Professional Documents
Culture Documents
てきましたが、2010年、次の時代の新しいコミュニケーション・デザインを生み出すべ
く新たなチャレンジをしていく予定です。その試みのひとつとして、
「キュレーター」という
新しい職種を設け、編集というデザイン手法を持ち、広告に対して知見のある河尻氏を
取り組んでいく予定です。今後とも、ご指導の程、よろしく賜りますようお願い申し上げます。
HAKUHODO DESIGN 永 井 一史
私は昨年まで「広告批評」という場を通じ、雑誌編集のスタイルで「広告」というカルチャーを
批評(応援)する活動を続けてきましたが、メディア環境が激変しているいまという時代には、より
現代的な批評なりジャーナリズムの方法論があるのではないかという思いを年々強くしていました。
それだけでなく、より深くアクティブに 、コミュニケーションの生まれる場所に関与することで、
広告を批評するだけでなく、広告コミュニケーションそのものの可能性を拓くことができるのでは
ないかとも考えています。
事実、今年のカンヌ広告祭では、アプリケーションを用いたエントリーなど、編集的スキルと感覚
を用いて作られた先進的な事例も見受けられましたが、今後はこういったコミュニケーションが
広告の新たな領域となることが予想されます。広義において、編集とはデザイン手法のひとつです。
いつの時代も変わらずものごとの本質を追求する「デザイン」という行為に、みずからの方法論や
価値観と近いものを感じます。
いと考えています。 広告業界初の「キュレーター」として、アイデアとメディア、表現を編集し、
社会を元気づける広告作りに取り組む所存です。今後ともご支援、ご指導のほど賜れますようお願
い申し上げます。
河尻 亨一
(プロフィール)
河 尻 亨 一 ( か わ じり ・ こうい ち )
1974 年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、2000 年マドラ出版入社。2 0 0 8 年「広告批評」編集長就任。編集部在籍中に
「エコ・クリエイティブ」「Web 広告 10 年」「ワイデン+ケネディ」「ファッション・コラボレーション」など、数々の特集を手がける。
現在は、雑誌「リバティーンズ」や「日経トレンディネット」での連載をはじめ、雑誌「広告」ほかにも寄稿。『使ってもらえる広告』
(須田和博著)、『伝わるのルール』(伊藤直樹著)、『TI A A 年鑑 2009』といった書籍の編集、明治学院大学 150 周年プロジェクト
「MG Today365」などウェブサイトの編集、イベントプロデュースのほか、小山薫堂(放送作家)が学長を務める「東京企画構想
学舎」(10 月開校)のプランナー兼サポート講師も担当するなど、幅広く活動している。Cannes Lions 2010 では、Twitter とUsteram
を用いた取材活動を行った。2010 年 5 月、エディターズブティック「銀河ライター(Ginga Lighter LLC)」を立ち上げ、第 1 作目
となる電子書籍の準備中。H A KUHODO DESIGN ではキュレーターとして同社の様々なプロジェクトに携わる。