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健康社会学 課題

「これからの日本の医療制度について予想してください。また、問題がある場合には、その
解決策を書いてください。」

少子高齢化のさらなる進行や、医療器具の発展、疾病構造の 変化、新しい治療法の開発など
により、現在国民医療費は高騰する傾向にある。高齢者は一般に、病気にかかるリスクが高
く、病態も慢性化・複合化する傾向がある。そのため、現役世代と比べて相対的に多額の医
療費がかかる。現役世代の所得に頼っている高齢者の医療費が増加すれば、現役世代にも
その代償は降りかかってくる。
ここ数年、保険料の割合が減少し、自己負担割合が増加している。これは、近年の制度改正
の影響である。この自己負担額の増加によって、国民の医療に対する負担が増大すること
は明らかである。これにより、「病院の受診にはお金がかかるので、行くのは最小限にしよ
う」と健康保持意欲が向上するという点で無駄な医療費を削減することができる。1972 年
の老人福祉法の一部改正が行われた際、70 歳以上の高齢者の一部負担無料化が導入された
高齢者の一部負担無料化によって、高齢者は深刻でない小さい病気で受診するようになり
受診率や医療費が急増することになる。高齢者による病院のサロン化、ハシゴ受診により
老人医療費が急 増するなど、深刻な問題が浮上することとなった。現在は少子高齢化のた
め、当時のような制度を実現することは不可能である。
こうした背景から、これからの日本の医療制度は、自己負担の増大をさらに促進する方向
へと進んでいくと考えられる。
しかし、病気になりやすい人や、お金がなくて病院に行けない人の医療機関を受診する機
会を阻害する危険をはらんでいる。現役世代の負担を減らそうと、無理に国民医療費を抑
制しようとすれば、医療サービスの低下も懸念される。

医療費は主に 3 つの構成要素(保険料、公費、自己負担)の微妙なバランスの上で成り立
っている。このバランスが崩れることは、医療制度を崩壊させる事態を招くこととなって
しまう。保険料によって「公平的負担」を担保しつつ、自己負担によって無駄な医療費を削
減するなど、「効率的負担」を図り、そして公費で「政策的負担」を行う、というように、上手
にバランスを保つことが非常に重要となる。政府の危機的な財政状況からみれば、保険料
を財源の中心に置くべきであるといえるが、それには保険料の負担格差の問題も取り除い
ていかなくてはならない。老人保健制度は現役世代からの所得移転に大きく頼っているた
め、将来老人医療費が増加すれば、今まで以上に医療保険からの捻出や公費は大きくなる
であろう。少子高齢化が進展し、老人保健制度を通じた世代間の所得の移転が大きくなり、
公的医療保険において大きな問題となっている。これから生まれる世代にとっては、重い
保険料の拠出が問題となるであろう。高齢者の医療供給体制を整備するなど、まだまだ修
復しなければならない問題が医療制度にはある。高齢者の医療供給体制整備することが、
今後の日本における効率的な医療を実現する上での大きなポイントになるであろう。患者
の命を救うという大前提を、もう一度思い出し、包括的に医療政策を見直していかなくて
はならない。

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