リカバリー全国フォーラム 2010 Web 開催レポート http://www.comhbo.

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9/11(土)

【シンポジウム】⽇本の精神保健福祉サービスを
「リカバリー志向」に変⾰するには(パート2)
司会:伊藤順一郎(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)
大島巌(日本社会事業大学)
シンポジスト:岩上洋一(ふれんだむ)
藤田大輔(ACT-Zero)
磯田重行(NPO 法人 WRAP 研究会)
池淵恵美(帝京大学精神科)
指定発言: 大熊一夫(ジャーナリスト)、宇田川健(NPO 法人コンボ)
日本の精神保健福祉サービスを「リカバリー志向」に変革するためには(パート2)と題して、4
人の報告者と 2 人の指定発言者が発言をしました。
埼葛北障がい者生活支援センターふれんだむの岩上洋一さんはふれんだむでの当事者の言葉を本
人の写真と、◯◯さんと名前を交えたスライドで報告しました。「私のままで大丈夫です」「孤独の海
から抜け出しました」「素敵な奥さんが目標です」「困難に立ち向かいます」「自分の人生を取り戻し
ました」など、素敵な写真と希望に満ちた言葉が紹介されました。またふれんだむでおこなっている退
院促進事業の当事者の方の言葉も写真と名前入りで印象的でした。「絵を描きたい!!」「うれしくて
涙がポロリ」「いろいろな事に挑戦します」「夢は歌人になることです」「百聞は一見にしかず」。そ
して最後に、報告された当事者の人たち全員の言葉として、今回自分たちがこの様な形でリカバリーフ
ォーラムで報告され、役に立てたことは誇りに思っていると、報告しました。また自分たちメンタルヘ
ルスの専門家が、当事者のリカバリーの癌になっていると自覚するべきだと報告しました。
ACT-Zero 岡山の顧問医藤田大輔さんは、ACT チームでの経験で、あえて服薬中止をケア会議で決
めた後どうケアするかという、薬なしの ACT によるケアを報告しました。地域では中心となるのは生活
の場であり、そこでリカバリー志向のケアのなかでは、薬の中断をする決断をした方が本人の生活レベ
ルの向上にはつながる事もありえる、そこには ACT が介入できることを示しました。服薬中止は医療と
しては大胆な決断であり、ハイリスクの見切り発車であったといいます。その中でも ACT は生活の場で
のサポートを提供し、それがうまくいくことを示しました。
NPO 法人 WRAP 研究会の磯田重行さんは WRAP との出会いから、病棟内での WRAP クラスの
成果について語りました。佐賀県のいぬお病院での WRAP の取り組みでは、患者対象クラスを 5 回で参
加者のべ60人、スタッフ対象クラスは 2 回で参加者 30 人、またスタッフ研修会も設け、参加者はのべ
175名に登ったそうです。その成果はスタッフがリカバリーを信じるようになったこと、スタッフと
患者の垣根を越えてともに前進する事が出きるようになったことだそうです。また、地域での当事者参
画についても触れ、当事者の体験は誰かを勇気づける事ができると報告しました。
帝京大学医学部精神神経科学教室の池淵恵美さんは精神科医療の場でのリカバリー志向について
報告しました。3 人の当事者のいきさつを語りました。また、リカバリーの概念についてもまとめを報告
しました。リカバリー志向の医療の場では、本人の生活への視点からサービスを提供するだけでなく、
本人、家族、医療従事者がチームとなり、協働することが必要だと報告しました。そのチームを作る技
術は医療従事者の中で確立されたもの(心理教育、認知行動療法、経堂での意志決定など)が使えるこ
とを示しました。また、リカバリーの諸側面として、「精神症状の改善」「日常生活・認知機能の改善」
「社会生活の改善」「自負心・意欲の再獲得」「障害者としての権利の復権」「人生の意義を見出す」
ということを挙げ、それぞれに専門家と本人と仲間の力のバランスが必要だと報告しました。
≪宇田川健(企画委員)≫