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Vol 60 P 037
Vol 60 P 037
7
(1
997
)37-
-
-51頁
Xウインドウシステムを用いた地震活動解析プログラム
横山博文
(
Rec
eiv
edJ
uly1
1,1
996:A
cce
pte
dNo
vem
ber3
0,1
996
)
S1
. はじめに S2
. 機能概要
気象庁では,地震活動等総合監視システム (EPO 2
.1 出力できる図表
S) の導入時に地震活動解析のためにミニコンに接続さ 以下の図表が画面表示およびプリンタ(プロッタ形式
れたグラフィックディスプレイを用いたシステム(勝間 およびモノクロハードコピー形式〉に出力できる.入力
田
, 1
992
)が開発された.これは,パーソナルコン ファイルにメカニズムデータを指定した場合は,メカニ
ビュータを用いた SEIS-PC (石川他, 1
985
)等を ズムの情報を表示できる.
参考に気象庁の地震業務に使用することを配慮して作成 -震央分布図
されている. し か し 処 理 速 度 や メ モ リ 容 量 不 足 等 の 問 ・断面図 l
題で使い勝手には少々問題があった.その後,発震機構 -断面図 2 (断面図 1に直交する方向の断面)
解析のために 1
991年に UNIXワークステーション(三菱 .MT図
電機製 ME/ R7
200, 0S :HP-UX) が導入された. ・時空間分布図
このマシンは RISCプロセッサを CPUにもち,当時と -深さの時系列図
してはかなり高性能なモデルであった.そこで,より高 ・回数ヒストグラム
速で操作性の良い地震活動解析ツールを目指して開発に .回数積算図
着手した. UNIXマシン上で動作する地震活動解析ツー ・エネルギー積算図
ルは,東京大学地震研究所の S
eis
Vie
w(綴織・芳井, .M別度数分布図
1
994
) や東北大学で開発されたもの(鶴岡, 1
995
)等 が • b値
ある. • 3次元分布図(この図はプロッタ形式の出力はできな
今回の開発では前述の高速性,操作性のほか,できる
だけ標準ライブラリを使用することによる他のマシンへ .震源要素リスト
の 移 植 の 容 易 さ に 重 点 を 置 い た 最 近 のUNIXは標準化 2
.2 データファイル
が進んでおり,開発時に配慮することによりメーカや O このプログラムで使用しているデータファイルは以下
Sの違いがあっても容易に移植が可能である.そこで, の通り.
画面表示にはほとんどの UNIXマシンに標準で搭載され (
1) 震源ファイル(入力)
, Xウインドウシステムを利用した. またクーラフイカ
る このプログラムで使用する震源ファイルは相対編成
ルユーザインターフェースには UNIXの標準となりつ ファイルの気象庁震源カタログデータフォーマット(表
つある OSF/Motifを使用し,マンマシンインターフェ 1)またはその旧形式(勝間田他〆 1
992
) である.形式
ースの標準化を実現した. の違いは自動的に認識する.順編成ファイルはユーティ
プログラムは CRT画面に描画を行なうモジュールとむ リテイコマンドを使用 ιて相対編成ファイルに変換して
カルコンプインターフェースを使用してプリンタに出力 使用する.震源ファイルを置くヂィレクトリは後述する
するプロッタ出力モジュールの 2本 の モ ジ ュ ー ル か ら リソースにより変更できるようになっている.また,使
なっている. CRT描画モジュールは C言語,プロッ夕 、用するファイル名等もリソースにより指定できるように
出力モジュールは旧来からのペンプロッタ用のバッチ処 なっており,最大 4
0個のファイルまでメニューに登録で
理で使用していたものを改造したため FORTRANで記 きるようになっている.
述しである.現在このプログラムは 1
995年に更新された (
2
) メカニズムデータファイル(入力)
新 EPOS (地震予知情報課, 1
996
) で気象庁の地震業 このプログラムで使用するメカニズムデータファイル
務で使用されている他,気象研究所,気象大学校等の関 は相対編成ファイルの気象庁発震機構解データフ。ォーマ
係部局で利用されている. ット(表 2)またはその旧形式(勝間田他, 1
992
) であ
-37-
地形データはデータファイルとインデックスファイル
)の 相 対 編 成
ファイルで配置ディレクトリはリソースにより変更でき
る よ う に な っ て い る . 以 下 の ( )内は出典を示す.
9
EPOS形式(勝間田他, 192
震でさ算 つ白る報有
)の件)深計 S 使空よ情は号号
J秒時条 m )で M に合にるた番番数
) 地形データファイル(入力)
き(たの k m件 め場表表白断た用すま域名の
と差))しみ (K条 S等 たの時時て空判い採対度地地点グ
の誤分分算刻さ(の s る関走走つ合の用不に震央央測ラ
源暦準((計 m深 差 み 等 b M す機表用用た場み人をは源大穫模震震観フ
内容
Aが 震の準陸海島定件さささ肘考定決場常機工イにめ 7n に毎
に分かれた
決夕、度度一(ま時さはは計
が Iン H H H H N H 線経リさ定た深た合が M等 が 表 標 三 北 千 決 条 深 深 深 h 参 決 が の 通 他 人 ノ 震 グ 定 m名 名 定 ル
-
0巻 第 1-
庁内いいジの HH の HH フ 深 田 し の ま 場 庁 J C 庁時を期庁関地ラが地地決イ
象山リ央央さのさ算源定た象 :S 象 走 1 2 3 4源 初 1 2 3 4 7 8象 機 1 2 3 4 の フ 津 央 央 源 ア
3
(
気た震の気他こ感字震震震フ
表 1 気象庁震源カタログデータフォーマット
気オ震震深源深計震固し気 JI
。
。
験震時報第6
n4 円
4 4nL
円 n4nLnLnL'i'i . 2X
して相対編成ファイルに変換して使用する.その他の条
型と長さ
同じになっており,後半にメカニズム解の情報が入って
いる.順編成ファイルはユーティリテイコマンドを使用
る. レコードの内容のうち前半の半分は震源ファイルと
A 24
42222443444445 ・
A 1
A 1
F3
13
13
A 1
A 1
A 1
A 1
11
A 1
13
L'ind --i
円
ESIl--FFIFFIFFF FAFAA
I
ロB O D
レコード種別ヘッダ
- 種2 種
標 準 誤 差 (k m )
ド
﹁ HF グ
秒分分﹀ 一一 ロ守口す-フ
震源補助情報
項目名
件は震源ファイルと同様である.
差度分差度分差 k チチ時 度模模域名名数定
震源評価
誤︿(誤︿(誤( ニニ走 震規規地地地点決
暦準度度準度度準さ グ H グ H用 大害波央央央測源
西月日時分秒標緯緯標経経標深 ママ使 最被津震震震観震
23 I
22I
16 I
012345 en6nuunu'i 45678901
項番
23456789
守
-EA-EA AeEA--A-aA 'i'i'in4n4 Ln4 円4 O
nLndnL 円 司 円。
・
唱
8
3
Xウインドウシステムを用いた地震活動解析プログラム 3
9
項番 項目名 型と長さ 内容
示ズズおIC
源コカ
震レメ
9AA
タ種ム
表メメ下
すムムり
震解を区初C
ーカカの
源レ決分動 M
にニニと
卜すに
マを方
フコ定に T
オ一しょ
一ドズ
ハU 咽inL
ア一ニ
ρo'i'i
一ドたる
ツ表法
剖M判
J
別決
Mよ
へ定
H
ツ法
Hノ
以
hツ
3 空白 I
A 1 空白
4 メカニズム決定機関 I
A 4 メカニズムを決定した機関により以
下のとおり区分
JM A M 気 象 庁 月 報
JM A Y 年報
HRV D. ノ、ーノ〈ード
N E 1C N E 1C
5 I 予備 I
A 5 空白
6 I
断層面の区別 I
A1 断層面の区別。区分は以下のとおり
A面
2 B面
空白 不明
7 I
発震日 I1 2 発震日
8 I
断層のタイプ A IAl 断層のタイプ。区分は以下のとおり
R 逆断層
N 正断層
9 I空白 I
A 1 空白
10 I
断層のタイプ B I
A 2 断層のタイプ。区分は以下のとおり
ss ストライクスリップ
D S ディップスリップ
AM どちらとも言えない
11I方位角 I1 4 P軸 方 位 角 0-360度 北 か ら 時 計 回 り
12 I
傾斜角 I1 3 P軸 傾 斜 角 0-90度 水 平 方 向 が O
13 I
方位角 I1 4 T軸 方 位 角 0-360度 北 か ら 時 計 回 り
14 I
傾斜角 I1 3 T軸 傾 斜 角 0-90度 水 平 方 向 が O
15 I
方位角 I1 4 N軸方位角 0 -360度 北 か ら 時 計 四 り
16 I
傾斜角 I1 3 N軸傾斜角 0 -90度 水 平 方 向 が O
17 I
走行 I1 4 A面走行 0 -360度 北 か ら 時 計 回 り
18 I
傾斜角 I1 3 A 面 傾 斜 角 0-90度 水 平 面 が O
19 I
すべり角 I1 5 A函 す べ り 角 -180-180度 正 断 層 の
時は負
B面 走 行 0-360度 北 か ら 時 計 回 り
B面 傾 斜 角 0-90度 水 平 面 が O
。
B面 す べ り 角 -180-180度 正 断 層 の
円I l - - A I I A
円
時は負
ス地ス地予年月投
ア数ア数法
コ点コ点備影
qoaqRunO
4nLn4n4nLnLnL
メカニズム解全スコア
a
A auτaHτnHUn4nL 内
P波 初 動 が 観 測 さ れ た 観 測 地 点 数
宮
メカニズム解気象庁のみのスコア
P波 初 動 が 観 測 さ れ た 気 象 庁 観 測 地
点数
t
﹃ n
空白
Hunudnu
。
年
円
月
O
投影法区分は以下のとおり
p u上半球等積投影法
LOW 下半球等積投影法
31I
評価 I
A 1 メカニズム解に対する評価
空白 O‘K
S 参考
表 2 気象庁発震機構解データフォーマット
-日本周辺の海岸線および県境(小竹他, 1
975,水路 -海溝部(石川・中沢, 1
991
)
部,気象庁合成) ・活断層(新編日本の活断層, (有)ジオデータサプライ,
・伊豆周辺の海岸線(地震研究所) 1
996
)
-世界の海岸線および国境(1SC) ・海底地形等深線(水路部)
上の 3つは縮尺により自動的に切替えて表示に使用する. ・標高メッシュデータ(国土数値情報,国土地理院)
4
0 験震時報第6
0巻 第 1-
-
-4号
4
心
(
凶) パラメ一夕フアイル(使用者 ファイルを記述することにより,マシン環境の違いを吸
利用する.入出力) 収し,個人の好みに合わせたカスタマゲズが可能である.
・震源検索・表示パラメータファイル このプログラムでリソースに設定できる主な項目は次の
.地図描画パラメータファイル 通り.
(
5) ワークファイル(入出力) ・震源ファイルのディレクトリおよびファイル名.
リソースまたは環境変数で指定するディレクトリに ・地図ファイルのディレクトリ.
ファイルをいくつか作成する場合がある.正常に終了し -震央地名ファイルのパス
た場合は削除する. ・プリンタの定義.
2
.3 動作環境 .プリンタ毎のプロッタ出力ルーチン
• HP-UX9.0 .表示色
• NEC EWS-UX/V (re1 4.2
) ・震源検索/~ラメータの初期値
.SUN 0 S4.1
.3,ASCIIMotif1
.0 .地図ィミラメータの初期値
において良好に動作することを確認済み, Cコンパイラ,
~ 3
. パラメータの設定
FORTRANコンパイラ, Motifが利用できれば比較的
簡単に移植可能である. .1 震源の検索
3
2
.4 リソースの設定 震源の検索は,期間,マグニチュード,深さを from
Xウインドウのリソースとは, Xウインドウを使用す -
--
toで、指定し,地理的位置は地図パラメータで指定した
るプログラムのウインドウ値や表示位置,色,文字の種 範囲内に入るものを検索する.また,その他の検索条件
類などを定義したものである.特定のプログラム固有の として,有感フラグ,被害フラグ,津波フラグの論理和
リソースを定義したクラスリソースファイルとユーザ固 を指定できるようになっている.第 1図に震源パラメー
有のカスタマイズに使用するリソースファイル(通常ホ タ設定ウインドヴを示す.データファイルはとくに構造
ームディレクトリ下の. X
def
aul
ts)がある. これらの やインデックスを持たない,単純に時刻順に震源データ
自 1
1
.
1 mo
j
..~Ø..Q.J IIQ.~..: 部 1jmoj
円一、一一検索期開設定テキスト入力フィールド
至 郡弱安締j 債 を 籾j 獅? 調
弘子豆 M 豆鉱工←一対象マグニチュード設定テキスト入力フ之ールド
附豆深さ豆獅←深さ設定テキスト入力フィールド 議
第一ファイ jレ こ 語 数 二 ; ゴ 第 二 フ ァ イ jレ こ ; 謀 議 浸 斗議ーデータ入力ファイル設定
調 プルダウンメニューボタン
フラグ:緩無視む K us U発破「 遡
ゴ被害コ;主波ひ有感
1
+
」
一一検索フラグ設定トグルボタン
鴻
治l
議認j湯 H
表校:記長伝説;正:
.
2
JL~:::_fJ ←コマンドメニューホタン
第 1図 震源検索・表示パラメータ設定ウインドウ
-40-
Xウインドウシスデムを用いた地震活動解析プログラム 4
1
が並んだ相対編成ファイルなので,まず
2分法により指定された期間の先頭デー
35'30'
タをサーチし,後はそのレコードから順
次検索条件にあてはまるかどうかを遂ー
チェックしながらデータを取り込むよう
にしている.震源ファイルは 2つまで指
定できる. 2つのファイルは全く同じ条
件で検索するので同じ震源が両方に入っ 35'N
M
ている場合は 2っとも取り込まれてしま O
うので注意しなければならない.
O
また,検索パラメータは再利用できる
ようにディスクにセーブできるように
O
δ:pth
なっている.検索に要する時間はマシン 4.0 0
o 21
性能に依存するが,最近の R ISCマシ 34・
30' /
3.0 d
o 41
ンでは東海・南関東地域の l年分 1万個 2
.0 巴
程度読み込むのに 1
0--
20秒程度である.
1
}号
UND 90 trough
13目
。E
.2 地図パラメータ
3
震央分布図を描画する地図は,震源検 第 3図 鳥 撒 図 の 描 画 例
中心の繍籾~}~L o
N
経度邸主-弱"1 oE
作画領域幅国夜 s
:m
m
数値パラメータ入力一ー
テキストフィールド'
高ぎ
一-
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f2
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l~t~.......
道 スケール邸~..~~~~!9..~..~
雪 角 度 部.
0 :0
ヨ縄 線 の 間 隔 闘 で つ '
堅序:t{g~選択一一等地図:三%Jレド川
,"
.
.
-/" .,ノ〆ーユヨ投影法:L~~~主主位三j←投影法選択プルダウンメニュ-
I 図の背景 い2 ∞m な お ∞m U7
000
m
3
圃枠色 辺 5
仙n 斗 0
400
n :
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;怒
り 75的 n
3
国緯経線色緩や 10 n 綴わ 4500m 抑 U8
000
m
母圃慶則│ 表蘇示色肘サンげプル川および崎表示滞種自腿選択料トグ仰ルホボ、タ〆 バ
j
.
洞
.穣畿
叫│見
畏悶硯 :~l~:滋怒滋 J
!燃;譲譲綴綴綴
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人
緩綴 :!:!.:緩綴;譲懇妥譲; 斗
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L
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舌断岬
層
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潤湖貫
観翻車
軸自 機臨己 25
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0m 総仙江側附m 撚
愛祭怒綴.;;::譲;譲レ
μ
3レ
蜘恥斗
川何∞m
ω3蜘蜘護:t祭怒綴';:;: :'譲幾滋';: :;譲幾妥,~ ~ ~ 斗町
辺 6蜘 緩 U 10000m
鴻 噸 図 平 野 色 光 源 イn
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角努 o
:
-o
'
;o 方位角邸主õ'~ι 鳥撒図描画パラメータ
;CJ火山 州可の背景色
│
!燃燃側附附附:絞滋終燃さ詰怒燃側,.怒:器:
司 九 - 干
怒撚閥~~さ怒側~~怒:.;.:慾燃燃撚
燃;!:!:怒滋絞:窓慾滋主窓怒.....燃:怒滋滋燃撚:::=:'!::::~::':~'窓怒撚燃;:.:,絞緩;設怒芸忍
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J
段
議暴彰
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豪製製
込込i
ゐ媛鋭白毅袋製よ荻認お捻取:
3
2 品:ゐユ「一ボタン
第 2図地図パラメータ設定ウインドウ
-41-
4
2 験震時報第6
0巻 第 1'
"
-
'4号
シンボル縮小ボタン(全シンボル)
シンボルサイズの
マグニチュード境界
II~::::~:
第 4図 震源表示用シンボル設定ウインドウ
-42-
Xウインドウシステムを用いた地震活動解析プログラム 4
3
した震源ファイル
明地 :TKHYP 馴
咋
3
60N
。
.U/
f
6
.0以上7
共ど〆はこの大きさの意
( ) 議
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以上 2
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0φ
1
.
3N
30
ゐ 90
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1
360E 1
370E 1
380E 1
390E 1
400E
M未決定の意味
第 5図 震央分布図の表示例
断面図,時空間分布図を表示する際の投影面を設定す 5~ 0
3,0
100
:0ト 鰯閃 0
l 42ωo
2
0fユ
ie:
.T悶町P
( .
0
):¥:J"'-
.
白山 l 昨
ることにより任意の線分に沿った断面を見ることができ
る.投影面の設定ば震央分布図に断面をとりたい方向の i ,
;
線分を描画することにより指定する.
ar
M .0
1,1
996
3
.6 プリンタ選択 !2
:
.
. 0:36:39.5+
1一0
.0r
r.o
図形やリストを出力するプリンタをリソースを定義す
0
35N
f 神奈川県西部 !
()
:35N2
0.4
'+1ー0
0
.
31よ1
ることにより, 1
0個まですることができ,プログラム実 i1
. 9E0
3 7.1
'+ 5l
ー O.
10
rぇ
行中にメニューから選択できる. :
ri.
Ff4
j訂噌th
b 時 :K││iar
S4
. 表示機能
s
('I.<l
II~~
113.
0 る
且1
4
.1 震央分布図
全ての図の基本となる図で,指定された条件で検索さ
3 ハ
l
1争 E
~I 1.0φ
3
4N
0
.
..:
...
..-
---
t
れた震源データを地図画面上に表示する.ここで表示さ 晶 9
I 0
1
380E 1
390E
れた震源がその他の図表の表示対象となる.また,この
第 6図 震源要素の表示
画面上で、領域の設定や投影面の設定を行う
(
1) 震央分布図の表示(第 5図)
表示は次の手順で行う となるデータ数と読み込んだデータ値の比を表現するよ
①地図を描画する. うになっている.
②震源ファイルを検索し,データを読み込む.同時に ③検索したデータを画面に表示する.
座標変換を行う. このとき砂時計が表示され,マウス パラメータを設定しなおしたときで,対象となる震源
カーソルは時計マークに変わる.砂時計は読み込み対象 が変わる場合は上記①②③の手順で,シンボルや地図の
-43-
4
4 験震時報第6
0巻 第 1-
-
.
.
.4号
口
第 7図 震 央 分 布 図 の 部 分 拡 大
表示項目等のみの変更だ対象となる震源に変更がない場 (
3
) 震央分布図の部分拡大(第 7図)
合は①③の手順で表示が行われる.シンボルの大きさは 震央分布図上で、マウスを使って矩形領域を指定して,
Mの値で連続に変わるのではなく.各ランク毎に固定に その部分を拡大して表示することができる.
なる.色や形を決定するときの深さの 1/10位は切捨て 4
.2 断面図 1 (
第 8図)
ている. 断面図 lは深さを Y軸方向にとる.デフォルトの断面
(
2) 震源要素の表示(第 6図) は東西方向.投影面を設定した場合はマーク Aが左,
震央分布図上でマウスを使って地震を指示する事によ
り,その地震の震源要素を表示できる。'また.断面図や
M T図などの図を表示している場合はそれらに表示され
ている該当する震源が連動して点滅する.震源要素表示
-吋1J
機能は断面図や M T図などの他の図でも同様の操作で実
行できる.
1
9940
1010
0:0
0--1
9941
2312
4:0
0
昨 4
952
第 8図 断 面 図 1の表示例 第 9図 断 面 図 2の表示例
-44-
X ウインドウシステムを用いた地震活動解析フ。ログラム 4
5
マーク Bが右になるように表示する.投影面の方向は 4
.5 時空間分布図(第 1
1図)
例えば B点から見た A点の方向が北から西回りに 5
4 の 0
X軸に時間 , Y軸にある投影面の位置をとる.投影面
ときは, N54
0
W(
A
)
, N126
0
Ea)のように示す.また, のデフォルトは南北方向.投影面を設定した場合は,
デフォルトでは縮尺は,水平,鉛直方向とも震央分布図 マーク Aが上側にくるように表示する.
と同じで,ウインドウ枠のリサイズ、ハンド、ルをドラッグ 4
.6 深さの時系列図(第 1
2図)
することにより変更できる.震源のシンボルは震源検索 深さの時系列を表示する(一種の時空間分布図). "
x
で指定した深さの範囲の浅い方の値の深さのシンボルを 軸に時間, Y軸に深さをとり,時間軸の目盛りは自動で
採用する. ふる.震源のシンボルは震源検索で指定した深さの範囲
4
.3 断面図 2 (
第 9図)
断面図 2は深さを X軸方向にとる.常に断面図 lの断
面に直交する方向の断面を表示する.デフォルトの断面 1
鈎 40
1010
0:0一 l
0 鈎 41
23"2
1 4
:00
は南北方向,投影面を設定した場合は,設定した投影面
に直交する方向の断面を表示する.その他は断面図 lと
同じである.
4.4 M T図(第 1
0図)
マク、、ニチュードの時系列を表示する図 .x軸に時間,
Y軸にマグニチュードをとり,時間軸の目盛りは自動的
につけられるようになっている.
0図 MT図の表示例
第1
田 40
l 1010
0:0
0--1
叩 41
2312
4:0
0
第1
1図 時 空 間 分 布 図 の 表 示 例
1
9940
1010
0:0
0--1
9941
2312
4:0
0
第1
2図 深さの時系列図の表示例
-45-
4
6 験震時報第6
0巻 第 1-
-4号
の浅い方の値の深さのシンボルが使われる logEs=4.8+1
.5Ms CGutenberg& R
ich
ter,
4
.7 回数ヒストグラム(第 1
3図} 1
956
)
単位時間当たりの地震回数を棒グラフで表示する.単 た だ し こ の 式 の M sには気象庁のマグニチュードを使
位とする時間は,時,日,月,年の 4段階で自動または 用している.
手動で決められる.縦軸は自動または手動,時間軸の目 4
.10 MJ
;IJ度数分布図(第 1
6図)
盛りは自動でつけられる. マグニチュードの度数分布図を表示する . X軸にマグ
4
.8 回数積算図(第 1
4図) ニチュード, Y軸にマグニチュード別の発生度数および
地震回数の積算グラフを表示する . X軸に時間, Y軸 累積度数を対数軸で示している.
に回数をとり,時間軸の目盛りは自動または手動でつけ 4
.1
1 b値(第 1
7図)
られる b値とマクーニチュードの度数分布図を表示する . X軸
4
.9 エネルギー積算図(第 1
5図) にマグニチュード, Y軸に b値と発生度数の対数をとる.
エネルギーの積算グラフを表示する . X軸に時間, Y ここで用いた b値は表示位置のマグニチュードを最小の
軸にエネルギーをとり,時間軸の目盛りは自動でつけら マグニチュードとして最尤法で計算した値である(宇津,
れる.エネルギー(J)はマグニチュードから次の式により 1
965
).
計算している 4
.12 3次元表示(第 1
8図)
1
99
4010
100
:00-
-19
941
2312
4:0
0
=1
N 7
19
3
00
2
00
1-
--
-
1
00
O
J
担 F
ebM
arA
pr伽 J
叩 J
ulA
ugS
epO
ctN
ovD
ec
l
羽4
第1
3図 回数ヒストグラムの表示例
1
99
4010
100
:0
0--1
99
4123
124
:00
N
=82
11
1
000
0
8
00
01
--
-
。
ι
ハ
U
AHV
AHV
O.3alFebhz Aprhy J
ur P o
唱Se
l J4A ctN
ovD
回
1
田4
第1
4図 回数積算図の表示例
-46-
Xウインドウシステムを用いた地震活動解析プログラム 4
7
1
9940
1010
0:0
0-'
-
-19
941
2312
4:0
0
傘 1
013.
J N
=82
11
6
5-1・・・・・・・・…..
J
叩 F
ebM
ar A
pr M
ayJ
u 昭 S ep O
n みu A ctN
ovD
配
第1
5図 エネルギー積算図の表示例
1
9940
1010
0:0
0--1
9941
2312
4:0
0
~_ N
ご 8
211
1
000
0 ‘
一一ー
一 eN I
←ー累積度数
On I-M別度数
1
000
1
00
1
0
4 5 6
第1
6図 M}
5IJ度数分布図の表示例
1
9940
1010
0:0
0--1
9941
2312
4:0
0
~_ N
=82
11
1
000
0a::;:;:;:一一
1
000
1
00
1
0 .0
1
0
.5
4 5 6
第1
7図 b値の表示例
-47-
4
8 験震時報第6
0巻 第 1"
'
-
'4号
6
1
応副会
去、レ一
畿地一 γ
遺 形一ジ一
ι
一
ソ
協動│ ム
第1
8図 3次元分布図の表示例
-48-
Xウインドウシヌテムを用いた地震活動解析プログラム 4
9
1983010
100
:00--199212312
4:0
0
Depth
o
@
2
1
@
4
1
@
61
-
@
90 trough
140E 1
410E 1420E
0
第四図 メカニズム(震源球)の表示例
-49-
ことができる.領域が設定されている場合は領域内の震
ナルウインドウと v iを使用するので v iの検索機能な
現在表示中の震源データを任意のファイルに出力する
-nu
Lowerhemisphere
-FrM 開
-PEaR
-nnELnu
一 -nrFra-MR
l 限 lyU
N =73file:JMAMEC
・V-nF
﹁ nraan'E向、u
l
一
e 一制限 1 川引
・
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周 -aHnrHn.d -
n
T-axis…
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n-. ,
,,.
,
-νRam-Ana-d
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'
'国
npM 聞 AHV'hUEE
・
o - n n n n LEBun-'
FEaHaHH闘 nbM問
岡田-Hn向田四円
e-?'EETERnR円四円
白n-HUM同-ana円畠同
-nu 山 "FEFEFEPE
-府昌肉、MRUM潤 M同M同
どが使えるようになっている.
TE-
hu-
4
内 ・
SLAND
M圃 -
BARAKIPREF
8 ファイル出力
M-・
- ---- ..
-aU句3aa守内uasnU
I PREF
AI
源が対象となる.
内4n,‘内4句﹄内4内4
NEARCHOS削 CITY
I PREF
I
'''------
I
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NEAR削 YAKEJI
+-内4内£内4令﹄内4
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-・‘----
hH ・ 't
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量失地名
I
0--1992123124:00
・﹄噌 伶
CENTRALA
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験 震 時 報 第 60巻 第 1'
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1
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.
--aqpO崎正由3
4 - - ' t U ' i h・
,
・
-50-
4
Iストの出力例(上:全項目,下:省略形式)
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︽
•••
, ,
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,
0
3
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0
8
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- - - - 3 'nヨ
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.
;
.
.
.
司
3
2
2
2
2
'PO内4aq--守F 内4
力することができる.領域の設定がされている場合は領
域内の震源が対象となる.出力形式は全ての項目を含む
表示中の震源要素のリストを画面またはプリンタに出
ものと省略形式の 2種類がある.画面への表示はターミ
--E't内4aq
nw-------
n - F E P E F E F E F E P包
7
6
5
1
1
.•••.
.
.
.
.
.
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深さ
6
0
4
2
3
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・
・
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1
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1図)
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¥tノ -qdqdqdqd司dqd
.
.
.
.
.
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7 震源リスト出力(第2
ーi''''-----.,
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0
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ヌ -33 223
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:
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1図 震 源 J
:
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9
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倒的 0
50
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40
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40
類である.
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hkz'-hU u
開
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-︽ huhuhUAU
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9
3S N
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第2
9
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, HMhu-au守au守aqaqa﹃aq
1
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パH - h ヨ 向 宮 内 ヨ 向 宮 内 3 n 3
判明
不 -n3n車両事由司自耳目司
・1・E ' E・E・
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0 EJ-'t
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4
5
Xウインドウシステムを用いた地震活動解析プログラム 5
1
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圏直冨il'GD'Ji
UUU 1 817持 続 完 結 税 務 員 点 を 指 示 し
;)議長国民参説得色濃品ます・
2 3
タ設タ源リラメ
中領+宮合をのパ
ボ域ボ震クパラ
ン定ン分ツメ一
今
ポ上司令が表
使ル源も
4
卜源指さ消
時布ク一タ
取シしまま
の図すタの
消ンたすす
す宥濃度
ま位点一
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ン震﹂木は
いのがう
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.でしク
コ
内
4 嘆す
E
ボのク
こ、リ
のそツ
ン源る
a
-
-
と
底龍盟関躍l
クリック:マウスのボタンをすばやく押して離す操作
ドラッグ:マウスのボタンを押したままマウスを移動す答操作
第2
2図 操 作 説 明 の 表 示 例
4
.19 操作説明の表示.(第 2
2図) フォーラム. 9
1講演予稿集 .28,5
7
各機能毎に操作説明を画面上に表示するオンラインヘ 石川有三・松村一男・横山博文・松本英照(19
85:SEIS-
)
ルプの機能があり,ホップアップウインドウに説明文を PCの開発一一概要一一,情報地質, 1
0, 19-3
4.
表示できる. 宇津徳治(19
65):地震の規模別度数の統計式 l
ogn=a
-bMの係数 bを求める一方法,北海道大学地球物理
~ 5
. おわりに
学報告, 1
3,99-103.
開発を始めてから現在まで約 4年が経過したが,順次 勝間田明男(19
92):EPOSにおける地震関連データ表
機能アップしながら現在に至っている.筆者にとってこ 示用ツールの開発,験震時報, 5
5, 1
07-1
25.
のプログラムが Xウインドウを使用する初めての例だっ 勝間田明男・横山博文・佐久間喜代志(19
92):EPOS
たため,最初はなかなか思うようにならず苦労した. し における地震関連データベースの整備,験震時報, 5
5,
かし,このプログラムは Xウインドウ利用の特徴的な機 89-94.
能の大部分を使用しでいるため,最近のプログラム開発 綴瀬一起・吉井敏魁:クライアント/サーバ型地震活動、
では,このプログラムの一部を切り取って組み合わせる 度データベースシステム:SiesView,地球惑星科学
ことで短期間に完成できることも多い.また,開発を始 関連合同学界 1
994年合同大会予稿集, 1
11-P8
4,3
42
めた当時は利用できるワークステーションは l台だけだ 小竹美子,吉田満・佐藤泰夫・浜田和朗(19
75) 日本
ったが,その後様々なシステムに UNIXワークステーシ および世界地図を描くためのテ'ィジタル・マッププロ
ョンが使用されるようになり,異なったメーカや OSの グラム,地震研究所量報, 5
0. 53-72.
ワークステーションをネットワーク接続して使用するよ 地震予知情報課(19
96) 新 EPOSの紹介,地震火山
うになった. このため,最近の改造では,移植性を考慮 技術通信, N
o.
71 1-11
,
して,個々のハードウェアや OS等のシステムに依存す 鶴岡 弘(19
95) :W Sにおける地震活動解析ソフト
る部分をハードコーデインクーから, リソースによる記述 の開発,地球惑星科学関連学会 1
995
年合同大会予稿集,
で対応できるようにし柔軟性を持たせるようにしてい -P6
Z: 2, 6
49.
る.今後も更に改良を加え,より使いやすくして行くつ 鶴岡 弘(19
95) ワークステーションを用いた地震
もりである. 活動解析ソフトの紹介,日本地震学会ニュースレター,
参考文献 Vol
.7, N
o.4
. 45-46.
石川有三・中沢博志(19
91)テ'ィジタイザーを使った Gutenberg B
., C.F. Ric
hter( 195
6): Magnjtude
地図逆変換プログラム一一海溝軸等のディジタル化へ andEnergyofEarthquakes,Ann.Geofis,9,1-
の応用一一,第 2回日本情報地質学界講演会ジオイン 1
5.