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J P 6261788 B 1 2018.1.

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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
焙煎中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素量を測定する一酸化炭素量測定工程と、
前記一酸化炭素量に基づいて、コーヒー豆のハゼ発生予定時期を予測する予測工程と、を有する
コーヒー豆のハゼ発生予定時期予測方法。
【請求項2】
前記予測工程では、20秒以上後のハゼ発生予定時期を予測する
請 求 項 1 に 記 載 の コ ー ヒ ー 豆 の ハ ゼ 発 生 予 定 時 期 予 測 方 法 。
(2) JP 6261788 B1 2018.1.17
【請求項3】 10
前記コーヒー豆は、少なくとも銘柄、ロット、産地、精製方法及び生産年のいずれかが異なる、少なくとも2種以
上のブレンドである
請 求 項 1 又 は 2 に 記 載 の コ ー ヒ ー 豆 の ハ ゼ 発 生 予 定 時 期 予 測 方 法 。
【請求項4】
前記ハゼは、第1のハゼである
請 求 項 1 乃 至 3 の い ず れ か 1 項 に 記 載 の コ ー ヒ ー 豆 の ハ ゼ 発 生 予 定 時 期 予 測
方 法 。
【請求項5】
前記ハゼは、第2のハゼである
20
請 求 項 1 乃 至 3 の い ず れ か 1 項 に 記 載 の コ ー ヒ ー 豆 の ハ ゼ 発 生 予 定 時 期 予 測
方 法 。
【請求項6】

焙煎中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素量に基づいて、コーヒー豆のハゼ発生予定時期を予測する
コーヒー豆のハゼ発生予定時期予測方法。
【請求項7】
焙煎中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素量を測定する一酸化炭素量測定部と、
前記一酸化炭素量に基づいて、コーヒー豆のハゼ発生予定時期を予測する予測部と、を備える
コーヒー豆のハゼ発生予定時期予測装置。
【発明の詳細な説明】

50
(3) JP 6261788 B1 2018.1.17
【技術分野】 10
【0001】
本発明は、コーヒー豆のハゼ発生予定時期予測方法、コーヒー豆のハゼ発生予定時期予測装置、コーヒ
ー豆のハゼ検知方法、コーヒー豆のハゼ検知装置、及び焙煎コーヒー豆の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒー豆は、焙煎することにより、その香味を引き出すことができる。しかしながら、コーヒー豆の
香味は、焙煎条件によって変化する。したがって、所望のコーヒー豆の香味を引き出すためには、焙煎条
件を制御する必要がある。
【0003】 20

ところで、コーヒー豆は、焙煎段階において、加熱に伴い2度、ハゼ音(「クラック音」とも言う。)を
発生させる。所望の香味を得るため、この2度のハゼ音の少なくとも一方の発生時期を目安として、焙煎
中の豆に与える熱量を変更する操作が行われている。また、オペレーターの経験や勘によりハゼ音の発生
時期を予測して、ハゼ音の発生の1~2分前に焙煎中のコーヒー豆に与える熱量を変更する操作が行われ
ることもある。このように、焙煎段階におけるハゼ音の発生時期の検知又は予測が重要である。
【0004】
ここで、例えば、非特許文献1には、音圧レベル及び周波数スペクトラム解析によってコーヒー豆から
発生するハゼ音を検知する方法が知られている。一つのコーヒー豆が発するハゼ音は、数ミリ秒から10
数ミリ秒継続するが、このハゼ音のうち数百Hzから数十キロHzの帯域の音について頻繁に周波数スペ 30
クトラム解析し、焙煎装置から生ずる雑音やその他背景雑音を除去し、コーヒー豆から発生されたハゼ音
のみを高感度で検知するためには、信号処理専用プロセッサ(DSP)が必要となり、コストを要する。
また、この方法によれば、1度目のハゼ音と2度目のハゼ音と対比して両者を区別する必要があるため、
両者を焙煎中リアルタイムに区別することは困難である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】P.S.Wilson,J.Acoust.Soc.Am.
,135(
40
6)
,2014.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、コーヒー豆の焙煎に際し、ハゼの発生時期を簡易
且つ正確に検知し、又は予測する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、焙煎中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素の量と、ハゼ音の発生に相関関係があるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。

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(4) JP 6261788 B1 2018.1.17
【0008】
(1) 本発明の第1の発明は、焙煎中のコーヒー豆から発生する音を経時的に測定する音測定工程
と、前記音のうち5kHz以上80kHz以下の範囲に含まれる範囲の周波数の音圧に基づいて、コーヒ
ー豆のハゼを検知するハゼ検知工程と、を有するコーヒー豆のハゼ検知方法である。
【0009】
(2) 本発明の第2の発明は、第1の発明において、焙煎開始2分後から、音測定工程を開始するコ
ーヒー豆のハゼ検知方法である。
【0010】
(3) 本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、少なくとも焙煎開始2分後まで、焙煎 10
中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素量を測定する初期一酸化炭素量測定工程をさらに有するコーヒー
豆のハゼ検知装置である。
【0011】
(4) 本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記音測定工程において、
焙煎中の前記コーヒー豆から発生する音をサンプリング周期0.2ミリ秒以下で測定するコーヒー豆のハ
ゼ検知装置である。
【0012】
(5) 本発明の第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記ハゼ検知工程におい
て、0.1kHz以上1kHz以下の半値幅を有する周波数の音圧に基づいて 20

、コーヒー豆のハゼを検知するコーヒー豆のハゼ検知装置である。
【0013】
(6) 本発明の第6の発明は、焙煎中のコーヒー豆から発生する音のうち5kHz以上80kHz以
下の範囲に含まれる範囲の周波数の音圧に基づいて、コーヒー豆のハゼを検知するコーヒー豆のハゼ検知
方法である。
【0014】
(7) 本発明の第7の発明は、焙煎中のコーヒー豆から発生する音を経時的に測定する音測定部と、
前記音のうち5kHz以上80kHz以下の範囲に含まれる範囲の周波数の音圧に基づいて、コーヒー豆
30
のハゼを検知するハゼ検知部と、を有するコーヒー豆のハゼ検知装置である。
【0015】
(8) 本発明の第8の発明は、焙煎中のコーヒー豆から発生する音を経時的に測定する音測定工程
と、前記音のうち5kHz以上80kHz以下の範囲に含まれる範囲の周波数の音圧に基づいて、コーヒ
ー豆のハゼを検知するハゼ検知工程と、前記ハゼの検知に基づいて、焙煎条件を変更する制御工程と、を
有する焙煎コーヒー豆の製造方法である。
【0016】
(9) 本発明の第9の発明は、焙煎中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素量を測定する一酸化炭素
量測定工程と、前記一酸化炭素量に基づいて、コーヒー豆のハゼ発生予定時期を予測する予測工程と、を
40
有するコーヒー豆のハゼ発生予定時期予測方法である。
【0017】
(10) 本発明の第10の発明は、第9の発明において、前記予測工程では、20秒以上後のハゼ発生
予定時期を予測するコーヒー豆のハゼ発生予定時期予測方法である。
【0018】
(11) 本発明の第11の発明は、第9又は第10の発明において、前記コーヒー豆は
、少なくとも銘柄、ロット、産地、精製方法及び生産年のいずれかが異なる、少なくとも
2種以上のブレンドであるコーヒー豆のハゼ発生予定時期予測方法である。
【0019】

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(5) JP 6261788 B1 2018.1.17
(12) 本発明の第12の発明は、第9乃至第11のいずれかの発明において、前記ハゼは、第1のハ
ゼであるコーヒー豆のハゼ発生予定時期予測方法である。
【0020】
(13) 本発明の第13の発明は、第9乃至第11のいずれかの発明において、前記ハ

ゼは、第2のハゼであるコーヒー豆のハゼ発生予定時期予測方法である。
【0021】
(14) 本発明の第14の発明は、焙煎中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素量に基づいて、コーヒー
豆のハゼ発生予定時期を予測するコーヒー豆のハゼ発生予定時期予測方法。
【0022】
(15) 本発明の第15の発明は、焙煎中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素量を測定する一酸化炭素
量測定部と、前記一酸化炭素量に基づいて、コーヒー豆のハゼ発生予定
時期を予測する予測部と、を備えるコーヒー豆のハゼ発生予定時期予測装置である。
【0023】 10

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(6) JP 6261788 B1 2018.1.17
(16) 本発明の第16の発明は、焙煎中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素量を測定する一酸化炭素
量測定工程と、前記一酸化炭素量に基づいて、コーヒー豆のハゼ発生予定時期より所定期間前の条件変更
時期を見積もる見積工程と、前記条件変更時期に、焙煎条件を変更する制御工程と、を有する焙煎コーヒ
ー豆の製造方法である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、コーヒー豆の焙煎に際し、ハゼの発生時期を簡易且つ正確に検知又は予測する、その結
果に基づきコーヒー豆を焙煎する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】 20
【図1】コーヒー豆のハゼ検知装置の概略図である。
【図2】ハゼ検知部の一例の概略図である。
【図3】コーヒー豆のハゼ発生予定時期予測装置の概略図である。
【図4】焙煎コーヒー豆製造装置の概略図である。
【図5】焙煎装置の装置音及び環境雑音のマイクロフォンの出力波形(a)
、10kHzバンドパスフィル
タ通過後の波形(b)、ピークディテクタ出力の波形(c)である。
【図6】ハゼ音のマイクロフォンの出力波形(a)、10kHzバンドパスフィルタ通過後の波形(b)、ピ
ークディテクタ出力の波形(c)である。
【図7】実施例2-1における焙煎開始からの各時間における排出ガス中の一酸化炭素の濃度、10秒ごと
のハゼ発生回数、設定温度及び排気温度のプロファイルである。 30
【図8】実施例2-2における焙煎開始からの各時間における排出ガス中の一酸化炭素の濃度、10秒ごと
のハゼ発生回数、設定温度及び排気温度のプロファイルである。
【図9】実施例2-3における焙煎開始からの各時間における排出ガス中の一酸化炭素の濃度、10秒ごと
のハゼ発生回数、設定温度及び排気温度のプロファイルである。
【図10】実施例2-4における焙煎開始からの各時間における排出ガス中の一酸化炭素の濃度、10秒ご
とのハゼ発生回数、設定温度及び排気温度のプロファイルである。
【図11】実施例2-5における焙煎開始からの各時間における排出ガス中の一酸化炭素の濃度、10秒ご
とのハゼ発生回数、設定温度及び排気温度のプロファイルである。
【図12】実施例2-6における焙煎開始からの各時間における排出ガス中の一酸化炭素の濃度、10秒ご
とのハゼ発生回数、設定温度及び排気温度のプロファイルである。 40
【図13】実施例2-7における焙煎開始からの各時間における排出ガス中の一酸化炭素の濃度、10秒ご
とのハゼ発生回数、設定温度及び排気温度のプロファイルである。
【図14】実施例2-8における焙煎開始からの各時間における排出ガス中の一酸化炭素の濃度、10秒ご
とのハゼ発生回数、設定温度及び排気温度のプロファイルである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更することができる。
【0027】

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(7) JP 6261788 B1 2018.1.17
<コーヒー豆のハゼ検知方法>
本実施形態に係るコーヒー豆のハゼ検知方法は、焙煎中のコーヒー豆から発生する音を経時的に測定す
る音測定工程と、その音のうち5kHz以上80kHz以下の範囲に含まれる範囲の周波数の音圧に基づ
いて、コーヒー豆のハゼを検知するハゼ検知工程と、を有する。本実施形態に係るコーヒー豆のハゼ検知
方法は、このような構成を有することにより、ハゼの発生を正確に検知することができる。そして、その
結果に基づき、コーヒー豆の焙煎条件を制御することができる。
【0028】
(焙煎工程)
焙煎工程は、例えば、コーヒー豆に対して熱を供給し、コーヒー豆を焙煎する工程である。 10
【0029】
熱の供給手段としては、特に限定されず、従来のコーヒー豆の焙煎において使用される公知のいずれの
手段を用いることもできる。具体的には、例えば、焙煎容器(例えば、コーヒー豆の焙煎用の回転ドラ
ム)内に収容されたコーヒー豆に対して、電熱ヒーター等の熱源から発する熱を圧縮機(ブロワ)
、送風
機等により送風し、コーヒー豆に熱風をあてることにより、熱の供給を行うことができる。供給する熱の
温度は、通常のコーヒー豆の焙煎に用いられる加熱の温度を用いることができ、例えば、100~30
0℃の範囲の温度を用いることができる。また、熱風の送風量は、コーヒー豆1gあたり毎分0.1~1
Lの範囲内の風量を用いることができる。なお、焙煎工程における熱を供給する対象のコーヒー豆は、焙
煎されたコーヒー豆の原料となるコーヒー豆のことを指す。 20

【0030】
コーヒー豆としては、特に限定されず、従来の公知のコーヒー豆の銘柄(例えば、ガテマラ、ブラジル
(サントス、ダテーラ等)
、エチオピア(モカイルガチェフ等)、コスタリカ、キリマンジャロ、ベトナ
ム、コロンビア、タンザニア、モカ、ブルーマウンテン、クリスタルマウンテン、ケニア、マンデリン、
メキシコ等)等を、1種単独で使用することも、2種以上をブレンドして用いることもできる。また、銘
柄以外にも、ロット、産地、精製方法及び生産年について、いずれのコーヒー豆を用いることもできる。
さらに、銘柄、ロット、産地、精製方法及び生産年のいずれかが異なる、2種以上のブレンドであって
も、ハゼ発生時期を予測することができる点で、本実施形態に係るコーヒー豆のハゼ発生予定時期予測方
30
法は有用である。
【0031】
焙煎方法としては、例えば、焙煎容器(回転ドラム)を回転させて、コーヒー豆を混ぜながら、コーヒ
ー豆を焙煎することができる。回転の条件としては、従来の公知の条件を用いることができ、例えば、5
~60rpmの条件を用いることができる。
【0032】
焙煎工程において、温度センサー等の温度測定手段を用いて、焙煎容器内の温度を測定してもよく、測
定しなくてもよい。焙煎容器内の温度を測定することで、焙煎時の焙煎容器内の雰囲気温度を確認するこ
とができる。
40
【0033】
本発明における焙煎工程において、焙煎しながら、コーヒー豆のチャフ(いわゆる、シルバースキン)
を除去するために、焙煎により発生したチャフを回収することができる。
【0034】
本発明における焙煎工程において、焙煎時間は、指標とする一酸化炭素の設定値に応じて、自ずと定ま
るものであるが、例えば、300~1500秒の範囲内で行うことができる。
【0035】
(音測定工程)
音測定工程は、焙煎中のコーヒー豆から発生する音を経時的に測定する工程である。

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(8) JP 6261788 B1 2018.1.17
【0036】

具体的に、音測定工程では、マイクロフォン等、例えば電気信号等の信号に変換する装置を用いて、音を
測定する。
【0037】
測定箇所(測定対象)としては、上述した所定の範囲の周波数の範囲の音圧を測定可能な箇所であれば、
特に限定されない。ただし、一般的に知られた回転ドラム式の焙煎装置は、その内部に円筒形耐熱ガラス
を備えることがある。焙煎装置が、このような円筒形耐熱ガラスを備える場合、ハゼ音が透過せず、ハゼ
が検出されないおそれもある。したがって、例えば、回転ドラム式の焙煎装置は、金属製(具体的には、
真鍮製等)により構成されることが好ましい。
【0038】 10

50
(9) JP 6261788 B1 2018.1.17
測定頻度としては、特に限定されず、例えば連続的に行うことが好ましい。連続的に測定を行うことによ
り、音圧パルスを正確に検出することができ、その結果として、ハゼ発生をより正確に検出することがで
きる。
【0039】
音測定の開始時期としては、特に限定されず、例えば焙煎開始2分後から開始することが好ましい。すな
わち焙煎の初期(例えば、焙煎開始2分後、好ましくは3分後、より好ましくは4分後まで)の段階で
は、音圧測定工程を行わなくてもよい。焙煎の初期(例えば、焙煎開始2分後、好ましくは3分後、より
好ましくは4分後まで)の段階では、焙煎の対象であるコーヒー豆が冷たく、その表面が硬い状態となっ
ている場合、コーヒー豆同士の衝突や、コーヒー豆と焙煎装置との衝突により、5kHz以上80kHz
以下の範囲 20 に音圧パルスが生じることがある。一方で、このようにコーヒー豆が硬い状態では、まだ十
分に加熱された状態とはいえず、ハゼ音は発生し得ない。したがって、焙煎の初期の段階では、音圧の測
定は必須の態様ではない。
【0040】
なお、必須の態様ではないが、少なくとも焙煎開始2分後までの期間は、焙煎中のコーヒー豆から発生す
る一酸化炭素量を測定する初期一酸化炭素量測定工程を設けることができる。上述のとおり、焙煎の初期
の段階では、コーヒー豆同士の衝突や、コーヒー豆と焙煎装置との衝突により、5kHz以上80kHz
以下の範囲に音圧パルスが生じ、正確な焙煎の状態を把握することが難しい。そのため、一酸化炭素量を
測定することにより、より確実に焙煎の状態を確認することも可能である。なお、初期一酸化炭素量測定
工程の具 30 体的な方法及びそれに用いる装置としては、例えば、後述する一酸化炭素量測定工程及び一酸
化炭素量測定部を用いることができる。
【0041】
(ハゼ検知工程)
ハゼ検知工程は、音測定工程において測定した音のうち5kHz以上80kHz以下の範囲に含まれる範
囲の周波数の音圧に基づいて、コーヒー豆のハゼを検知する工程である

【0042】
音圧を測定する周波数の範囲は、5kHz以上80kHz以下に含まれるものである。
このような範囲においては、コーヒー豆から発生するハゼ音が急峻に立ち上がる傾向があ 40 り、また、例
えば装置から発生する音やコーヒーが流動する音等によって影響を受けにくい。したがって、このような
周波数の範囲で音圧を測定し、所定の速度で立ち上がる音圧のパルスを測定することにより、他の雑音に
左右されることなく、コーヒー豆のハゼを検知することができる。
【0043】
具体的に、パルス発生回数は、所定の期間(例えば、1秒、10秒等)内に、所定の音圧(閾値)を超え
る音圧パルスが発生した回数を計数する。所定の期間内に計数された値が、所定の閾値の値を超えた場合
に、ハゼが発生したと判断する。
【0044】
閾値としては、例えば、ハゼ音未発生時の音圧を用いることができる。ハゼ音未発生時にも、焙煎装置音
やその他背景雑音が含まれる。このような音の測定方法としては、例えば、判断時よりも前の所定の期間
(例えば、60秒)における音圧又はこれに対応する電気信号(例えば、電圧)の平均値を閾値とするこ
とができる。また、所定の期間(例えば、60秒)をさらに等分し(例えば、60秒を60等分して、1
秒ごととし)、その等分した期間(例えば、1秒)ごとの音圧又はこれに対応する電気信号(例えば、電
圧)のピーク値の平均値を閾値とすることもできる。上述したとおり、リアルタイムでのハゼ音の発生・
未発生は、従来技術によって判断することが困難である。そこで、例えば、焙煎開始から540秒未満の
任意の期間の音圧を測定して、閾値を設定すればよい。焙煎開始から540秒未満であれば、通常ハゼ音
は発生しない。
【0045】 10
音圧を測定する周波数の範囲としては、上述の範囲内であれば特に限定されないが、例えば、7kHz以
上であることが好ましく、8kHz以上であることがより好ましく、9kHz以上であることがさらに好
ましく、9.5kHz以上であることが特に好ましい。また、周波数の範囲としては、70kHz以下で

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(10) JP 6261788 B1 2018.1.17
あることが好ましく、50kHz以下であることがより好ましく、40kHz以下であることがさらに好
ましく、30kHz以下であることがさらに好ましい。周波数の範囲が所要の範囲内にあることにより、
ハゼ音と装置音との区別の精度を高めることができる。なお、 「音圧を測定する周波数の範囲」とは、測定
対象である所定の周波数の幅を有する音を包含する周波数の範囲をいう。具体的には、例えば後述する半
値幅の範囲の音が全て含まれる範囲であってよい。測定時においては、上述の範囲を全て含むように測定
すれば良く、他の周波数の範囲も併せて測定する 20 ことを排除するものではない。なお、他の周波数の範
囲も併せて測定した場合には、例えばバンドパスフィルタ等により、所要の周波数の範囲のみを抽出する
こともできる。
【0046】
音圧を測定する周波数における半値幅としては、特に限定されず、例えば、50kHz以下であることが
好ましく、30kHz以下であることがより好ましく、20kHz以下であることがさらに好ましい。半
値幅が所要値以下であることにより、ハゼ音と装置音との区別の精度を高めることができる。一方で、半
値幅としては、例えば、0.1kHz以上であることが好ましく、0.2kHz以上であることがより好
ましく、0.25kHz以上であることがさらに好ましい。半値幅が所要値以上であることにより、ハゼ
音と装置
音との区別の精度を高めることができる。 30
【0047】
音圧のピーク値(例えば、ピークディテクターの出力)を測定するサンプリング周期としては、特に限定
されないが、例えば、0.2ミリ秒以下であることが好ましく、0.15ミリ秒以下であることがより好
ましく、0.1ミリ秒以下であることがさらに好ましく、0.05ミリ秒以下であることが特に好まし
い。サンプリング周期が0.2ミリ秒以下であることにより、ハゼ音と装置音との区別の精度を高めるこ
とができる。ハゼ音は急峻にピークが立ち上がるのに対し、装置音は急峻にピークが立ち上がらないとい
う特徴を有する。
【0048】
具体的に、上述したような所定の周波数域及び半値幅を有する音を検出する手法として 40 は、例えば、
所定の周波数域及び半値幅を有するバンドパスフィルタを用いることができる。
【0049】
なお、このようにしてハゼを検出した場合、例えば、所定の期間、焙煎温度(例えば、火力)を増加・減
少させるか、又は焙煎装置内の空気の送風量を変更させる等の操作を行う。送風量の調整は、例えば、焙
煎装置に設けた排気ダンパーの開閉により調整することができる。これにより、所望の香味を有するコー
ヒー豆を精度良く製造することができる

【0050】
<コーヒー豆のハゼ検知装置>

本実施形態に係るコーヒー豆のハゼ検知装置は、例えば、上述のコーヒー豆のハゼ検知方法を実現する
ことができる装置である。以下に本発明の一実施形態であるコーヒー豆のハゼ検知装置1について、図1
を用いて説明する。
【0051】
図1は、コーヒー豆のハゼ検知装置の概略図である。図1に示すように、コーヒー豆のハゼ検知装置1
は、音圧測定部10と、ハゼ検知部11と、制御部12と、を備える。音測定部10は、焙煎装置3の焙
煎容器30の近傍に配置される。また、制御部12は、焙煎装置3の焙煎条件(温度、時間等)を調整す
る調整部36に接続される。
【0052】

50
(11) JP 6261788 B1 2018.1.17
〔焙煎装置3〕 10
必須の態様ではないが、まず、測定対象であるコーヒー豆の焙煎に用いる焙煎装置3について説明す
る。焙煎装置3は、コーヒー豆に対して熱を供給可能な熱源を有し、このコーヒー豆を焙煎可能な手段で
ある。コーヒー豆の焙煎装置としては、特に限定されず、従来の公知のコーヒー豆の焙煎手段のいずれの
ものを使用することもできるが、本実施形態においては、焙煎装置3は、焙煎容器30と、熱源部31
と、送風部32と、温度測定部
33と、排気部34と、チャフコレクター35と、調整部36と、を備える。
【0053】
焙煎容器31は、コーヒー豆を収容するための容器である。焙煎容器31としては、特に限定されず、
コーヒー豆を混合するために、回転可能に構成することが好ましい。また、焙煎容器31としては、上述 20
したコーヒー豆のハゼ発生時期予測方法と同様の回転条件とすることができるものを用いることができ
る。
【0054】
熱源部31は、熱を発生可能な手段であり、例えば、電熱ヒーター等を用いることができる。また、熱
源部31としては、例えば、上述したコーヒー豆のハゼ発生時期予測方法と同様の加熱温度とすることが
できるものを用いることができる。
【0055】
送風部32は、熱源部31から発する熱を焙煎容器30に収容されたコーヒー豆に対して送風可能な手
30
段である。送風部32は、上述したコーヒー豆のハゼ発生時期予測方法と同様の送風条件とすることがで
きるものを用いることができる。送風部32としては、例えば、圧縮機(ブロワ)等を用いることができ
る。
【0056】
温度測定部33は、焙煎容器30内の雰囲気温度を測定する手段である。
【0057】
排気部34は、焙煎中のコーヒー豆から排出された気体を排気する部位である。
【0058】
チャフコレクター35は、コーヒー豆のチャフ(いわゆる、シルバースキン)を除去する手段である。
40
【0059】
調整部36は、コーヒー豆の焙煎条件を直接的に変更可能な手段である。例えば、制御部12からの指
示に応じて、焙煎条件を変更し、調整することができる。例えば、制御部12からの指示に応じて、焙煎
温度や焙煎時間等の焙煎条件を変更したり、焙煎を終了させ(つまり、熱源からの熱の供給を停止さ
せ)
、焙煎容器30内において冷却を開始したり、あるいは、冷却を開始してから、排出口の温度が一定
温度になったことを指標として冷却を停止したりするように制御できる。
【0060】
〔ハゼ検出装置2〕
ハゼ検知装置2は、音圧測定部20と、ハゼ検知部21と、制御部22と、を備える。ハゼ検出装置2
は、焙煎装置3の焙煎容器30内に格納されるコーヒー豆から発生する音のうち、5kHz以上80kH
z以下の範囲に含まれる範囲の周波数の音圧を経時的に測定することにより、ハゼの発生を検知する。以
下、各部についてそれぞれ説明する。なお

50
(12) JP 6261788 B1 2018.1.17
、制御部22は必須の態様ではない。
【0061】
(音測定部20)
本実施形態に係る音測定部20について説明する。音測定部20は、焙煎装置3の焙煎容器31に格納
されたコーヒー豆から発生するハゼ音を測定可能に構成されるものである
。そしてこのため、音測定部20は、焙煎容器30の近傍に配置されて用いられる。
【0062】
音測定部20は、焙煎中のコーヒー豆から発生するハゼ音を検出及び例えば電気信号等の信号に変換可
能な手段である。具体的に、音測定部20としては、一般的なマイクロフ

50
(13) JP 6261788 B1 2018.1.17
ォン等を用いることができる。より具体的には、Knowles社 SPU0410LR5H-QB 1 10
00Hz-80kHz等を用いることができる。音測定部20は、本実施形態においては、焙煎容器30
の近傍に配置されているが、この例に限定されず、少なくとも5kHz以上80kHz以下の範囲に含ま
れる範囲の周波数の音圧を経時的に測定することができるものであれば特に限定されない。
【0063】
(ハゼ検知部21)
ハゼ検知部21は、音測定部20により測定した音の信号から、ハゼ音を抽出し、計数するものであ
る。
【0064】
以下、ハゼ検知部21のより具体的な実施形態について、図を参照して説明するが、本発明は以下の具 20
体例に限定されるものではない。
【0065】
図2は、ハゼ検知部の一例の概略図である。ハゼ検知部21は、例えば、バンドパスフィルタ211、
ピークディテクタ212、波形解析器213及び計数器214を備える。
【0066】
バンドパスフィルタ211は、音圧測定部20(例えば、マイクロフォン)により検出した音の電気信
号のうち、所定の周波数の範囲を有する信号のみを抽出するものである。本実施形態に係るコーヒー豆の
ハゼ検知方法においては、例えばこのようなバンドパスフィルタ211を用いることにより、5kHz以
30
上80kHz以下の範囲に含まれる範囲の周波数の音のみを抽出し、その周波数の範囲のみにおける音圧
を測定することができる。
【0067】
ピークディテクタ212は、バンドパスフィルタ211を通過した所定の周波数の音の電気信号の交流
成分のプラス側のピーク値を検出し、所定の期間保持する。
【0068】
波形解析器213は、ピークディテクタ212からの出力波形のうち、波形の立ち上がり前後を比較解
析し、急峻に立ち上がった波形をハゼ音であると判定するものである。波形解析器213は、ハゼ音を判
定した都度、計数器214に信号を送信する。
40
【0069】
計数器214は、波形解析器213から受信した信号を所定の期間ごとに計数し、所定の期間(例え
ば、1秒、10秒等)ごとに発生したハゼ音の数を制御部22に送信する。
【0070】
(制御部22)
必須の態様ではないが、制御部22は、ハゼ検出部21によるハゼ検出に基づいて、焙煎装置3におけ
る焙煎の条件を調整可能な手段である。
【0071】
制御部22は、ハゼ検出部21からハゼ発生の出力を受け取り、そのデータに基づいて、焙煎装置3の
制御部に焙煎条件を変更するように指示をする。これにより、焙煎装置3における焙煎の条件を調整可能
とする。そして、このようにして、焙煎条件を調整することにより、適切に焙煎条件が制御された焙煎コ
ーヒー豆を製造することができる。
【0072】
制御部22において、焙煎条件の調整する具体的な方法としては、目的に応じて適宜選択されるものであ
り、特に限定されないが、例えば、コーヒー豆の焙煎度に連動して、コーヒー豆に対する熱の供給の条件
(例えば、焙煎温度、焙煎時間、送風の条件、回転ドラムの回転の条件等)を変更し、焙煎の進行速度等
を調整することができる。また、コーヒー豆に対する熱の供給を停止することもできる。より具体的に
は、コーヒー豆に対する熱の供給を停止するように調整部36に指示することができる。

50
(14) JP 6261788 B1 2018.1.17
【0073】
また、本実施形態においては備えていないが、制御部22は、一酸化炭素量における気体ポンプのスイッ
チのオン・オフを指示することができる。また、制御部22は、データ
(例えば、ハゼ音発生回数、焙煎開始からの経過時間、焙煎温度内の温度、気温等)を記 10 録するため
に、例えば、別のコンピュータ(パソコン)にデータを送るように構成することもできる。
【0074】
なお、ハゼ検知部11及び制御部12は、それぞれが通信可能な状態で音圧測定部10及び調整部36に
接続されていればよい。例えば、ハゼ検知部11及び制御部12をネットワーク上のサーバに設置するこ
とができる。
【0075】
<コーヒー豆のハゼ発生時期予測方法>
本実施形態に係るコーヒー豆のハゼ発生時期予測方法は、焙煎中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素量
を測定する一酸化炭素量測定工程と、その一酸化炭素量に基づいて、コ 20 ーヒー豆のハゼ発生予定時期を
予測する予測工程と、を有する。本実施形態に係るコーヒー豆のハゼ発生時期予測方法は、このような構
成を有することにより、ハゼの発生予定時期を適切に予測することができる。そして、その結果に基づ
き、コーヒー豆の焙煎条件を制御することができる。なお、本実施形態に係るコーヒー豆のハゼ発生時期
予測方法によれば、その焙煎の過程においてコーヒー豆から発生する2度のハゼ音のうち、第1のハゼ及
び第2のハゼいずれも予測することができる。
【0076】
〔焙煎工程〕
焙煎工程は、例えば、コーヒー豆に対して熱を供給し、コーヒー豆を焙煎する工程である。 30
【0077】
熱の供給手段としては、特に限定されず、従来のコーヒー豆の焙煎において使用される公知のいずれの手
段を用いることもできる。例えば、焙煎容器(例えば、コーヒー豆の焙煎用の回転ドラム)内に収容され
たコーヒー豆に対して、電熱ヒーター等の熱源から発する熱を圧縮機(ブロワ)、送風機等により送風し、
コーヒー豆に熱風をあてることにより、熱の供給を行うことができる。供給する熱の温度は、通常のコー
ヒー豆の焙煎に用いられる加熱の温度を用いることができ、例えば、100~300℃の範囲の温度を用
いることができる。また、熱風の送風量は、コーヒー豆1gあたり毎分0.1~1Lの範囲内の風量を用
いることができる。なお、焙煎工程における熱を供給する対象のコーヒー豆は、
焙煎されたコーヒー豆の原料となるコーヒー豆のことを指す。 40
【0078】
コーヒー豆としては、特に限定されず、従来の公知のコーヒー豆の銘柄(例えば、ガテマラ、ブラジル
(サントス、ダテーラ等)、エチオピア(モカイルガチェフ等)、コスタリカ、キリマンジャロ、ベトナ
ム、コロンビア、タンザニア、モカ、ブルーマウンテン、クリスタルマウンテン、ケニア、マンデリン、
メキシコ等)等を、1種単独で使用することも、2種以上をブレンドして用いることもできる。また、銘
柄以外にも、ロット、産地、精製方法及び生産年について、いずれのコーヒー豆を用いることもできる。
さらに、銘柄、ロット、産地、精製方法及び生産年のいずれかが異なる、2種以上のブレンドであって
も、ハゼ発生時期を予測することができる点で、本実施形態に係るコーヒー豆のハゼ発生予定時期予測方
法は有用である。

50
(15) JP 6261788 B1 2018.1.17
【0079】
焙煎方法としては、例えば、焙煎容器(回転ドラム)を回転させて、コーヒー豆を混ぜながら、コーヒ
ー豆を焙煎することができる。回転の条件としては、従来の公知の条件を用いることができ、例えば、5
~60rpmの条件を用いることができる。
【0080】
焙煎工程において、温度センサー等の温度測定手段を用いて、焙煎容器内の温度を測定してもよく、測
定しなくてもよい。焙煎容器内の温度を測定することで、焙煎時の焙煎容器内の雰囲気温度を確認するこ
とができる。
【0081】

50
(16) JP 6261788 B1 2018.1.17
本発明における焙煎工程において、焙煎しながら、コーヒー豆のチャフ(いわゆる、シルバースキン) 10
を除去するために、焙煎により発生したチャフを回収することができる。
【0082】
本発明における焙煎工程において、焙煎時間は、指標とする一酸化炭素の設定値に応じて、自ずと定ま
るものであるが、例えば、300~1500秒の範囲内で行うことができる。
【0083】
〔一酸化炭素量測定工程〕
一酸化炭素量測定工程は、焙煎中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素量を測定する工程である。
【0084】
測定対象の一酸化炭素の量としては、特に限定されず、発生した一酸化炭素の絶対量及び相対量(濃 20

度)いずれを用いることもできる。
【0085】
一酸化炭素の測定手段(センサー)としては、特に限定されず、例えば、根本特殊化学社製のNAP-
505等を用いることができる。
【0086】
測定箇所(測定対象)としては、特に限定されず、例えば、焙煎が行われる箇所(空間)
、又は焙煎が
行われる箇所から排気したものを測定することができる。排気したものを測定する場合、一酸化炭素を測
定するための測定手段に一酸化炭素を送気する際に、より正確に測定を行うために、フィルター(例え
ば、チャフフィルター等)による異物の除去を行うことが好ましい。また、送気は、一酸化炭素の量を正 30
確に測定するために、一定の速度で行うように行うことが好ましい。一酸化炭素の送気は、送気の速度を
調整するために、気体ポンプにより行うことも、気体ポンプを用いずに行うこともできる。送気により、
測定箇所の圧力が変化する場合、測定箇所の圧力を一定に保つために、圧力を測定箇所の外部に逃がすこ
ともできる。
【0087】
測定頻度としては、特に限定されず、連続的に行うことも、断続的に行うこともできる。連続的又は断
続的いずれであっても、経時的に測定を行うことが好ましい。経時的に測定を行うことにより、将来の一
酸化炭素発生量をより正確に予測することができ、その結果として、ハゼ発生時期をより正確に予測する
40
ことができる。
【0088】
〔予測工程〕
予測工程は、一酸化炭素量に基づいて、コーヒー豆のハゼ発生予定時期を予測する工程である。
【0089】
具体的に、予測工程では、一酸化炭素量測定工程で測定した一酸化炭素の量が閾値を超えた場合に、所
定の期間後にハゼが発生することを予測する。閾値の決定方法としては、例えば予め複数種類(銘柄、生
産年等)の豆で一酸化炭素量とハゼ発生時期の相関を記録し、ハゼ発生の所定期間前(例えば、1~2分
前)の一酸化炭素量を閾値とする。そして、予測工程では、測定した一酸化炭素量が閾値を超えた場合
に、その時点をハゼ発生の所

50
(17) JP 6261788 B1 2018.1.17
定期間前(例えば、1~2分前)と判断し、その時点から所定期間後(例えば、1~2分後)にハゼが発
生すると予想する。
【0090】
また、ハゼ発生時又は発生中の一酸化炭素量を閾値としてハゼ発生時期を予想することもできる。さら
に、実際の運用で制御装置等に学習させることもできる。
【0091】
なお、コーヒー豆のハゼ発生予定時期を測定した後、コーヒー豆の焙煎条件を変更して焙煎コーヒー豆
を製造する場合、実際には、コーヒー豆のハゼ発生予定時期より所定期間前(例えば、1~2分前)の条
件変更時期を見積もる。このようにして条件変更時期を見

50
(18) JP 6261788 B1 2018.1.17
積もって焙煎条件を変更することにより、所望の香味を有するコーヒー豆を得ることができる。 10
【0092】
そして、このようにしてハゼ発生を予測した場合、例えば、所定の期間、焙煎温度(例えば、火力)を
増加・減少させるか、又は焙煎装置内の空気の送風量を変更させる等の操作を行う。送風量の調整は、例
えば、焙煎装置に設けた排気ダンパーの開閉により調整することができる。これにより、所望の香味を有
するコーヒー豆を精度良く製造することができる。
【0093】
<コーヒー豆のハゼ発生予定時期予測装置>
本実施形態に係るコーヒー豆のハゼ発生予定時期予測装置は、例えば、上述のコーヒー豆のハゼ発生時
期予測方法を実現することができる装置である。以下に本発明の一実施形態であるコーヒー豆のハゼ発生 20
予定時期予測装置について、図3を用いて説明する。
【0094】
図3は、コーヒー豆のハゼ発生予定時期予測装置の概略図である。図3に示すように、コーヒー豆のハ
ゼ発生予定時期予測装置2は、一酸化炭素量測定部20と、予測部21と、制御部22と、を備える。一
酸化炭素量測定部20は、焙煎装置3の排気部34に接続される。また、制御部22は、焙煎装置3の焙
煎条件(温度、時間等)を調整する調整部
36に接続される。
【0095】
30
〔焙煎装置3〕
必須の態様ではないが、測定対象であるコーヒー豆を焙煎するための焙煎装置としては、排気部34
が、一酸化炭素量測定部20に一酸化炭素を送気可能に構成されること及び調整部36が予測部11と通
信可能に接続されること以外、上述した焙煎装置3と同様のものを用いることができる。
【0096】
〔ハゼ発生予定時期予測装置2〕
ハゼ発生予測時期測定装置2は、一酸化炭素量計測部20と、予測部21と、制御部22を有する。ハ
ゼ発生予測時期測定装置2は、上述した焙煎装置3内において焙煎されるコーヒー豆から発生する一酸化
炭素量に基づき、ハゼの発生時期を予測する。以下、各部についてそれぞれ説明する。なお、制御部12
40
は必須の態様ではない。
【0097】
(一酸化炭素量測定部20)
次に、本実施形態に係る一酸化炭素量測定部20について説明する。一酸化炭素量測定部20は、焙煎
装置3から送られた一酸化炭素の量を測定可能に構成されるものである。なお、図示しないが、本実施形
態に係るコーヒー豆のハゼ発生予定時期測定装置2は、一酸化炭素量測定部20と排気部34の間にフィ
ルターをさらに備えるものである。
【0098】
一酸化炭素量測定部20は、焙煎中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素の量を測定可能な手段であ
る。一酸化炭素量測定部20としては、例えば、根本特殊化学社製のNAP-505等を用いることがで
きる。一酸化炭素量測定部20は、本実施形態においては、

50
(19) JP 6261788 B1 2018.1.17
焙煎装置4から排気された一酸化炭素を測定するように、焙煎装置3とは別に(焙煎装置3の外部に)構
成したが、焙煎装置3の内部に一酸化炭素量測定部20を設けることもできる。
【0099】
また、フィルターは、焙煎装置3から送気された一酸化炭素が一酸化炭素量測定部20に達するまでの
間の一酸化炭素の通路に配置されるものである。このようなフィルターによって、一酸化炭素量測定部2
0に一酸化炭素を送気する際に、異物(例えば、チャフ)を除去することができるため、より正確な一酸
化炭素量の測定を行うことができる。フィルターとしては、特に限定されないが、例えば、チャフフィル
ター等を用いることができ

る。 10
【0100】
また、コーヒー豆のハゼ発生予定時期予測装置1は、本発明の効果を損なわない範囲において、適宜他
の構成要素を備えることができる。例えば、一酸化炭素を測定部1に送気するための気体ポンプをさらに
備えることができる。
【0101】
(予測部21)
予測部21は、一酸化炭素量測定部20による一酸化炭素量の測定結果に基づいて、コーヒー豆のハゼ
発生予定時期を予測する手段である。
【0102】 20

(制御部22)
必須の態様ではないが、制御部22は、予測部21によるハゼ発生予定時期の予測に基づいて、焙煎装
置3における焙煎の条件を調整可能な手段である。
【0103】
制御部22は、予測部21からハゼ発生予定時期の出力を受け取り、そのデータに基づいて、焙煎装置
3の制御部に焙煎条件を変更するように指示をする。これにより、焙煎装置3における焙煎の条件を調整
可能とする。そして、このようにして、焙煎条件を調整することにより、適切に焙煎条件が制御された焙
煎コーヒー豆を製造することができる。
【0104】 30

制御部22において、焙煎条件の調整する具体的な方法としては、目的に応じて適宜選択されるもので
あり、特に限定されないが、例えば、コーヒー豆の焙煎度に連動して、コーヒー豆に対する熱の供給の条
件(例えば、焙煎温度、焙煎時間、送風の条件、回転ドラムの回転の条件等)を変更し、焙煎の進行速度
等を調整することができる。また、コーヒー豆に対する熱の供給を停止することもできる。
【0105】
また、本実施形態においては備えていないが、制御部22は、一酸化炭素量における気体ポンプのスイ
ッチのオン・オフを指示することができる。また、制御部22は、データ(例えば、一酸化炭素濃度、焙
煎開始からの経過時間、焙煎温度内の温度、気温等)を記録するために、例えば、別のコンピュータ(パ
40
ソコン)にデータを送るように構成することもできる。
【0106】
なお、予測部21及び制御部22は、それぞれが通信可能な状態で一酸化炭素量測定部20及び調整部
36に接続されていればよい。例えば、予測部21及び制御部22をネットワーク上のサーバに設置する
ことができる。
【0107】
<ハゼ検知方法とハゼ発生時期予測方法を組み合わせ>
なお、上述したハゼ検知方法とハゼ発生時期予測方法を組み合わせて用いることができる。これによ
り、ハゼ発生をより高精度に検知することができる。

50
(20) JP 6261788 B1 2018.1.17
【実施例】
【0108】
<焙煎コーヒー豆製造装置の準備>

50
(21) JP 6261788 B1 2018.1.17
焙煎コーヒー豆製造装置4として、図1に示したハゼ検知装置1、図3に示したハゼ発生予定時期予測
装置2、及び図1及び図3に示した焙煎装置3をいずれも備える装置を作製した(図4)
。それぞれにつ
いて、以下に詳細に説明する。
【0109】
[焙煎装置3]
焙煎手段3は、GeneCafe CBR-101(GeneSys社製)を用いた。焙煎手段3は、
焙煎容器30と、熱源部31としての電熱ヒーターと、送風部32としてのブラワと、温度測定部33と
しての温度センサーと、排気部34と、チャフコレクター
35と、調整部36とを備えるものである。

50
(22) JP 6261788 B1 2018.1.17
【0110】 10
なお、GeneCafe CBR-101は、通常、焙煎容器30としての円筒形の耐熱ガラスを有す
る。本実施例においては、ハゼ音を透過させるため、0.1tの真鍮製の筒を製造し、変更して用いた。
【0111】
調整部36は、温度や焙煎時間のタイマーに応じてコーヒー豆の焙煎条件を直接変更可能なものであ
る。
【0112】
排気部34は、ハゼ発生予定時期予測装置2の一酸化炭素量測定部10に排気ガスを供給するように設
計した。
【0113】 20

本実施例において、具体的な焙煎条件としては、ドラム回転数10~11rpmであり
、風量約150L/分、温度調整範囲60~250℃とした。
【0114】
[ハゼ検知装置1]
ハゼ検知装置1における各部の詳細は、以下のとおりである。
【0115】
(音圧測定部10)
音圧測定部10としては、マイクロフォン(Knowles社 SPU0410LR5
H-QB)を用いた。 30

【0116】
(ハゼ検知部11)
ハゼ検知部11は、図3に示したように、バンドパスフィルタ111と、ピークディテクタ112と、
波形解析器113と、計数器114と、を備えるものを構成した。
【0117】
バンドパスフィルタ111としては、アナログオペアンプによる2段増幅型バンドパスフィルタを用い
た。ピークディテクタ112としては、アナログオペアンプとアナログコンパレータで構成した。波形解
析器113としては、アナログコンパレータとマイクロコンピュータで構成した。計数器114としては
マイクロコンピュータを用いた。 40

(制御部12、22)
また、制御部12、22では、データを記録するために、10秒あたりのハゼ音の発生回数、COガス
濃度、経過秒、設定温度、排気温度をコンピュータ(パソコン)へ送信するように設定した。
【0118】
[ハゼ発生予定時期予測装置2]
ハゼ発生予定時期予測装置2としてのセンサーユニットは、更に、フィルター、気体ポンプを備えるも
のとして設計した。ハゼ発生予定時期予測装置2における各部の詳細は、以下のとおりである。
【0119】
(一酸化炭素量測定部10)
一酸化炭素量測定部10としては、根本特殊化学社製のNAP-505(CO測定範囲

50
(23) JP 6261788 B1 2018.1.17
:0-1000ppm)のセンサーデバイスを用いて、CO(一酸化炭素)を測定した。
【0120】
(チャフフィルター)
チャフフィルターは、焙煎装置3の排気部34から供給された排気ガスに混じったチャフ等の異物を除
去するためのものである。チャフコレクターとしては、上述のGeneCafe CBR-101(Ge
neSys社製)の付属品を用いた。
【0121】
(気体ポンプ)
気体ポンプは、焙煎装置3における排気部34からの排気ガスをハゼ発生予定時期予測

50
(24) JP 6261788 B1 2018.1.17
装置1へ送るものである。気体ポンプとしては、KNF社製のNF-11を用いた。この気体ポンプ能力 10
は、100ml/分であった。
【0122】
<実施例1>
上述した焙煎コーヒー豆製造装置4を用いて、250gのコーヒー豆(モカシダモG4)を焙煎した。
加熱温度を230℃で一定とした。このとき、ハゼ未発生時(焙煎開始から約440秒)の焙煎装置の装
置音及び環境雑音を主とする音と、ハゼ発生時(焙煎開始から約620秒)のハゼ音を主とする音を測定
し、バンドパスフィルタの入出力及びピークディテクタの出力の3チャネルを同時にデジタルオシロスコ
ープで測定・記録した。
【0123】 20

図5(a)~(c)は、焙煎装置の装置音及び環境雑音のマイクロフォンの出力波形(図5(a)
)、1
0kHzバンドパスフィルタ通過後の波形(図5(b)
)、ピークディテクタ出力の波形(図5(c)
)で
ある。
【0124】
図6(a)~(c)は、ハゼ音のマイクロフォンの出力波形(図6(a)
)、10kHzバンドパスフィ
ルタ通過後の波形(図6(b))、ピークディテクタ出力の波形(図6
(c))である。
【0125】
30
<実施例2>
(実施例2-1~2-4)
上述した焙煎コーヒー豆製造装置4を用いて、250gのコーヒー豆を焙煎した。加熱温度を230℃
で一定とした。また、一酸化炭素量測定部において測定された排出ガス中の一酸化炭素の濃度が600p
pmとなったとき、調整部36にて加熱を停止した。
【0126】
ハゼ音未発生時の期間として、焙煎開始から480~540秒の60秒間を選択し、その期間の装置音
及び環境雑音を測定した。この60秒間の各秒のピーク値を記録し、60秒間の平均値を記録し、焙煎開
始から541秒以降の閾値とした。焙煎開始から541秒以降では、測定した音圧がこの閾値を超えてお
40
り、閾値を超えた時より0.5ミリ秒前からの3ミリ秒前の期間に閾値の1/4以上の電圧が記録されて
いない場合、ハゼ音と判断し、計数器に信号を送信する。一方で、この期間に閾値の1/4以上の電圧が
記録されている場合、雑音と判断し、計数器に信号を送信しない。
【0127】
コーヒー豆の銘柄としては、サントスNo.2(実施例2-1)、モカシダモG4(実施例2-2)、ガ
テマラSHB(実施例2-3)
、ブラジルダテーラリザーブ(実施例2-4)を用いた。図7~10は、
焙煎開始からの時間における排出ガス中の一酸化炭素の濃度、10秒ごとのハゼ発生回数、設定温度及び
排気温度のプロファイルである。
【0128】
表1に、実施例2-1~2-4において、第1のハゼ音発生時の排出ガス中の一酸化炭素の濃度、第2
のハゼ音発生時の排出ガス中の一酸化炭素の濃度、焙煎開始から4ppm、5ppm、30ppm、40
ppm、50ppmまでの時間を示す。なお、表1においては、排出ガス中の一酸化炭素の濃度が3pp
m以上30ppm未満の範囲で検知した最
初のハゼ音を「第1のハゼ音の開始」
、同50ppm以上で検知した最初のハゼ音を「第
2のハゼ音の開始」としている。
【0129】
【表1】

50
(25) JP 6261788 B1 2018.1.17

【0130】
(実施例2-5~2-8)
180℃で300秒、200℃で120秒、224℃で120秒、その後230℃で保持する温度プロ
ファイルにおいて、排出ガス中の一酸化炭素の濃度が9ppmとなったとき20秒間そのときの設定温度
を10℃低下させ、また、排出ガス中の一酸化炭素の濃度が80ppmとなったとき20秒間そのときの
設定温度を30℃低下させるよう設定した以外、実施例2-1~2-4と同様にして、コーヒー豆を焙煎
した。図11~14は、焙
煎開始からの時間における排出ガス中の一酸化炭素の濃度、10秒ごとのハゼ発生回数、設定温度及び排 20
気温度のプロファイルである。
【0131】
表2に、実施例2-5~2-8において、第1のハゼ音発生時の排出ガス中の一酸化炭素の濃度、第2
のハゼ音発生時の排出ガス中の一酸化炭素の濃度、焙煎開始から4ppm、5ppm、30ppm、40
ppm、50ppmまでの時間を示す。なお、表2においては、排出ガス中の一酸化炭素の濃度が3pp
m以上30ppm未満の範囲で検知した最初のハゼ音を「第1のハゼ音の開始」、同50ppm以上で検
知した最初のハゼ音を「第
2のハゼ音の開始」としている。
【0132】 30

【表2】

【0133】 40
表1及び表2を対比すると、焙煎温度のプロファイルに相違があるにも関わらず、実施例2-1~2-8
においてはいずれも、第1のハゼ音を検知したときの排出ガス中の一酸化炭素の濃度と、第2のハゼ音を
検知したときの排出ガス中の一酸化炭素の濃度は、それぞれ5ppm~9ppm、55ppm~81pp
mの範囲にある。したがって、ハゼ音の発生と、排出ガス中の一酸化炭素の濃度はコーヒー豆の個体差や
焙煎温度にもかかわらず
、対応関係があるものと示唆される。
【0134】
上述した焙煎コーヒー豆製造装置4を用いて、250gのコーヒー豆(モカシダモG4
)を焙煎した。加熱温度を230℃で一定とした。解析の対象とする音の中心周波数(kHz)と半値幅
(kHz)を表3のとおり変更して、第1のハゼ発生時(焙煎開始後549~789秒)及び第2のハゼ
発生時(焙煎開始後799秒~999秒)それぞれにおける、ハゼ発生回数(各期間の総発生回数)、10

50
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秒あたりの平均のハゼ発生回数を測定するとともに、第1のハゼ発生時及び第2のハゼ発生時のハゼ発生
回数の分布について、歪度及び尖度を計算した。その結果について、表3に併せて示す。
【0135】
【表3】

【符号の説明】
【0136】
1 ハゼ検知装置
10 音圧測定部
11 ハゼ検知部
111 バンドパスフィルタ
112 ピークディテクタ
113 波形解析器 40
114 計数器
12 制御部
2 ハゼ発生予定時期予測装置
20 一酸化炭素量測定部
21 予測部
22 制御部
3 焙煎装置
30 焙煎容器
31 熱源部

50
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32 送風部
33 温度測定部
34 排気部
35 チャフコレクター
36 調整部
4 焙煎コーヒー豆製造装置

10
【要約】
【課題】コーヒー豆の焙煎に際し、ハゼの発生時期を簡易且つ正確に検知又は予測する方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るコーヒー豆のハゼ検知方法は、焙煎中のコーヒー豆から発生する音を経時的に測
定する音測定工程と、音のうち5kHz以上80kHz以下の範囲に含まれる範囲の周波数の音圧に基づ
いて、コーヒー豆のハゼを検知するハゼ検知工程と、を有する。焙煎開始2分後から、音測定工程を開始
することが好ましい。少なくとも焙煎開始2分後まで、焙煎中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素量を
測定する初期一酸化炭素量測定工程をさらに有することが好ましい。
【選択図】図4 20

【図1】 【図2】

【図3】

【図4】 【図5】
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【図6】 【図7】
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【図8】 【図9】

【図10】 【図11】
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【図12】 【図13】

【図14】
(31)

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(56)参考文献 カナダ国特許出願公開第02267608(CA,A1)
豪国特許出願公開第2004100812(AU,A1)
韓国公開特許第10-2015-0131599(KR,A)
WILSON, Preston S. et al.,Coffee roasting acoustics,The Journal of the Acoustical So
ciety of America,2014年 5月13日,Vol.135, No.6,EL266

(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)
A23F
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
FSTA/WPIDS(STN)
CiNii

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