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【私はこうみる】尖閣敗北 “ダミー漁船”で衝突という疑念も - MSN産経ニュース 10-09-26 3:03 AM

【私はこうみる】尖閣敗北  ダミー漁船 で衝突とい


う疑念も
2010.9.26 07:45

 □米ヘリテージ財団研究員 ディーン・チェン氏

 中国漁船衝突事件は、中国海軍の艦船が今年4月に沖縄本島と宮古島の間を通過した
活動を含め、昨年来の中国海軍の活発な動きとの関係でみる必要がある。従って、日本
は中国人船長を釈放したが、これですべてが終わったわけではない。

 では、中国政府がかつてない強硬姿勢を見せた背景には何があるのか。

 一つは、中国が経済成長と軍拡で自信を深め、大国になったと自覚し、それにふさわ
しい行動をとろうと考えていることだ。これらの行動は区別はつきにくいが、覇権主義
と受け止めることもできる。

 中国は同時に、インドとは、(同国東部にあり中国と国境を接する)アルナチャルプ
ラデシュ地方、東南アジア諸国とは南シナ海(の島々の領有権)、米国とは宇宙の衛星
破壊実験をめぐり、覇権主義の姿勢を押し出してきている。

 中国は国内で社会不安が増大しているがゆえに、対外的に強硬な姿勢をとらざるを得
ないとの見方がある。従って、対外的に融和姿勢をとるわけにはいかず、国内の愛国主
義をかき立てているのだろう。

 ただ、日中関係には先の大戦が暗い影を落としており、その意味で現在の事態を過小
評価すべきではない。中国の指導者が単に自国民の感情をあおっているだけでなく、中
国国内からわき起こる純粋な愛国主義の発露とみるべきだ。

 次に、今回の事件が偶発的なものか、組織的なものかは分からない。

 中国が昨年3月、南シナ海で米調査船「インペッカブル」の活動を妨害したように、
われわれは、中国漁船が主権にかかわる活動に使われたとみている。この一件は、今回
の衝突事件で、中国政府が漁船を仕立て故意に起こしたのではないか、という根本的な
疑問を惹起(じゃっき)する。

 中国は今年7月、軍事作戦を支援する際、民生物資の動員を可能とする「中国国防動
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員法」を施行した。こうした軍と民生部門のあいまいな状態はとても危険だ。何かあっ
た場合、民間の漁民が危険にさらされる可能性がある。

 米政府は一貫して、領有権についての立場は示さない。しかし、日本の施政下にある
領域への武力攻撃に対し、共通の危険に対処することを明記した日米安全保障条約が、
尖閣諸島に適用されるのは明白だ。もし、尖閣諸島周辺で日本への武力攻撃があり、日
本が日米安保条約の発動を求めた場合、米国はこれに応えるだろう。

 中国政府は、米国が日本の強力な同盟国であり、何かあれば日本のために動くという
ことをはっきり認識すべきだ。中国がこの問題で強い態度に出れば出るほど、破滅的な
事態が起きる可能性はそれだけ大きくなる。(談)

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【プロフィル】ディーン・チェン

 1966年生まれ。86年、米プリンストン大卒、米マサチューセッツ工科大(MIT)院
博士課程。米議会技術評価局で中国の軍需産業に関する調査員を経て、米海軍分析セン
ター中国研究所研究員。専門は中国政治、軍事。44歳。

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ディーン・チェン氏

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