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252 昭 和32年2月 日 本 化 学 雑 誌 第78巻 第2号 (62)

のRh3+とRh4+の 間 で,Rh3+ごRh4+な る原子 し た黒 色 物 質 を得 た 。

価 共 鳴 に よ る もの で あ る とし た(Rh4  +の 確 認 に つ い て

.は別 に常 磁 性 共 鳴 吸 収 に よ っ て測 定 を要 す る)◎ 絡 りに のぞ み,始 終 青 山新 一 博 士 に御 指 導 を賜 わ り,


(4)ロ ジ ウ ム塩 の 化 合物 に つ い て は 分 析 結 果 で は X線 回折 には 大 阪 大 学 理 学部 仁 田 勇博 士,桐 山 良一 博
Rh4+の 場 合 はK2RhC16,Rh3+の 場合 はK3RhC16と 士 お よび 教 室 の 方 々,ま た磁 気測 定 に は東 京 大 学 理 学 部
して ほ ぼ近 い 値 を得 るが,X線 回 折 の 結 果 で はRh3+を 赤 松 秀 雄 博 士,松 永 義 夫 学 士 お よび分 光分 析 に は 東京 国
K3RhC16と し て考 え る こ とは な お疑 問 とす る。 立 丈 化 財 研 究 所 の登 石 健 三 博 士等 の方 々に 御 指 導 を賜 わ
(5)0ジ ウ ム塩 とK2PdCI6(赤 色)と の混 晶 で 予 想 り,こ こ に厚 く御 礼 を 申 し上 げ ます 。

(富 山大 学 文 理 学部,富 山市)(昭 和31年9月17日 受 理)

酢 酸 ビニル気 相 合 成 の 反 応速 度 に つ い て

山 田 昇

製 し さ らに五酸 化 リンの 上 を通 し て真 空 蒸 留 す る こ と に
1.緒 言 よ って 乾 燥 した 。 触 媒 は粒 状 活 性 炭(ツ ル ミコ ールGV

酢 酸 ビ ニル は酢 酸 亜 鉛 活 性炭 触 媒 を用 い,ア セ チ レ ン A-S)に 酢 酸 亜 鉛 溶液 を 吸収 させ た後,乾 燥 し た もの で,

と酢 酸 を2000C前 後 で 反 応 させ て合 成 され る。 この気 32%の 酢 酸 亜 鉛 を含 ん でい る。

相 合 成 反 応 に つ い て の従 来 の 研究 に よ る と,そ の反 応 速 2.装 置

度 が ア セ チ レ ンの 分 圧 に つい ての み1次 で あ って,酢 酸 前 報2)で 使 用 し た もの と全 く同 じ で あ るが,第1図 に


の分 圧 に は無 関係 で あ る とい わ れ て い る1)。 著者 らは さ その主 要 部 の み を示 す 。Vは 容 積440ccの 反応器で触

きに重 水素 トレー サ ー を利 用 して,こ の 気 相合 成 の反 応 媒189を いれ て あ る。Bは ブル ドン圧 力 計 で,前 もって

申 に ア セ チ レ ン と酢 酸 との問 に水 素 交換 が す み や か に行 補 正 して あ り,望 遠 鏡 で観 察 し て1搬mHgの 精度で零


われ る事 実 を認 めて,つ ぎの よ うな 機 作 を提 出 し た2)。 な い し120mmHgの 範 囲 を測 定 で き る。 反 応器 の温 度
CH≡CH十CH3COOHE==≧CH2ニCH+十CH3COO- は電 気 炉Fに よ って 士0.50Cに 調 節 され た 。
一→CH2=CH・OCOCH3
ア セ2ブ
酢 酸

(1)

この機 作 に よ る と,反 応 次数 は ア セ チ レ ン と酢 酸 につ き
それ ぞれ1次,し たが って2次 反 応 に な る のが 妥 当 と考
え られ る。 そ うす る と他 の 研究 者 の実 験 結 果 と矛 盾 す る レ
ポ ンフo
よ うで あ る。著 者 は この 点 を検 討 す る た め に,こ の反 応

の 速度 を測 定 す る こ とに した 。 そ して この反 応 が 固 体 触
媒 の表 面 で行 われ る こ とに留 意 して,実 験 結 果 を考 察 す
るの に都 合 の よい よ うに,以 下 に報 告 す るよ うな 静 的方

法 を用 い て実 験 を行 った 。
第1図 反応速度測定装置
II.実 験 方 法
3.操 作
1.試 料 操 作 の一 例 は つ ぎの よ うで あ る。 反 応 器Vを170。C
ア セ チ レ ンの 製 法 お よび 精 製法 は 前 報2)と 同 じで あ に加 熱 排 気 し,10-4mmH9に 達 して 後,な お 数 時 間排
る◇酢 酸 は市販 の氷 酢 酸 を凍 結 と蒸 留 とを く り返 して 精 気 し てか ら実 験 温 度1600Cに 調 節 す る。 つ ぎにU字 管
Uへ 酢 酸0.2ccを 真 空 蒸 留 し 込 ん で,コ ッ クC2を 閉
1)古 川,小 笹,山 下,高 分 子 化 学9,240(1952).
2)山 田,小 林,本 誌7s,722(1955). じ る。Uを 室温 の水 に浸 して 放 置 す る と酢 酸 は 全 部触 媒
(63) 山 田:酢 酸 ビ ニル気 相合 成 の反 応 速 度 につ いて 253

に吸 着 され る ・ その 時 の平 衡 蒸 気 圧 をBに よ って 読 む。 っ た。
これ をP'と す る。 つ ぎに ア セ チ レ ンをC1,C2,C3間 5.実 験法の吟味
の ガ ラ ス管 内 に350mmHg前 後 の 圧 ま で 入れ る。C1を 上 記 の 測定 法 を つ ぎの方 法 に よ って 吟 味 し た 。反 応 実
閉 じC2を 開 きア セ チ レ ンの一 部 を反 応器 に 入れ,た だ 験 申 の任 意 の 時刻 ∫に第1図 のUを 液 体 酸 素 に浸 し,反
ちにC2を 閉 じ る・ この 時 を反 応 開 始 時 刻 と し,時 間 に 応 器 申 の反 応物 お よ び生 成 物 をUに 凝 固 させ て反 応 を停
と もな う圧 変 化 をBに よ って 観 察 す る。 止 させ る。 つ ぎに この凝 固 物 を真空 蒸 留 に よ って,分 析
0.反 応速度定数の求め方 用 試 料 容 器 に移 す 。 この試 料 につ い て 臭素 法 に よ り酢酸
あ る時 刻tに 観 察 され た 反 応 系 の 全 圧 をPと し,そ ビニ ル の定 量 分 析 をす る。 この操 作 を酢 酸 ビ ニル の認 め
の 時 刻 に お け るア セ チ レ ンの分 圧 をP、 とす る と,近 似 られ な くな る まで く り返 して,酢 酸 ビニル の 生 成 量(モ ル
的に 数)を 求 め る。0方 反 応 開 始 以来,時 刻tま で の ア セ チ
1㌔一P-P'(2) レ ンの圧 変 化 か ら,ア セ チ レ ンの減 少 量(モ ル数)を 求
とす る こ とが で き る。Pfは 反 応 開 始 前 の 酢 酸 の 吸 着平 め る。 この よ うな 数 回 の 実 験 に よ って 両 者 を 比 較 す る
衡 圧 で あ っ て,反 応 初 期 で は反 応 に よ るP'の 微小 な減 と,反 応 開 始 後1時 間 以 内 で は,ア セ チ レ ンの 圧 に して
少 は生 成 物酢 酸 ビニ ル の蒸 気 圧 と相 殺 して,(2)式 が成 1mmHg以 内 の誤 差 で 一 致 した 。 ま た 考 え られ る最 も

立 つ と考 え られ るか らで あ る。 この よ うに してPα を求 主 要 な副 反 応 生 成 物 の ア セ トア ル デ ヒ ドにつ い て,前 記


め,そ の 対数 を反 応 時 間 に対 して とれ ば,第2図 のよう の分 析 用 試 料 を分 析 した が,ほ とん ど定 量 し難 い ほ ど儀
に よ く直線 上 に の る。 この 関係 は つ ぎの式 で あ らわ され 少 で あ って 副 反 応 を無 視 して差 支 え な い。 し たが って前
るO 記 の反 応 速 度 測 定方 法 は,以 下 に述 べ る実 験 の 精 度 お よ
dP8
一 一aガ=々1P び考 察 の範 囲 にお い て,十 分 な 実験 方 法 とい うこ とが で
・(3)
きる 。
この式 は 気相 中 の ア セ チ レ ンの分 圧 の減 少 速 度 を示 す も
III.実 験 結 果
の で,本 報 の 実 験条 件 で は後 述 の よ うに副 反 応 を無 視 で

き るか ら,酢 酸 ビニ ル合 成 反 応 の速 度 式 で あ る。 多 数 の 1・ ア セ チ レンの 初 圧 と反 応速 度 定 数

予 備 実 験 にお い て ま た本 報 の実 験 に おい て,い ず れ も反 酢 酸 の0定 量0・2ccを あ らか じめ 触 媒 に吸 着 させ て


応 開 始 後1時 間 以 内 で(3)式 が 成 立 し た 。す な わ ち反 応 お き,こ れ に加 え るア セ チ レ ンの量 を種 々 に変 えて 実験
速 度 は ア セ チ レ ンの 分 圧 に つい て1次 で あ る。 々1は 速 し た 。 ア セ チ レンめ初 圧 が70な い し130mmHgの 範
度 定 数 で あ っ て,時 間 一10gPσ 曲線 の傾 斜 か ら求 め られ 囲 で,160◇Cに お け る反 応 速 度 定 数klを 求 め た。 その
る。 上記 の 実 験操 作例 で は 島 一4.5×10-3 min-1に な 結 果 は第3図 の よ うに反 応 速 度 定 数 島 は ア セ チ レ ンの
初 圧 の変 化 に対 して 一 定 で な く,そ の増 加 に対 して わ ず
か な が らほ ぼ直 線 的 の減 少 を示 した 。 この こ とは反 応 速
度 が ア セ チ レ ンの圧 につ き員 か け上1次 で あ るが,酢 酸
の 量 に も関 係 して い る こ とを 暗示 して い る。

2。0㌧
。へ bρ〇一
4
99

s.o
&H×憲

,.8
4
0 6
1﹂0

0 2040 60 80ft124

反 応 時 間(min) Pαo(mmHg)

第2図 酢 酸 ビニ ル合 成 の反 応 速 度 第3図 ア セ チ レ ン の 初 圧 と反 応 速 度 定 数
(160。C,No.217) (1600C)
254 昭和32年2月 日本化 学 雑誌 第78巻 第2号 (64)

2.酢 酸 の 吸 着量 と反 応 速 度

あ らか じめ 触 媒 に 吸着 させ る酢 酸 の 量 を種 々 に変 え,


0
(bo国 已 日 )
加 え る ア セチ レ ンの 量 を0定 に し て160。Cに お け るア
セ チ レ ン の圧 につ い て の反 応速 度定 数 々1を求 め た・ そ

8
の結 果 を第4図 に 示 す 。k1は 酢 酸 の 吸 着 量 の 増 加 す る
に し たが い,初 め は増 大 し 吸 着量0.1ccを 越 え る と反
対 に減 少 し た 。 瓠6
1
§

O 0L10.20.3Q,4
45
AcOH(cc)

第5図 酢 酸 の 吸 着 量 とア セ チ レ ンの 吸 着 量
。。OH× 建

4
0

(160。C)

を 認 め た 。 酢 酸 の 常 温 に お け る 密 度 よ り分子 半 径 を求

5,5 め,1600Cの 触 媒 表 面 上 にお い て も酢 酸 分 子が この 大 き
さ を持 つ と仮 定 して,上 記 の触 媒 表 面 積 に よ って,単 分 子

層 を もって 触 媒 の 全表 面 を覆 うに要 す る酢 酸 量 を求 め る
3・00
0」020504 と常 温 にお い て0.28ccと い う値 に な る。第4図 および
第5図 に破 線 に よ っ て この 量 を書 き入れ た 。
AcOH(cc)

第4図 酢 酸 の 吸着 量 と反 応 速 度 定 数 IV.考 察
(160。C)
静 的 方 法 に よ って酢 酸 ビニ ル合 成 反 応 の 速 度 を測 定 し
3.酢 酸 の 吸着 量 と ア セチ レンの 吸着 量 た実 験 結 果 は反 応 速 度 が 見 か け 上 ア セ チ レ ンの分 圧 につ

さ きの第2図 で,Pα 。 は計 算 に よ って求 め た ア セ チ レ い て1次 で あ るが,触 媒表 面 の酢 酸 の 量 に 著 し く関 係 す


ンの初 圧 で あ り,P鞠 は外 挿 に よ って 求 め た実 験 的 初 圧 る こ とを示 し た 、 そ し て酢 酸 の 吸 着 量 が小 な る と きは反

で あ る。 触 媒 を含 む 反 応 器 に ア セ チ レ ンを加 え た 瞬 間 応速 度 は これ と共 に増 し,酢 酸 の 吸 着 量 が あ る量 以 上 に
に,触 媒 へ の 吸着 に よ って,ア セ チ レ ンの圧 はPαoよ な る と反 応速 度 は逆 に減 少 す る こ と を見 た。 ま た これ に
ノ ノ

りPα。 に減 少 した と考 え て よい ・ す な わ ちPα 。-Pα・は 平 行 し て反 応 初 期 の ア セ チ レ ンの 吸 着 量 が減 少 し てい る

近 似 的 に反 応初 期 の 吸着 量 とみ な す こ とが で き る。 この こ とか ら考 え て,触 媒 表 面 の酢 酸 が 多 量 に な る とア セ チ
よ うに して 上記 の各 実 験 にお け るア セ チ レ ンの初 期 吸 着 レ ンの 吸着 を妨 害 す る こ とが 推 察 され る。 この こ とは触

量 を求 めて,酢 酸 の吸 着 量 との 関 係 を見 る と,第5図 の 媒 の表 面 積 か ら計 算 し た酢 酸 の 単 分 子 層 所要 量 と比 較 す
よ うにな った 。す な わ ち 酢 酸 の 吸 着 量0.1 cc以 上では る と一・
層 明 らか で あ る。 触 媒 に あ らか じ め吸 着 させ る酢
ア セ チ レ ンの 吸 着 量 が減 少 し てい て,第4図 とよ く対 応 酸 の量 を 次第 に増 し,単 分 子 層 に よ って 触 媒表 面 の約3
す る関 係 に あ る こ とが わ か っ た。 分 の1以 上 を覆 う量 に達 す る と,ア セ チ レ ンの 吸 着妨 害
4。 触 媒 の 表 面積 と酢 酸 の 吸 着 量 の効 果 が著 し くな り,反 応 速 度 を減 少 させ る こ とを知 る

本 報 の 実 験 に使 っ た触 媒 の表 面積 をBET法 によって こ とが で き る◇

求 めた 。BET法 表 面積 測 定 に は液 体 窒素 浴(77。K)を 一般 に 不 均 一 接 触 反 応 に よ って2物 質が 反 応す ると

用 い て,窒 素 ガ ス 吸着 に よ っ た。 その結 果 は47m2/9 き,両 物 質 の触 媒 表 面 へ の 吸 着 が 十 分 速 くて 触 媒表 面 に


で あ り,使 っ た触 媒18.29に つ い て850m2で あ っ た。 お け る両 物 質 の反 応が 全 反 応 の律 速 段 階 に な って い る場
この 触 媒 は 粒状 活 性 炭 に 酢酸 亜 鉛 を つ け た もの で あ る 合 を考 え る。 さ らに一 方 の物 質が 触 媒 に強 く吸 着 され,
が,使 用 した 粒状 活 性炭 の 表 面積 を 同様 に し て測 定 し た 他方 の 物 質 は 弱 く吸 着 され る場 合 とす る。反 応速 度 理 論
ら,1100m2/9あ っ た 。す なわ ち酢 酸 亜 鉛 を活 性 炭 につ に よ る と,こ うい う場 合 に反 応 速 度"は 弱 吸 着 の物 質 の
け る こ と によ り,表 面 積 が 約20分 の1に 減 少 す る こ と 分 圧P8と 強 吸 着 の物 質 の分 圧P∂ とに つ い て つ ぎの 鴎
(65) 山 田:酢 酸 ビ ニル 気 相合 成 の反 応 速 度 に つ い て 255

係 にな る。 古川 ら1)は酢 酸 ビ ニル 気相 合 成 の 反 応 速 度 を200。C付

PσPδ(4) 近 で,洗 通 法 に よ っ て実 験 し た。 その結 果,反 応速 度 が


v=ん(1
+KPb)2 ア セ チ レ ンの 分 圧 の み に つ い て1次 で あ る こ とか ら,ア

0は 反 応 速 度 定 数 で,κ は吸 着 平 衡 定 数 で あ る。 い ま こ セ チ レ ンの 触 媒 へ の 吸 着が 全 反 応 の律 速段 階 で あ る と考

の 関係 を酢 酸 ビニ ル気 相 合 成 反 応 に当 は め て 鼻 る。 ア セ え た 。 しか し本 報 の 実 験結 果 は上 述 の よ うに ア セ チ レ ン
チ レ ンは 弱 吸 着,酢 酸 は強 吸着 の物 質 と貝 な し て よい 。 と酢 酸 は それ ぞれ 吸 着 平 衡 に あ り,触 媒 の表 面 に お け る

反 応 速 度 は ア セ チ レ ンの分 圧P。 に つ き1次 で あ る。 ま 酢 酸 とア セ チ レンの 反 応 が律 速段 階 で あ る と して よ く説


た酢 酸 の 分 圧P∂ の非 常 に小 な る と き,す な わ ち触 媒 へ 明 され る。 ア セ チ レ ンの 吸 着 を律 速 段 階 として 説 明 す る

の 吸 着 量 の 小 な る と きは反 応 速 度 は酢 酸 の 分 圧 に つ き1 こ とは難 し い 。 ま た本 報 の 実 験 条件 の下 で は,ア セ チ レ

次で あ る。P∂ が 大 にな るに つ れ て 反 応 速 度 はP∂ につ ンの 吸 着 は非 常 に す みや か で あ った 。

き零 次 とな り,さ らに 為 が大 とな る と,-1次 に近 づ 緒 言 の よ うに,著 者 は この 反 応 の 機 作 と して,ビ ニル

く こ とに な る。す な わ ち酢 酸 の吸 着 量 の 大 な る につれ て イ オ ン と酢 酸 イオ ン とが 反 応 し て酢 酸 ビ ニル を生 成 す る ・

反 応速 度 は減 少 を示 す こ とに な る。 この こ と は上 記 の 実 過 程 を 律 速 段 階 とす る 機 作(1)を 提 出 した2)。 そ して

験 結 果 とよ く適 合 す る。 い ま(4)式 を(3)式 と比 較 す (1)の 前 段 の ア セ チ レ ン と酢 酸 とか らビ ニル ィ オ ンの生

る と,つ ぎの関 係 が 得 られ る 。 成 す る反 応 は,正 逆 い ずれ の方 向 に もす み や か に進 み,平


んPδk 衡 が成 立 す る こ とを仮 定 して い るか ら,反 応 速 度 は ア セ
l・=(1+
・KP∂)2 チ レ ン と酢酸 の濃 度 につ い て それ ぞれ1次 で あ る はず で
或は あ る。 本 報 の 実験 結 果 は本 来 アセ チ レ ン と酢 酸 の濃 度 に

1+KP∂==∼/一万∼/1)∂1々1(5) つ い て それ ぞれ1次 で あ る反 応 が 触 媒 表面 で行 われ る た

P∂ を反 応 開 始 時 の酢 酸 の 蒸 気 圧P'と して も近 似 的 に め に,見 か け上 ア セ チ レ ンの 圧 に つ き1次,酢 酸 の圧に

は差 支 えな い 。 実 験結 果2の 各 測 定値 を用 い て,1)rに つ い て は1次 ない し 一1次 に な る こ とを示 し た。 した

対 してVP7ん 、を と る と,第6図 の よ うに よ く直線 上 が っ て 触 媒 表 面 の 反 応 が(1)に よ っ て 進 む とす るな ら

に の って,(5)式 の成 立 す る こ とを示 し た。 した が って ば,酢 酸 ビニ ル気 粗合 成 反 応 の機 作 は矛 盾 な く説 明 され

実 験 に よ って測 定 され た反 応速 度 は(4)式 に従 って い る る。

とみ な す こ とが で き る。
V.結 論

酢 酸 ビニ ル 気 相 合成 反 応 の 速 度 を 静 的方 法 に よ っ て
160◇Cで 実 験 した結 果,つ ぎの こ とが 明 らか に な っ た 。
60
(a)触 媒 表 面 上 の反 応が 律 速 段 階 で あ る。
(b)反 応 は 反 応 速 度式(4)に し たが う。 す な わ ち

1薯40 反 応 次数 は ア セ チ レ ンに つ き1次,酢 酸 につ い て は1次


> な い し 一1次 で あ る。
20
(c)触 媒 表 面 上 の 反 応 は反 応機 作(1)に よ って進
む と推 定 され る。
0
0 SりO 終 りに 富 山大 学 丈 理 学 部竹 内 豊 三 郎教 授 に深 く感 謝 す
P'(mmHg) るo

第6図 (昭和31年4月,日 本化 学 会 第9年 会 に て講 演)

)(〃 ㌔!\ノ蝋!)Vゾ ノ 山{)〆 ♂ゾ ノへ!/㌦/\ ノ(ノ ♂ ♂ ノ ゾ ゾ ㌧'げ戸一ズー


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