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●第 5 回ルーマニア日本語教師会日本語教育・日本語学シンポジウム

(2011年 9 月10―11日,ルーマニア:ブカレスト)

報告者:マグダレナ チュバンカン(「ディミトリエ・カンテミル」大学,主催者)

2011年9月10-11日にわたり、ルーマニア・ブカレスト市において「第5回
ルーマニア日本語教師会日本語教育・日本語学シンポジウム」が開催された。本シンポジウム
は国際交流基金の助成を受け、ルーマニア日本語教師会が主催したもので、招聘講師としてお
茶の水大学の佐々木康子教授をお呼びし、ブカレスト大学において開催された。使用言語は日
本語と英語であった。
第一日目に佐々木康子教授は「語用論における選択の自由 - 日本語の共感とわきま
えの表現について」という講義で共感とわきまえの表現の具体的な例を分析しながら、語用論
的な点はどのように日本語教育で使えるかと詳述した。午後にルーマニア、日本、ポーランド
からの教員による実践報告が行われた。漢字と語彙の知識を増やすための活動、アニメ作成プ
ロジェクト、使役構文の教授の問題点、応用音声指導というテーマに関する発表があり、参加
者は様々な具体的な授業アイディア例や問題点について話し合った。第一日目の最後の部分は
ルーマニアでの CEFR 現在の実行状況を始め、 JFスタンダードの特徴や問題点をめぐってパネ
ルディスカッションが行われた。
第二日目にはルーマニア、スロバキア、フランスからの教員による研究発表が行われ
た。午前中は言語学を中心としたテーマの発表で、午後は日本語教育に関する研究発表であっ
た。それらのテーマは「現代日本語に於ける 『できる 』」、「ほめることば」、「 On
"Expressions of Consideration" in the Japanese and Slovak Way of Refusal 」、「 The Communicative
Approach in the Framework of Integralist Linguistics 」という言語的なテーマから、スロバキア人
の学習者に敬語をどのように教えることについて、大江健三郎のショートストーリーに基づい
た上級の学習者に翻訳方法を教える授業、初級者に擬音語を教える問題点、相づちを教える問
題点という教育的なアプローチまで広い範囲を及んだ。
本シンポジウムではヨーロッパと日本からの教員と研究者が交流し 、アイディアや意
見交換を通して日本語研究と日本語教育に関して様々なことを学ぶことができた。2012年
の春にシンポジウムの論文集も発行する予定である。参加者から同じような学会を行う依頼も
あり、2012年には「第6回日本語学・日本語教育のシンポジウム」を開催する予定である。

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