リカバリー全国フォーラム 2010 Web 開催レポート http://www.comhbo.

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9/10(金)

【分科会 3】地域における家族⽀援とリカバリー
コーディネーター:

大島巌(日本社会事業大学福祉学部)、土屋徹(Office 夢風舎)
贄川信幸日本社会事業大学社会事業研究所)
出演者: 飯塚寿美(さいたま市精神障害者家族会連絡会)
横山恵子(埼玉県立大学保健医療福祉学部)
柏原謙造(万成病院 / 岡山心理教育研究会)

本分科会には,100 名を上回る方々に参加して頂きました。最も多かったのは支援者でしたが,
当事者の家族も半数近く,当事者も数名参加されました。参加された家族のうち,家族心理教育や
“家族による家族学習会”の経験者は少なく,家族に対する支援を強く望まれている方が多いとい
う印象がありました。
分科会では,土屋徹氏(Office 夢風舎)より,家族心理教育の概要や目指すもの,それを地域
で行う意義・必要性,どのような実施・展開の仕方があるか等,全体的な枠組みに関することを話
して頂きました。次に,柏原謙造氏(万成病院)より,岡山県で病院や地域の機関で立ち上げた“岡
山心理教育研究会”の活動を,関係者のニーズをくみ取りながらの研修や(支援者同士の)ピアサ
ポートに焦点を当てながら紹介して頂きました。最後に,飯塚壽美氏(さいたま市精神障害者家族
会連絡会)と横山恵子氏(埼玉県立大学)より,“家族による家族学習会”の概要や目指すもの,
さいたま市との連携の経緯,参加した支援者や家族の感想等をご紹介いただきました。
いずれも,様々な形での家族支援の内容や,その中でどのようにリカバリーを目指していくのか,
地域で行う場合の工夫や,地域でネットワーク(仲間)を構築して展開する方法など,現状や課題
について多くの示唆が得られる内容でした。
各出演者からの発表後の時間(20 分程度!?)は,どのように効果的な家族支援を地域で展開して
いけるか,参加者からも発言を求めて議論を進める予定でした。しかし,「そもそも家族のリカバ
リーとは何なのか?」という参加家族の発言から,改めて,私たちがこの分科会で何を考えていけ
ばよいのか,家族が必要としていること,話し合ってほしいことを確認する時間としました。参加
家族からは,「家族はどのようにしたらリカバリーできるのか?」,「家族のリカバリーが本人の
リカバリーにどうつながるのか?」といった“リカバリー”に関する発言,「家族が相談しても保
健所や行政が十分に動いてくれない」,「地域が弱っている」といった“地域の相談支援体制”に
関する発言,「家族が肩の力を抜けるようになることが必要」,「家族が元気な姿を見せると本人
も良くなるのでは?」といった“家族の力”に関する発言がありました。いずれも,当事者を支え
る家族の経験に基づく発言で,支援者も多数参加した分科会で共に考える必要のある内容でした。
残念ながら,これらの家族のご発言に対して十分に議論を進めることができずに終了時間となっ
てしまいましたが,地域における家族支援とリカバリーを考えるうえで重要な点を,キックオフと
して家族から提示して頂いたように思います。
≪贄川信幸(日本社会事業大学)≫