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JP 2007-118460 A 2007.5.

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(57)【要約】
【課題】ベントホール34への残滓の付着量を低減させる
ことで、作業者がベントホール34の清掃作業を行う回数
を効果的に減少させる。
【解決手段】タイヤ加硫機11の加硫モールド35が開放す
る直前に、圧縮空気源57から空気通路53を通じて圧縮空
気をベントホール34に供給するとともに、加硫モールド
35の開放開始時に該ベントホール34から圧縮空気を、加
硫済タイヤTから引き剥がされることで加硫モールド35
(セクターモールド32)との間に形成された空隙に噴射
する。これにより、高温の未加硫タイヤから発生するガ
ス(油煙)を、噴射される圧縮空気により吹き飛ばして
除去し、ベントホール34をクリーニングする。
【選択図】図1
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
  加硫時に未加硫タイヤとの間に残留している残留空気を外部に導く小断面積の通気孔
が複数内面に開口するよう形成されたタイヤ加硫機の加硫モールドが開放する直前に、圧
縮空気源から加硫モールドに形成された空気通路を通じて圧縮空気を少なくとも前記通気
孔に供給するとともに、該通気孔から圧縮空気を加硫済タイヤと加硫モールドとの間に噴
射して通気孔をクリーニングするようにしたことを特徴とするタイヤ加硫モールドのクリ
ーニング方法。
【請求項2】
  前記圧縮空気を空気通路を通じて加硫モールドを開閉するコンテナと加硫モールドと 10
の間に設けられた密閉状態の間隙にも供給するようにした請求項1記載のタイヤ加硫モー
ルドのクリーニング方法。
【請求項3】
  前記通気孔はベントホールである請求項1または2記載のタイヤ加硫モールドのクリ
ーニング方法。
【請求項4】
  前記通気孔は開口端部に幅狭のスリットを有する請求項1または2記載のタイヤ加硫
モールドのクリーニング方法。
【請求項5】
  加硫時に未加硫タイヤとの間に残留している残留空気を外部に導く小断面積の通気孔 20
が内面に開口するよう複数形成された加硫モールドを有するタイヤ加硫機の前記通気孔を
クリーニングするタイヤ加硫モールドのクリーニング装置であって、圧縮空気源と、加硫
モールドに形成され、前記圧縮空気源からの圧縮空気を少なくとも前記通気孔に供給する
空気通路とを備え、前記加硫モールドが開放する直前に圧縮空気源から空気通路を通じて
少なくとも通気孔に圧縮空気を供給するとともに、該通気孔から圧縮空気を加硫済タイヤ
と加硫モールドとの間に噴射するようにしたことを特徴とするタイヤ加硫モールドのクリ
ーニング装置。
【請求項6】
  前記空気通路と圧縮空気源との間に切換弁を設けるとともに、該切換弁に前記残留空
気を排気する排気源を接続し、切換弁を切換えることで、圧縮空気源から空気通路を通じ 30
て通気孔に圧縮空気を供給したり、あるいは、残留空気を通気孔、空気通路を通じて排気
源により排気するようにした請求項5記載のタイヤ加硫モールドのクリーニング装置。
【請求項7】
  前記残留空気を排気しているとき、加硫モールドを開閉するコンテナと加硫モールド
との間に設けられた密閉状態の間隙からも空気を排気源により排気するようにした請求項
6記載のタイヤ加硫モールドのクリーニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  この発明は、タイヤ加硫機の加硫モールドに形成された排気用通気孔をクリーニング 40
するタイヤ加硫モールドのクリーニング方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
  従来のタイヤ加硫機としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなもの
が知られている。
【特許文献1】特開平5−16143号公報
【特許文献2】特開平5−138656号公報
【0003】
 このものは、加硫時に未加硫タイヤとの間に残留している残留空気を外部に導く小断面
積のベントホールが内面に開口するよう複数形成された加硫モールドと、前記残留空気を 50
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ベントホールおよび加硫モールドに形成された空気通路を通じて排気する排気源とを備え
、前記加硫モールドが閉止した加硫時に前記残留空気をベントホール、空気通路を通じて
排気源により積極的に排気し、残留空気の痕跡が残ることによって生じる加硫済タイヤの
外表面不良を防止するようにしたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
  しかしながら、このような従来のタイヤ加硫機によって加硫を行うと、加硫を行う度
に、高温の未加硫タイヤから発生するガス(油煙)が小径のベントホールの内面に残滓と
なって次々と付着し、ベントホールを通じて排気される残留空気の排気量が短期間のうち 10
に低下してしまうため、作業者がベントホールに付着した残滓を除去する清掃作業を頻繁
に行わなければならないという課題があった。
【0005】
 また、前述のようなタイヤ加硫機によって未加硫タイヤを加硫すると、加硫済タイヤの
外表面には、ベントホールにゴムが流入することで、スピューが発生してしまうため、前
記特許文献2に記載のように、ベントホールの代わりに開口端部に幅狭のスリットを有す
る通気孔を加硫モールドに設け、前記スピューの発生を抑制するようにしたものもあるが
、このものは、スリットの幅がベントホールの直径より小さいため、前述のような課題は
より顕著となる。
【0006】 20
 この発明は、ベントホール、通気孔に付着した残滓を除去する清掃作業の回数を効果的
に減少させることができるタイヤ加硫モールドのクリーニング方法および装置を提供する
ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
  このような目的は、第1に、加硫時に未加硫タイヤとの間に残留している残留空気を
外部に導く小断面積の通気孔が複数内面に開口するよう形成されたタイヤ加硫機の加硫モ
ールドが開放する直前に、圧縮空気源から加硫モールドに形成された空気通路を通じて圧
縮空気を少なくとも前記通気孔に供給するとともに、該通気孔から圧縮空気を加硫済タイ
ヤと加硫モールドとの間に噴射して通気孔をクリーニングするようにしたタイヤ加硫モー 30
ルドのクリーニング方法により、達成することができ、
【0008】
 第2に、加硫時に未加硫タイヤとの間に残留している残留空気を外部に導く小断面積の
通気孔が内面に開口するよう複数形成された加硫モールドを有するタイヤ加硫機の前記通
気孔をクリーニングするタイヤ加硫モールドのクリーニング装置であって、圧縮空気源と
、加硫モールドに形成され、前記圧縮空気源からの圧縮空気を少なくとも前記通気孔に供
給する空気通路とを備え、前記加硫モールドが開放する直前に圧縮空気源から空気通路を
通じて少なくとも通気孔に圧縮空気を供給するとともに、該通気孔から圧縮空気を加硫済
タイヤと加硫モールドとの間に噴射するようにしたタイヤ加硫モールドのクリーニング装
置により、達成することができる。 40
【発明の効果】
【0009】
 この発明においては、タイヤ加硫機の加硫モールドが開放する直前に圧縮空気源から空
気通路を通じて少なくとも通気孔に圧縮空気を供給するとともに、該通気孔から圧縮空気
を加硫済タイヤと加硫モールドとの間に噴射するようにしたので、加硫時に未加硫タイヤ
から発生するガス(油煙)が通気孔に残滓となって付着しようとしても、該ガス(油煙)
は噴射される圧縮空気により吹き飛ばされてクリーニング(除去)される。これにより、
通気孔に対する残滓の付着量を低減させることができ、この結果、通気孔からの残留空気
の排気量が長期間低下するようなことはなく、作業者が通気孔の清掃作業を行う回数を効
果的に減少させることができる。 50
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【0010】
 さらに、請求項2に記載のように構成すれば、空気通路以外の間隙にも通気孔に導かれ
る圧縮空気が貯留されるため、通気孔から噴射される圧縮空気の量が不足するようなこと
はなく、残滓となるガス(油煙)を強力に吹き飛ばし効果的に除去することができる。こ
こで、加硫モールドの開放時、スピューがベントホールに引っ掛かったまま切断されて残
留し、該ベントホールを閉塞してしまうことがあったが、請求項3に記載のように構成す
れば、圧縮空気の噴射により切り離されたスピューをベントホールから強力に押し出すこ
とができ、これにより、前述のような事態を防止することができる。
【0011】
 また、幅狭のスリットはベントホールに比較して残滓により早期に閉塞されてしまうこ 10
とが多いが、請求項4に記載のよう構成すれば、ベントホールと同様に残滓となるガス(
油煙)を除去することができる。さらに、請求項6に記載のように構成すれば、空気通路
を、圧縮空気供給用と排気用の双方に共用することができるとともに、排気源が設けられ
た既存のタイヤ加硫機に容易に適用することもでき、これにより、構造を簡単としながら
安価に製作することができる。また、請求項7に記載のように構成すれば、間隙が排気チ
ャンバとして機能するため、通気孔を通じて残留空気を強力に排気することができる。
【実施例1】
【0012】
  以下、この発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
    図 1 に お い て 、 11は タ イ ヤ 加 硫 機 で あ り 、 こ の タ イ ヤ 加 硫 機 11は 下 プ ラ テ ン を 含 む 固 20
定 の ベ ー ス 12を 有 す る 。 こ の ベ ー ス 12の 上 面 に は 下 サ イ ド モ ー ル ド 13が 固 定 さ れ 、 こ の 下
サ イ ド モ ー ル ド 13と ベ ー ス 12と の 間 は O リ ン グ 14に よ っ て シ ー ル さ れ 気 密 状 態 と な っ て い
る。
【0013】
  ま た 、 こ の 下 サ イ ド モ ー ル ド 13の 上 面 に は 未 加 硫 タ イ ヤ の 下 側 の サ イ ド ウ ォ ー ル 部 、 ビ
ー ド 部 を 型 付 け す る 成 型 凹 み 15が 形 成 さ れ て い る 。 前 述 し た ベ ー ス 12、 下 サ イ ド モ ー ル ド
13は 全 体 と し て 下 基 台 16を 構 成 す る 。 17は 下 基 台 16の 上 方 に 設 置 さ れ た 上 基 台 で あ り 、 こ
の 上 基 台 17に は 図 示 し て い な い 垂 直 な シ リ ン ダ の ピ ス ト ン ロ ッ ド が 連 結 さ れ て い る 。 こ の
結 果 、 前 記 シ リ ン ダ が 作 動 す る と 、 上 基 台 17は 昇 降 し 、 下 基 台 16に 対 し て 離 隔 、 接 近 す る
。 30
【0014】
  20は 上 基 台 17の 直 下 に 設 置 さ れ 上 プ ラ テ ン と し て 機 能 す る 円 板 状 を し た 上 部 プ レ ー ト で
あ り 、 こ の 上 部 プ レ ー ト 20は 前 記 上 基 台 17に 取 り 付 け ら れ た 垂 直 に 延 び る シ リ ン ダ 21の ピ
ス ト ン ロ ッ ド 22に 同 軸 関 係 を 保 っ て 取 り 付 け ら れ て い る 。 こ の 結 果 、 前 記 シ リ ン ダ 21が 作
動 す る と 、 ピ ス ト ン ロ ッ ド 22、 上 部 プ レ ー ト 20は 上 基 台 17と 別 個 に 下 基 台 16と 上 基 台 17と
の 間 で 昇 降 す る こ と が で き る 。 こ の 上 部 プ レ ー ト 20の 下 面 に は 上 サ イ ド モ ー ル ド 23が 固 定
さ れ 、 こ の 上 サ イ ド モ ー ル ド 23と 上 部 プ レ ー ト 20と の 間 は O リ ン グ 24に よ っ て シ ー ル さ れ
気 密 状 態 と な っ て い る 。 ま た 、 こ の 上 サ イ ド モ ー ル ド 23の 下 面 に は 未 加 硫 タ イ ヤ の 上 側 の
サ イ ド ウ ォ ー ル 部 、 ビ ー ド 部 を 型 付 け す る 成 型 凹 み 25が 形 成 さ れ て い る 。
【0015】 40
  27は 上 部 プ レ ー ト 20の 半 径 方 向 外 側 に 設 置 さ れ た ア ウ タ ー リ ン グ で あ り 、 こ の ア ウ タ ー
リ ン グ 27の 上 端 は 前 記 上 基 台 17の 半 径 方 向 外 端 部 に 複 数 の ボ ル ト 27b に よ っ て 固 定 さ れ て
い る 。 ま た 、 こ の ア ウ タ ー リ ン グ 27は そ の 下 部 内 周 に 上 方 に 向 か う に 従 い 半 径 方 向 内 側 に
傾 斜 し た 円 錐 台 状 の 傾 斜 面 27a を 有 す る 。 30は 外 端 部 が ア ウ タ ー リ ン グ 27の 上 端 部 内 周 に
形 成 さ れ た 段 差 と 上 基 台 17と に よ り 両 側 か ら 挟 持 さ れ る こ と で ア ウ タ ー リ ン グ 27に 着 脱 可
能 に 取 り 付 け ら れ た リ ン グ 状 の セ ン タ リ ン グ 部 材 で あ り 、 こ の セ ン タ リ ン グ 部 材 30の 内 周
は 上 部 プ レ ー ト 20に 形 成 さ れ た 突 部 に 摺 動 可 能 に 面 接 触 し て い る 。
【0016】
  28、 29は O リ ン グ で あ り 、 こ れ ら の O リ ン グ 28お よ び 29は 上 部 プ レ ー ト 20、 詳 し く は 該
上 部 プ レ ー ト 20に 形 成 さ れ た 突 部 と セ ン タ リ ン グ 部 材 30と の 間 お よ び セ ン タ リ ン グ 部 材 30 50
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と ア ウ タ ー リ ン グ 27と の 間 を そ れ ぞ れ シ ー ル し て 気 密 状 態 と す る 。 31は 下 基 台 16と 上 部 プ


レ ー ト 20と の 間 で ア ウ タ ー リ ン グ 27の 半 径 方 向 内 側 に 配 置 さ れ 周 方 向 に 並 べ ら れ た 複 数 、
例 え ば 9 個 の 弧 状 を し た セ ク タ ー セ グ メ ン ト で あ り 、 こ れ ら の セ ク タ ー セ グ メ ン ト 31は 上
サ イ ド モ ー ル ド 23よ り 半 径 方 向 外 側 の 上 部 プ レ ー ト 20の 下 面 に 半 径 方 向 に 移 動 可 能 に 支 持
されている。
【0017】
  そ し て 、 こ れ ら セ ク タ ー セ グ メ ン ト 31の 外 周 に は 前 記 ア ウ タ ー リ ン グ 27の 傾 斜 面 27a と
同 一 勾 配 の 傾 斜 面 31a が 形 成 さ れ る と と も に 、 こ れ ら 傾 斜 面 27a 、 31a 同 士 は あ り 継 手 に
よ っ て 連 結 さ れ な が ら 摺 動 可 能 に 係 合 し て い る 。 こ の 結 果 、 前 記 ア ウ タ ー リ ン グ 27が 上 基
台 17、 セ ン タ リ ン グ 部 材 30と 一 体 的 に 昇 降 す る と 、 セ ク タ ー セ グ メ ン ト 31は 上 部 プ レ ー ト 10
20に 支 持 さ れ な が ら 前 記 傾 斜 面 27a 、 31a の 楔 作 用 に よ っ て 半 径 方 向 に 同 期 移 動 す る 。 32
は 前 記 セ ク タ ー セ グ メ ン ト 31の 半 径 方 向 内 側 面 に そ れ ぞ れ 固 定 さ れ た 弧 状 の セ ク タ ー モ ー
ル ド で あ り 、 こ れ ら の セ ク タ ー モ ー ル ド 32の 内 面 に は 加 硫 時 に 未 加 硫 タ イ ヤ の ト レ ッ ド 部
を 型 付 け す る 成 型 凹 み 33が 形 成 さ れ て い る 。
【0018】
  そ し て 、 こ れ ら セ ク タ ー モ ー ル ド 32は 、 ア ウ タ ー リ ン グ 27が 下 降 す る こ と で セ ク タ ー セ
グ メ ン ト 31が 傾 斜 面 27a 、 31a の 楔 作 用 に よ り 半 径 方 向 内 端 ま で 同 期 移 動 し た と き 、 互 い
に 密 着 し て 閉 止 し 連 続 リ ン グ 状 を 呈 す る 。 こ の と き 、 セ ク タ ー モ ー ル ド 32は 下 降 端 の 上 サ
イ ド モ ー ル ド 23お よ び 下 サ イ ド モ ー ル ド 13に 密 着 す る た め 、 こ れ ら 上 、 下 サ イ ド モ ー ル ド
23、 13お よ び セ ク タ ー モ ー ル ド 32は 閉 止 し て 内 部 に 未 加 硫 タ イ ヤ を 収 納 す る ド ー ナ ツ 状 の 20
空 間 を 形 成 す る と と も に 、 成 型 凹 み 25、 15、 33は 連 続 し て 未 加 硫 タ イ ヤ の 外 形 形 状 を 規 定
する型付け面を構成する。
【0019】
  34は 各 セ ク タ ー モ ー ル ド 32の 半 径 方 向 内 側 部 に 複 数 形 成 さ れ た 小 断 面 積 の 通 気 孔 と し て
の ベ ン ト ホ ー ル で あ り 、 こ れ ら の ベ ン ト ホ ー ル 34は 半 径 方 向 に 延 び る と と も に 、 そ の 内 端
が セ ク タ ー モ ー ル ド 32の 内 面 、 詳 し く は 成 型 凹 み 33に 開 口 し て い る 。 そ し て 、 こ れ ら ベ ン
ト ホ ー ル 34は 加 硫 時 に 未 加 硫 タ イ ヤ と セ ク タ ー モ ー ル ド 32と の 間 に 残 留 し て い る 残 留 空 気
を外部に導くことができる。
【0020】
  こ こ で 、 前 述 し た 上 、 下 サ イ ド モ ー ル ド 23、 13お よ び セ ク タ ー モ ー ル ド 32は 全 体 と し て 30
、 ベ ン ト ホ ー ル 34が 複 数 形 成 さ れ た 加 硫 モ ー ル ド 35を 構 成 し 、 こ の 加 硫 モ ー ル ド 35は 加 硫
時 に お い て 未 加 硫 タ イ ヤ の 外 表 面 を 型 付 け す る 。 ま た 、 前 述 し た 上 部 プ レ ー ト 20、 ア ウ タ
ー リ ン グ 27、 セ ン タ リ ン グ 部 材 30、 セ ク タ ー セ グ メ ン ト 31は 全 体 と し て 加 硫 モ ー ル ド 35を
開 閉 す る コ ン テ ナ 36を 構 成 す る が 、 こ の コ ン テ ナ 36は タ イ ヤ 加 硫 機 の 下 プ ラ テ ン に 取 り 付
けられる下部プレートを含む場合もある。
【0021】
  37は 下 基 台 16の 中 央 部 に 挿 入 さ れ た 上 下 方 向 に 延 び る 円 筒 体 で あ り 、 こ の 円 筒 体 37は 加
硫済みタイヤTの取り出し時に、図示していない流体シリンダまたはノックアウトレバー
に よ っ て 上 昇 さ れ る 。 こ の 円 筒 体 37の 上 端 部 外 周 に は 下 ク ラ ン プ リ ン グ 38が 取 り 付 け ら れ
、 こ の 下 ク ラ ン プ リ ン グ 38は 上 、 下 サ イ ド モ ー ル ド 23、 13間 に 位 置 す る と と も に 、 円 筒 体 40
37が 下 降 し た と き 、 下 サ イ ド モ ー ル ド 13の 内 端 部 に 当 接 す る 。
【0022】
  前 記 円 筒 体 37内 に は 該 円 筒 体 37と 同 軸 の セ ン タ ー ポ ス ト 39が 摺 動 可 能 に 挿 入 さ れ 、 こ の
セ ン タ ー ポ ス ト 39は 図 示 し て い な い シ リ ン ダ に よ っ て 円 筒 体 37と 別 個 に 昇 降 す る 。 こ の セ
ン タ ー ポ ス ト 39の 上 端 外 周 に は 上 ク ラ ン プ リ ン グ 40が 取 り 付 け ら れ 、 こ の 上 ク ラ ン プ リ ン
グ 40は 上 サ イ ド モ ー ル ド 23と 下 ク ラ ン プ リ ン グ 38と の 間 に 位 置 す る と と も に 、 上 サ イ ド モ
ー ル ド 23の 内 端 部 に 当 接 す る こ と が で き る 。
【0023】
  41は 下 端 部 が 下 ク ラ ン プ リ ン グ 38に 、 上 端 部 が 上 ク ラ ン プ リ ン グ 40に そ れ ぞ れ 気 密 状 態
で 挟 持 さ れ た 屈 曲 可 能 な 加 硫 ブ ラ ダ で あ り 、 こ の 加 硫 ブ ラ ダ 41は 内 部 に 加 硫 媒 体 が 注 入 さ 50
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れると、未加硫タイヤ内でドーナツ状に膨張し、該未加硫タイヤを閉止された加硫モール
ド 35の 型 付 け 面 に 押 し 付 け な が ら 加 硫 す る 。 43、 44は O リ ン グ で あ り 、 こ れ ら の O リ ン グ
43お よ び 44は 下 サ イ ド モ ー ル ド 13と 下 ク ラ ン プ リ ン グ 38と の 間 お よ び 上 サ イ ド モ ー ル ド 23
と 上 ク ラ ン プ リ ン グ 40と の 間 を そ れ ぞ れ シ ー ル し て 気 密 状 態 と す る 。
【0024】
  前 記 下 サ イ ド モ ー ル ド 13よ り 半 径 方 向 外 側 の ベ ー ス 12の 上 面 に は 断 面 L 字 型 を し た リ ン
グ 状 の シ ー ル プ レ ー ト 45が 固 定 さ れ て お り 、 該 シ ー ル プ レ ー ト 45と ベ ー ス 12と の 間 は O リ
ン グ 46に よ っ て シ ー ル さ れ 気 密 状 態 と な っ て い る 。 前 記 シ ー ル プ レ ー ト 45の 半 径 方 向 外 端
か ら 上 方 に 向 か っ て 延 び る 円 筒 部 45a の 内 径 は ア ウ タ ー リ ン グ 27の 外 径 と 実 質 上 同 径 で あ
り 、 こ の 結 果 、 ア ウ タ ー リ ン グ 27が 下 降 し て き た と き 、 該 ア ウ タ ー リ ン グ 27の 下 端 部 は シ 10
ー ル プ レ ー ト 45の 円 筒 部 45a 内 に 挿 入 さ れ る 。
【0025】
  47は O リ ン グ で あ り 、 こ の O リ ン グ 47は ア ウ タ ー リ ン グ 27が 下 降 し て き た と き 、 ア ウ タ
ー リ ン グ 27と シ ー ル プ レ ー ト 45と の 間 を シ ー ル し て 気 密 状 態 と す る 。 こ の 結 果 、 ア ウ タ ー
リ ン グ 27の 下 端 部 が シ ー ル プ レ ー ト 45の 円 筒 部 45a 内 に 挿 入 さ れ る と 、 下 基 台 16、 上 基 台
17、 上 サ イ ド モ ー ル ド 23、 コ ン テ ナ 36、 上 、 下 ク ラ ン プ リ ン グ 40、 38、 加 硫 ブ ラ ダ 41に 囲
ま れ る と と も に 、 セ ク タ ー モ ー ル ド 32お よ び 未 加 硫 タ イ ヤ が 収 納 さ れ る 密 閉 空 間 が 形 成 さ
れ る が 、 こ の 密 閉 空 間 内 で コ ン テ ナ 36と 加 硫 モ ー ル ド 35と の 間 に は 、 干 渉 を 防 止 す る た め
に設計上必要となる間隙が設けられている。
【0026】 20
  50は 前 記 シ ー ル プ レ ー ト 45の 円 筒 部 45a の 下 端 に 形 成 さ れ た 貫 通 す る 空 気 孔 で あ り 、 こ
の 空 気 孔 50と 、 前 記 空 気 孔 50に 接 続 さ れ 、 前 記 残 留 空 気 を 排 気 す る 排 気 源 51と の 間 に は 、
切 換 弁 52が 設 け ら れ て い る 。 53は 加 硫 モ ー ル ド 35、 詳 し く は セ ク タ ー モ ー ル ド 32の 半 径 方
向 外 側 部 に 形 成 さ れ た 空 気 通 路 で あ り 、 こ の 空 気 通 路 53は 、 一 端 が 前 記 ベ ン ト ホ ー ル 34に
接 続 さ れ る 一 方 、 他 端 が セ ク タ ー セ グ メ ン ト 31に 形 成 さ れ た 通 路 54を 介 し て 前 記 空 気 孔 50
に接続されている。
【0027】
  そ し て 、 前 記 排 気 源 51は 、 前 記 切 換 弁 52が 切 換 え ら れ て 該 排 気 源 51と 空 気 孔 50と が 連 通
し た と き 、 前 記 残 留 空 気 を ベ ン ト ホ ー ル 34、 空 気 通 路 53、 通 路 54を 通 じ て 空 気 孔 50か ら 排
出することができる。また、このような排気時、密閉空間内、詳しくは前記密閉状態の間 30
隙 か ら も 排 気 源 51に よ り 空 気 が 外 部 に 排 出 さ れ る の で 、 該 間 隙 が 排 気 チ ャ ン バ と し て 機 能
し 、 ベ ン ト ホ ー ル 34を 通 じ て 残 留 空 気 を 強 力 に 排 気 す る こ と が で き る 。
【0028】
  57は 前 記 切 換 弁 52に 接 続 さ れ た 圧 縮 空 気 源 で あ り 、 こ の 圧 縮 空 気 源 57は 、 切 換 弁 52が 切
換 え ら れ て 該 圧 縮 空 気 源 57と 空 気 孔 50と が 連 通 し た と き 、 圧 縮 空 気 を 通 路 54、 空 気 通 路 53
を 通 じ て 少 な く と も ベ ン ト ホ ー ル 34、 こ こ で は ベ ン ト ホ ー ル 34と 前 記 密 閉 状 態 の 間 隙 と の
双 方 に 供 給 す る 。 こ の 結 果 、 前 記 空 気 通 路 53は 圧 縮 空 気 源 57か ら の 圧 縮 空 気 を 少 な く と も
前 記 ベ ン ト ホ ー ル 34に 供 給 す る こ と に な る と と も に 、 前 記 排 気 源 51は 該 圧 縮 空 気 源 57と 空
気 通 路 53と の 間 に 設 け ら れ た 切 換 弁 52に 接 続 さ れ る こ と に な る 。
【0029】 40
  そ し て 、 前 述 の よ う に 圧 縮 空 気 を 前 記 間 隙 に も 供 給 す る よ う に す れ ば 、 空 気 通 路 53以 外
の 前 記 間 隙 に も ベ ン ト ホ ー ル 34に 導 か れ る 圧 縮 空 気 が 貯 留 さ れ る た め 、 後 述 の よ う に ベ ン
ト ホ ー ル 34か ら 噴 射 さ れ る 圧 縮 空 気 の 量 が 不 足 す る よ う な こ と は な く 、 残 滓 と な る ガ ス (
油煙)を強力に吹き飛ばし効果的に除去することができる。
【0030】
  ま た 、 前 述 の 切 換 弁 52を 切 換 え る こ と で 、 圧 縮 空 気 源 57か ら 空 気 通 路 53を 通 じ て ベ ン ト
ホ ー ル 34に 圧 縮 空 気 を 供 給 し た り 、 あ る い は 、 残 留 空 気 を ベ ン ト ホ ー ル 34、 空 気 通 路 53を
通 じ て 排 気 源 51に よ り 排 気 す る よ う に す れ ば 、 空 気 通 路 53、 通 路 54を 、 圧 縮 空 気 供 給 用 と
排気用の双方に共用することができるとともに、排気源が設けられた既存のタイヤ加硫機
に容易に適用することもでき、これにより、構造を簡単としながら安価に製作することが 50
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できる。
【0031】
  次に、この発明の実施例1の作用について説明する。
    未 加 硫 タ イ ヤ を タ イ ヤ 加 硫 機 11に よ り 加 硫 し な が ら ベ ン ト ホ ー ル 34を ク リ ー ニ ン グ す
る 場 合 に は 、 ま ず 、 未 加 硫 タ イ ヤ を タ イ ヤ 加 硫 機 11に 搬 入 し て 円 筒 状 を し た 加 硫 ブ ラ ダ 41
の 外 側 に 嵌 合 す る と と も に 、 下 側 の サ イ ド ウ ォ ー ル 部 、 ビ ー ド 部 を 下 サ イ ド モ ー ル ド 13の
成 型 凹 み 15に 接 触 さ せ る 。 次 に 、 セ ン タ ー ポ ス ト 39、 上 ク ラ ン プ リ ン グ 40を 下 降 さ せ な が
ら 加 硫 ブ ラ ダ 41内 に 流 体 を 供 給 し て 該 加 硫 ブ ラ ダ 41を ド ー ナ ツ 状 に 膨 張 さ せ 未 加 硫 タ イ ヤ
内に侵入させる。
【0032】 10
  次 に 、 上 基 台 17、 ア ウ タ ー リ ン グ 27、 セ ン タ リ ン グ 部 材 30お よ び 上 部 プ レ ー ト 20、 上 サ
イ ド モ ー ル ド 23、 セ ク タ ー セ グ メ ン ト 31、 セ ク タ ー モ ー ル ド 32を 一 体 的 に 下 降 さ せ 、 上 サ
イ ド モ ー ル ド 23を 未 加 硫 タ イ ヤ に 接 近 さ せ る 。 そ し て 、 こ の 上 基 台 17の 下 降 途 中 に お い て
、 セ ク タ ー モ ー ル ド 32が 下 降 端 に 到 達 し セ ク タ ー セ グ メ ン ト 31の 下 端 が シ ー ル プ レ ー ト 45
を 介 し て 下 基 台 16の 上 面 に 当 接 す る と と も に 、 上 サ イ ド モ ー ル ド 23が 上 ク ラ ン プ リ ン グ 40
、 未 加 硫 タ イ ヤ の 上 側 の サ イ ド ウ ォ ー ル 部 、 ビ ー ド 部 に 当 接 す る と 、 上 部 プ レ ー ト 20、 上
サ イ ド モ ー ル ド 23、 セ ク タ ー セ グ メ ン ト 31、 セ ク タ ー モ ー ル ド 32の 下 降 が 停 止 す る 。
【0033】
  こ の よ う に し て 上 サ イ ド モ ー ル ド 23、 セ ク タ ー モ ー ル ド 32は 下 降 を 停 止 す る が 、 こ の 後
も 上 基 台 17、 ア ウ タ ー リ ン グ 27は 継 続 し て 単 独 で 下 降 す る た め 、 セ ク タ ー セ グ メ ン ト 31は 20
上 部 プ レ ー ト 20に 支 持 さ れ な が ら 前 記 傾 斜 面 27a 、 31a の 楔 作 用 に よ っ て 押 さ れ 半 径 方 向
内 側 に 同 期 移 動 す る 。 こ の と き 、 上 部 プ レ ー ト 20は シ リ ン ダ 21の ピ ス ト ン ロ ッ ド 22が 引 っ
込 む こ と で 同 一 位 置 を 保 持 す る 。 こ こ で 、 前 記 ア ウ タ ー リ ン グ 27が シ ー ル プ レ ー ト 45の 円
筒 部 45a 内 に 侵 入 す る ま で 下 降 し て く る と 、 O リ ン グ 47、 シ ー ル プ レ ー ト 45は ア ウ タ ー リ
ン グ 27と 下 基 台 16と の 間 の シ ー ル を 開 始 し て 密 閉 空 間 を 形 成 す る が 、 そ の シ ー ル は 以 後 ア
ウ タ ー リ ン グ 27が 円 筒 部 45a か ら 上 方 に 抜 け 出 る ま で 行 わ れ る 。
【0034】
  そ し て 、 セ ク タ ー モ ー ル ド 32が 下 降 端 の 上 サ イ ド モ ー ル ド 23お よ び 下 サ イ ド モ ー ル ド 13
に 密 着 す る と 、 こ れ ら 上 、 下 サ イ ド モ ー ル ド 23、 13お よ び セ ク タ ー モ ー ル ド 32か ら な る 加
硫 モ ー ル ド 35は 閉 止 す る 。 こ れ に よ り 、 閉 止 状 態 の 加 硫 モ ー ル ド 35と ド ー ナ ツ 状 に 膨 張 し 30
た 加 硫 ブ ラ ダ 41と の 間 に は 未 加 硫 タ イ ヤ が 収 納 さ れ る 。
【0035】
  こ の と き 、 切 換 弁 52を 切 換 え て 排 気 源 51と 空 気 孔 50と を 連 通 さ せ 、 加 硫 モ ー ル ド 35と 未
加 硫 タ イ ヤ と の 間 に 残 留 し て い る 残 留 空 気 を ベ ン ト ホ ー ル 34、 空 気 通 路 53、 通 路 54を 通 じ
て 排 気 源 51に よ り 積 極 的 に 排 気 す る と と も に 、 コ ン テ ナ 36と 加 硫 モ ー ル ド 35と の 間 の 間 隙
か ら も 空 気 を 排 気 す る 。 ま た 、 こ の と き 、 加 硫 ブ ラ ダ 41内 に 高 温 、 高 圧 の 加 硫 媒 体 が 供 給
さ れ 、 未 加 硫 タ イ ヤ は 上 、 下 サ イ ド 、 セ ク タ ー モ ー ル ド 23、 13、 32の 成 型 凹 み 25、 15、 33
に押し付けられて型付けされながら加硫される。
【0036】
 そして、未加硫タイヤの加硫が終了し該未加硫タイヤが加硫済タイヤTとなると、加硫 40
ブ ラ ダ 41内 か ら 加 硫 媒 体 を 排 出 す る と と も に 、 半 径 方 向 内 端 に 位 置 す る セ ク タ ー モ ー ル ド
32を 上 基 台 17、 ア ウ タ ー リ ン グ 27、 セ ン タ リ ン グ 部 材 30の 上 昇 に よ り 半 径 方 向 外 側 に 同 期
移 動 さ せ る こ と で 加 硫 モ ー ル ド 35の 開 放 を 開 始 す る が 、 こ の 加 硫 モ ー ル ド 35が 開 放 す る 直
前 に 切 換 弁 52を 切 換 え て 圧 縮 空 気 源 57と 空 気 孔 50と を 連 通 さ せ 、 圧 縮 空 気 源 57か ら 通 路 54
、 空 気 通 路 53を 通 じ て 圧 縮 空 気 を ベ ン ト ホ ー ル 34お よ び 間 隙 の 双 方 に 供 給 す る 。
【0037】
  そ し て 、 こ の よ う に ベ ン ト ホ ー ル 34に 圧 縮 空 気 が 供 給 さ れ て い る 状 態 で 前 述 の よ う に セ
ク タ ー モ ー ル ド 32を 半 径 方 向 外 側 に 同 期 移 動 さ せ る と 、 セ ク タ ー モ ー ル ド 32が 加 硫 済 み タ
イ ヤ T か ら 引 き 剥 が さ れ て 、 こ れ ら セ ク タ ー モ ー ル ド 32と 加 硫 済 タ イ ヤ T と の 間 に 空 隙 が
発 生 す る が 、 こ の 空 隙 が 発 生 し た 瞬 間 に ベ ン ト ホ ー ル 34内 の 圧 縮 空 気 は 、 図 2 に 矢 印 で 示 50
(8) JP 2007-118460 A 2007.5.17

す よ う に 、 該 空 隙 に 向 か っ て 、 即 ち 、 加 硫 モ ー ル ド 35と 加 硫 済 タ イ ヤ T と の 間 に 噴 射 さ れ
る。
【0038】
  な お 、 ベ ン ト ホ ー ル 34内 に 供 給 さ れ た 圧 縮 空 気 の 圧 力 が 加 硫 ブ ラ ダ 41内 の 圧 力 よ り か な
り 高 い 場 合 に は 、 ベ ン ト ホ ー ル 34内 の 圧 縮 空 気 に 押 さ れ て 加 硫 済 タ イ ヤ T が 変 形 し 、 セ ク
タ ー モ ー ル ド 32と 加 硫 済 タ イ ヤ T と の 間 に 空 隙 が 形 成 さ れ る と と も に 、 該 空 隙 に 向 か っ て
圧 縮 空 気 が ベ ン ト ホ ー ル 34か ら 噴 射 す る 場 合 も あ る 。
【0039】
  こ の よ う に 、 タ イ ヤ 加 硫 機 11の 加 硫 モ ー ル ド 35が 開 放 す る 直 前 に 、 圧 縮 空 気 源 57か ら 加
硫 モ ー ル ド 35に 形 成 さ れ た 空 気 通 路 53を 通 じ て 圧 縮 空 気 を 少 な く と も 前 記 ベ ン ト ホ ー ル 34 10
に 供 給 す る と と も に 、 該 ベ ン ト ホ ー ル 34か ら 圧 縮 空 気 を 加 硫 済 タ イ ヤ T と 加 硫 モ ー ル ド 35
との間に噴射するようにすれば、加硫時に高温の未加硫タイヤから発生するガス(油煙)
が ベ ン ト ホ ー ル 34に 残 滓 と な っ て 付 着 し よ う と し て も 、 該 ガ ス ( 油 煙 ) は 噴 射 さ れ る 圧 縮
空 気 に よ り 吹 き 飛 ば さ れ 、 ベ ン ト ホ ー ル 34が ク リ ー ニ ン グ さ れ る 。
【0040】
  こ れ に よ り 、 ベ ン ト ホ ー ル 34に 対 す る 残 滓 の 付 着 量 を 低 減 さ せ る こ と が で き 、 こ の 結 果
、 ベ ン ト ホ ー ル 34か ら の 残 留 空 気 の 排 気 量 が 長 期 間 に 亘 っ て 低 下 す る よ う な こ と は な く 、
作 業 者 が ベ ン ト ホ ー ル 34の 清 掃 作 業 を 行 う 回 数 を 効 果 的 に 減 少 さ せ る こ と が で き る 。
【0041】
  ま た 、 加 硫 モ ー ル ド 35の 開 放 時 、 ス ピ ュ ー が ベ ン ト ホ ー ル 34に 引 っ 掛 か っ た ま ま 切 断 さ 20
れ て 残 留 し 、 ベ ン ト ホ ー ル 34を 閉 塞 し て し ま う こ と が あ っ た が 、 こ の よ う な 噴 射 を 行 え ば
、 ベ ン ト ホ ー ル 34内 に ス ピ ュ ー が 残 留 し て い て も 、 圧 縮 空 気 の 噴 射 に よ り 、 切 り 離 さ れ た
ス ピ ュ ー を ベ ン ト ホ ー ル 34か ら 強 力 に 押 し 出 す こ と が で き 、 こ れ に よ り 、 前 述 の よ う な 事
態を防止することができる。
【実施例2】
【0042】
  図3はこの発明の実施例2を示す図である。この実施例においては、前記実施例1に
お け る ベ ン ト ホ ー ル 34の 位 置 に 複 数 の 貫 通 孔 58が 形 成 さ れ 、 こ れ ら 貫 通 孔 58の 一 端 は セ ク
タ ー モ ー ル ド 32の 内 面 、 詳 し く は 成 型 凹 み 33に 開 口 し 、 そ の 他 端 は 前 記 空 気 通 路 53に 接 続
さ れ て い る 。 59は 前 記 貫 通 孔 58の 一 端 部 に 挿 入 固 定 さ れ た ス リ ッ ト ピ ー ス で あ り 、 こ れ ら 30
の ス リ ッ ト ピ ー ス 59内 に は 、 一 端 が セ ク タ ー モ ー ル ド 32の 内 面 に 開 口 し 、 他 端 が 前 記 貫 通
孔 58に 連 通 す る 幅 狭 の 貫 通 し た ス リ ッ ト 60が 形 成 さ れ て い る 。 前 述 し た 貫 通 孔 58、 ス リ ッ
ト 60は 全 体 と し て 、 開 口 端 部 に 幅 狭 の ス リ ッ ト 60を 有 す る 通 気 孔 61を 構 成 す る 。
【0043】
  こ こ で 、 こ の よ う な 幅 狭 の ス リ ッ ト 60を 有 す る 通 気 孔 61は 、 ス リ ッ ト 60の 幅 が 前 記 ベ ン
ト ホ ー ル 34の 直 径 よ り 小 で あ る た め 、 該 ベ ン ト ホ ー ル 34に 比 較 し て ス ピ ュ ー の 発 生 を 抑 制
することができるものの、早期に残滓によって閉塞してしまうことが多い。このため、加
硫 モ ー ル ド 35が 開 放 す る 直 前 に 圧 縮 空 気 源 57か ら 空 気 通 路 53を 通 じ て 通 気 孔 61に 圧 縮 空 気
を 供 給 し 、 前 述 と 同 様 に 該 通 気 孔 61( ス リ ッ ト 60) か ら 圧 縮 空 気 の 噴 射 を 行 う よ う に す れ
ば 、 ベ ン ト ホ ー ル 34と 同 様 に ス リ ッ ト 60内 か ら 残 滓 と な る ガ ス ( 油 煙 ) を 効 果 的 に 除 去 す 40
ることができる。なお、他の構成、作用は前記実施例1と同様である。
【0044】
    な お 、 前 述 の 実 施 例 に お い て は 、 セ ク タ ー モ ー ル ド 32の み に ベ ン ト ホ ー ル 34あ る い は
通 気 孔 61を 形 成 し た が 、 こ の 発 明 に お い て は 、 セ ク タ ー モ ー ル ド の み な ら ず 、 上 、 下 サ イ
ドモールドにも通気孔を形成するようにしてもよい。また、前述の実施例においては、圧
縮 空 気 源 57か ら 既 設 の 排 気 用 で あ る 空 気 通 路 53を 通 じ て 圧 縮 空 気 を ベ ン ト ホ ー ル 34、 通 気
孔 61に 供 給 し た が 、 こ の 発 明 に お い て は 、 排 気 用 の 空 気 通 路 53、 通 路 54の 他 に 、 新 た な 圧
縮空気源とベントホール、通気孔とを接続する供給通路を設け、圧縮空気源からの圧縮空
気を供給通路を通じてベントホール、通気孔に供給するようにしてもよい。
【0045】 50
(9) JP 2007-118460 A 2007.5.17

  さ ら に 、 前 述 の 実 施 例 に お い て は 、 加 硫 モ ー ル ド 35を 3 つ に 分 割 さ れ た 上 、 下 サ イ ド モ
ー ル ド 23、 13お よ び セ ク タ ー モ ー ル ド 32か ら 構 成 し た が 、 こ の 発 明 に お い て は 、 2 つ に 分
割された上、下モールドから構成するようにしてもよい。この場合には、上、下モールド
の嵌合部にシール部材を介装すればよい。また、前述の実施例においては、未加硫タイヤ
内 の 加 硫 ブ ラ ダ 41に よ り 加 硫 モ ー ル ド 35の 型 付 け 面 に 押 し 付 け な が ら 加 硫 し て い た が 、 こ
の発明においては、剛体コアを内部に収納した状態で加硫するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
 この発明は、タイヤ加硫機の加硫モールドに形成された排気用通気孔をクリーニングす
る産業分野に適用できる。 10
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の実施例1を示す正面断面図である。
【図2】圧縮空気の噴射状態を説明するベントホール近傍の正面断面図である。
【図3】この発明の実施例2を示すスリット近傍の正面断面図である。
【符号の説明】
【0048】
    11… タ イ ヤ 加 硫 機           34… 通 気 孔
    35… 加 硫 モ ー ル ド           36… コ ン テ ナ
    51… 排 気 源                 52… 切 換 弁 20
    53… 空 気 通 路               57… 圧 縮 空 気 源
    60… ス リ ッ ト               T … 加 硫 済 タ イ ヤ

【図1】 【図2】

【図3】

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