リカバリー全国フォーラム 2010 Web 開催レポート http://www.comhbo.

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9/10(金)

【分科会 7】権利擁護とリカバリー
司会:

四方田清(日本精神保健福祉士協会)& 鴻巣泰治(埼玉県立精神保健福祉センター)
シンポジスト: 平田豊明(静岡県立こころの医療センター)、
鈴木麗子(千葉県健康福祉部障害福祉課障害者計画推進室)、
岩崎香(早稲田大学人間科学部健康福祉科学科)、
加藤真規子(NPO 法人精神障害者ピアサポートセンターこらーるたいとう)

●本分科会は、精神障害者に対する社会的な偏見や誤解が未だに払拭されない現状の中、精神科
医療現場や日々の生活上障壁となる様々な諸問題や課題について、特に障害を持ちながらもその人
らしい生き方を実現するには何が必要なのか、を議論することを目的とした。また、この権利擁護
とリカバリーというテーマについては、昨年の「リカバリー全国フォーラム2009」でも分科会
を立ち上げ、2年続けての開催とした。
●報告方式はシンポジウム形式とし、4人のシンポジストの報告は以下のとおり。
まず、鈴木さん(行政の立場から:千葉県障害福祉課・保健師)から、わが国初の差別禁止条
例の現状と課題について、条例の概要、差別の定義、個別の差別事業を解決する仕組みの他、条例
施行後の状況や、相談件数、相談活動から見えてきたこと、今後の課題(精神分野)に関する報告
があった。
次に岩崎さん(福祉の立場から:早稲田大学・精神保健福祉士)から、人権を尊重することを
中心に、そもそも権利・人権とは何なのか、障害者の権利保障の歴史、権利条約の目的と歩み、ま
た、内閣府が行った人権擁護に関する調査報告なども参考に今後必要とされる「人としての尊厳へ
の意識」、人権が保障されるためのシステムのあり方への提言がなされた。
次に平田さん(医療の立場から:静岡県立こころの医療センター・院長)から、わが国におけ
る精神科医療の権利擁護システムである「精神医療審査会制度」の現状と課題について、報告があ
った。入院当事者の権利や権利擁護の外部モニターシステム、精神医療審査会の役割と権限、統計
データから見た長期入院者、諸外国との比較の他、精神医療審査会活動の課題と可能性、さらには
精神保健福祉法の改革案、権利擁護対象者の拡大に関する意見まで提言された。
最後に加藤さん(当事者の立場から:こらーるたいとう)から、当事者の権利擁護活動の中か
ら具体的な相談事例を通じ報告がなされた。私たちは「安心安全の場」が必要であること、ひとり
の人間として生きていく大切さや生きてゆこうとする力が身近な人間関係の中でなくてはならない。
リカバリーに向けたキーワードとして、不安をねぎらう、安心した睡眠環境、他者との交流の場の
確保、お金をうまく使い方法、元気が出るための合理的な配慮などについて、提言があった。
●本分科会の希望者は当初二十数名と少ないと思われたが、締め切る間際に申込者が増加し、会
場の定員一杯(54名)となり予想以上に多くの方々が参加された。進行は日本精神保健福祉士協
会の四方田と埼玉県立精神保健福祉センターの鴻巣泰治さん(精神保健福祉士)で担当したが、進
行の不手際から質疑応答にあまり時間を割けず、参加者の皆様には御迷惑をおかけしてしまった。
ただ、各シンポジストの皆様の率直な報告(権利擁護とリカバーの大切さについて)は多く参加者
の皆様の心に残ったものと思われた。
≪加藤真規子&四方田清(企画委員)≫