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中国でチベット人800人拘束 米議会公聴会で明らか


2010.6.3 21:13

 【ワシントン=古森義久】米国議会の人権問題調査委員会が2日、開いた公聴会で米
国政府代表らから、中国政府のチベットでの政治犯拘束がなお約800人に達し、他の
チベット人1000人ほどが行方不明のままになっていることが明らかにされた。

 同議会で長年、人権弾圧を国際規模で追及した故トム・ラントス下院議員の業績を記
念して特設された「トム・ラントス人権委員会」は2日、「チベットでの新文化大革
命」と題する公聴会を開き、チベットの人権状況を論じた。

 公聴会ではまず「中国に関する議会・政府委員会」のオバマ政権代表のスティーブ・
マーシャル氏が「チベットでは2008年春に中国当局からのより多くの自治などを求め
て抗議活動を起こした住民や僧侶がまだ拘束されており、その後もチベット人の作家や
音楽家、詩人など文化人の逮捕があいつぎ、刑法違反ではない政治犯の拘束は約800人
とみられる」と証言した。

 マーシャル氏はさらに(1)中国当局は08年春の抗議運動が市街地よりも地方で多く
起きたことに対応し、チベット自治区や青海省のチベット人居住の地方に新たな「社会
主義共同体」をつくり、チベット文化の抑圧を進めている(2)この試みは地方への鉄
道拡大とも一致して進められ、伝統社会を変革する点で新文化大革命とも呼べる-など
と述べた。

 民間団体の「チベット国際キャンペーン」代表のケート・サンダーズ氏も「一昨年春
の騒乱以来、中国当局はチベット住民のチベット帰属認識(アイデンティティー)を抹
殺することを図り、その認識自体を『分裂主義』とか『反動主義』と断じて、弾圧の対
象としている。その結果がチベットの文化を継承しようとする芸術家など文化人、知識
人の拘束を進めている」と証言し、すでに当局に逮捕されたチベット人芸術家ら約20人
の名前を公表した。

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