You are on page 1of 1

短期予報解説資料1 2020年9月21日03時40分発表

気象庁 予報部

1.実況上の着目点
① 日本海の 500hPa5640~5700m
付近に-21℃以下の寒気を伴った
トラフがあって北東進。 対応して
日本海中部や北海道の西に低気
圧があって東進。 低気圧や上空寒
気の影響で、 日本海北部を中心に
活発に発雷しており、 非常に激し
い雨を解析している所がある。
② 日本の南に熱帯低気圧があっ
て停滞。21 日未明から中心付近
で活発な対流雲域が急速に拡大、
発達傾向を示している。
③ 500hPa5820m 付近の強風軸に
対応して、 前線が南西諸島から日
本の東にのびている。
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
① 1 項①のトラフは 21 日朝にかけて北日本へ進む。また、北日本では 22 日にかけて 500hPa5700m 付
近の強風軸に対応してトラフや正渦度極大域が断続的に通過、500hPa-18~15℃以下の寒気が流入する
状況が続く。 1 項①の北海道の西の低気圧は 21 日日中に北海道地方を通過、22 日夜に千島近海に進む。
1 項①の日本海中部の低気圧は、21 日日中に東北地方の内陸に進んで不明瞭化。低気圧や上空寒気、
日中の昇温の影響で大気の状態が非常に不安定となり、雷を伴った非常に激しい雨や激しい雨の降る
所がある。北海道地方は 21 日昼頃にかけて土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に厳重に警戒。ま
た、東北地方や北陸地方は 21 日明け方~朝にかけて、北海道地方は 22 日にかけて落雷や突風、降ひょ
う、短時間強雨に注意し、北海道地方は竜巻などの激しい突風にも注意。
② 1 項②の熱帯低気圧は 22 日夜にかけて 30kt[W 級]の勢力で日本の南を北上、対応して 1 項③の前線
は 22 日夜には伊豆諸島~西日本太平洋側まで北上。南西諸島や西日本太平洋側は 22 日にかけて、熱
帯低気圧や前線周辺で気圧の傾きが大きくなるため、風が強く吹いて波が高くなる所がある。強風や
高波に注意。また、前線に向かって 850hPaθe336K 以上の下層暖湿気が流入して大気の状態が不安定
となり、雷を伴った激しい雨の降る所がある。伊豆諸島は 22 日にかけて、落雷や突風、降ひょう、短
時間強雨に注意。なお 22 日午後は、西日本~東日本太平洋側では、前線北側の湿った東風が吹きつけ、
地形による影響も加わって対流雲が発達、降水量が多くなる所があるので留意。
3.数値予報資料解釈上の留意点 総観場は GSM 基本、量予想や降水分布は MSM や LFM も参考。熱帯
低気圧の位置や勢力の予想は GSM を基本に考えるが、 今後発達して台風となる可能性もあるので留意。
4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ① 大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間):北海道・伊豆諸島
100mm。② 波浪(明日まで):四国・九州南部・奄美・沖縄 3m。
5.全般気象情報発表の有無 発表予定なし。

1
量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。

You might also like