You are on page 1of 7

2018/2/15

血算(CBC)
• 白血球数
血中の数を見ているだけ
→炎症発生直後は、炎症巣に集まり血中値は下がる。その後骨髄から動員。
分画
血液検査の読み方 →Neut↑は左方偏移ではないよ。勘違い多いです。Neut↓の方が怖い!
→肺疾患、アレルギー疾患では好酸球もチェック
→免疫異常や栄養障害ではリンパ球数も大事

• 赤血球数
貧血を見たら、必ず原因を考える(貧血は診断名ではない)
まずはMCV+網赤血球数+フェリチンが最初の一歩
2005/02/03作成
• 血小板数
2012/06/11改定 慢性炎症マーカーのひとつ
慢性肝疾患の線維化進行と逆比例する
2012/08/16改定
佐藤健太

• CRP上昇は常に病的
CRP 赤沈(ESR)
– 急性感染症で炎症があることがわかっている時には追加情報価値低いが • 一般的にあまり有用で無いとされている
– 「常に上昇原因を説明できなければならない!」
– が、診療所でも僻地でも、赤沈管さえあれば1時間で測れる!
– CRPの上がらない炎症性疾患もたくさんある(結核・SLEなど)
– CRPの高さは「サイトカイン量≒侵襲量+肝合成能+持続期間」
• 不定愁訴を病的であると判断するきっかけになる
• 上昇要因 – 微熱・倦怠・易疲労・咳・下痢・筋痛・関節痛などが続き、
– 脱水! :軽いウィルス感染症を細菌感染と過大評価する危険
ESR亢進していれば重大な疾患を十分考えられる
– ウィルス :あまり上昇せず臨床的な危険性と相関しない
→高安病、炎症性腸疾患 (若年者不明熱)
急性胃腸炎で高値になりやすいが、まず補液
– 細菌感染 :重傷度と平行すると考えてよい(結核以外) 膠原病、リウマチ性多発筋痛症(高齢者不明熱)
→治療が有効であれば翌日から解熱傾向 結核、肺炎(高齢者の倦怠感)
CRPは2日毎に半減する 悪性リンパ腫、癌の播種、多発性骨髄腫、癌性胸膜炎、
– 組織破壊 :外傷・手術・熱傷・骨折、無気肺や心不全とかでも上がる
急性膵炎・悪性腫瘍播種、臓器梗塞
– 結核で、スクリーニングとしてツ反、胸部単純X線に並ぶ有用性
– 膠原病 :SLEでは原則正常
– 薬剤性 :特に感染症に抗生剤投与した場合
– 非炎症性で亢進するのは
• 抑制要因 貧血。ネフローゼ、多発性骨髄腫、妊娠、心不全
– ステロイド使用中、乳幼児など →臨床症状の方を重視する →A/G比と貧血の総和を見ていると考える
2018/2/15

肝臓機能について 肝酵素の比率から
• 4つに分けて考える • AST/ALT<0.87
GOT/GPT上昇を「肝障害」とか「肝機能障害」とか言わない! – 慢性肝炎、脂肪肝などなど
– 肝疾患であることは分かるが、原因を考える上では役にたたない

• 肝細胞障害 • AST/ALT>0.87
AST、ALT →肝細胞の障害(肝実質性肝障害)か、肝臓以外(次ページ参照) – AST・ALT>500 ⇒急性肝炎
– AST・ALT<500 ⇒慢性肝炎→肝硬変化や肝細胞癌合併時(エコー)
• 胆道系障害 他に心筋・骨格筋・溶血性疾患。
ALP、γGTP →肝内・肝外胆管の障害(肝後性障害) • AST/ALT>2
– アルコール性肝炎やマクロAST血症に特徴的。
• 解毒能 – γGTPの上昇度と比較する。
Bil、NH3 →肝機能の非代償性障害で上昇(閉塞性黄疸や溶血、シャントを除外)
• LDH/AST比
• 合成能 – 5~20 :心筋梗塞などの筋障害
半減期:PTが時間単位、Ch-Eが日単位、Alb週単位。 – 30以上 :血液疾患や悪性腫瘍 (50以上:胚細胞腫瘍など)
生体に最も重要なPTが低下するのは末期状態 →肝硬変 – LDH単独高値 ⇒LDHアイソザイム測定が原因検索に有効。
ALBは日の単位では動かない →血液濃縮(脱水)の指標になる – 他にCK、CK-MB、アルドラーゼ、ハプトグロビンなども参考に。

胆道系酵素からの病態把握 高アミラーゼ血症の鑑別
• ALP上昇 かつ トランスアミナーゼ正常~軽度上昇 • 血清アミラーゼ高値=急性膵炎ではない
– 胆道系・小腸・骨・胎盤の4つ – 重症度基準には入っていない(低値でも重症)
– 診断基準は症状+血/尿アミラーゼ+画像の3点
– ALPアイソザイム測定かγGTP測定が鑑別に有用 – 血清アミラーゼの上がりにくい急性膵炎
• アイソザイムを見れば原因をかなり絞れる ⇒アルコール性膵炎、慢性膵炎急性増悪、高脂血症性膵炎
• ALPとともにγGTPが上昇していれば、胆道系と断定可 (胆石膵炎や自己免疫性膵炎は画像検査でわかる)
– 血清アミラーゼ上昇かつ尿中アミラーゼ低値
• 無症候性のALP上昇(健診で役立つかも) ⇒急性膵炎単独ではありえない。腎障害合併か、膵炎以外。
1.40才から65才までの間,特に女性での生理的上昇 – 血中リパーゼ・尿中アミラーゼ、エコー・CT追加
65才の女性では30才の女性の1.5倍以上になる. ※リパーゼが即検ででない施設では、上記の限界を踏まえて活用
2.血液型がO型あるいはB型の人 • 他の高アミラーゼ血症をきたす疾患を否定する
脂肪食直後→腸由来のALPが血液中に流れ込む – 耳下腺炎、唾石症。腎不全。マクロアミラーゼ血症
3.良性家族性高アルカリフォスファターゼ血症 – 消化管穿孔・閉塞・虚血、腹部大動脈瘤破裂、子宮外妊娠
腸のアルカリフォスファターゼ活性が上昇している. 破裂、急性卵管炎、DKA、重症外傷
2018/2/15

腎機能の評価 電解質
• BUN、Crの絶対値は参考程度。
• 絶対値も大切だが、経時変化とバランスも大切
①経時変化を追う – 絶対値異常が小さくても、変化があれば注意
1/Cr(逆数)をとってプロット Kが低い →すでに細胞内Kプールは枯渇しており
変曲点に増悪因子、10を切るころが透析の目安 一気に低下しうる
②BUN/Cr比(比の上昇と、Cr絶対値の上昇をあわせて判断) • 常に腎機能、酸塩基平衡と関連づけて考える。
– <10 低蛋白食、血液透析直後
– 急性腎不全ではK、慢性腎不全ではCa・Pに注意
– 10〜20 正常、合併症の無い腎不全
– >20 脱水・心不全、高蛋白食・消化管出血、ステロイド使用 – CaとPはセットで考える(逆に動く、積が大事)
⇨ALBやHtも短期間に上昇していれば脱水の疑いが強い – Na-ClやKとの関係で酸塩基平衡を推測
⇒時間の経った消化管出血では、BUN/Cr上昇かつHt・ALB低下 →別資料参照
③クレアチニン・クリアランス(最近は推算GFRも)
= Ucr×V / Pcr × 1.48/対表面積
= (140-年齢)×体重(Kg) (×0.85 ;if female)
72×血清Cr(mg/dl)

電解質と酸塩基平衡
• Na-Clの意味
anion gapの式より、Na – Cl = HCO3 + AG=36
→Na-Cl>36 HCO3↑・・・代謝性アルカローシス
AG↑ ・・・AG↑型アシドーシス
→NaーCl<36 HCO3↑・・・高Cl性代謝性アシドーシス
AG↓ ・・・例外

• 血清K値の意味
alkalemia:K↓、acidemia:K↑

• 病態解釈の参考所見
AG上昇型 →腎機能・肝機能、血糖値・HbA1c、γ・MCV
尿ケトン・糖
AG低下型 →電解質(Ca・Mgまで)、蛋白分画

by 「水・電解質と酸塩基平衡」黒川清著
2018/2/15

尿一般
• 試験紙法 尿試験紙法による肝臓評価
尿蛋白 →持続性、1g以上・(++)以上、血尿(+)伴う→腎内紹介
腎機能障害、腎臓に影響する基礎疾患も検討 • 尿中ビリルビン=直接(抱合型)ビリルビン
尿糖 →高血糖、全身ストレス、糸球体障害、近位尿細管障害 • ウロビリノーゲン=腸管循環に問題ない証拠
K(+)・S(+)⇒DKA、K(-)・S(+)⇒HHS、K(+)・S(ー)⇒AKA・飢餓
pH、比重 →尿細管の機能
酸塩基平衡異常、水分・Na異常、尿細管間質障害 • 組み合わせで考える
ビリルビン・ウロビリノーゲン →既述 – ウロビリ(+) & ビリルビン(+) ⇒肝実質性黄疸
尿潜血 →腎性 or 腎後性の鑑別が最も重要(症状・沈渣・エコー) – ウロビリ(–) & ビリルビン(+) ⇒閉塞性(肝後性)黄疸
腎性→尿蛋白や腎機能との関連が重要 – ウロビリ(+) & ビリルビン(–)
白血球 →亜硝酸反応伴う ⇒感染(≠感染症) ⇒溶血性(肝前性)黄疸や便秘
亜硝酸反応(ー) ⇒糸球体、尿路(緑膿菌では陰性) – ウロビリ(–) & ビリルビン(–)
• 沈渣 ⇒GilbertやCrigler-Najjar症候群
赤血球 →尿潜血と比較(ミオグロビン尿)、形態・円柱(糸球体or下部尿路)
細胞・細菌→参考程度に。細菌沈渣無数≒グラム染色105/μL 診療所のような、翌日以降でないと採血結果が得られない時に有用かも
2018/2/15

膠原病とは何か 膠原病とは何か
• 膠原病(結合織病)
– 病理学的に定義された疾患概念で、「多臓器に障害」を起
こし、「結合組織にフィブリノイド変性」を起こし、「非腫瘍
性・非感染性・原因不明」の3つを満たすもの
臨床的 • リウマチ性疾患
– 症候学的な定義で、「筋骨格系に疼痛をともなう」疾患のう
ち、外傷性を除いたもの。炎症性に限らない。
– 狭義にはRAとRF。ACRでは数多くの疾患をここに分類
• 自己免疫疾患
– 病因論的な定義で、「免疫系が自己の正常組織に対して
反応」し、不利益な病態を引き起こしている疾患の総称。
病因論的 病理組織学的 – 「高γグロブリン血症」、「血中自己抗体」、「障害局所の変
性抗体沈着・リンパ球/プラズマ細胞浸潤」、「副腎ステロ
イドに反応する」、「ほかの自己免疫疾患との共存」という
定義も。

診断の基本的な考え方 膠原病にはどんなものがあるか
• 古典的膠原病の6疾患
• 基本は除外診断 – SLE,PSS,PM/DM,PN,RA,RF
– 発熱、関節痛、皮疹をきたす疾患のうち、感染症・悪性腫瘍など一般的 – どれも洗練された診断基準があるため、診断そのものは難しくない
なものを除外
– 若年女性の不明熱や全身症状=膠原病と飛びつかない • 膠原病類縁疾患
– 古典的6疾患に含まれていないという意味で
• 診断基準は参考で、大切なのは病態把握 実質は膠原病そのものであると考えてよい
– 診断基準を満たすことは重要だが、強引に当てはめない。 – MCTD、SjS
– SLEなら免疫複合体によって説明できるか – PMR、still病、AS →リウマチ性疾患
– 高安病、TA、 WG、Behcet病、 →血管炎
– RAなら滑膜炎で骨破壊など – AIH、PBC、PSC →肝炎
• 感染症や膠原病の病態を説明できる根拠を、常に明確に把 – 好酸球性筋膜炎、再発性多発軟骨炎、Weber-Christian病 など
握して診療にあたる。
– 感染症なら検体のグラム染色や培養検査 • 厚生省の特定疾患治療研究事業の対象疾患(45疾患中11疾患)
– SLE、SSc、PM/DM、MRA、PN、MCTD、(SjS、強直性脊椎炎)
– 膠原病なら疾患特異抗体や補体、血算異常など、全身状態も 高安病、 WG 、サルコイドーシス、Behcet 、Buerger病
– 悪性腫瘍なら画像検査や血液・骨髄の塗抹で眼で見れる – RA・RFは含まれていない
2018/2/15

類似性による分類 抗核抗体
• 比較的まとまった病像を呈する疾患 • 診断の補助である
– 全身性エリテマトーデス(SLE)、APS
– 全身性強皮症(SSc)、CREST症候群 – 診断上絶対的なものではないし、病勢は反映しない
– 多発筋炎/皮膚筋炎(PM/DM) – 膠原病としての所見に乏しい場合
– シェ-グレン症候群(SjS) – 40~160倍程度はグレーゾーン。他の所見を参考にする
• オーバーラップ症候群 – 高力価では、経過を追ううちに病的所見がでてくるかもしれない
– MCTD
– 偽陽性
• 関節障害がメインとなる疾患=リウマチ性疾患 – 高齢者、ウィルス感染で一過性上昇、健常人でもグレーゾーンは取りうる
– 関節リウマチ(RA)、リウマチ熱(RF) – 悪性腫瘍、特に悪性黒色腫、白血病で有名
– MRA、JRA・成人発症Still病、Felty症候群 (RA亜型)
– 強直性脊椎炎、Reiter症候群、乾癬性脊椎炎 (HLA-B27陽性)
– 変形性関節症、痛風・偽痛風、化膿性関節炎 (非膠原病性)
• 血管炎症候群 • 診断への有用性
– 大動脈炎症候群(高安病、脈なし病) – 膠原病を疑う所見でANA陽性なら、強く膠原病を疑う
側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)+リウマチ性多発筋痛症(PMR) ⇒大血管炎 – MCTD、SLEらしいがANA陰性なら、診断の再考を要する
– 結節性多発動脈炎(PN)、川崎病(MCLS)・Buerger病・Behcet病⇒中血管炎
– Churg-Strauss症候群(AGA)、顕微鏡的多発動脈炎(MPA) ⇒P-ANCA – 不明熱+ANA陽性が膠原病である確率は低い
ウェゲナー肉芽腫症 ⇒C-ANCA – いわゆる膠原病では診断基準があり、不明熱になりにくい。はず。
– Henoch-Schonlein紫斑病、クリオグロブリン性血管炎 – 病態のつかみにくい血管炎では、ANAが陰性になりやすい。
⇒leukocytoclastic vasculitis – したがって、検査をしても診断に影響しないので無駄。

自己抗体について 各疾患の指標となる抗体
• SLE
• 自己抗体 – 抗ds‐DNA抗体 SLEの疾患標識抗体、病勢も反映する
– 病的意義がある自己抗体 ループス腎炎組織像の活動性とも相関する
– 抗ds-DNA抗体と一部のANCA、一部の抗リン脂質抗体、抗SS-A抗体
– 診断基準にあるものや疾患標識抗体でも病的意義がないものが多い が、あくまで組織・臓器障害所見と総合的に判断する
– 抗Sm抗体 SmithというSLE患者に見出された抗核抗体
• 自己抗体陽性の解釈 FANAが斑紋型(speckled)の時に追加オーダー
– 抗dsDNA抗体(SLE)とANCA(血管炎)と一部の抗リン脂質抗体 – 抗ヒストン抗体 薬剤性ループスで見られやすい
→値の高低が病勢を反映する。 – 抗RNP抗体 MCTDの疾患標識抗体
– 抗SS-A抗体は、心筋親和性があり伝道障害を起こしうる 抗Sm抗体と共存する場合はSLE
→妊婦では陰性化させる。(5~7%に胎児心ブロック)
単独陽性の場合はMCTDが疑われる
– 他は診断の助けにはなるが病勢を全く反映せず、
治療効果判定には使えない。 • RA
– 自己抗体陽性かつ無症状の場合、それ自体は治療対象にはならない。 – MMP-3やCCP抗体が早期診断に有用らしい
→特定の膠原病を疑う症状があって、自己抗体で確認できたら治療検討
• ANCA関連血管炎
• 治療の対象は自己抗体価ではなく症状・臓器障害である – MPA、AGA、WGで出現率が高いが、他の型の血管炎でも陽性になる
– RAやUCにもみられるが、MPO-ANCAとPR3-ANCAは血管炎に特異的
2018/2/15

自己抗体一覧 全身性疾患 自己抗体一覧 臓器特異的疾患


• 抗核抗体 SLE, SSc, PM/DM, MCTD, SjS, AIH • 抗サイログロブリン抗体 橋本病、バセドウ病
• 抗dsDNA抗体 SLE • 抗ミクロソーム抗体 橋本病、バセドウ病
下線は病原性(+)
• 抗ssDNA抗体 SLE • 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体 橋本病、バセドウ病
• 抗ヒストン抗体 SLE イタリックは疾患標識抗体 • 抗TSHレセプター抗体 バセドウ病
• 抗Sm抗体 SLE • 抗Achレセプター抗体 重症筋無力症
• 抗U1-RNP抗体 MCTD、SLE • 抗胃壁細胞抗体 悪性貧血
• 抗カルジオリピン抗体 APS、SLE • 抗内因子抗体 悪性貧血
• 抗CL-β2GPⅠ複合体抗体 APS • 抗赤血球抗体(coombs) 自己免疫性溶血性貧血
• 抗血小板抗体 特発性血小板減少性紫斑病
• 抗Scl-70抗体 SSc
• 血小板結合IgG 特発性血小板減少性紫斑病
• 抗セントロメア抗体 SSc、CREST症候群
• 抗ミトコンドリア抗体 原発性胆汁性肝硬変
• 抗Jo-1抗体 PM/DM
• 抗平滑筋抗体 自己免疫性肝炎
• リウマトイド因子(IgM, IgG) RA, SjS
慢性活動性肝炎
• 抗SS-A、SS-B抗体 SjS
• P-ANCA MPA、その他半月体形成性糸球体腎炎
• C-ANCA WG
• 抗糸球体基底膜抗体 Goodpasture症候群

参考資料:
臨床検査データブック2003-2004
膠原病診療ノート第2版
水・電解質と酸塩基平衡
ほか初期研修で読み漁った数々の本、
指導医からの耳学問