会規範
 社会規範と経済システム
 人間の活動動機は社会規範によって決定される
 社会規範は支配的な政治システム、宗教、風習などからなって
いるが、その基礎には経済システムがある
 経済システムを変えることが目的ではなく、社会規範を変える
ことが目的

 資本主義社会の社会規範
 支配的な活動動機は貨幣の獲得、利潤追求
 有相続・私有財産制度に基づく自己中心・自家族中心・自国家
中心主義
 北欧諸国が環境問題を率先して解決しようとする背景には、充
実した社会保障システムに裏打ちされた社会規範があるのでは

商業銀行の有利子貨幣
 銀行貨幣
 貨幣の95%は市中銀行の信用創造によってつくられている
 利子が稼げると期待される場合、その期待量に応じて発行される
 金を貸した時に貨幣が生まれ、返済されたときに消滅する
 貨幣の大半は帳簿(データベース)上の書き換え操作で移動している
 現代社会では銀行が通貨発行権を握っている → 銀行が支配する社会
 富者優遇、本当に困っている人は相手にしてくれない
 無から有利子貨幣が創造され、バブルとなり、レバレッジによって膨
れ上がる

 日銀券
 日銀券は負債勘定として発行されるので、通貨発行益(シニョーレッ
ジ)はない

 政府貨幣
 政府には無限の財源としての政府貨幣特権がある…
 現在では硬貨や記念貨幣(コインと紙幣)しか発行していない

政府貨幣
 政府貨幣
 特徴
 政府は貨幣発行権を持っているが行使していない
 過去には太政官札・民部省札(戊辰戦争の戦費調達など)があった
 通貨発行益(シニョーレッジ)が得られる
 国民の生産余力や必要性に応じて発行できる

 丹羽春喜氏の主張
 「真の財源」とは「生産能力」のことである
 デフレギャップ(生産能力と需要との差)以下の有効需要の創出で
あればインフレになることはない
 政府貨幣による財源調達は、増税の必要もなく、高齢化社会にも対
応でき、財政再建もできる
 景気振興、財政健全化の実現という一石二鳥の秘策になる

 通貨改革
 通貨の発行は政府(地方政府を含む)のみが行う
 銀行から貨幣発行権を没収すれば、信用創造が無くなるのでマネー
ゲームが無くなり、経済恐慌も発生しなくなる

減価貨幣
 減価させる理由
 モノは減価するのだから貨幣も減価しなければならない
 ローマカトリック教会やイスラム教では利子付き貸し出しを非難

 歴史上存在した減価貨幣
 古代エジプト(ローマ帝国に植民地化される紀元前4世紀ころまで)
 陽のお金:遠方交易
 陰のお金:地域通貨:オストラコン(陶片)=穀物の受領証明書

 中世中期のヨーロッパ(イギリス、デンマーク、ゲルマン地方、東欧
バルト地方)
 陽のお金:遠距離通貨
 陰のお金:地域通貨:ブラクティアン(薄い銀板)
 例えば、数年おきに貨幣を改鋳し、旧貨幣4枚と新貨幣3枚を交換する

 第一次大戦後の大恐慌期
 シルビオ・ゲゼル:『自由土地と自由貨幣による自然的経済秩序』


マイナス利子の貨幣(自由貨幣)、私的な地代の無い土地(自由土地)
現行の通貨システムでは経済危機が不可避である
スタンプ紙幣を考案

 ドイツのシュヴァーネンキルヘンのヴェーラ
 オーストリアのヴェルグル(労働証明書といわれる地域通貨)

 いずれの場合も減価貨幣は非常な経済的繁栄をもたらした

利子貨幣の社会と減価貨幣の社会
 利子貨幣の社会



利潤追求社会になる
指数関数的成長を求められる
社会が必要とする不況期に貨幣が供給されない
貨幣が神となり、モノを支配し、人間を支配する

 減価貨幣の社会
 減価貨幣には貯蓄手段としての機能がなくなる
 先払いの方が有利になる
 保有していると減価するので高速で循環することになり、経
済活動が活発になる
 貯蓄は貨幣ではなく、減価しにくい生産手段や固定資産など
で行うようになる(例:中世中期の大聖堂建築ブーム)

ベーシック・インカム
 提案者
 J・S・ミル、C・H・ダグラス、B・ラッセル、M・フリードマンなど右から左まで
様々な人が類似したアイデアを提案している

 労働と所得の分離
 省力化技術により失業率が上昇していくのは歴史的必然
 自給自足社会の原理=働かざるもの食うべからず → 他給自足社会の原理が必要
 基本的人権・生存権の保障 → 無条件の所得保障

 ベーシック・インカム(ゲッツ・W・ヴェルナー)
 公正かつ透明な消費税(40~50%)で財源を確保
 企業レベルで支払う税(資産税、相続税、収益税、営業税、法人税)や社会保険料
負担金などは最終的には全て製品価格に上乗せされている → 全廃すべき
 消費税とBIのセットは、課税も給付も所得に関係なく一律で不公平感がない
 法人税の高低は国際競争力に影響するが、消費税の場合にはむしろ有利に作用する
 企業は税金から、労働者は貧困の恐怖と賃金奴隷の身分から、女性は男性による支
配から解放され、市場は景気変動の荒波から解放される
 所得=BI+給与など(企業の給与は少なくてすむ)
 税制、社会保障制度(年金、雇用保険、生活保護、児童手当)、役所の機構がシン
プルになる
 不愉快な職場は少なくなり、3Kなどの労賃は大幅にアップする
 雇用主と雇用労働者が対等の関係になるので、階級対立が消滅する

 負の所得税(ミルトン・フリードマン)
 税率が所得によって異なる
 慈善活動をする人と施しを受ける人に分かれる(優越感と劣等感、スティグマ)

負の所得税とベーシック・インカム



慈善活動
所得税




生存権
所得

所得

収入

収入

消費税
BI

負の所得税

消費∝所得 と仮定
稼得所得

負の所得税

稼得所得

ベーシック・インカム

税制改革
 地球税
 労働や創意によって付加される価値(収益や所得)には課税しない
 代わりに資源の消費と環境に被害を与える活動にたいして課税する
 自然環境が保全・改善される
 交通・輸送費が高くなることによって、国際間では関税と同じような役割を
果たす
 地域経済が自立化し、職住近接が促進される

 地価税
 土地の賃貸価格に対して課税する
 土地の売買価格は低下し、土地投機は無くなる

 土地が公有化されれば地球税の一部になる

 消費税
 政府貨幣を主要な財源とした場合、従来の税金は必要なくなる
 消費税はベーシック・インカム(ハード貨幣の場合)の回収手段として扱う
 減価貨幣を用いれば、このような「消費税」さえも必要なくなる

 相続制度との関係
 ベーシック・インカムと地価税は相続制度を無意味なものにする

未来の経済システム
 3種類の配当
 基本配当(基本所得、市民所得、保証所得、国民配当、社会配当…)
 生存権、基本的人権としての配当
 全ての人に無条件に等しく配分

 投資配当(誰も提案していない…)
 投資や寄付のための配当で、自身の消費のためには使用できない
 希望者全員に配分

 授権配当
 人や組織から授かった配当で自由に使える

 配当の回収方法
 紙幣や硬貨を使う場合
→ 消費税
 データマネーを使う場合 → 減価貨幣

 無相続・私有財産社会
 自分で稼いだモノは自分の資産になるが、相続や譲与はできない

 税金が無い社会
 自然資源の利用・汚染料(土地、地下資源、海、河川・湖沼、大気、宇宙)
 排他的・独占的利用に対する賦課金は税金ではなく受益者負担金では?

 借金の無い社会
 投資配当があれば借金が必要ない社会にすることもできる
 貸した金は投資(持ち株など)に切り替えればよい

「構成要素」と「~のない社会」の関係
政府貨幣 減価貨幣
生活不安のない
社会
利子のない社会
税金のない社会
借金のない社会

相続制度のない
社会
資源濫用・環境
汚染のない社会

自然資源
基本配当 投資配当
利用料

配当(通貨)の流れ(当初のアイデア)
政府は組織のひとつ
として考える

人や組織
授権配当
(消費・投資可能)

回収率
モノ・サービスの購入
思い遣りなどのお礼


通G
貨バ
管ン

局ク

投資配当
(消費不可)

授権配当
(消費・投資可能)
基本配当
(生存権)

回収率

活動への報酬
投資への報酬

個人

未来の経済システム(目標)
 減価貨幣で配当を回収(消滅)
 前頁の図を単純化したもの(政府の財源は直接Gバンクから調達されているが、
Gバンクのデータベース操作で済むことなので、このようにも表現できる)
生産者
出資
寄付
売上

給与や
投資報酬

投資配当
財源

政府

Gバンク

個人
基本配当

給与

購入
調達

投資仲介業
(信用創造機能は無い)

移行段階(中間段階)のシステム
 基本配当はあるが、投資配当は無い
 配当(ハードマネー)の回収に「消費税のような回収率」を用いる
 銀行には信用創造機能はないが、それ以外の業務は従来どおり継続
生産者
出資
寄付
売上



給与や
投資報酬

財源

Gバンク

政府

個人
基本配当

給与




購入
調達

投資仲介業
(信用創造機能は無い)

未来社会への道程
資本主義

社会主義





私的所有
市場経済
ブルジュア民主主義

国家所有
計画経済
官僚主義

新自由主義型社会

北欧型福祉社会

ケインズ型社会








 大きな政府
 銀行貨幣 → 政府貨幣
 低負担・高福祉
 有効需要制御経済

小さな政府
銀行貨幣
低負担・低福祉
自己責任社会
市場原理主義

有相続・私有財産社会

大きな政府
銀行貨幣
高負担・高福祉
社会責任社会

基本配当などのある社会
自然資源の受益者負担(利用と排出)

無相続・私有財産社会

参考資料
 参考文献
 政府貨幣
 『政府貨幣発行で日本経済が蘇る』 小野盛司著
 『政府貨幣特権を発動せよ 』 丹羽春喜著
 『新しい貨幣の創造』 ジョセフ・フーバー/ジェイムズ・ロバートソン著

 減価貨幣



『エンデの遺言』 NHK出版
『自由土地と自由貨幣による自然的経済秩序』 シルビオ・ゲゼル著
『マネー』 ベルナルド・リエター著
『貨幣の生態学』 リチャード・ダウスウェスト著

 ベーシック・インカム
 『すべての人にベーシック・インカムを』 ゲッツ・W・ヴェルナー著
 『福祉社会と社会保障改革』 小沢修司
 『ベーシック・インカム入門』 山森亮

 ニュー・エコノミックス
 『生命系の経済学』 ポール・エンキンズ編著
 『21世紀の経済システム』 ジェイムズ・ロバートソン著

 ホームページ
 『未来社会(経済と社会の仕組み) 』 http://plaza.rakuten.co.jp/epocha/