Professional Documents
Culture Documents
Yusaku - Yozuka and Hiroyuki Arakawa. Second-Order Wave Forces Acting On A Semi-submerged-Cylinder in Irregular Wave)
Yusaku - Yozuka and Hiroyuki Arakawa. Second-Order Wave Forces Acting On A Semi-submerged-Cylinder in Irregular Wave)
不規則波中の半没円柱に働くニ次の波強制力について
経 塚 雄 策 . 荒 川 慶 行
概 要
不規員リ波中の半没円柱に働く波強制力について摂動法に基く二次までの理論計算と
実験の結果が比較される. 理論計算は二次ポテンシャルを厳密に取りいれており,二次
の自由表面条件の取り扱いに留意すできことが強調されている. また,精度の高い実験
\
結果を得るための工夫についても述べる. :
1 . は じ め に .
波浪中で動揺する船舶お h いは海洋構造物に働く二次の流体力は一般に一次のものに比較して微小で
あると認識されている. しかし,近年の海洋構造物は位置保持のために係留されることが多く,そのため
左右揺(あるいは前後揺)の中に長周期運動と呼ばれる大変位運動が発生し,この原因が二次の流体 力に
よるものであることから多くの理論的.実験的研究がなされてきた I). その結果,係留された海洋構造物の
長周期運動に関してはいわゆる P i nk ste r の近似引などによってかなりの精度で実際の現象が推 定可能
となってきたが,二次の流体力が関与するのは左右揺の長周期運動に留まらない. 例えば,宝田引 3),
半潜水式海洋構造物に生ずる大角度の定常傾斜の主要な原因として波浪のデ次の上下カを挙げ ているし,
Herfjord ら.)は海洋構造物の要素部材の疲労に関係して二次の流体力の高調波成分を考えて
しュる.
従って,一般的には微小と考えられる二次の流体力ではあるが,それが選択的に同調現象を引き起こ
す場合には大変重要であると考えられる.
これらの二次の流体力を統一的に取り扱う理論的研究も Lee3, Parissis らの二次元物体の上下揺の
問題から始まり,他のモードの動揺や散乱問題へと拡張され,最近では三次元問題についても研究され て
いる. 二次元問題について,それらの理論計算の結果を比較してみると,いわゆる放射問題について はい
ずれの解法によってもよくまとまっているのに対して. 入射波中の散乱問題については一致が悪い.この原
因は. 二次の自由表面条件の取り扱いが研究者によって異なっているためであり,ニ次元問題で
. 九州大学助教授,応用 力学研究所
t 九州大学助手,応用力学研究所
152 経塚. 荒川
は-二次の n 由表面条件が減哀することなく無限遠方まで存在することが正当に考慮されていないためと 考
えられる. 著者の--人は,この点に関してグリーンの定理を適用し,二次の流体力を自由表面上での 積分
として求め. 振動する積分値の平均値を採用したが力,この方法は数学的な極限操作と変わることな (,Mia( ,
ら田のイン、t ルス関数を考える方法と全く同一であるにもかかわらず両者の結果の一致は悪い.:二次の
『堺題では,数綾計算に頼らざるを得ない側面があり,解法の違いが結果に影響したとも考え られるが(言頼で
きる実験娘との比較が望まれている.
-一方,実験的な研究については田才.小寺山の二次元柱体の上下揺、、,経塚の左右揺 G) など放射問題に対
すろ報告はいくつかみられるが,散乱 r 切題については波漂流力の計測を目的としたもの以外は経塚『与 井上
ら、1‘が報告しているにすぎない. (土木工学の分野では. 浅水域に固定された鉛直円柱に働く二次の波力
をめぐって多くの理論的実験的研究がなされている)このうち,井上ら II‘の研究は没水柱体に関するも
のであり必然的に 2 次ボテンシャルが流体力に及ぼす影響は小さくなってしまうので,理論の検証 を行う
という意味ではあまり適当とは思われない. また,経塚の実験は長さが 9m の水槽で行なわれて いるので,
反射波の影響などが気がかりであり,実験結果の信頼性を疑問視する向きがあることも事実である.
そこで本研究では,上記の問題点を含めて二次元半没円柱に働くニ次の波強制力の一信頼性の高い実 験
結果”を得ることを目的とし,規則波および 2 成分中での結果について報告する.ここでは,津屋崎 海
洋災害実験所の小水槽(L X B X d = 6 O m X l . 5 m X l . 2 m )で実験したので低周波数域まで安定した実験計測
可能であり,精度の高い結果が得られたものと信じている. また. 二次元の実験では位相差を求め ること
が一般的には難しいと考えられるが,ここではそれが可能となるように実験的な工夫を行った. なお,一般
の不規則波についても実験を行ってみたが,不規則波の発生法と解析方法について若干の問 題点があった
と思われるので今繊の報告では割愛することにした.
2. 不規則波中のニ次の波強制力の計算法
図 1 のような座標系をとり,原点に拘束された半径 b の半没円柱が x 軸正方向から入射波を受ける問
題を考える.流体は完全流体とし,水深無限大と仮定する.このとき,速度ボテンシャル中(x, y. t)を使っ
て問題を記述すると以下となる】
EL」ア。-(予+券
)。-0inD
[F)。t(- g ら+2V0、亀,士;α ヤ。「の
=0 on y=り(x.t)
は二次の自由表強条件が減衰することなく無限遠方まで存在することが正当に考慮されていないためと考
えられる.著者の一人は,この点に関してグリーンの定理を適用し,二次の流体カを自由表面上での 績分
として求め,振動する積分値の平均値を採用したが了 1,この方法は数学的な極限操作と変わることなく,M
i a o ら田のインパルス関数を考える方法と全く同一であるにもかかわらず両者の結果の一致は悪 い. 二次
の問題では,数値計算に頼らざるを得ない側面があり,解法の違いが結果に影響したとも考え られるが信頼
できる実験値との上ヒ較が望まれている.
一方,実験的な研究については田才.小寺山のニ次元柱体の上下揺 9),経塚の左右揺、のなど放射問題に対
する報告はいくつかみられるが. 散乱問題については波漂流力の計測を目的としたもの以外は経塚叱井上
ら、1、が報告しているにすぎない. (土木工学の分野では,浅水域に固定された鉛直円柱に働く二次の
一一一
波力をめぐって多くの理論的実験的研究がなされている)このうち,井上ら II、の研究は没水柱体に関する
ものであり必然的に 2 次ボテンシャルが流体力に及ぼす影響は小さくなってしまうので,理論の検証 を行
うという意味ではあまり適当とは思われない. また,経塚の実験は長さが 9m の水槽で行なわれているの
で,反射波の影響などが気がかりであり,実験結果の信頼性を疑間視する向きがあること も事実で
あ る . ー
そこで本研究では,上記の問題点を含めてニ次元半没円柱に働く二次の波強制力の“信頼性の高い実験
結果”を得ることを目的とし,規則波および 2 成分中での結果について報告する.ここでは,津屋崎 海
洋災害実験所の小水槽( L x /3 x d =60m )< 1,5m x L2m )で実験したので低周波数域まで安定した実験計
測可能であり,精度の高い結果が得られたものと信じている. また,ニ次元の実験では位相差を求めるこ
とが一般的には難しいと考王られるが,;ここではそれが可能となるように実験的な工夫を行った。なお,
一般の不規則波についても実験を行ってみたが,不規則波の発生法と解析方法について若干の問題点があ
ったと思われるので今回の報告では割愛することにした.
2. 不規則波中の二次の波強制力の計算法
図 1 のような座標系をとり,原点に拘束された半径 b の半没円柱が x 軸正方向から入射波を受ける問
題を考える.流体は完全流体とし,水深無限大と仮定する.このとき.速度ボテンシャルゆ( x, y, t ) を使って
問題を記述すると以下となる】
[LI マ。-(予+予)'-0'inD
IF」の ら+2「ゆ;ゆ・+1:。(『。;。)
$1-g
=0 on y =り(x,I)
ただし,y=可 x . / )は自由表面変位であり,oil,らなどは添字に関する偏微分を意味するものとする
次に,正則摂動法に従って諸抵が以下のように微小パラメータ d 例えば,入射波高と円柱半幅の比など
)を使っで展開できるものとすれば
0
on y=0
(3)
=-2(中 γ の葺腎叫、、叫 t)+中伊(叫-吉ゆ譜)
ど
また,水面変位については
り(I)==
吉の、、、
(x・0,t)
。‘、・-言ゆ、・,(x,0,力+毒(▽の…)・+き中 9・中
:I)
(4)
となり,他の境界条件は(1) と同様である 1
次に,入射の速度ポテンシザ叱ム((x・y,t)についても((2)と同様に展開できるとし,不規則
波にづいてはいくつかの規則波の重ね合せで表現されるものと仮定すれば,一次のボテンシャルは次
式となる.
ど α・》(x,y,t)ール 1 ま響 e - 膏」…‘X・x・ Wit、 ・ )『= 麗 1 喜雫与-武,jy+1
tJ 一 ‘ W) 、 .' Li ート wJ_
或 ・
一 、波
-\ 数
gK,
属一
x
・妨
t+
一 ・
a
+
一 あ
1
(5)
ただし叫:円周波数、
a1:波振幅.
g :重力加速度,
これに散乱ポテンシャル叫)(x,y,t) を加えて,一次の速度ボテンシャルを
一 Itlj .、ー(よ,.、,'J'1
EW'.'(X, )', t)#K.I E
し.1 叫 1
と叫、‘(X,y)e.w,‘ト
)
(6)
とすれば,(3)の f の項は
の、2)-g 呼・-Re{嘉憲(町。・《・」-W・、・+鉱 a・・町-・ (7)
)・)}・
ただし
従って,二次の速度ポテンシャルの一般解を
の(21(x, y, /)==の 9、(x.y, t)+の r、(x,y, t) (1 の
と分離し. の lp との伊の自由表面条件を
(F l の 濃 一 g の (2) =0
on )'==0 (11)
の呂 1 一 g の(2Ly=Q(、て x, 1
)
とすれぱ,の伊は一次ポテンシャルと同じ条件となり,これをニ次の自由波ポテンシャル,中
伊は二次の
拘東波ポテンシャノヤと称される. の p にマいては,線形問題と全く同じに扱えるのでここではこれ以上考
えない.そこで,の伊をあらためての(2)と書くことにすれば(7 ) , ( 1 1 ) から
_ , m f 、 _ ' ( よ 上 , , . 一 _ 、 . \ . J、一,,,、1
甲、-'(x,y, 1)=尺 el どと(糾 w‘、wj-一、‘+ア五 e‘、一,甲一.1')1
u=I *=1 一一- - . 1
(12)
とかくことができ,(9)に対応して
帰=ーァご,砿='p し (13)
である. すなわち,不規則波中での問題はァ五,呼のような町と C'). の円振動数をもつ 2 成分波中の問
題の解を重ね合わせれば良いことになる.、従って,以下では記述の簡単のために 2 成分波中での問題を
考える.
2 成分波中では,(6)は
の‘、、(x,y, t)=Re{ァ 1(x, y)e"、'+卿(x, y)e'u ま‘}
1
1
11
1
上
りノ
1
I
1
ーり
A
1-
コ
11
叫
(16)
となり,(7)の右辺は
Q (2)=や(QS22+Qi2)e'、山 I'+Q2、e'2 血‘、‘+q、)et(サ:-w、、‘+qZ)e''w、+w、
)'} となる. これを対応して, (12) は一般に
('9)
廻》, , ) - 4 爵知 m の
不規則波中の半没円柱に働くニ次の波強制力について 155
(/ドと fP に対する境界値問題を書き下すと次式となる.
L
F
H
・
、
B
j72/,(2)=0 in D
1-11-Illeel
ー
ー
!(j
1111
(2 の
ー
」
.
1-well
(21)
(K.))+器が-qj on y-0
h j o n C
着 再 2)= 3,4)
(In
urn 早が、雫
-y ー一
ER] uirn
{景,iK}伊-0
ただし
品』#(w.一の 2/ 2 な,脇=(WI +の 21 2 な
) q3(x)
= -缶郷 2‘・轟+K1(K+2K2),・井-,・
紺}
+競鉢 2'1 轟+K2(凡+2K)加‘-画伽
q4(x)=一
(2 ゆ:xtzx+K1(K1+2 屈)ゆ,在一ゆ,り
の 1+の 2 f2)
2 の:
\
こぜと土竺 1 つよ.4._ ..L. LPf ' 山つひ、よよ_よ』1
2 の 2 しし W I X V Z X 1 IIZAIIZI 山 It リ WI W2 一' P I W 切 1
h・-(凡-乙に/<ョ ・需 C-《・・-・:》,・・(・・-・・) h. =0
3. 境界値問題の解法と流体力_
1 次の散乱ポテンシャルを(19)の規格化に従ってゆ d とすれば,単一規則波中の解はプリー
ン関数 G(x, y,; x', y')を使って次式となる.
」 , n 、 _ c c a , I , - \ , , 一 、 J l 一,一 一
'Pd( () → _'c 1 顧 iWdY.IQ )一 cd「 I)筋訂 し(r,v ; バ)asQ
(22)
ただし,
.e-‘サカ面 S 斌言三
G ( P, Q ; K ) =イと log (r1/r2)一告 1uirn
Ip -O
I りK+加
k一
厳
げ島( x - x')2+(y--y')2 , ri# (x-x')+(
y +y 、 )2 P = ( x , y ) . Q = ( x ' , y ' ) , K (23)
=山 2 な
βは Rayleigh の 仮 想 摩 擦
ここで
武 P)毒伽(P)+ゆ‘(P) (24)
ただし,
156 経塚・荒川
ン関数を使って
ゆ(F)→ 刃叉 K)e-心本町,as ズ→土。 (27)
ただし.
p,,一、a 一 1 曽◆ dM4,
I1-(It)=ー工伊(c1jj 厩-eQ------四、
で与えられる.
従って. 2 成分波中の 1 次ボテンシャルは(4),と伽の解を重ね合わせて象められるの t その無限遠
での漸近解を
似 F ) - e - ' 3 ' +破声+i H 5 ( K j ルール‘山三-a s x 二士 00 とすれ 1 ま(21)
の q31 q4 の漸近値は
陥(1
の(x)-.齢{ e'1K 、-耳、 >' + H て K)H+'(Kz)e-'‘ 言 I- Ni)x),as x→+ 00 -. + iHiK))
{ 1 - i H - ' (屈)} r K s -心り.曳鵬 x - - 0 0
(31)は簡単化できるが. f 押ではさらに
(29)
ゆ r)(P)加ゆ冨、(P)+贈(F) (32)
と分け(20)において (3 の
そ一背)(
ゆ伊。 F)-1 Q)
不規則波巾の半没円柱に働く二次の波強制力について 157
[F)l 凡・+言}鶴・-'7・
1 K23 +器耐-0
(33)
'\W」需背・-0-一
嘉醍、-ん
を満足するものとすれば,ゆ W は自由表面条件,ゆ登は物体表面条件に由来するボヲクシャルとなる. 従っ
て,ゆ謝の問題は一次ボテンシャルと全く同様に解けることになる.
さて,( 3 1 ) を解いて再めの分布が求まると庄力分布がベルヌーイの式によって求められる.二次の圧
力分布を p(l} とすれば((16) などに対応して
Pn 、 (x1 y, 1)= =肋(鳶、 +j42)e‘ ユ山、 ‘+ t4 、e'2 り、‘十鳶、 e ''wl -山,、‘+オ)e1‘山、+吋. )'}(34)
とすれ;ま
(36)
ノ
務 ) 寧 - ( ォ ) 井 * 山
C +jC
ただし
dx 立
井、== a 万,flz a冗 =x お一 ya 五
LIC: みみ
浸水面の時間変化
となる
半没円柱については,fl3=0 であり,浸水面の時間変化の項は自由表面と物体が直交するのでその影響
は水平力にのみ現われる. その結果を書き下すと次式となる.
11-r-J Illr
左 -君乞--加糾嘉濡「‘ ー
J
昂
R7》 ci,.コ、I ー,ー,. 一・ (ゆ.(b)ゆ S(b)一ゆ,(-b
n:山+
ム=灰面扇傘-工 1 町、-』2 沃 X 平仙「卿 )中 a(一 b)}
2
井1山
+
-(ゆ.(b)ゆ 2(b)一 f.(一
b)ゆ式一 b))
一
1
2
(37)
月! c(,',、I
11111 -Jl
) 一,ー,. 井 2
方 山
pgala2 =-夫 1 中 l-'-乞瓦畜「軌‘甲
雌)
f pa ロ Ia2 ーーム贈+最冨「‘・ 井1
山
「A
ただし,中 K 土 b)=ゆ j(士 b,の:物体と自由表面の交点における一次ポテンシャル
ところで,(3')ぜ直接解いてゆ P,ゆ世を求め(37)-によって流体力を計算して多良 1、
が,壁一と鰹ー
の境界値問題に自由表面上の積分が必要となっており数値計算上も得策とは思われない.そこで.流体
i5s 経塚・荒川
ポテンシャルゆ了を導入して,ゆ とゆ N にグリーンの定理を適用すれば
(2) oj
7qX(-、)
lsymptot;c
al ue
ぐ一
~~
J
・
/イ一
!
加 〈
\ 】」・
ノ 一 /
ノ
1
loq ュ.(或) q ュ s(又)
2
0
30
ム
ー0
ヌ昌 x ん
図 2 二成分波中の二次の自由表面条件(の=の - + iq 井),凡 b=1.O ,凡 b= 0
15
1O
/q.声)。 A - A s y m p t
r
oti c 、
vol り、ノ 片\ 、 \
\
,_ノ
1 1 1 1 1 1 1 1
\ \ 1 1
1
ー
,
'/二
→ー
ー
。『喜農
ノ/ ノ ―\
、
-
1
/ 、
ノ
ーメーー
ーー
\
Asymptotic
VQlu e
ノ
ノ
1oq'S(-)、
ノ
J u 一 4 0
X : X / b
-10
10 20
図3
不規則波中ガ半没円柱に働く二次の波強制力について 159
I ,,,,,,,1.論が-岬」お}可番=0
従って,ゆ:りの物体表面条件などによって
(38)
I 』 . , 、 , I " ァ 、 a : 甘 , I
4. 実験および結果
図 4 に示すように、津屋崎海岸災害実験所の小水槽( L X B x d = 6 O m x I . S m x j . 2 m )を使って半没円柱
に働く波強制力を計測した. 棋灘は長さ 0.5m. 半径 O.13m の堆ビ製,くイプを加工したもので,=次
元状態とするために同じ断面をもつダミー模型をその両側に配した.この状態で実験を行うと入射波の正
確な波高と位相がわからないので.あらかじめ模型がない状態で模型中心位霞の入射波高だけの計測
を行った・その際,造波機!よ礎気テープに収録されたアナログ信号によって駆動されており,その再現
'r
m m m.
勲 「
2 0
ー 丁 a -
MT 『与 甘 V
4
ー円 Fr
1.り 5m Mode! -叱 M
Load Call
4om I。
図 4__二実験配遣図 ー。r
16 経塚・荒川
0
-::
0.5
0 0.5
竹 T Phos.
図 5 規 HIJ 波中の実験記録例(T=0.834 秒)
0
性の良好なことを確認した. また,磁気テープ
プ ー
の別のチャンネルにはタイミ ー
ング信号として矩 」
一一
規則波中の一次の波強制力
_ ' _ _ _
. . .
』 . 一 _ ー讐
《
形/《ルスも入れてあるので. これと模型前方 10 那
m 位置の波高形の記録を使い,入射波のみの計
測実験と波強制力計測実験とを合成することに
よって位!昇的にも正確な実験記録を得た.図 5 は.このようにして得られた実験記録の 1 例で.周期 0.
834 秒の規則波のものである.同図中(WAVE.R)は模型前方 10 m の位置の波高計の記録から入射波高
を取り除いたもので,これから反射波高が直接求められる. なお,(WAVE-I), (WAVE-T), (R.
W A V E ) は,入射波高.透過波高および入射波側で円柱側面から 5mm 離れた位置での水面変位である.
これらの実験記録はデータ.レコーダーに収録した後,サンプリング周波数 100 Hz/ch にて AID 変
換されフーリェ解折された.図 6 は,規則波中の一次の波強制力の実験結果と理論値の比較であり,振
幅および位相差ともに良い L 致を示していることがわかる.なお,規則波中の実験では,一次とニ次の波
強制力は次式で無次元化された.-
,0,_月、1. ,ー一一
一 p 師可・‘体り収
off21-f 与 定 常 力
--pgai (4 の
:月 国一一
一 △
t(21_ 2). m
切一瓦西「.葡卿収ー万
不規則波中の半没円柱に働く二次の波強制力について 161
【湖 8 , 9 は二次の倍縄波数成分の波強制力に対する比較であり,それぞれ水平力と垂直力である. 今回の
実験(百は 0 であり. 位相についても示してある. +とあるのは 文献 7) の結果であるが,これを比較 する
と両実験値は 1 まぼ良い-一致を示している
ことがわかる. 従って,文献 7)の結果は長さが 9m という小水槽での
-Theory
実験であったにも かかわらず,今回の実験と遜色
f加 0 町 esent Exp・ 0 0
ないほどの精度を保っていたことがわかる. また, 一
-LO
1.5
OJI
I
理論計 算との比較では,位相についても概略一致
しており.良好な一致がみられる. Miao らの計算
結果めは,波数の変化に伴って振動してお り,そ -0.5
のことを実験結果の,《ラツキの原因と しているが,
それは当っていないように思わ It る.
3.0
2.0
2.0
(.0
0. (.0 Kb
5
oTT
0.5
ぐ
Phase 。
俸
H-
t
《 ー
I
I
I
申
I
I
I
I
- I
l
I
- I
t 図 9 規則波中の二次の波強制カ(垂直力)
162 経塚・荒川
る. これを比較すると,垂直力の実験波形がプラス側(鉛直下方)にとがっており. 反対側では鍋底とな
っていることがわかるが,計算結果の波形も同様となっており良く一致していると思われるず一一方,
水平力についでは・平均値がいくぶん負の方りよつているようにみえる他はさして特徴的な波形とは
なっていないが. 計算値についても同様である. それよりは,入射波の波形に二次まで考慮したストー
クス波の;寺徴が良く表われており,波頂で急峻となっていることがわかる,
次に. 図 12 と 13 は,図 10, 11 の時刻歴をフーリエ.スベクトルに直して比較したものであり,実験
計測された有次元最(kg)で示してある. 一次のものは 1 ノ 10 に縮尺して書いてあるが,理論と実験が良
く一致していることがわかる. また. 二次の応答については水平力の高周波数域で理論値が実験値の約 半
分となっている他は両者の一致が良好であることがわかる. ところ博,二次の速度ボテンシャルの影
FORCE 一 I FflRfF 一
4. 0 1
o. a
-4.
亡 n ロ r 亡
FORCE 一
4. 0
V \4.
K x
0. 0
g
一 ‘.0
一‘.
WAVE-I UAVF-T
4. 0 4.0
0. 0
一‘.
sec ー..a
a sec
20.0
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 a. 5. 0 10.0 15.0
図 10 二成分波中の実験記録例 図 1 1 二成分中のシミユレーション計算
(T.10,716,乙=0.835 秒)
0.15
馴町
rl 111e sl e s1111111- 1
ら.
) こ:
一一
ち=0.7163,).
、t . 0 6 酒( theory Theory(o theory
0.1。F1 (Kg) pprox.) Theory(app 叫.)
ー"I ぐ osured ト 一 hi 中 osur 中 d
1- 111111- 1
.
《
り
い
一 り:冒 3
ふ 1. 0
叫 ら
x
叫内
一
ー
U
ー
0l
1 A・口
ら :
1-IL
h
り
心
05 1 ・ S W 円 可 2.0 1・5 り何に 2 .
0
図 12 二成分波中の波強制力のフーリエ、スぺ 【加 13 二成分波中の波強制力のフーリエ、スべ
クトル(水平カ) クトル(垂直力)
不規則波中の半没円柱に働く二次の波強制力について 163
獅を考慮しない近似』十算の結果(●)はいずれの場合についても厳密計算の結果よりも実験値から離れて
おり,特に高周波数域での二次の波強制力を考える上では問題であることがわかる.
5. 結 論
の近似がそれほど狭帯域でない不規則波中においても良い近似となりうることを裏付けた.
おわりに,今回は一般的な不規則波については何も述べなかったが,実際にはその場合の実験も行って、
、る,ところが,それを漸してみると入射波のスペクトルが予想したものとは異なっており,入射 波の発
生方法に問題があったように思われ. また,計測時間の設定がまずいなどの実験解析上の問題も 感じら
れたので省略した.それらについては,今後の課題としたい.
参 考 文 献
1) 高木又男.小林正典,斉藤公男,新井信一:海洋構造物の長周期運動,運動性能委員会.第 3 回
シンポジウム,昭和 61 年 10 月,p. 267-294.
2) Pinkster, J. A.:Low Frequency Phenomena Associated with Vessels Moored at Sea, Soc. of Petr
oleum Engineers b f AIME, SPE paper No. 4837, 1974, p. 1-16.
3) 宝田戴之助,中嶋俊男.井上隆一:半潜水式海洋構造物の転覆機構に関する一考察(第 1-2 報),
日本造船学会論文集,第 1 5 5 号,156 号,昭和 59 年.
4) Herfjord, H; and Nielsen F. G.:Non ・linear wave forces on a 五 xed vertical cylinder due to
the sun fr 叫 uency of waves in irregular seas, Applied Ocean Research. Vol. 8, No. 1, 1986.
5)い e, C. M.:The 恥 cond・Order Theory of Cylinders Oscillating Vertically in a Free Surface,
College of Engineering, UC Berkely Report No. NA-66-7, 1966.
6) Parissis, G. C.:Second Order Potentials and Forces for Oscillating Cylinders on a Free Sur
face, Dissertation, MIT, Report No. 66-10, 1966.
7) 経塚雄策:二次元物体に働く非線型流体力について(第 1 報散乱問題),日本造船学会論文集.
第 148 号,昭和 55 年 12 月, p . 4 9 - 5 7 .
8)‘「 Miao, G. P. and Liu, Y. Z.:AT 恥 oretical St 吋 y on the Second ・order. Wave Forces for
Two ・dimensional Bodies, Proc 』 Fifth Internat 加回 OMA 且 S 抑 p・,迦し 1:1986, p ・330-336・