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Yamada 1957
Yamada 1957
価 共 鳴 に よ る もの で あ る とし た(Rh4 +の 確 認 に つ い て
酢 酸 ビニル気 相 合 成 の 反 応速 度 に つ い て
山 田 昇
製 し さ らに五酸 化 リンの 上 を通 し て真 空 蒸 留 す る こ と に
1.緒 言 よ って 乾 燥 した 。 触 媒 は粒 状 活 性 炭(ツ ル ミコ ールGV
相 合 成 反 応 に つ い て の従 来 の 研究 に よ る と,そ の反 応 速 2.装 置
(1)
この機 作 に よ る と,反 応 次数 は ア セ チ レ ン と酢 酸 につ き
それ ぞれ1次,し たが って2次 反 応 に な る のが 妥 当 と考
え られ る。 そ うす る と他 の 研究 者 の実 験 結 果 と矛 盾 す る レ
ポ ンフo
よ うで あ る。著 者 は この 点 を検 討 す る た め に,こ の反 応
の 速度 を測 定 す る こ とに した 。 そ して この反 応 が 固 体 触
媒 の表 面 で行 われ る こ とに留 意 して,実 験 結 果 を考 察 す
るの に都 合 の よい よ うに,以 下 に報 告 す るよ うな 静 的方
法 を用 い て実 験 を行 った 。
第1図 反応速度測定装置
II.実 験 方 法
3.操 作
1.試 料 操 作 の一 例 は つ ぎの よ うで あ る。 反 応 器Vを170。C
ア セ チ レ ンの 製 法 お よび 精 製法 は 前 報2)と 同 じで あ に加 熱 排 気 し,10-4mmH9に 達 して 後,な お 数 時 間排
る◇酢 酸 は市販 の氷 酢 酸 を凍 結 と蒸 留 とを く り返 して 精 気 し てか ら実 験 温 度1600Cに 調 節 す る。 つ ぎにU字 管
Uへ 酢 酸0.2ccを 真 空 蒸 留 し 込 ん で,コ ッ クC2を 閉
1)古 川,小 笹,山 下,高 分 子 化 学9,240(1952).
2)山 田,小 林,本 誌7s,722(1955). じ る。Uを 室温 の水 に浸 して 放 置 す る と酢 酸 は 全 部触 媒
(63) 山 田:酢 酸 ビ ニル気 相合 成 の反 応 速 度 につ いて 253
に吸 着 され る ・ その 時 の平 衡 蒸 気 圧 をBに よ って 読 む。 っ た。
これ をP'と す る。 つ ぎに ア セ チ レ ンをC1,C2,C3間 5.実 験法の吟味
の ガ ラ ス管 内 に350mmHg前 後 の 圧 ま で 入れ る。C1を 上 記 の 測定 法 を つ ぎの方 法 に よ って 吟 味 し た 。反 応 実
閉 じC2を 開 きア セ チ レ ンの一 部 を反 応器 に 入れ,た だ 験 申 の任 意 の 時刻 ∫に第1図 のUを 液 体 酸 素 に浸 し,反
ちにC2を 閉 じ る・ この 時 を反 応 開 始 時 刻 と し,時 間 に 応 器 申 の反 応物 お よ び生 成 物 をUに 凝 固 させ て反 応 を停
と もな う圧 変 化 をBに よ って 観 察 す る。 止 させ る。 つ ぎに この凝 固 物 を真空 蒸 留 に よ って,分 析
0.反 応速度定数の求め方 用 試 料 容 器 に移 す 。 この試 料 につ い て 臭素 法 に よ り酢酸
あ る時 刻tに 観 察 され た 反 応 系 の 全 圧 をPと し,そ ビニ ル の定 量 分 析 をす る。 この操 作 を酢 酸 ビ ニル の認 め
の 時 刻 に お け るア セ チ レ ンの分 圧 をP、 とす る と,近 似 られ な くな る まで く り返 して,酢 酸 ビニル の 生 成 量(モ ル
的に 数)を 求 め る。0方 反 応 開 始 以来,時 刻tま で の ア セ チ
1㌔一P-P'(2) レ ンの圧 変 化 か ら,ア セ チ レ ンの減 少 量(モ ル数)を 求
とす る こ とが で き る。Pfは 反 応 開 始 前 の 酢 酸 の 吸 着平 め る。 この よ うな 数 回 の 実 験 に よ って 両 者 を 比 較 す る
衡 圧 で あ っ て,反 応 初 期 で は反 応 に よ るP'の 微小 な減 と,反 応 開 始 後1時 間 以 内 で は,ア セ チ レ ンの 圧 に して
少 は生 成 物酢 酸 ビニ ル の蒸 気 圧 と相 殺 して,(2)式 が成 1mmHg以 内 の誤 差 で 一 致 した 。 ま た 考 え られ る最 も
き るか ら,酢 酸 ビニ ル合 成 反 応 の速 度 式 で あ る。 多 数 の 1・ ア セ チ レンの 初 圧 と反 応速 度 定 数
2。0㌧
。へ bρ〇一
4
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&H×憲
,.8
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0 6
1﹂0
0 2040 60 80ft124
反 応 時 間(min) Pαo(mmHg)
第2図 酢 酸 ビニ ル合 成 の反 応 速 度 第3図 ア セ チ レ ン の 初 圧 と反 応 速 度 定 数
(160。C,No.217) (1600C)
254 昭和32年2月 日本化 学 雑誌 第78巻 第2号 (64)
2.酢 酸 の 吸 着量 と反 応 速 度
あ らか じめ 触 媒 に 吸着 させ る酢 酸 の 量 を種 々 に変 え,
竃
0
(bo国 已 日 )
加 え る ア セチ レ ンの 量 を0定 に し て160。Cに お け るア
セ チ レ ン の圧 につ い て の反 応速 度定 数 々1を求 め た・ そ
8
の結 果 を第4図 に 示 す 。k1は 酢 酸 の 吸 着 量 の 増 加 す る
に し たが い,初 め は増 大 し 吸 着量0.1ccを 越 え る と反
対 に減 少 し た 。 瓠6
1
§
O 0L10.20.3Q,4
45
AcOH(cc)
第5図 酢 酸 の 吸 着 量 とア セ チ レ ンの 吸 着 量
。。OH× 建
4
0
(160。C)
を 認 め た 。 酢 酸 の 常 温 に お け る 密 度 よ り分子 半 径 を求
5,5 め,1600Cの 触 媒 表 面 上 にお い て も酢 酸 分 子が この 大 き
さ を持 つ と仮 定 して,上 記 の触 媒 表 面 積 に よ って,単 分 子
層 を もって 触 媒 の 全表 面 を覆 うに要 す る酢 酸 量 を求 め る
3・00
0」020504 と常 温 にお い て0.28ccと い う値 に な る。第4図 および
第5図 に破 線 に よ っ て この 量 を書 き入れ た 。
AcOH(cc)
第4図 酢 酸 の 吸着 量 と反 応 速 度 定 数 IV.考 察
(160。C)
静 的 方 法 に よ って酢 酸 ビニ ル合 成 反 応 の 速 度 を測 定 し
3.酢 酸 の 吸着 量 と ア セチ レンの 吸着 量 た実 験 結 果 は反 応 速 度 が 見 か け 上 ア セ チ レ ンの分 圧 につ
で あ る。 触 媒 を含 む 反 応 器 に ア セ チ レ ンを加 え た 瞬 間 応速 度 は これ と共 に増 し,酢 酸 の 吸 着 量 が あ る量 以 上 に
に,触 媒 へ の 吸着 に よ って,ア セ チ レ ンの圧 はPαoよ な る と反 応速 度 は逆 に減 少 す る こ と を見 た。 ま た これ に
ノ ノ
近 似 的 に反 応初 期 の 吸着 量 とみ な す こ とが で き る。 この こ とか ら考 え て,触 媒 表 面 の酢 酸 が 多 量 に な る とア セ チ
よ うに して 上記 の各 実 験 にお け るア セ チ レ ンの初 期 吸 着 レ ンの 吸着 を妨 害 す る こ とが 推 察 され る。 この こ とは触
量 を求 めて,酢 酸 の吸 着 量 との 関 係 を見 る と,第5図 の 媒 の表 面 積 か ら計 算 し た酢 酸 の 単 分 子 層 所要 量 と比 較 す
よ うにな った 。す な わ ち 酢 酸 の 吸 着 量0.1 cc以 上では る と一・
層 明 らか で あ る。 触 媒 に あ らか じ め吸 着 させ る酢
ア セ チ レ ンの 吸 着 量 が減 少 し てい て,第4図 とよ く対 応 酸 の量 を 次第 に増 し,単 分 子 層 に よ って 触 媒表 面 の約3
す る関 係 に あ る こ とが わ か っ た。 分 の1以 上 を覆 う量 に達 す る と,ア セ チ レ ンの 吸 着妨 害
4。 触 媒 の 表 面積 と酢 酸 の 吸 着 量 の効 果 が著 し くな り,反 応 速 度 を減 少 させ る こ とを知 る
本 報 の 実 験 に使 っ た触 媒 の表 面積 をBET法 によって こ とが で き る◇
係 にな る。 古川 ら1)は酢 酸 ビ ニル 気相 合 成 の 反 応 速 度 を200。C付
0は 反 応 速 度 定 数 で,κ は吸 着 平 衡 定 数 で あ る。 い ま こ セ チ レ ンの 触 媒 へ の 吸 着が 全 反 応 の律 速段 階 で あ る と考
の 関係 を酢 酸 ビニ ル気 相 合 成 反 応 に当 は め て 鼻 る。 ア セ え た 。 しか し本 報 の 実 験結 果 は上 述 の よ うに ア セ チ レ ン
チ レ ンは 弱 吸 着,酢 酸 は強 吸着 の物 質 と貝 な し て よい 。 と酢 酸 は それ ぞれ 吸 着 平 衡 に あ り,触 媒 の表 面 に お け る
次で あ る。P∂ が 大 にな るに つ れ て 反 応 速 度 はP∂ につ ンの 吸 着 は非 常 に す みや か で あ った 。
く こ とに な る。す な わ ち酢 酸 の吸 着 量 の 大 な る につれ て イ オ ン と酢 酸 イオ ン とが 反 応 し て酢 酸 ビ ニル を生 成 す る ・
反 応速 度 は減 少 を示 す こ とに な る。 この こ と は上 記 の 実 過 程 を 律 速 段 階 とす る 機 作(1)を 提 出 した2)。 そ して
1+KP∂==∼/一万∼/1)∂1々1(5) つ い て それ ぞれ1次 で あ る反 応 が 触 媒 表面 で行 われ る た
実 験 に よ って測 定 され た反 応速 度 は(4)式 に従 って い る る。
とみ な す こ とが で き る。
V.結 論
酢 酸 ビニ ル 気 相 合成 反 応 の 速 度 を 静 的方 法 に よ っ て
160◇Cで 実 験 した結 果,つ ぎの こ とが 明 らか に な っ た 。
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(a)触 媒 表 面 上 の反 応が 律 速 段 階 で あ る。
(b)反 応 は 反 応 速 度式(4)に し たが う。 す な わ ち