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07/2/26

http://www.analyst-report.jp/
日本ジャンボー(9677)

日本ジャンボー(株)(9677)
株価 2,090 円 時価総額 15,473 百万 分析結果 割安
発行済株数 7,403,422 株
1. 事業内容
総合写真事業と温泉事業の2事業を行う。写真フィルムの集配式DPE事業で独立系最大手。デジカ
メプリントのネット受注も開始。熱海や湯河原の事業立地を生かし、温泉事業を拡大中。

2. 事業構成
18年9月期通期
総合写真事業 53.4%
温泉事業 43.9%

3. 定量分析

【業績・財務】 売上高 売上総利益 営業利益 経常利益 当期利益 総資産 株主資本
2004年9月 18,187 5,762 987 804 315 32,911 15,712
2005年9月 21,381 6,374 664 547 -845 35,474 14,699
2006年9月 24,982 8,795 2,752 2,696 1,276 37,569 16,255
2007年9月 24,637 --- --- 3,498 1,967 --- ---

【株価指標】 PER 修正PER PBR
2007/2/2 7.9倍 7.4倍 1倍

【健全性】 株主資本比率
2006年9月 43.3%

【収益性】 ROE ROA 売上高 売上高
粗利率 経常利益率
2006年9月 7.8% 3.4% 35.2% 10.8%
2007年9月 12.1% 5.2% --- 14.2%

【成長性】 売上高 経常利益
成長率 成長率
2006年9月 16.8% 392.9%
2007年9月 -1.4% 29.7%

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4. 定量分析コメント
※各項目とも、1 から 4 までの 4 段階評価で 4 が最も魅力度が高いことを表す

(1)【健全性】・・・3

株主資本比率は 45%と悪くないが、総資産 371 億 98 百万円に対し、固定資産が 283 億
84 百万円と総資産の 76%が固定資産である。特に建物・土地など不動産資産が 240 億 68
百万円と多い。流動負債 64 億 16 百万円、固定負債 135 億 70 百万円に対し、流動資産 88
億 13 百万円であり、運営上問題は無いだろうが、余裕がある訳では無い。

(2)【収益性】・・・3

前々期(2005 年 9 月期)の経常利益率 2.6%に対し、前期(2006 年 9 月期)は 10.8%と大幅に収
益性が向上している。今期は 14.2%とさらに向上予定である。総合写真事業の営業利益率は
前々期 3.4%から前期 7.2%に向上し、温泉事業の営業利益率は前々期 5%から 18%に向上し
ている。ROE も、前期 7.8%、今期 12.1%と向上している。

(3)【成長性】・・・3
既存の総合写真事業に温泉事業の業績を加える形で売上高を成長させている。また、新規
事業の温泉事業は総合写真事業より収益性が高いため、売上成長以上に経常利益の成長率
が高い。特に前期の経常利益成長率は 393%増(5 億 47 百万円→26 億 96 百万円)と高い。
今期は 30%成長を予想している。ただ、業績回復が一巡すれば落ち着くだろう。

(4)【割安度】・・・4
PBR 1 倍、予想 PER 7.9 倍と、資産バリューと収益バリューは高い。PBR は、保有不動産の含み
益を加味すると、資産バリューが高まる可能性がある。また、収益面も、今後の業績成長が期待
できる温泉事業が主力となり、成長バリューも評価できる。

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5. 定性分析

デジカメ時代到来により、写真プリント需要が変化した。日本ジャンボーは、集配式 DPE の店舗
網を生かし、デジカメプリントに適応した。

日本ジャンボーの主力事業は総合写真事業と温泉事業である。温泉事業へのシフトが顕著であ
り、収益面では温泉事業が主力となっているが、旧来からの事業である総合写真事業から定性分
析する。

日本ジャンボーの最近の業績回復は、高収益の新事業である温泉事業が拡大しただけでなく、既
存事業である総合写真事業もリストラやデジカメプリントへの対応により収益性が向上した結果で
ある。

総合写真事業とは、「写真の現像、撮影、販売、フィルム等写真用品の販売、写真の感光材料の
販売」である。

中でも写真の現像がメインであり、全国 20000 店の取次店を有している。取次店に持ち込まれた
フィルムを日本ジャンボーが回収し、日本ジャンボーがフィルムを現像した後に、取次店に配送す
るという仕組みである。この業態は集配式 DPE と呼ばれ、日本ジャンボーは独立系最大手の集配
式 DPE 業者である。

(株)プラザクリエイト (JASDAQ:7502)が運営している「パレットプラザ」のように、ミニラボ機というフ
ィルムの現像装置を設置した店舗を運営し、その店舗で写真を現像・プリントする形式もある。こ
の場合、集配する必要が無いため、現像・プリントのスピードが高速という利点があるが、各店舗
にミニラボ機を設置するコストや店舗運営コストがかかるというデメリットもある。

銀塩カメラ(フィルムや感光板で撮影するカメラ)からデジタルカメラへ移行した結果、フィルムの現
像・プリントのニーズは年々減少している。対して、デジタルカメラのプリント需要は高まっているが、
需要の質が異なり、現像業者に経営努力が求められている。

フィルムは、現像しない限り画像を楽しむ事が出来ない上、素人には現像は不可能な作業である
ため、強制的にフィルムの現像需要が生まれていた。

しかし、デジカメの場合は、プリントしなくてもパソコン上で楽しむ事が出来る上、家族や友人に写
真データとして送る事が出来るため、必ずしもプリントする必要性が無い。紙ベースで必要になっ
た場合でも、家庭用プリンターで気軽にプリントできる。そのため、需要に強制力が無い。

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また、フィルムの場合、現像しない限り、画像を利用する事ができないため、ビジネスユースを中
心に現像スピードを重視する需要があった。出版やマスコミだけでなく、建築現場の現状写真や
地方出張レポートに添付する写真など、すぐに撮影した写真を利用したいニーズは幅広くあった。
ミニラボ機が設置された「パレットプラザ」では、最速 23 分と素早く現像されるため、多少値段が高
くても利用者は多かった。

しかし、デジカメの場合は、撮影と同時に確認・利用ができる。あくまでプリントは閲覧・保存用や
贈呈用など副次的なものであり、緊急性は薄い。

また、フィルムの場合、フィルムという物がある以上、ネット経由で現像依頼する事は難しい。店舗
持参か、郵送という手段しかない。

しかし、デジカメは、全てデータ化されているため、ネットとの親和性が高い。日本ジャンボーでも、
ネット経由でデジカメプリントを 1 枚 18 円で販売している。

そのため、注文を受ける場としての店舗の重要性も薄れた。プリントされた写真を郵送で受け取る
事にすれば店舗は必要無いが、送料がかかる。日本ジャンボーの場合、メール便 210 円、宅配便
525 円のコストがかかるが、店舗で受け取る場合は送料無料である。

送料分の価格優位性を保つために、全国 20000 店舗の取次店を持つ日本ジャンボーの優位性は
高い。また、ファミリーマートで受け取る事も出来るため、利用者の利便性は高い。

日本ジャンボーが手がけている集配式 DPE の仕組みは、「パレットプラザ」に比べて旧来型の仕
組みである。集配式 DPE では対応できない緊急性が高い現像ニーズに応じて「パレットプラザ」の
業態が生まれたのだが、デジカメ時代の到来により、店舗としての「パレットプラザ」の存在や現像
スピードの付加価値が薄れた。

旧来型である集配式 DPE の方がデジカメ時代に適応できた事は皮肉な事である。

日本ジャンボーの温泉事業は、湯河原や熱海という温泉名所に事業所があるメリットを生かして
いる。

日本ジャンボーは、湯河原と熱海に所有している源泉から温泉を汲み出し、タンクローリーで東
京・神奈川・沼津の直営店に運搬している。

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北海道、博多でも、温浴事業を行っているが、東京・神奈川・沼津での事業が多くを占めている。

首都圏でも掘削して温泉を出す事は出来るが、掘削コストがかかる上、最悪の場合、温泉が出な
い可能性もある。

また、温泉が出ても、湯河原や熱海の温泉に比べて、質が悪い温泉である可能性がある。湯河原
や熱海のブランドは高く、現地に行かなくても湯河原や熱海の温泉に入れる事を喜ぶ利用者も多
いだろう。

次に、大規模な温浴施設にしないと掘削コストに見合う収益が得られないため、投資リスクも大き
い。

さらに、立地や周辺環境が悪い事が判明し、収益面で問題が発生しても、源泉を動かす事は出来
ないため、温浴施設の撤退や移転を行う事も出来ない。

タンクローリーによる温泉の運搬という定期的なコストがかかる事はデメリットであるが、上記のよ
うな事業リスクを軽減できるメリットがある。

また、入浴は日常的に行われる事であるため、リピーターが生まれやすい業態である。

入場料はみなとみらいの万葉倶楽部の場合、大人 1 名 2720 円(入浴料・浴衣・バスタオル・タオ
ル・館内利用料金・入湯税)と高価であり、700 円前後で入浴できる(株)極楽湯 (JASDAQ:2340)に
比べ高級路線となっている。

日常の入浴の代替というよりは、湯河原や熱海への温泉旅行の代替と考えるべきだろう。癒しブ
ームや団塊世代の退職後の娯楽という点で、需要が期待できる事業である。

財務の健全性という点では建物・土地の保有資産が多さはデメリットだが、含み益や運営コストの
点でメリットもある。

定量分析の健全性の欄でも記載したが、日本ジャンボーは建物・土地の保有資産が多い。

有価証券報告書 P.17~P.18 で、保有資産を確認できる。

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有価証券報告書 P.17 より抜粋。 総合写真事業に関する保有資産

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有価証券報告書 P.17~P.18 より抜粋。 温泉事業に関する保有資産

子会社万葉倶楽部の所有割合は 90.5%であるため、各資産の 90.5%が日本ジャンボーの所有資
産と考える事が出来る。

建物・土地の固定資産は、資産としての流動性に乏しく、財務の健全性を損なうものであるが、不
動産市況の好調が続き、資産インフレが予測されている現状では、保有資産の含み益という投資
妙味を生む源泉となる。

特に横浜・みなとみらいの一等地に保有している 4130 平米の土地は魅力的である。みなとみらい
駅に近く、海添いの夜景が綺麗な立地であり、観光スポットとして通行量も多いため、商業施設と
して最適な立地である。

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横浜みなとみらい 万葉倶楽部 周辺地図

今期第一四半期決算においても、販売用不動産の売却益を計上し、下記の通り、好業績発表と
なった。

会社四季報によれば、熱海リゾートマンション用地の売却で営業利益 10 億円強上乗せと書かれ
ている。この営業利益 10 億円強が第一四半期に計上されたと考えると、本業の営業利益は 14 億
円前後となり、前期比 15%前後の増収増益という状況である。

不動産業ではない上、あくまでスポット的な収益であるため、不動産の含み益や売却益は過度に
評価すべきでは無い。しかし、マイナーな割安株が株式市場で脚光を浴びる材料として、必要な
要素だと思われる。

また、自社で不動産を保有し、温泉事業を行っているため、サービス業というよりは、賃貸マンショ
ンやホテルのオーナー兼運営会社に近い業態である。

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また、家賃のコストがかからず、温泉事業の収益は全て日本ジャンボーの収益となるため、損益
分岐点のレベルは低く、初期投資コストが回収できれば、収益性はより向上するであろう。

6. バリュエーション

まず、PBR 1 倍、予想 PER 7.9 倍という株式指標面での割安さは評価すべきである。

確かに前々期(2005 年 9 月期)は 8 億 45 百万円の赤字に転落するなど、収益面の不安定さもあ
り、PER 面での割安さを評価しにくい点もある。

しかし、総合写真事業は、リストラが一巡し、デジカメプリントなどデジカメ時代に即した業態に生
まれ変わった事で、収益性が安定してきた。

また、高収益の温泉事業も、初期投資コストの回収に伴い、収益性が向上していくだろう。温泉人
気の高低や新規出店の多寡により、収益のブレは生じるであろうが、既存顧客の安定的な利用も
期待できる。さらなる出店により、業績拡大も期待できる。

また、保有不動産が多いため、不動産市況の好調により含み益が増大する傾向にある。しかし、
PBR 1 倍という評価を考えると、含み資産株としても充分に評価されていないと考えられる。

以上を評価して、「割安」と判断する。

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7. 株価推移

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