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高齢期豊かに迎えるには 音楽や行楽 団塊世代の活動盛ん - MSN産経ニュース 10-09-19 10:43 PM

高齢期豊かに迎えるには 音楽や行楽 団塊世代の活動
盛ん
2010.9.20 09:42

 ■自主的にサークル結成 地域住民相互の活力に

 各地で高齢者の所在不明が相次いで明らかになり、今年は「敬老」の意味が深く問わ
れる敬老の日となった。一方で、これから高齢期を迎える団塊世代がにぎやかだ。定年
こそ迎えたが、活力は衰えを知らない。自主的にサークルを結成し、音楽や行楽といっ
た活動を通じて地域の仲間を増やすシニアも少なくないようだ。(草下健夫)    

  肩書は無関係

 「川の流れのように」「青い山脈」「東京ラプソディ」 。こんな往年のヒット曲
を、ギターやアコーディオンのライブ演奏とともに嬉々と歌い合い、曲ごとに拍手と喝
采(かっさい)で締めくくる。こんな楽しい光景が、東京都足立区内の喫茶店で繰り返
されている。

 企画するのは、地元の団塊世代有志のサークル「あだち団塊ネット・サエラ」。月1
回ほど喫茶店を借り、参加者を一般から募って開いている。好評なため、今年は予定を
追加し、平日に開くこともある。区役所のレストランで年2回開く「うたごえパー
ティー」は、区内外の中高年150人ほどが集結する一大イベントに成長。平均65歳前
後で、9割が女性という。

 8月にはデイサービス施設で「出前歌声喫茶」を行い、高齢者とも楽しんだという。
「慈善といった感覚はない。現役時代の肩書などは無関係に、自分たちが楽しいことを
地道に続け、喜んでもらえている」と小林恭眞(きょうま)会長(64)は手応えを語
る。

 サエラはフランス語で「あちこち」の意味。発端は、「定年を迎えた団塊世代が地域
との接点を持つように」と区が開いた講座で、受講者有志が平成19年に結成した。当初
は仲間内でビール工場の見学やスポーツ吹き矢、パソコンの教え合いなどをして楽しん
でいた。その後、すぐに「みんなで歌って笑顔になれる、懐かしい歌声喫茶の楽しさ

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を」と、参加者を広く募集しての歌声喫茶を始めた。会費制だが、さまざまな経費を差
し引くと収支が釣り合う程度という。

  現役のときから

 「外出する機会に乏しい1人暮らしの高齢者から『歌声喫茶に出かけるのが毎回楽し
み』といった言葉をかけられると、こちらの喜びも膨らむ」(小林会長)と、地域住民
相互の活力になっているようだ。

 小林会長は4年前、大手ビール会社を退職したが、PTAやボーイスカウトなどを通じ
て、長年地域とかかわり続けてきた。「あくまで人それぞれだが、退職して急に動くよ
り、できる範囲で現役時代から地域と関係を持つことが定年後を豊かに過ごす手がかり
になるのでは」と小林会長は提起する。

 「マンネリにならないように 」。サエラは今年11月、途中でどこに立ち寄るか参加
者には事前に知らせない、ミステリー歌声バスツアーを計画しているのだとか。

 ■北欧ではクラブに多数参加

 丸尾直美・尚美(しょうび)学園大学(埼玉県川越市)客員教授(福祉政策)の話
「スウェーデンでは文化やスポーツのクラブ活動がかなり盛んで、多くの人が何らかの
活動に入り、退職しても当たり前のように続ける。また、各地のサービスハウジング
(介護付き高齢者住宅)には、近隣住民が気軽に食事やお茶で集まれるレストランがあ
る。これに対し、日本のサラリーマンにとっては職場がコミュニティーで、退職すると
突然コミュニティーを失う。いきなり老人クラブに入るのも抵抗がある。こうした中、
自発的なコミュニティーが育てば、退職者にとって魅力的なよりどころになるだろう」

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