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【党首討論詳報】(9)鳩山氏「簡単に政権交代と楽観視して

いない」
2009.8.17 15:57

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�--ここから第2部に入ります。各党首の皆さんに厳しく質問したいと思います。今度の選挙はあ
る意味で各党のそれぞれ存在理由が問われていると思います。そういう観点から最も基本的
なことを最初におうかがいしたいと思います。

�まず麻生さんにおうかがいします。私も随分この党首討論を経験してるのですが、今回は非
常に風景が違います。というのは政権党たる自民党総裁よりも、わずか衆議院では自民党の
3分の1くらいしかない民主党に質問が多く集中しています。いったいどういうことだろうという
ことなんですね。経済は少し明るさが見えてきたというお話もありました。それから責任力とい
う意味でははるかに与党の方が優れていいるんだと再三強調されています。であるならば、な
ぜ内閣支持率がこれだけ低くなっているのか。なぜ政権交代がもはや現実のものになるとい
う前提で質問が出ているのか。そこをいったいどう考えるのかということなんですね。いったい
誰が悪いのか。総理大臣が悪いのか、自民党が悪いのか、それとも国民が悪いのか。それを
まず明確にしていただきたい。それがなければ、なかなか自民党の立て直しも図れないだろ
うと思うからです。ますそのことについてお答えください。

�麻生太郎首相「今、私たちはこれまでの政策に関して言わせていただければ、少なくとも今
の状況は昨年の9月11日以降、リーマンショックといわれるものに、こう世界中急激に景気が
悪くなっていったと思います。それまでそこそこ、悪いと言ってもそこそこ、それが急激に
10~12、1~3(月)と急激に悪くなっていきました。これは日本だけではありません。世界中ほ
ぼ漏れなくそういうことになりました。従って、われわれとしてはこの対策に全力を挙げました。
これがこの10カ月間における自由民主党の政策だったと思います。その結果、数字は先ほど
申し上げましたように少しずつ明るさが出てくる数字となってきております。われわれはこれを
道半ばと思いますので、これを引き続きやっていく。これが私どもに与えられている大きな仕事
なんであって、景気回復、全治3年と申し上げましたが、これに全力を挙げて立て直していか
なければならないと思っております」

�--それなら、もっと国民も評価してくれるはずですよね。

http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090817/elc0908171559020-c.htm
�麻生首相「私どもは、今この数字が肌として、数字というものは先行指数、いわゆる鉱工業生
産指数とか株価、そういうものは先行指数で出てきます。約6カ月早く出ます。その後、遅れ
て出てくる遅行指数、これがいわゆる雇用。そういうものは後から遅れて出てくる数字です。
それまでの間に、(質問者の)橋本(五郎)さん、時間差があります。従って、この時間差という
ものを、われわれは今任期満了になりますんで、残念ながら待てないところまで来たと。私ど
もはそう思って、今回解散ということになったというところであります」

�--次に鳩山さんにおうかがいします。何となく政権を獲得したかのような前提で皆さんから聞
かれている。ところが、この前の21世紀臨調の麻生さんとの討論でも、どうも守りに回ってい
るという感じがしてならない。政権を取ったらどうしようと。全部約束しておくと大変だと。少し
やはり留保を付けなきゃいかんと。そういうのが非常に見えるんですね。しかし、それで政権を
担えるのかという問題が私はあると思います。そうした中で、いったい経済ならば誰を中心にし
て、外交・安全保障ならばぶれないように誰を中心にしてやるのかという、そういう政権を担う
にふさわしいような心構え、体制を最も前に出さないと変でしょうという感じがしますが、いか
がですか。

�鳩山由紀夫民主党代表「私どもはですね、そんなに簡単に政権交代が実現できると、そんな
楽観視しているわけではありません。あくまでもチャンレンジャーでありまして、われわれとす
れば、このチェンジを必要なときにチェンジをさせなければならないという強い意志を持って行
動していることは事実でありますが、しかし、選挙までかなり時間が長いという状況もあって、
そんな簡単に政権交代が実現できるという認識を持っているわけではありません。従ってです
ね、政権を取ったかのように、その後、じゃあ誰が何をやるかみたいな話に、もし外に向けて映
ればですね、それはうかれているのではないかと。もうすでに政権を取ったかのように思われ
てしまうのではないかと。そのような意識になるのは、われわれにとって一番の油断禁物だと
思っておりますので、今お尋ねがありましたけれども、確かに経済問題、あるいは外交問題、そ
れなりに精通しているメンバーがおります。あるいは外のメンバーの方々もおられると思いま
す。そういった方々ともう政権を取った後のようなうかれた雰囲気で行動するときでは決してな
いと、そう思っておるものですから、まだ表に向けてこのようなメッセージを出すには至らない。
ご理解を願いたいと思います」

�--太田さんにおうかがいします。自公政権の連立の10年間は何だったのか、プラスマイナス
というのはきちんと検証しておく必要があると思います。それから、自公にとっては好ましくな
いことかもしれませんが、民主党を中心とした政権になったときも、ずっと自公の間は連立関
係を継続していくのかということをおうかがいしたい。

�太田昭宏公明党代表「ちょうど10年に、連立政権に入ってなります。当時は、とにかく日本経
済が世界の恐慌の引き金を引くというような危機でした。これを政治を安定させ、改革を大き
くしていかなければいけないという意味でなりました。私は、公明党の主張した弱者に優しい、
あるいはセーフティーネット、女性の人権、そして環境、そうしたことを従来自民党政治の中で
はないものを実績としてあげることができたという、まあある意味では役割分担のいい形がで

http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090817/elc0908171559020-c.htm
きたと思います。昨年来は特にしかし構造変化というものが底流にあります。グローバリゼー
ション、国内における少子高齢社会、そして環境の制約、こうしたものの中に加わって昨年来
の世界的な経済危機。この現在の危機と未来というものに対して、どういうふうにわれわれが
取り組んでいくかということに責任を持ってやるのが与党の役割だということで、一定の役割を
果たしてきたと思います。自民党との、今日はとにかく選挙戦がこれからですから、とにかく与
党で勝つということに全力を挙げます」

--志位さんにおうかがいします。先ほど、自公政権退場をまずさせる、そして建設的野党だ、と
おっしゃった。ただ、今度の選挙では2大政党制に限りなく近付いている中で、それは自公政
権打倒はいいが、それによって民主党中心の政権ができる。どちらにしても共産党の存在理
由が逆に問われていくことになると思うが、そのある種のジレンマをどうするのかが大きな課
題だと思いますが、いかがですか。

�志位和夫共産党委員長「私たちは今度の選挙で、まさにわが党の存在理由として3つの点を
押し出して戦っています。まず第1は、今おっしゃられたように、自民、公明の政権を退場に追
い込む。この先頭に立って、われわれは国民の皆さんの多くの怒りの代弁者になって頑張る
と。これはやはりわが党が正面から戦ってきた党ですから、役割を果たしたいと。第2にです
ね、民主党政権になった場合に、それでは日本の政治がこれまでの政治と大本から変えられ
るのかと。先ほど私は財界支配を打破できるかという話をうかがいましたが、やはり内政は財
界中心、外交は日米軍事同盟中心というこの枠組みは変えるに至らないと。そこで、私たちは
先ほど冒頭に申したようなルールある経済社会、あるいは9条を生かした平和外交、これを訴
えていきます。同時にですね、民主党政権になった場合にですね、野党がどうなるかというこ
とを考えますとね、共産党と自民党と公明党ということになるでしょう。そのときに私たちはよ
いものには協力すると、悪いものにはきっぱり反対するという立場で、しっかりした立場を持つ
政党が伸びることが、やはり日本の政治を前に動かす力になるし、そして日本の政治を大本
から変える力になると、こう私たちは訴え、私たちの存在意義がうんと今、浮き彫りになってい
ると考えております」

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