リカバリー全国フォーラム 2010 Web 開催レポート http://www.comhbo.

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9/11(土)

【分科会 18】はじめての精神科
コーディネーター: 堀内美穂子(全国精神保健福祉相談員会)
内野俊郎(久留米大学)、当事者、ご家族、相談支援者のみなさん
★<概要>シンポジウムおよびグループワーク
この分科会は、はじめての精神科受診での体験について様々な立場から語り合い、その語り合
いを通して「今、精神科を受診しようか戸惑っている人たち」あるいは「受診したが不安がいっぱ
いで大変な人たち」およびその後家族への支援を考えることにつなげよう、と企画したものである。
最初に久留米大学医学部神経精神医学講座 内野俊郎医師からこうした趣旨が説明された後、「こ
んな精神科との出会いがしたかった」 ~当事者、家族、医療関係者、相談支援者の立場で思うこ
と~ と題し、各立場のシンポジストから、初めての精神科受診について語っていただいた。
当事者の A さんは、2 度の医療保護入院を経験されている。納得できない中での抵抗。その中で
助けになったのは、からからになった喉を潤すために、やかん一杯に水を用意し、飲ませ続けてく
れた看護師との出会いであったこと。その後の医師との出会いや仲間のおかげで今の自分がある、
生活を支援してくれる関わりがあればよかったと語る。
親である B さん夫妻は、相談先がわからず、やっとたどり着いた精神保健福祉センターでじっ
くりと話を聞いてもらい、病院の手配、受診説得を経て、納得した入院治療。それでも本人は「こ
んな病気になってごめん」と語り、親も「自分たちの何がいけなかったのか」と 5 年位は苦しかっ
た。家族の中でも遠慮があり、10 年を経た今でも病気のことを十分には語れない。本人も家族も、
精神科への偏見があったこと。だからこそ良い医師との出会いは大切と話された。兄である C さん
も、知人に聞くまで保健所という相談窓口を知らなかった一人である。当時は病への知識もなく、
常に後追いだったが、今は親亡き後の関わりや自分たちが明るく過ごしていくために、兄弟姉妹の
会等で学んでいると語られた。
相談支援者の菅原さんは、支援の中で命の危険がある場合は難しくもあるけれど、医療につな
がるタイミングは、その後に大きな影響をもつので大切だと思う事。常々本人の納得感を大事に関
わっているとのことであった。
その後、2つのグループ(20名と19名)に分かれ、引き続き意見交換を行った。
それぞれのグループで、話題の中心は偏見であったり、受診に際しての苦労話、支援者としての
あり方、現在の精神医療の課題など様々であった。中でも①相談窓口の周知 ②偏見の除去(親の育
て方でも本人の性格でもなく、病気だと知ることの大切さ)
③学校教育に精神障害を取り入れる
④診療科目の整理や総合診療科の充実 ⑤医療の質の向上 ⑥最初の出会いの時に、しっかりと話
をすること ⑦不適切なマスコミ報道には、No という意思表示を。そして正しい報道を求めていく
こと ⑧医療も福祉も地域を巻き込む取り組みを という声は印象的であった。日頃の関係性の外
に飛び出して、遠慮なく言葉を交わしたこの時間が一人ひとりの胸に残り、今後のエネルギーにな
ることを願っている。
≪堀内美穂子(企画委員)&内野俊郎(久留米大学)≫