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A Survey of Citation Trends in Physical Therapy Research Papers in Japan

Article  in  Rigakuryoho Kagaku · July 2011


DOI: 10.1589/rika.26.435

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5 56

3 authors, including:

Imai Itsuki Taizo Shiomi


Nasu Neurosurgical Center Hokkaido Chitose institute of Rehabilitation
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理学療法科学 26(3):435–439,2011

■原 著

理学療法研究論文における引用動向調査

A Survey of Citation Trends in Physical Therapy Research Papers in Japan

今井  樹 1)  今井 裕美 1)  潮見 泰藏 2)

Itsuki IMAI1), Hiromi IMAI1), Taizo SHIOMI2)


1)
Department of Physical Therapy, Nasu Neurosurgical Center: 453–14 Noma, Nasushiobara City, Tochigi 325-0014, Japan.
TEL+81 287-62-5500 E-mail: itsuki.imai@gmail.com
2)
Department of Physical Therapy, School of Health Sciences, Kyorin University

Rigakuryoho Kagaku 26(3): 435–439, 2011. Submitted Jan. 24, 2011. Accepted Mar. 3, 2011.

ABSTRACT: [Purpose] The objective of this study was to survey the citation trends of physical therapy research
papers in Japan, and to clarify their influence on physical therapy research quantitatively and qualitatively. [Method]
Using the references cited by authors of original papers published in two Japanese journals, Rigakuryohogaku and
Rigakuryoho Kagaku, we performed an analysis based on items the numbers of cited papers as well as the citation
frequency. [Results] For Japanese journals, there were many citations for the two physical therapy journals at the
focus of our study. For English journals, there were many citations of journals concerned with rehabilitation and other
specialist subjects. Furthermore, regarding the quality of the each cited journal, the quality of the two journals was
high. [Conclusion] The large influence of these two journals on physical therapy research was clear from the high
citation frequency of the two journals and their high quality as academic journals.
Key words: physical therapy research, reference survey, citation trends

要旨:〔目的〕わが国の理学療法に関する研究論文について,その引用動向を調査し,理学療法研究に対する影響を
量的かつ質的に明らかにすることである.〔方法〕学術誌「理学療法学」,「理学療法科学」の 2 誌に掲載された原著
論文の引用文献を対象とし,被引用文献数および引用回数などの項目をもとに分析した.〔結果〕和文誌では対象の
2 誌を中心とした理学療法関連学術誌からの引用が多く,英文誌ではリハビリテーション関連学術誌とその他の専門
誌からの引用が多かった.また,引用された各学術誌の質において,対象とした 2 誌の質は高かった.〔結論〕この
2 誌の被引用回数は多く,学術誌としての質も高いことから,理学療法研究に与える影響の大きいことが明らかとなっ
た.
キーワード:理学療法研究,文献調査,引用動向
1)
那須脳神経外科病院 リハビリテーション部 理学療法課 : 栃木県那須塩原市野間字神沼 453–14(〒 325-0014)
TEL 0287-62-5500
2)
杏林大学 保健学部 理学療法学科
受付日 2011 年 1 月 24 日  受理日 2011 年 3 月 3 日
436 理学療法科学 第 26 巻 3 号

I.はじめに れた学術誌毎の被引用数および被引用文献総数(以下,
被引用総数;各被引用回数の総和),引用文献の年代別
近年,理学療法士養成校の増加に伴い,理学療法士の 数を算出することで,引用された各学術誌の量的影響を
数が急激に増えている.それに加え,大学院設置数が増 検討した.また,被引用総数が 10 を超える学術誌を対
加していることもあり,理学療法研究および論文数は増 象に,引用された各学術誌の質(Quality;被引用総数/
加傾向にある.理学療法分野に限ったことではないが, 被引用数)を簡易的に算出することで,質的影響を検討
これら理学療法研究や論文は少なからず他の論文や研究 した.なお,両誌に掲載されていた原著論文の引用文献
の影響を受けている.最近は,この影響を量的あるいは の誤字・脱字は修正後,調査の対象にした.ただし,同
質的に検討しようと,引用文献をもとに様々な試みがな 原著論文で重複して記載されていた引用論文は 1 つの論
されている 1). 文とみなし,また同じ書籍にて複数引用している(引用
学術誌の影響度を計る指標として国際的にも有名なも 頁が異なるために別々に記載している)場合は 1 つの文
のに Impact factor(IF)がある.この IF は,「ある特定雑 献とした.
誌(トムソンロイター社の引用文献データベースである
Web of Science に収録された学術誌)に掲載された論文 III.結 果
が平均的にどれくらい頻繁に引用されているか」を示す
尺度である.当然,リハビリテーション(以下,リハビリ) 2009 年 1 月から 2009 年 12 月までの 1 年間に「理学療
関連学術誌の IF も算出されているが,理学療法分野に 法学」および「理学療法科学」の2つの学術誌に掲載され
限らず,作業療法や言語療法,その他の基礎研究などが た原著論文総数は 168 件であり,引用文献数は 2951 件,
混在して構成された学術誌が多数であるため,理学療法 被引用数は 2570 件であった.また,被引用数の和・英
研究にのみ焦点を当てた学術誌の IF を把握することは 文献比率は 49.6:50.4 であり,ほぼ半々であった(表 1).
困難である.また,IF は基本的に国際誌を対象として 最も多い被引用回数は 6 であり,その被引用数はわず
いるため,国内の理学療法研究の動向をつかむのに向い か 2,被引用数に占める割合は 0.08%であった(表 2).
ていない.つまり,わが国の理学療法研究に与える影響 なお,これらの文献はそれぞれ評価指標である“Functional
を知るためには,理学療法分野であり,なおかつ,国内 Reach(FR)Test”と“Timed up and go(TUG)test”の原
の学術誌(和文)に掲載された論文を調べる必要がある. 著である(表 3).引用回数 5 以下の被引用数および被引
そこで,本研究では,わが国の理学療法分野において 用文献に占める割合については表 2 に示す.また,引用
全国規模の学術団体(日本理学療法士協会,理学療法科 回数が 2 以上の和・英文献の割合は,和文献が 55.1%(166
学学会)が発行する学術誌「理学療法学」と「理学療法科 / 301)であり,英文献と比べやや多い程度であった.
学」に掲載された原著論文の引用文献をもとに,本邦の 和文誌で引用されている学術誌の上位は,理学療法お
理学療法研究における引用動向を調査し,量的および質 よびリハビリ関連学術誌が占めていた(表 4).最も引用
的に明らかにすることを目的とした. されている学術誌は理学療法学であったが,そのうち約
1/3(52 / 134)を学術大会の抄録が占めており,原著論
II.対象と方法 文だけでみると理学療法科学が最も引用されていた.こ
の 2 誌が占める引用和文誌の割合(抄録含む)は 18.5%で
2009 年 1 月から 2009 年 12 月までの 1 年間に学術誌「理
学療法学」および「理学療法科学」に掲載された原著論文 表 1 和・英文献の被引用数および比率
の引用文献(オンライン;URL 記載含む)を調査対象と
和文献 英文献 合計
した.調査項目として,引用文献数,被引用文献数(以下,
被引用数),各被引用文献が引用された回数(以下,被 被引用数 1275 1295 2570
比率 49.61% 50.39% 100%
引用回数),和・英文献比率を挙げた.さらに,引用さ

表 2 被引用回数毎の被引用数および全体に占める割合

被引用回数 1 2 3 4 5 6

被引用数 2269 242 45 9 3 2


全体に占める割合 88.29% 9.42% 1.75% 0.35% 0.12% 0.08%
和文献の被引用数 1109 127 28 8 3 0
英文献の被引用数 1160 115 17 1 0 2
和文献 / 英文献 48.88% 52.48% 62.22% 88.89% 100.00% 0.00%
理学療法研究論文における引用動向調査 437

表 3 被引用回数が多い文献

文献 回数
Functional reach: a new clinical measure of balance. 6
The timed “Up & Go”: a test of basic functional mobility for frail elderly persons. 6
基礎運動学 第 6 版 * 5
姿勢バランス機能の因子構造:臨床的バランス機能検査による検討. 5
在宅障害高齢者の転倒に影響を及ぼす身体及び認知的要因. 5
新・徒手筋力検査法 第 6 版 * 4
Functional reach: predictive validity in a sample of elderly male veterans. 4
高齢者における片脚立位時間と膝伸展筋力の関係. 4
新・徒手筋力検査法 第 7 版 * 4
ラット膝関節 2 週間固定後の拘縮に対するストレッチが関節構成体に及ぼす病理組織学的影響. 4
臨床評価指標入門 * 4
福祉機器の適用基準 歩行補助具の適用基準. 4
老年看護における高齢者理解に向けた体験学習の効果と課題. 4
近畿大学医学部 1 年生を対象とした高齢者擬似体験実習の試み. 4
被引用回数が 4 以上の文献のみ記載.なお,*は書籍を示す.

表 4 被引用数が多い学術誌とその Quality

学術誌 被引用数 被引用総数 Quality


理学療法学 134 169 1.26

〔 〕
 内訳:抄録 52 56 1.08
原著論文 82 113 1.38
理学療法科学 102 135 1.32
Arch Phys Med Rehabil 81 94 1.16
理学療法 50 54 1.08
総合リハ 46 53 1.15
Phys Ther 42 51 1.21
Spine 41 48 1.17
PT ジャーナル 37 43 1.16
Exp Brain Res 32 33 1.03
J Appl Physiol 30 31 1.03
リハビリテーション医学 30 33 1.10
J Am Geriatr Soc 28 38 1.36
体力科学 24 30 1.25
Gait and Posture 21 25 1.19
J Orthop Sports Phys Ther 20 21 1.05
J Gerontol 16 31 1.94
Clin Biomech 15 15 1.00
J Biomechanics 15 17 1.13
作業療法 15 15 1.00
Clin Orthop Relat Res 14 14 1.00
Am J Sports Med 13 13 1.00
医学教育 13 16 1.23
J Bone Joint Surg Am 12 16 1.33
J Physiol 12 13 1.08
Med Sci Sports Exerc 12 15 1.25
J Gerontol A Biol Sci Med Sci 11 11 1.00
J Neurophysiol 11 11 1.00
Am J Phys Med Rehabil 10 11 1.10
J Bone Joint Surg Br 10 11 1.10
運動・物理療法 10 13 1.30
日公衛誌 10 14 1.40
臨床スポーツ医学 10 11 1.10
被引用数が 10 以上の学術誌のみ記載.
(Qualiy =被引用総数 / 被引用数)
438 理学療法科学 第 26 巻 3 号

図 1 被引用数の年次推移

あり,また被引用数における割合は 9.2%であった.一方, の文献で扱われている評価指標が理学療法研究において


英文献における上位 2 誌は Archives of Physical Medicine 多用されていることを反映した結果と考えられる.本結
and Rehabilitation(以下,Arch Phys Med Rehabil)およ 果では,最も引用回数が多い文献は FR と TUG の原著で
び Physical Therapy(以下,Phys Ther)であり,リハビリ あり,このことから,バランス機能をパラメータに用い
に関連した学術誌であったが,それより下位はあらゆる る理学療法研究が多いことを示している.また,徒手筋
分野の学術誌となっていた.なお,この上位 2 誌の英文 力検査法(Manual Muscle Test:MMT)に関する書籍(異
献に占める割合は 9.5%,被引用数における割合は 4.8% なる版)が 2 つランクされていることから,筋力をパラメー
であり,和文献の場合と比較すると約半分であった.し タとする研究も多いことが推測される.しかしながら,
かしながら,被引用数が多い学術誌の上位 10 を見ると, 日本リハビリテーション医学会によるリハビリ関連雑誌
和・英文誌の比率がほぼ半々(5:6)であるのに対し, における評価法使用動向調査 2) では,FR や MMT はラン
上位 20,30 でみると英文誌の比率が少しずつ大きくなっ ク外であり,TUG のみがランクされている.論文を執
ていた(9:12,12:20). 筆するにあたり,必ずしも評価指標の原著を引用文献と
被引用数を年代別にみると,1950 年代より 10 年ごと して挙げているわけではないだろうが,そのことを加味
に約 2.8 倍のペースで増加していた.なお,被引用数のピー してもわが国の理学療法研究と医師および欧米のリハビ
クは 2006 年であった(図 1). リ研究では異なる研究内容もしくは評価指標を用いてい
Quality で は,Journal of Gerontology( 以 下,J る可能性が大きいと思われる.なお,脳卒中患者を対象
Gerontol)が 1.94 と最も大きな値を示した.和文誌では, とした理学療法研究を調査した研究でも同じ指摘がなさ
日本公衆衛生雑誌(以下,日公衛誌)が 1.4(全体で 2 位) れている 3).
で最も大きく,次いで理学療法科学が 1.32(全体で 5 位) 和文誌で最も引用されている学術誌の上位は,理学療
であった(表 4).全体での上位 3 は老年学関連の学術誌(J 法およびリハビリ関連が占めていた(表 4).最も引用さ
Gerotol,日公衛誌,Journal of American Geriatric れている学術誌は理学療法学であったが,そのうち約 1 /
Society;以下,J Am Geriatr Soc)が占めた. 3 は学術大会の抄録が占めていた.このことは,原著論
文以外でも研究に有用な発表(抄録)が多くなされてい
IV.考 察 ることを表しているかもしれない.その反面,理学療法
士協会主催の学術大会における研究発表(抄録)は多い
学術誌「理学療法学」および「理学療法科学」はともに ものの,それに比べ,原著論文数が少ないことが指摘で
和文誌であるが,被引用文献に占める和・英文献の割合 きる.このことは,論文の質を重視する学術誌の採択率
はほぼ半分であった.この割合が具体的に何を意味して の問題だけでなく,研究論文の作成に対する研究者の意
いるか本研究だけで言及することは困難だが,わが国の 識の低さなどを反映しているものと推測され,今後,わ
理学療法研究が受ける国際誌の影響を簡便に測る指標と が国の理学療法研究を考える上で重要な問題と考える.
なるかもしれない.これを検証するためには複数年度に 今回,調査対象とした 2 誌が被引用数の上位 1 - 2 位
わたりデータを取得する必要があり,このことは今後の を占めていたことから,意図的に自誌の文献引用を誘導
研究課題である. した可能性 4) も考えられるため,この 2 誌の自誌引用率
大半の文献は引用回数が 1 回であり,4 回以上の文献 を算出した.その結果,理学療法科学は 5.06 %(129 /
はわずか 0.54%に過ぎなかった(表 2).そして,引用回 2549),理学療法学は 3.98%(16 / 402)となり,約 1%
数が多い文献は,おもに評価指標に関する文献あるいは の差が見られた.しかしながら,理学療法科学の引用文
書籍に関するものであった(表 3).このことは,それら 献 に は 理 学 療 法 学 の 文 献 が 多 く 記 載(6.00%;153 /
理学療法研究論文における引用動向調査 439

2549)されていることから,このような可能性はきわめ 誌「日老誌(被引用総数 9)」も Quality は 1.33 と比較的大


て低いと考えられる.一方,理学療法学の引用文献にお きい値を示していた.このことから,老年学関連の上記
ける理学療法科学の文献引用率は非常に低く(1.49%; 学術誌は理学療法研究に影響をおよぼす論文の比率が大
6/402),理学療法学が自誌引用を意図的に誘導している きいと考えられた.その他の理由として,高齢者を対象
可能性は否定できないと思われる. とした類似および関連した理学療法研究が多いことに由
和文献の上位 1 - 2 位は理学療法の学術誌であったが, 来しているかもしれない.和文献で引用数が多かった学
3 - 5 位はリハビリ関連の商業誌であった(表 4).月刊 術誌 2 誌(理学療法科学と理学療法学)はそれぞれ 1.32,
の商業誌に対し,2 つの学術誌は隔月出版という違いが 1.26 と Quality でも高値を示したが,商業誌 3 誌(理学療
あるものの,学術誌(特に理学療法科学)の方が論文掲 法,総合リハ,PT ジャーナル)は 1.1 前後とやや低値を
載数は多い.したがって,引用回数には質的要因だけで 示していた.このことは,必ずしも商業誌に掲載された
なく,量的要因も大きく絡んでいると考えられる.一方, 論文の質が劣るということではなく,商業誌を購読する
英文献での上位 1 - 2 位はリハビリおよび理学療法に関 機会が少ないことが原因かもしれない.
する学術誌(Arch Phys Med Rehabil,Phys Ther)であるが, 以上のことから,わが国の理学療法研究に影響をおよ
それより下位では様々な研究領域の専門誌が並んでいる. ぼす文献は,評価指標の原著あるいは書籍,和学術誌で
このことは,理学療法研究の内容が多岐にわたっている は理学療法科学および理学療法学を中心とした理学療法
だけでなく,幅広い研究分野と関連していることを示し 関連学術誌,英学術誌ではリハビリ関連学術誌(Arch
ている.また,これら英文誌に相当する和文誌が不足し Phys Med Rehabil, Phys Ther)とその他の領域の専門学
ていることも背景にあるのかもしれない. 術誌であった.ただし,高齢者を対象とした理学療法研
引用された学術誌の上位 20 には和文誌が多く,上位 究では,理学療法関連学術誌よりも J Gerotol,日公衛誌,
50 となると英文誌の割合が大きくなる.このことは, J Am Geriatr Soc の影響力が大きいことがわかった.全
わが国の多くの理学療法研究が和文の理学療法研究文献 体的に見ると,対象とした理学療法科学と理学療法学の
をベースとし,必要な情報を適宜,英文誌から得る方略 2誌の被引用回数は多く,学術誌としての質も高いこと
を採用していることを示しているのかもしれない.また, から,この 2 誌が理学療法研究に与える影響が特に大き
和文誌よりも英文誌のほうが各領域の専門誌が豊富にあ いことが明らかとなった.
ることも,英文誌の割合が大きい理由と考えられる. 今回は 2009 年(単年)のみの調査であったが,複数年
被引用数を年代別に調べたところ, 1950 年代より 10 にわたる文献引用調査を行うことで詳細な研究の動向を
年ごとに約 2.8 倍のペースで急激に増加していた(図 1). 把握できると思われる.また,理学療法研究を分野ごと
これは,第二次世界大戦後の近代化,科学技術の向上, に分類すれば,なお詳細な文献の影響を把握することが
リハビリ教育の充実化や理学療法士養成校の増加などが できるであろう.これらについては,今後の課題である.
背景にあると思われる.現在,理学療法士養成校および
大学院の増加だけでなく,理学療法が扱う研究領域も従 引用文献
来と比し拡大していることから,今後も原著論文の絶対
数が増えると予想され,しばらく被引用数は純増し続け 1) 佐 藤  翔: 学 術 情 報 を め ぐ る 新 た な 評 価 指 標:Impact
Factor, h-index, Eigenfactor, Article Influence, Usage Factor.
るであろう.また,被引用数は 2006 年をピークとして
薬学図書館,2009,54(2): 121-132.
いたことから,2006 年前後の文献が 2009 年の文献に最 2)才藤栄一,朝貝芳美,森田定雄・他:リハビリテーション
も影響を与えていると推察された.これは,論文を作成 関連雑誌における評価法使用動向調査─ 7 ─.The Japanese
投稿し,受理されるまでに数年を要することを反映した Journal of Rehabilitation Medicine,2008,45(1): 10-14.
結果かもしれない. 3)今井 樹,須藤裕美,潮見泰藏:脳卒中患者を対象とした
被引用総数が 10 を超えた各学術誌の質を簡易的に調 理学療法研究における評価指標の使用動向に関する調査.
理学療法科学,2010,25(4): 603-606.
査(Quality)した結果,上位 3 は主に高齢者を対象とし
4)山崎茂明:インパクトファクターをめぐる議論 : 正しい理解
た英・和学術誌(J Gerotol,日公衛誌,J Am Geriatr と研究への生かし方.情報管理,1998,41(3): 173-182.
Soc)であった(表 4).なお,今回は被引用総数が 10 に
至らず該当学術誌ではなかったが,老年学関連の和学術

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