リカバリー全国フォーラム 2010 Web 開催レポート http://www.comhbo.

net/

9/10(金)

【記念講演】リカバリーが私たちに意味すること
座長:高橋清久(財団法人精神・神経科学振興財団)
福智寿彦(医療法人福智会すずかけクリニック)
講師:メアリー・エレン・コープランド(コープランドセンター理事長)
通訳:

久野恵理

本記念講演は今回のリカバリーフォーラムのハイライトであり、830 名入る大ホールは超満員の
盛況でした。講演者のメアリー・コープランドさんはアメリカ、バーモント州にあるコーポランド
財団の理事長さんです。WRAPは精神的に障害をうけた方々が、元気を回復する方法を示したも
ので、アメリカは勿論のこと、わが国にも次第に広まっている方法です。この方法の開発の中心人
物がコーポランドさんですが、コーポランドさんご自身も一時大きな精神的な苦しみに会われまし
たが、その回復のために多くの同様な人を対象に、その人達がどのようにして元気を回復したかの
調査を行い、それをもとにWRAPという方法を体系だてたわけです。
打ち合わせの際のコーポランドさんのお話では、彼女は 2007 年に日本にこられて、東京、名古
屋、久留米などをまわられ、このWRAPを広められたそうです。その時に指導をうけた日本の方々
が大勢おられ、そのような方々にもお会いできること楽しみにされていました。コーポランドさん
は優しいご主人との間にお子さんが 7 人おられ、お孫さんは 12 人だそうで、大変親しみやすいおば
あちゃん(お母さんの方がいいかな?)といった方でした。
講演はパワーポイントを使いながら、久野恵理さんの名通訳のもとで、大変分かりやすく、ご自
分の体験をもとにしたお話を加え、大変感銘深い内容でした。講演内容はまず侵襲的あるいは強制
的な医療をうけ傷ついた当事者を如何に受け止め聴き手に回って、少しでも当事者に力があるとい
う感覚を取り戻す手助けをすること、が重要であることを強調されました。そして、リカバリーを
進める上で、人とのつながりの大事さ、種々の学び、希望をもって自分でしたいことやいいと思う
ことを決定することの大切さ、自分の責任で行い、かつ自分のために権利擁護をすることも忘れて
はならないこと、話されました。さらにその際に心にとどめるべきことは、尊厳、慈しみ、相互の
敬意、無条件の尊敬であり、リカバリーに際限は無いという言葉で結ばれました。
コーポランドさんのお話で多くの方々、当事者、家族のみならず、医療福祉関係者も、さらには
一般の方々も大いに力づけられたことと思います。WRAPは何も障害を持った方々だけのもので
はなく、人生をよりよく生きるうえで大変役立つものに思えます。本フォーラムの特別講演に相応
しい、充実したひと時でした。
≪高橋清久(企画委員長)≫