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僕は彼(アサンジ)という人物を役者の立場で演っていこうとしたわけで、観客が彼のことをどう 捕らえるかは、観客の人それぞれにかかってくることだと思います。僕は彼の役を演じる役者なわ けですから、彼の事を良いか悪いかの杓子で判断する立場ではありません。もちろん、僕はこの役 を演じるために、ある程度、彼の人間性を理解しよういう努力をしたわけですから、彼にいくらか の共感は感じます。でも、それ以外の部分では、僕の立場から彼のことを善人だと感じるかそれと も悪人だと思うか、というような意見を述べるのは、無益なことだと思います。あ、それに、この 映画のテーマにもそぐわないと思います。この映画は、アサンジという人間がヒーローなのか悪人 なのか、というようなことを論じるのがテーマではなかったのです。このとても複雑なキャラクタ ーたちと複雑な命題をバランスの取れた視点から見せていく、というのがこの映画の目的でした。 僕は役者であって、(ウィキリークスの)スポークスパーソンではありませんし、政治についての 専門家でも評論家でもありません。確かに、僕はこの役を演る上でこの問題を少しは自分の頭で考 えてみました。正しく深い役作りのためにはこの問題をある程度は理解する必要があったので。で もそれ以上は、この作品を観て、観客のみなさんに考えてもらいと思います。

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