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アクティベート ・ リーフ No.

639

PASS
私 は自分の席に座り、離陸を
待ちました。背中は痛むし、
どもがいて、家を離れるのは娘で
5 人目なのです。もう慣れている
手足は棒のようです。帰国するた はずなのにと思っても、やはり、
めに、まず空港まで車で 5 時間、 心に穴が空いたようなあの気分

IT
そして飛行機の最初の区間ですで が押し寄せてきます。ヒリヒリす
に 2 時間かかっています。これ る目で涙をこらえ、この感情には
からまた窮屈なエコノミー席に 5 屈しまいと心に決めました。
時間も座るのかと思い、気が重く  飛行機が滑走路へと走行する

ON
なりました。 間、 目を閉じて心をイエスに向け、
 まだ 18 歳にならない娘のこと 無事なフライトと、愛する娘や他
が頭をよぎりました。しばらくの の子どもたちの保護のために祈
あいだ年上の兄弟と一緒に住む りました。そして、イエスがいつ
よう娘を連れて行った帰りだっ も守っていてくださることを感
たので、寂しくなってしまいまし 謝したのです。すると、イエスの

次の人へ た。娘が家を離れるのは初めての
ことで、もうそばにいないのだと
考えるだけで、私の心は痛みまし
静かなささやき声が心に聞こえ
ました。先に家を離れて行った 4
人の兄たちの場合と同様、この娘
た。でも、そう感じたのは初めて についてもすべてがうまくいく
リリア・ポッターズ
のことではありません。6 人の子 よと。
 その間、飛行機は離陸して上昇  それから食事が配られ、二人で ほんの少し前まで娘のことを思っ
し、じきに水平飛行に移りました。 少し話をしました。乗務員がト て寂しく感じていたこの私とまっ
 私は神からの保証の言葉を聞 レーを回収した後、母親はちょっ たく同じ気持ちを味わっていたな
き、これまで子どもたちのための と睡眠を取ることにしたのです んて。
祈りがかなえられなかった試しの が、数分後、涙がその頬を一つま  彼女の手を取って、その気持は
ないことを思い出して、平安に包 た一つとこぼれ落ちるのを私は見 わかると告げました。そして、娘
まれました。娘恋しさの涙が感謝 ました。気づかれる前に涙を拭お のことを説明し、少し前に神が
の涙に変わり、神の誠実さと慰め うとしたようですが、すでに見ら 私の心にささやきかけてくださっ
を感謝しました。 れたことを知り、恥ずかしそうな た、慰めに満ちた考え方を教えて
 目を開けると、離陸の時には空 ほほ笑みを見せました。 あげると、彼女は熱心に聞き入っ
席だった隣りの席に、3 歳ぐらい  
「大丈夫?」 ていました。私が、子どものため
の娘を連れた女性が座ってきまし  
「何ともないです。 」そうは言っ に祈って、神が彼らの面倒を見て
た。私は体を伸ばしたかったので、 ても、涙が止まりません。 くださると信じましょうと言った
隣りが空席のままだったら良かっ  私はそっと彼女の腕に触れて、 時には、涙を浮かべながらほほ笑
たのにとは思いましたが、客室乗 聞いてみました。 「何か私にでき みました。
務員は親子のためにその席が必要 ることはあるかしら。 」  その親子と別れた後、私は無事
だったのでしょう。  彼女はなんとか冷静さを保とう にフライトを終えられたことと、
 子どもは疲れていて眠そうで と努めてから、16 歳の息子が留 そんなにも完璧に物事を取り計
機嫌が悪く、母親は苦労している 学するのでアメリカまで連れて らってくださったことをイエスに
ようでした。子どもの頭を支える 行ったところだと説明してくれま 感謝しました。イエスがあの席の
ために私の枕と余分の毛布をあ した。他に 7 人の子どもがいる 配置を取り計らって、ご自身の言
げると、母親は感謝の眼差しを向 のですが、その子は長男で、初め 葉と保証を他の人にも伝えるよう
けながら、8 時間ものフライトの て家を離れた子でした。そして、 にしてくださったのだと、私は信
後なのだと説明してくれました。 すでに寂しくてしょうがないと言 じています。イエスは私たちを両
まもなく子どもは、自分の席から うのです。 方とも慰めたいと思っておられた
母親の膝にもたれて眠りにつき  私は驚いて彼女の顔を見まし のです。
ました。 た。隣り合わせになった女性が、

神が私たちを慰めてくださるのは、私たち あなたがたは、現にそうしているように、
の気持ちを落ち着けるためだけではなく、 励まし合い、お互いの向上に心がけなさい。
私たちが他の人を慰められる者となるよう ― 1 テサロニケ 5 :11
にである。
― J・H・ジョエット(1863 -1923) 主の慈しみは世々とこしえに主を畏れる人
の上にあり・・・。
慈愛に満ちた父、慰めを豊かにくださる ― 詩 編 103 :17
神が・・・あらゆる苦難に際してわたした
ちを慰めてくださるので、わたしたちも 女が自分の乳飲み子を忘れるであろうか。
神からいただくこの慰めによって、あら 母親が自分の産んだ子を憐れまないであろ
ゆる苦難の中にある人々を慰めることが うか。たとえ、女たちが忘れようとも、わ
できます。 たしがあなたを忘れることは決してない。
― 2 コリント 1: 3 - 4 ― イザ ヤ 49 :15

(聖書の言葉は、日本聖書協会の新共同訳から引用されています。)

「アクティベート・リーフ」は、英語の「Activated」誌からの記事を翻訳したものです。その他の記事は、ホームページでご覧頂けます。 http://www.activate.jp
© 2019 Aurora Production, Ltd. All Rights Reserved Translated from English Activated Magazine Vol. 20-2 p8-9 http://www.activated.org

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