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原発  大地は泣いている・・・

大気と大地と海・・・言うまでもなく人間の母である。

そこからの恵みによって、私たちは命を授かり、愛する人と出会い、苦楽を
共にし、そしてやがて終わりを迎える.

これまで数万年、私たちの祖先は日本列島の大気と大地、そして海を頼りにし
てきたが、それは汚れてしまった。

今、そこに働く人たち、大地と海の恵みを私たちに代わってもたらしてくれ
る人たち・・・農業と漁業・・・は汚れを前にして呆然としている。

でも、それは現実なのだ。かつて、B29の爆撃を受けて焦土と化したよう
に、大地は焦土になった。

・・・・・・・・・

今、私たちは何をするべきだろう?

そこから何も採ってはいけない。昨日まで凍えるてで藁を綯え、朝の暗闇に
出帆していたとしても、今日は何もしてはいけない。明日もしてはいけな
い。

そこからとれるものは、たとえ「規制値以下」であっても、もはやそれは
「自然の恵み」ではない。

流通はキャンペーンなどやってはいけない、自治体は地産地消を唱えてはい
けない、知事は規制値を上げてはいけない・・・すでに大気と大地と海は汚
れてしまったのだ。

・・・・・・・・・

「俺たちの生活を判っているのか!」と怒鳴られるのは判っている。でも、
大地と海から採れるものは神聖である.でも、汚れたものは神聖ではなく、
災厄をもたらすものだ.

振り返ってみれば、これまで日本の農業も漁業も「食べる人に喜ばれるもの
を」と頑張ってきた。日本の流通も「消費者を裏切らない」ことを第一にし
てきた。

それを、今、数ヶ月のことで無にするのはいかにも残念だ。放射性物質の量
を明示しないで「放射性物質を食べても大丈夫」などと言って売る人がい
る。

大地と海に恵みを受ける人の誇りを取り戻して欲しい.

(平成23年4月9日 12時 執筆)

武田邦彦

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(C) 2007 武田邦彦 (中部大学) 引用はご自由にどうぞ

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