Pre-Report 僕たちが旅に出る前のこと

Halaman 1
吾輩は猫である。名前はまだ無い。―と仰ったえらい猫がこの国にはいるそうだ。
その猫がどれほどえらかったのか知らないが、僕は名前があるという一点においてのみ、その
えらい猫に勝っている。
もっとも、その名前が気に入っているかどうかはまた別の話である。何故なら僕につけられた
名前は僕の性別に合致していないこと甚だしいからだ。
僕にその名がついたのは五年ほど前だっただろうか。ちょうど僕が成年した頃のことである。
ちなみに、猫年齢を人間年齢に換算する計算式には諸説あるそうだが、生後一年で概ね二十と見
なすということは漠然と共通しているらしい。
僕はその頃、とあるマンションの駐車場に駐めてある銀色のワゴンのボンネットがお気に入り
の寝場所だった。
何故お気に入りだったかというと、そのワゴンの上で寝ていても「シッシッ」などと屈辱的に
追い払われたりしなかったからである。たかがまっすぐ立って歩けるだけのでっかいサルの一種
のくせに、人間というイキモノは傲慢でいけない。
野ざらしで車を置いてあるくせに、猫に踏まれるのは勘弁ならんというのは一体どういう了見
なんだろう。猫にとって踏みしめられるところはあまねく天下の公道だというのにね。うっかり
ボンネットに足跡なんか残すと、奴らはやっきになって追い立てに来る。
ともあれその銀色のワゴンのボンネットは僕のお気に入りの寝場所だった。僕が初めて迎えた
冬、お日様にぽかぽか温められたボンネットは実に具合のいい床暖房になっていて、昼寝に重宝
したものだ。
やがて春がやってきて僕はめでたく季節を一巡り渡り終えた。猫にとって春に産まれるという
ことは大いなる幸いである。猫にとって恋のシーズンは概ね春と秋の二回だが、秋産まれの子猫
はそのほとんどが冬を越えられない。
ぽかぽかのボンネットでぐるりととぐろを巻いていると、ふと暑苦しい視線を感じた。ちらり
と薄目を開けると―ひょろりと背の高い若い男がとろけるように眼を細めて僕の寝姿を眺めてい
た。
「お前、いつもここで寝てるの？」
まあね。何か文句ある？
「かわいいなぁ」
まあね。よく言われるよ。
「触っていい？」
そいつはごめんこうむる。シャ、と軽く前足を振り上げて威嚇すると男はケチと唇を尖
とがらせた。
そんなこと言われたって、寝てるときになでくり回されたらお前だって鬱陶しいだろ？
「タダじゃ駄目ってことかな」
お、なかなか分かってんじゃん。安眠を妨げるからには何らかの代償がないとね。僕がひょい
と頭を持ち上げて見やると、男は提げていたコンビニ袋をがさごそやりはじめた。
Halaman 2

「猫が食べるようなもの、あんまり買ってないんだよなぁ」
何でもかまいませんよ、野良ですから選り好みしませんよ。そのホタテの紐ひもなんかいいんじ
ゃないですかねえ。袋から頭が飛び出したパッケージをくんくんやると、男は苦笑しながら僕の
頭をぽんと叩いた。おいおいフライングだぞ。
「体に悪いから駄目だよ。それにピリ辛だぞ、これ」
体に悪いってお前さぁ。明日をも知れぬ野良に健康を気づかう余裕があるとでも？今、この
瞬間におなかが膨れるほうが大事だよ。
男は結局カツサンドからカツを抜き、衣をはがして手のひらの上に差し出した。直に食べろっ
て？そんなんで距離ちぢめようったってその手には―でもこんな新しくて食いでのある肉は
そうそういただけないので、まあ妥協してやってもいい。
カツをむしゃむしゃやっていると、顎の下から耳元にそろりと指が潜り込んだ。空いていた男
の右手だ。そのまま耳の後ろをそっと搔く。食べ物をくれた人間には束の間のお触りを許可して
いるが、この男はかなりの手練れだ。
もう少し寄越したら顎の下もくすぐってかまいませんよ。男の手にすりっと頭をすりつけると、
―チョロいもんである。
「ただのキャベツサンドだよ、これじゃ」
男は苦笑しながら二切れ入ったカツサンドの最後のカツも衣をはがして差し出した。別に衣は
つけたままでもかまわないんだけどね、その分おなかが膨れるから。
お布施の分だけたっぷりなでさせてやり、そろそろお店おしまいの頃合いだ。
また前足を振り上げて追い払おうかと思ったとき、
「じゃあまたな」
男は一瞬早く手を引いて立ち去った。そのままマンションの階段を上っていく。
いやはや、タイミングもなかなか手練れだね。
初対面はこんな感じで、この男が僕に名前をつけるのはもうちょっと後の話になる。
銀色のワゴンの下には、毎夜カリカリが盛られるようになった。後ろのタイヤの陰にちょうど
人間の手で一握り、猫の一食分としては充分な量だ。
マンションの階段を上っていったあの男が夜中にふらりと出しにくる。僕が居合わせたときは
引き替えにお触りをもぎ取っていくが、僕がいないときでもお布施は慎ましく供えてある。
他の猫に先に食べられてしまったり、あるいは男がどこかに出かけているのか朝まで待っても
カリカリが出ない日もときどきはあったが、概ね安定して一日一食は食べられるようになった。
まあ、人間なんて気まぐれなものだから、完全に依存はしないけどね。ライフラインをあちこち
に分散させておくのは野良のたしなみですよ。
つかず離れずの顔見知り。男との付き合いがそういう距離感に落ち着いた頃―僕らの関係を
大きく変える運命が訪れる。
運命は大いに僕に痛かった。
夜中に道路を渡っていると、カッと車のライトに照らされた。ぱっと走り抜けようとしたら、け
たたましいクラクションが鳴った。それがよくなかった。
Halaman 3

驚いて一瞬ダッシュが遅れた。余裕で逃げ切りのはずが半歩足りずに巻き込まれた。バンッと
すさまじい衝撃に撥ね飛ばされて―一体何がどうなったやら分からない。
とにかく気づくと道路脇の植え込みの中に突っ込んでいた。生まれてこの方、経験したことが
ないくらい体中が痛い。ああ、でも、生きてる。
やれやれヒドイ目にあった―と立ち上がろうとして、ギャッと叫んだ。痛い痛い痛い！右
の後ろ足が尋常じゃなく痛い！
へたり込んで怪我を舐めようと上半身をひねると、―いやん。骨が飛び出してるよ。
嚙み傷、切り傷なら大概ひどいものでもこの舌一枚で何とかしてきたが、こうなるとちょっと
無理だ。足から飛び出しちゃった骨はすさまじい痛みで存在を主張する。そんなに主張しなくて
いいってくらい。
どうしよう。どうしたらいい。―誰か。
誰か助けて、なんて。野良に助けてくれる誰かなんているわけないのに。
それでも僕はそのとき、毎夜カリカリを貢ぎに来るあの男を思い出しちゃったのだ。
あいつなら助けてくれるんじゃないか、なんて。つかず離れず、お布施に応じてお触りを許可
しているだけの付き合いなのに、どうして。
僕は骨の飛び出した右後ろ足を引きずって歩き出した。地面に足を引きずるだけで骨に響く。
途中で何度も腰が抜けた。もう駄目、もう無理、これ以上一歩だって歩けない。
あのマンションからそれほど離れたところへ出かけていたわけではないのに、銀色のワゴンの
前にたどり着いた頃には空が白みかけていた。
もう駄目、もう無理、これ以上一歩だって歩けない。今度こそガチ。
僕は声を限りに鳴いた。
い・たい！
何度も何度も声を張り上げ、やがてその声も尻すぼみになっていった。声出すのも響くんだ、
正味の話。
そのとき、マンションの階段を誰かが降りてきた。顔を上げるとあの男だった。
「―やっぱりお前か」
男は血相を変えて僕に走り寄った。
「どうしたんだよ、車に撥ねられたのか？」
恥ずかしながらちょいとヘマしてね。
「痛いか？痛いよな」
当たり前のこと訊くなよ、怒るぞ。怪我した猫をいたわれよ。
「すごい切羽詰まって呼ぶから目が覚めたんだ。―呼んでたよな、俺のこと」
呼んだ呼んだ超呼んだ。若干遅いよお前。
「……俺なら何とかしてくれると思ったんだよな」
不本意ながらね、と斜にかまえようとしたが、男は何でか洟はなをすすり上げたんだ。何で泣く、
そっちが。
「えらかったな、俺を思い出して」
猫は人間みたいに泣かない。だけど―何でか、泣くって感じが分かるような気がした。
Halaman 4
もう駄目だって思ったとき、思い出したのはあんただったんだ。ここまで来たら何とかなるっ
て思ったんだ。
なあ。あんたは何とかしてくれるだろ？痛くて痛くてたまらないんだ。
痛すぎて恐いんだ。僕、どうなっちゃうの？
「よしよし、もう大丈夫だからな」
男はふわふわのタオルを敷いた段ボールに僕を詰めて、銀色のワゴンに乗せた。
向かった先は動物病院だ。そこが僕にとって一生の鬼門となった詳しいいきさつは省く。大抵
の動物にとって病院というものは、最初の訪問で二度と来たくないと思わしめるものなのだから、
僕のケースをくどくど語ることには何の意味もない。
怪我が治るまで僕は男の部屋に身を寄せることになった。こざっぱりとした部屋だった。男は
そこに一人で暮らしていた。風呂場の脱衣所に僕のトイレが置かれ、台所には僕の餌皿と水鉢が
置かれた。
こう見えても僕はかなり頭がよくて行儀のいい猫なので、トイレの使い方も一発で覚えて粗相
なんかしなかった。爪だって研ぐなと言われた場所では研がない。壁や柱は困るようなので家具
や絨毯でん研ぐようにした。家具や絨毯だと男はどうしても駄目だとは言わなかったのだ（最初
の頃はちょっと悲しそうな顔をしていたけれど、僕は空気を読む猫なので絶対に駄目なこととそ
うでないことは嗅ぎ分けられる。家具と絨毯は「絶対」に駄目ではない）。
骨が繫がって抜糸をするまで二ヶ月くらいかかっただろうか。僕はその間に男の名前を知った。
ミヤワキサトル。
サトルのほうは僕をずっと「お前」とか「猫」「猫さん」などそのときどきで気ままに呼んで
いた。僕には名前がないのだから当然だ。
もし名前があったとしても、サトルに僕の言葉は分からないのだから伝えようもない。人間って
不便だね、自分たちの言葉しか分からないんだから。実はその辺、動物のほうがずっとマルチ
リンガルなんですけど皆さんご存じ？
サトルは僕が外に出たがる度に眉の下がった困り顔で説得にかかった。
「お前、外に出たらもう戻ってこないかもしれないだろ？治るまで我慢してくれよ。一生足に
糸が入ったままだったら困るだろ？」
ちょっと響くのを我慢したら普通に歩けるようになっていたので、足に糸が入ってたからって
何か困ることがあるとも思えなかったけど、とにかくサトルがとても困った顔をするので散歩は
二ヶ月我慢した。引きずる足でライバル猫と喧嘩になったりしてもつまらないしね。
やがてすっかり怪我が治った。
僕はいつも困った顔で引き止められていた玄関で出せと鳴いた。今までご苦労、君の献身には
大いに感謝する。
お前だけは今度からお布施がなくてもなでさせてやるよ、あの銀色のワゴンの上で。
サトルはそのとき、困った顔ではなくて悲しそうな顔をした。家具や絨毯とおんなじだ。絶対
に駄目ではないけど、でも。そんな顔。
「やっぱり外のほうがいいか？」
おいおい、そんな―泣きそうな顔すんなよ。
Halaman 5

出てくのが寂しくなっちゃうじゃないか。
「うちの猫にならないかなって思ってたんだけど」
その選択は正直なかったな。というのは、僕は生粋の野良なので、飼い猫になるという発想が
まったく浮かばなかったのだ。
怪我が治るまでは世話になるけど、怪我が治ったら出ていくつもりだった。―いやちょっと
違うな。出ていかなくちゃと思ってたんだ。
どうせ出ていくなら、そろそろ出てけよって追い立てられるより自分でサッと出ていくほうが
スマートじゃないか。猫はスタイリッシュなイキモノなんだ。
ここんちの猫になっていいなら―それならそうと早く言えよ。
サトルが渋々開けたドアから僕はするりと滑り出た。そしてサトルを振り返ってニャアと鳴く。
―来なよ。
サトルは人間としてはかなり猫語の勘がいい男なので、僕の言うことが分かったらしい。少し
戸惑いながらも一緒についてきた。
月の明るい夜だった。街はすっかり静まり返っていた。
銀色のワゴンのボンネットに飛び乗り、回復した自分のジャンプ力にほれぼれする。次は地面
に下りて心ゆくまでごろごろ。
近くを通り過ぎた車にしっぽがぶわっと爆発した。骨が飛び出すほど撥ね飛ばされた恐怖は体
に染みついてしまったらしい。僕は気がつくとサトルの後ろに隠れていて、サトルはそんな僕を
見て愛おしそうに小さく笑った。
サトルをお供に近所を一巡りし、僕はまたマンションに戻った。二階の一番手前のドアの前で
ニャアと鳴く。―開けてよ。
見上げたサトルは泣き出しそうな顔で笑っていた。
「ここ帰ってくるんだ、お前」
うん。だから早く開けてって。
「うちの猫になるのか、お前」
うん。でもたまに散歩くらいは行こうよね。
こうして僕はサトルの猫になった。
「お前にそっくりな猫、子供の頃に飼ってたんだよ」
サトルは押し入れからアルバムを出してきた。
「ほら」
アルバムはある一匹の猫の写真で埋め尽くされていた。僕は知ってるぞ、こういうことをする
人間は猫ばかっていうんだ。
写真の猫は確かに僕に似ていた。体はほとんど白くて、色は顔としっぽだけ。顔にぶちが二つ
入っていて、しっぽは黒いカギ。
しっぽのカギの向きだけ逆だったが、顔のぶちの入り具合はそっくりだ。
「額に八の字の形にぶちが入ってるから、ハチって名前だったんだ」
何という安直なネーミング。僕にはどんな名前をつけるつもりかちょっぴり心配になる。
Pre-Report Before we go on a trip

Halaman 1

I am a cat. There is no name yet. - I heard that the baby cat who said that I will enter this country.
I do not know how big the cat was, but only at one point that I have a name
I am winning a big cat.
Whether or not you like that name is another story. Because it was attached to me
It is because the name is not very consistent with my gender.
I wonder if I got that name about five years ago. It was about my age.
By the way, there seems to be various opinions in the formula to convert the cat age to human age,
but it seems vaguely common to regard it as roughly twenty in one year after birth.
At that time, I love the silver wagon bonnet that I have in a certain mansion parking lot
It was a sleeping place.
If you say why you were favorite, even if you are sleeping on that wagon, "humorously"
It was because he was not driven away. For a kind of huge monkey who can walk by walking
straight ahead, Ikimono, a human being, can not be arrogant.
While I'm putting a car in a frenzy, what a heck of what it means to be troubled by a cat
I wonder what. Even though it is said that the place where you can be stepped on for cats is a
public road under heaven. If you carelessly leave footprints on the bonnet, they will come and get
caught up in the air.
Anyway the bonnet of the silver wagon was my favorite sleeping place. I came for the first time
Winter, the bonnet warmed warmly by the sun has become a really good floor heating and it was
useful for a nap.
Spring eventually came and I finally ended over the seasons. For cats to be born in spring
It is greatly fortunate that it is. The season for love for cats is roughly two times, spring and
autumn, but most of autumn-borne kitten can not cross winter.
When I was wrapping a sparrow tuna with a warm-hearted bonnet, I suddenly felt a hot gaze.
Glance
And as I opened it, I looked down at my sleeping posture, narrowing my eyes so that a tall young
man could melt.
"Are you always sleeping here?"
Well. Do you have any complaints?
"cute"
Well. It is often said.
"Can I touch?"
I'm sorry for that. Sha, when lightly raising his forefoot and intimidating the man, his mischief
stingy and lips a cusp
I made it.
Would you say such a thing, are you gloomy if you are stroked when you are asleep?
"Is not it useless if you're free?"
Oh, you know quite well. I do not have any price to disturb sleeplessness. I will stay
He lifted the head and looked at him, and he began to sprinkle the convenience store bag he was
holding.

Halaman 2

"What cats like to eat, they do not buy it very much"

You do not mind anything, I do not like it because it is wild. I guess you do not like the scallops'
strings. When I started kicking the package out of my bag, the man smacked my head bitterly with
a bitter smile. Hey, hey, it's flying.
"Because it's bad for yourself, it's useless, and it's spicy, this is it."
You said you are bad for your body. Even you can afford to notice unnoticed wild tomorrow
afternoon? Now, this
It is important that the stomach swells in the moment.
In the end the man took off the cuts from the cutsand, peeled off his clothes and handed it over
the palm of the hand. Eat straight away
Which? With that in my hands I will calm down, but - but such a meat with such a new meal is
Oh well so you can compromise well.
While I was pissing off my cuts, my fingers slipped into my ear from under my chin. The man who
was available
It's the right hand. Continually gouge behind the ears. The man who gave me food is allowed to
touch in a matter of time, but this guy is quite handsome.
You can tickle under the chin if you let it a little more. If you scratch your head to the hands of
men,
- Choromaimon is.
"It's just a cabbage sandwich, is this?"
With a bitter smile, the man cut off his clothes and presented the last cut of the two cut corsets.
Separately clothes
I do not mind keeping it on, but because I get hungry for that much.
It is just about time for the store to finish as soon as it is enough for the offer.
Also, when I thought about raising my forefoot and chasing away,
"Well then,"
The man pulled his hand a little early and walked away. Leave the stairs of the apartment as it is.
No, the timing is pretty handsome.
The first meeting is like this, it is a bit later story that this guy names me.
Beneath the silver wagon, crispiness started to be served every night. Just behind the tire behind
A handful of human beings is enough for serving as a serving of cats.
That man, who climbed the stairs of the apartment, came out strangely at midnight. When I was
present
I will take away your touch in exchange, but even when I am not there, my offering has been
carefully rendered.
Even if other cats have eaten first, or if a man is somewhere to wait until the morning
Sometimes there was no crispy, but it was almost stable and I was able to eat one meal a day.
Well, human beings are fickle things, so they do not depend entirely. Distribution of the lifeline
around here is a case of wild grass.
I will not leave without knowing my face. When my relationship with a man settled down to that
kind of distance - our relationship
A fate destined to change drastically.
Destiny hurt me a lot.
As I crossed the road in the middle of the night, I was illuminated by the light of the car. I was
trying to run through, a shaky horn rang. That was not good.

Halaman 3

I was surprised and the dash was delayed for a moment. I was caught in a missing half a step that
should be riddled with enough time. Ban
It was blown off by a tremendous shock - I do not know what the matter was going to do.
Anyway when I noticed it, I was stuck in the side of the roadside. Those who were born and
experienced this
There is not a pain in my body. Oh, but I'm alive.
I was caught up in the eyes of a bad man, - he tried to stand up and cried out. Ouch pain hurts!
right
His hind leg is painful, not painful!
I twisted my upper body trying to get caught injured and lose it, - no. Bones are popping out.
Even if it is a scarred wound or a cut, mostly terrible things have managed with this one tongue,
but as soon as this happens
It impossible. The bones that jumped out of their feet assert their existence with tremendous pain.
I did not claim that much
It is good.
What should I do. what should I do. -who.
Someone help me, how. Even though there is no one who can help the stray.
Nevertheless I recalled that guy who came to crisp every night at that time.
I wonder if he can help me. Do not leave behind, allow touching according to the offer
I just have a relationship, why.
I started walking by pulling the right hind leg out of the bone. Echoes to the bones by dragging
their feet to the ground.
My hips went through many times on the way. I can not walk anymore, I can not walk any more.
Even though I was not leaving so far from that apartment, the silver wagon
By the time we arrived before the sky was appearing white.
I can not walk anymore, I can not walk any more. This time is a must.
I rang my voice to the limit.
Ouch!
I raised my voice over and over again, and that voice eventually turned into a slender ass. Echoing
voices also sounds,
A net story.
At that time, someone came downstairs in the apartment. Raising his face he was that man.
"- After all you?"
The man changed his blood line and ran to me.
"What's wrong, were you hit by a car?"
Please bear with me embarrassingly.
"Does it hurt? Do it hurt."
Do not ask me why, I will get angry. Pare the injured cat.
"I woke up because it was really amazing and calling. - You called me, that's about me."
I called you called, I called you super. You are a bit late.
"... ... I thought that I managed to do something"
Although I was reluctantly trying to catch the diagonally, the man got squeezed out some stuff.
Whatever cries,
That way.
"You got it, remember me"
A cat does not cry like a human. But - I felt like I could tell the feeling of crying.

Halaman 4

When I thought that it was useless, I remembered you. I will do something if I get here
I thought.
Hey. You do manage somehow, do not you? It hurts because it hurts and it hurts.
I am afraid and I am afraid. What am I going to do?
"Okay, good, it's all right now."
The man stuffed me in a corrugated cardboard with fluffy towels and put it on a silver wagon.
My destination is an animal hospital. I will skip the detailed explanation that made it a lifetime
monster to me. usually
For animals of hospitals hospitals are supposed to think that they do not want to come again in
the first visit,
There is no point in talking about my case.
I decided to put myself in the man's room until the injury was healed. It was a rough room. men
are
I lived there alone. My toilet was placed in the bathroom clothing room, and in my kitchen my bait
plate and water pot
It was put.
Even if I look like this I'm pretty smart and well behaved cat, so I can remember how to use the
toilet in one shot
I did not do anything. There is no sharpening in places where it is said that even nails will not
sharpen. Since walls and pillars seem to be troubled, furniture
I tried to sharpen carpets. In the furniture and carpets the man never told us that it would not be
useless (In the beginning I had a slightly sad face, but because I am a cat reading air, absolutely
useless things and nothing Furniture and carpets are not "bad" to absolute).
It took about two months until the bone drew out. I knew the man's name in the meantime.
Miyawaki Satoru.
Satle's way I called you forever like "you", "cat", "cat" etc.
There was. It is natural that I do not have a name.
Even if there is a name, I can not tell it because I do not understand my words in Satoru. Humans
are inconvenient, only because they understand their own words. Actually the neighborhood, the
animal has always been multi
I am Lingual but you all know?
Every time I wanted to go out, Satoru came upon persuasion with a troubled face that my
eyebrow had dropped.
"You, maybe you will not come back if you go out, do not you endure it until you get over it.
I'm in trouble if the thread is in it? "
Because I was able to walk normally as I put up with a little echo, because it was because the
thread was in my leg
I did not think there was something to worry about, but since Satoru has a very troubled face
anyway, the walk
I endured it for two months. It is boring even if you fight with a rival cat with a dragged leg.
Eventually the injured healed.
I always ran out at the entrance which was held in trouble by a troubled face. Trouble up to now,
to your devotion
I greatly appreciate it.
Even if you do not have an offer from this time only you, I will let you go on that silver wagon.
At that time, Sattle did not look embarrassed but looked sad. It is the same with furniture and
carpets. Absolute
Although it is useless, though. Such a face.
"Would you like to get out of the house?"
C'mon, such a thing - do not cry face.
Halaman 5

Will not you miss going out?

"I was wondering if I could be my cat."
That choice was honest. Because I am a raw wild soul, the idea of becoming a domestic cat
It did not come out at all.
I will take care until my injury is healed, but I planned to leave when my injury is healed. - No, hey
It is different. I thought I had to get out.
If it goes out anyhow, it is better to go out by myself than to be departed soon
Is not it smart? Cat'm stylish creatures.
If you can be a good cat here - say so fast.
I slid smoothly from the door where Satoru opened it carelessly. And without the Nyaa back the
subtle.
- Come here.
Satle seems to have understood what I say because it is a man of intelligent cat language as a
human being. a little
I was confused but I came with him.
It was a bright night of the moon. The city was quiet down.
Jump onto the hood of the silver wagon and jump into the recovering jumping power. Next ground
Go down to the spirit to your heart 's content.
The tail blasted and exploded into a car that passed by. Fear that was blown off as the bones
popped out is the body
It seems that it got stuck with it. As I noticed, I was hiding behind Sattle, and Satoru said me like
that
I smiled a little small looking.
I accompanied Satoru around the neighborhood and I returned to the apartment again. In front of
the front door on the second floor
Crying with Nyaa. - Open it.
Sattle I looked up was smiling with a face that seemed to cry.
"You come back here, you?"
Yup. So open quickly.
"Will you become our cat, you?"
Yup. I think will go a long occasionally walk even.
In this way, I became a cat of Sattle.
"A cat that looks exactly like you, I kept it when I was a child"
Satoru has released an album from the closet.
"Here,"
The album was filled with a picture of one cat. I'll know, to this kind of thing
A human being is a cat idiot.
Photo of the cat was certainly similar to me. The body is almost white, the color is only face and
tail. Two on one's face
The tail is a black key.
Only the direction of the key of the tail reversed, but the fit of the face is exactly the same.
"The forehead has a figure in the form of a figure eight, so it was a name of a bee"
What a frank naming. I am a little worried about what kind of name I am going to give.