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植物界 phylogenetic tree of biology 動物界

新口動物
種 子 植 物
被子植物 裸子植物
生物の系統樹 無顎類
脊 椎 動 物
両生類 鳥類
けいとう

単子葉類 双子葉類 クロマツ,  生物が進化してきた経路は系統と呼ばれ,生物の系統関 スナヤツメ トノサマガエル, ペンギン,


けいとうじゅ

係を樹状に表したものは系統樹と呼ばれる。現在,地球上 軟骨魚類 オオサンショウ ライチョウ,


オニユリ, ヤマザクラ,ソテツ,
でみられる生物の系統樹は,下図のように表される。 ウオ モズ
ヒガンバナ,キキョウ, イチョウ エイ,
 一方,これらの多様な生物は,ある基準をもとに 5 つの
維管束植物

ジンベエザメ ハ虫類 哺乳類


シュンラン,アサガオ, 界に分類される。また,それぞれの界に含まれる生物は,
硬骨魚類 カメ, オオコウモリ,
共通にもつ特徴などを基準としてさらに細かく分類される。

三 胚 葉 動 物( 左 右 相 称 動 物 )
アヤメ バラ
チョウザメ, マムシ, チンパンジー,
マダイ トカゲ クジラ
シダ植物 菌界 旧口動物

ゼンマイ, 冠輪動物 脱皮動物


担子菌類 子のう菌類
スギナ, 環形動物 節足動物 原索動物
マツタケ, 酵母,
ワラビ, ミミズ, カブトガニ, マボヤ,
シイタケ, アオカビ,
ヒカゲノカズラ ゴカイ, スナガニ, ナメクジウオ
マイタケ アミガサタケ
ヤマビル 体節 ゲジ,
維管束をもつ 担子胞子からなる 構造 カブトムシ, 脊索を形成する
子のう胞子からなる 軟体動物
ナミアゲハ,
マダコ, 真
造卵器植物

ミジンコ 棘皮動物
ハマグリ, 核
コケ植物 マイマイ 真体腔 アカウニ,
スギゴケ, ヒトデ, 生
チョウチンゴケ, 輪形動物 ナマコ 物
ゼニゴケ 隔壁をもつ
ツボワムシ,
ヒルガタワムシ 真体腔
線形動物
扁形動物
カイチュウ,
ナミウズムシ, ハリガネムシ
ヒラムシ

地衣類
刺胞動物 新口動物
ハナゴケ, 菌糸からなる 原体腔
イソギンチャク,

二胚葉動物
サルオガセ,
原生生物界 ユーグレナ藻類 サンゴ, 旧口動物
ハイイロキゴケ
ミドリムシ ミズクラゲ
車軸藻類 菌類と藻類など 三胚葉動物
シャジクモ 有シツ動物
ケイ藻類 が共生したもの
ウリクラゲ,
フナガタケイソウ フウセンクラゲ 二胚葉動物
緑藻類
海綿動物
アナアオサ, 渦鞭毛藻類 繊毛虫類 体腔をも
褐藻類 たない ムラサキカイメン,
クロレラ, ゾウリムシ,
ツノモ カイロウドウケツ
ボルボックス ワカメ, ツリガネムシ 多細胞
マコンブ
クロロフィル a,b 細胞性粘菌類
をもつ キイロタマホコリ 襟鞭毛虫類
葉状根足虫類 カビ
紅藻類 クロロフィル
マクサ, a,c をもつ オオアメーバ 変形菌類
変形体
アサクサノリ,
ムラサキホコリ
カバノリ
クロロフィル
a をもつ

核膜をもっている

モネラ界 細菌のうち,緑色硫黄細
細菌
古細菌 菌や紅色硫黄細菌はバク
根粒菌, シアノバクテリア 原
 メタン菌, テリオクロロフィルを,シ
乳酸菌,   ネンジュモ, 核
 高度好塩菌 アノバクテリアはクロロ
大腸菌   ユレモ 生
フィル a をもつ。

始原生物
  日本の絶滅危惧種    世界の絶滅危惧種      日本の絶滅種      世界の絶滅種

1µm 1µm 1µm 1µm 1µm

根粒菌(細菌) 乳酸菌(細菌) 大腸菌(細菌) 黄色ブドウ球菌(細菌) 肺炎双球菌(細菌)

30µm 5cm (長さ 15 ∼ 25cm) 5cm (全長 10 ∼ 40cm)


イシクラゲ
(シアノバクテリア) マクサ(紅藻類) アサクサノリ(紅藻類) カバノリ(紅藻類) シャジクモ(車軸藻類)

(直径∼ 30cm)

(高さ 10 ∼ 30cm) 50µm 50µm 10µm

アナアオサ(緑藻類) ボルボックス(緑藻類) クラミドモナス(緑藻類) クロレラ(緑藻類) マリモ(緑藻類)

50µm (高さ 60 ∼ 100cm) (高さ 2 ∼ 4m) 50µm 50µm

ミドリムシ(ユーグレナ藻類) ワカメ(褐藻類) マコンブ(褐藻類) フナガタケイソウ(ケイ藻類) ホシガタケイソウ(ケイ藻類)

20µm 1mm 20µm 50µm 50µm

オビケイソウ(ケイ藻類) ミズカビ(卵菌類) ツユカビ(卵菌類) ツノモ(渦 毛藻類) ゾウリムシ(繊毛虫類)

0.2mm

0.1mm 1mm 4mm (高さ 3 ∼ 10cm)

❷ ツリガネムシ(繊毛虫類) キイロタマホコリカビ(細胞性粘菌類) ムラサキホコリ(変形菌類) オオアメーバ


(葉状根足虫類) スギゴケ(コケ植物)
(つるの長さ 5cm 以下) (柄の長さ 3 ∼ 6cm) (高さ 0.5 ∼ 1m) (胞子茎 10 ∼ 25cm) (高さ 1 ∼ 2m)
オオバチョウチンゴケ(コケ植物) ゼニゴケ(コケ植物) ゼンマイ(シダ植物) スギナ(シダ植物) ワラビ(シダ植物)

(子のう穂高さ 8 ∼ 15cm) (高さ 5 ∼ 6m) (高さ 1.0 ∼ 1.5m) (高さ 30 ∼ 50cm) (高さ 10 ∼ 25cm)
ヒカゲノカズラ(シダ植物) ヒカゲヘゴ(シダ植物) オニユリ(単子葉類) ヒガンバナ(単子葉類) シュンラン(単子葉類)

(高さ 30 ∼ 50cm) 1cm (全長約 1m) (高さ 25 ∼ 40cm) (高さ 20 ∼ 50cm)


アヤメ(単子葉類) マカラスムギ(単子葉類) オオカナダモ(単子葉類) レブンアツモリソウ(単子葉類) サギソウ(単子葉類)
5cm

2cm 10cm (高さ 40 ∼ 100cm) 5cm

タヌキノショクダイ(単子葉類) ヤマザクラ(双子葉類) キキョウ(双子葉類) アサガオ(双子葉類) バラ(双子葉類)

5cm 3cm (高さ 0.5 ∼ 3m) (高さ 1 ∼ 2.5m) (高さ 5 ∼ 15m)

エンドウ(双子葉類) スイートピー(双子葉類) クダモノトケイソウ(双子葉類) タバコ(双子葉類) サキシマスオウノキ(双子葉類)


雌花

雄花

50cm

雄花

(高さ 15 ∼ 40cm) (高さ約 1m) (高さ 30 ∼ 40m) (高さ 2 ∼ 4m) (高さ 20 ∼ 30m)
サクラソウ(双子葉類) ムニンノボタン(双子葉類) クロマツ(裸子植物) ソテツ(裸子植物) イチョウ(裸子植物) ❸
10cm 2mm

コメツガ(裸子植物) ハナゴケ(地衣類) サルオガセ(地衣類) ハイイロキゴケ(地衣類) クモノスカビ(菌類)

2µm

0.5mm 2cm 5cm 50mm

ケカビ(菌類) マツタケ(担子菌類) シイタケ(担子菌類) マイタケ(担子菌類) 酵母(子のう菌類)

20µm (高さ 10cm) 2cm 10mm (高さ 5 ∼ 20cm)


アオカビ(子のう菌類) アミガサタケ(子のう菌類) ヒイロチャワンタケ(子のう菌類) ムラサキカイメン(海綿動物) カイロウドウケツ(海綿動物)

5cm

(体長 1.5 ∼ 4.5cm) (高さ約 8mm) (直径 15 ∼ 30cm)

ウリクラゲ(有シツ動物) フウセンクラゲ(有シツ動物) ヒダベリイソギンチャク(刺胞動物) ムツサンゴ(刺胞動物) ミズクラゲ(刺胞動物)

(体長約 60cm)

(体長 10 ∼ 35mm) 2cm 0.3mm 1cm

ナミウズムシ(プラナリア)
(扁形動物) ツノヒラムシ(扁形動物) ワムシ(輪形動物) マダコ(軟体動物) ヒザラガイ(軟体動物)

5mm

10mm (体長 15 ∼ 30cm) (体長 1 ∼ 5cm) 4cm

❹ ツクシマイマイ(軟体動物) アメフラシ(軟体動物) ゴカイ(環形動物) ヤマビル(環形動物) カイチュウ(線形動物)


(体長 60cm) (体長 3cm)

(体長 15 ∼ 40cm) (体長 2.0 ∼ 2.5cm) (体長 30 ∼ 54mm)


ハリガネムシ(線形動物) カブトガニ(節足動物) スナガニ(節足動物) ゲジ(節足動物) カブトムシ(節足動物)

(前翅長 4cm) (体長約 15mm)


300µm 2cm (体長 10 ∼ 20mm)
ナミアゲハ(節足動物) フサヒゲルリカミキリ(節足動物) ミジンコ(節足動物) カイコガ(節足動物) コマルハナバチ(節足動物)

ハナカマキリ

(体長約 8cm) (前翅長 13 ∼ 14cm) (直径 6cm) (直径約 10cm) (体長約 30cm)
ハナカマキリ(節足動物) ヨナグニサン(節足動物) アカウニ(棘皮動物) カワテブクロ
(棘皮動物) ジャノメナマコ(棘皮動物)

(体長 5.5 ∼ 10m) (体長 2.5 ∼ 3.5m)

(体長 15cm) (体長 14cm) (幅 1.8m)


マボヤ(原索動物) スナヤツメ(無顎類) マダラエイ(軟骨魚類) ジンベエザメ(軟骨魚類) ロシアチョウザメ
(硬骨魚類)

(体長 30 ∼ 70cm) (体長 40 ∼ 60cm) (全長 40cm)

(体長 9cm) (体長 50 ∼ 100cm)


マダイ(硬骨魚類) カラフトマス(硬骨魚類) チンアナゴ(硬骨魚類) トノサマガエル(両生類) オオサンショウウオ(両生類)

(体長約 10cm) (甲長約 100cm) (体長 45 ∼ 80cm) (体長 30 ∼ 38cm)

(体長 10 ∼ 14cm)
アカハライモリ(両生類) ウミガメ(ハ虫類) ニホンマムシ(ハ虫類) キシノウエトカゲ(ハ虫類) ニホンヤモリ(ハ虫類) ❺
(体長 3 ∼ 4.5m) (体長約 1m)

(体長 60 ∼ 70cm) (体長約 40cm) (体長約 17cm)


ミシシッピーワニ(ハ虫類) ピンタゾウガメ(ハ虫類) アデリーペンギン(鳥類) ライチョウ(鳥類) モズ(鳥類)

(体長 130 ∼ 140cm) (体長約 17cm) (体長約 1.2m) (体長約 45cm)

(体長 20 ∼ 24cm)
タンチョウ(鳥類) カワセミ(鳥類) アカゲラ(鳥類) ハシビロコウ(鳥類) ミヤコドリ(鳥類)

(体長 76 ∼ 89cm)

(体長約 1m) (体長 13 ∼ 14cm) (体長約 70cm) (体長約 30cm)

ハイイロガン(鳥類) オオワシ(鳥類) ハハジマメグロ(鳥類) シマフクロウ(鳥類) ヤンバルクイナ(鳥類)

(体長 54 ∼ 79mm) (体長 220 ∼ 270cm)

(翼長 30 ∼ 40cm) (体長 65 ∼ 95cm) (体長 50 ∼ 60cm)

ルーセットオオコウモリ
(哺乳類) チンパンジー(哺乳類) カヤネズミ(哺乳類) スマトラトラ(哺乳類) イリオモテヤマネコ(哺乳類)

(体長 15 ∼ 16cm) (体長 100 ∼ 140cm) (体長 40 ∼ 60cm)

(体長 160 ∼ 170cm)


ウマ(哺乳類) エゾモモンガ(哺乳類) ラッコ(哺乳類) カモノハシ(哺乳類)

(体長 11 ∼ 16m) (体長 1.6 ∼ 1.9m) (体長 60 ∼ 70cm)

❻ ザトウクジラ(哺乳類) タテゴトアザラシ(哺乳類) ニホンカワウソ(哺乳類)


生物の共通性と多様性 Commonness and diversity of organisms

生命…生きている状態(細胞の分裂や増殖,成長,生殖,遺伝,代謝,刺激の受容と反応, 生命と生物
             内部環境の恒常性,適応と進化を自然に行っている状態。)  「生命」と
「生物」は,社会生活上広く使われてい
る言葉であるが,この言葉が意味している内容は,
生物…生命現象を行うもの。
会話の前後の内容 (文脈)によって異なることが多
い。同じ意味で使われる場合もあれば, 「生命の
エネルギー 尊厳」や「生物多様性」などのように,両者を意識
的に区別して使用する場合もある。
細胞の分裂や増殖 代謝
 本書「スクエア最新図説生物」 では,生物学用語
としての「生命」と
せいめい
「生物」を次のように定義する。
 「生命」とは,「生きている状態」を表す。「生き
ている状態」とは,細胞の分裂や増殖,成長,生
刺激の受容 殖,遺伝,代謝,刺激の受容と反応,内部環境の
成長 と反応 恒常性,適応と進化,以上の現象を自然に行って
せ い め い げ ん しょう

いる状態をいい,生命現象とは,そのような現象
すべてを指す。
せいぶつ

 「生物」とは,生命現象を行えるものととらえる
ことができる。ゾウリムシのような単細胞生物も,
生殖 内部環境の恒常性 私たちヒトのような高度に発達した動物も,生命
現象を行えるもの,つまり生物なのである。
適応と進化

生物の共通性
 すべての生物が共通にもつ特徴や性質を生物の
きょう つ う せ い

共通性という。左図では,ウマと自動車を対比さ
遺伝
せながら,主な生物の共通性を図解した。
生命と生物 1. からだはすべて細胞が単位となってできている。

2. 自己と同じ種類の新しい個体をふやす。
生 物 無 生 物 3. DNA が遺伝子として働いている。
4. 有機物の分解などによってエネルギーを取り出
からだの基本単位は細胞 金属,ゴム,プラスチックなどで
 し,生命活動に利用している (代謝)。 
できている。
 インフルエンザウイルスなどのウイルス全般は,
細胞構造をもたず,自己増殖しないことなどから,
生物の定義には当てはまらないものではないかと
部品を組み立ててつくられる。 する考え方もある。

生物の多様性
生殖によって個体をふやす。  すべての生物において,さまざまな種類や形質
た ようせい

DNAが遺伝子 設計図 が存在する状態を生物の多様性という。同種の生


(生物の設計図) をもとに 物でも,個体によって形態や遺伝的性質は異なる。
つくられる。 また,細菌から哺乳類にいたるまで地球上にみら
れる多様な種は,さまざまな生育環境に適応して
有機物を ガソリン・ 生活している。さらに,多様な生物で構成される
分解して 電池など 生態系についても,構成種や環境条件によって変
生命活動の で動く。 化する。
エネルギー
 このように生物の多様性は,遺伝子の多様性,
を得る。
種の多様性,生態系の多様性を総合した概念であ
生物と無生物

る。

整理 生命と生物,生物の共通性と多様性
生命と生物 生物の共通性 生物の多様性
生命…生きている状態。生きている状態と 生物の共通性…すべての生物が共通にもつ特徴 生物の多様性…すべての生物において,さまざまな
は,細胞の分裂や増殖,成長,生殖,遺 や性質。 種類や形質が存在する状態。遺伝子の多様性,種
伝,代謝,刺激の受容と反応,内部環境 ・からだの基本単位は細胞。 の多様性,生態系の多様性を総合した概念。
の恒常性,適応と進化を自然に行ってい ・自己と同じ種類の新しい個体をふやす。 遺伝子の多様性…種内で多様な遺伝子が存在する状
る状態をいう。 ・DNA が遺伝子。   ・代謝を行う。 態。
生物…生命としての活動を行うことができ ・刺激を受容して反応する。 種の多様性…地球上に多様な種が存在する状態。
るもの。 ・恒常性をもつ。   ・進化する。 生態系の多様性…多様な生態系が存在する状態。

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