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Fatigue - STRNGTH - Def - at Rotary Bending
Fatigue - STRNGTH - Def - at Rotary Bending
論 文 ORIGINAL PAPERS
プ ロ グ ラ ム 回 転 曲 げ 疲 労 に お け る強 度 と 変 形 *
河 本 実 ** 伊 吹 幸 彦 ** 石 川 浩 ***
by
The manifold program loading tests repeated in five stress levels including those in plastic range
were carrid out, of S35C steel by rotating bending at the frequency 20rpm at the large stress range
and 1790rpm in the ordinary fatigue tests range.
In this fatigue test Kawamoto's rotating beam bending fatigue testing machine was used, which
was of uniform moment type, and the specimen could be bent in any direction. During the fatigue
tests the change of deflexion from vertical to horizontal and vice versa at the center of the specimen
was observed.
The main conclusion is as follows.
(1) The general theory that fatigue fracture occurs at Σn/N=1 is not applicable to the experi-
mental results. When the minimum step stress is relatively small the value of Σn/N is very small.
(2) The ratio of the horizontal and the vertical deflexion of the specimen δn/δv is nearly 1
under large stress loading.
(3) The loading under stress will make damage on the fatigue life under the program loading.
(Received Oct. 14, 1967)
1 緒 言 委 員 会研 究 「実 働 荷 重 に よ る疲 労 」の 一環 と して 研 究 を
最 近 の工 業 技 術 の 進 歩 に伴 い, 材 料 が 塑 性領 域 の 応 行 な った結 果 を こ こに報 告 す る.
力 を受 け る状 態 で 使 用 され るこ とが 少 な か らず 起 こ り, 2 実 験 方 法
また 実 際 の機 械 部 分 に お い て, その 全 寿 命 中 に降 伏 点 実 験 に供 した 材 料 は委 員 会 共 同 研 究 用 の もの で,
を こえ る よ うな 過 大 な 繰 返 し 応 力 を小 数 回 受 け る場 Table Iの 化 学 成 分 の 直径25mmのS35C炭 素 鋼圧 延
昭 和43年2月 (15)
98 河本 実, 伊 吹 幸 彦, 石 川 浩
疲 労 試験 機 に試 験 片 を取 り付 け た状 態 で行 な っ た静 的
曲 げ 試 験 結果 をFig. 2に 示 した.
実 験 は一 定 応 力 の 疲 労 試験 を行 ない, S-N曲 線お よ Fig. 4. S-N diagram (Constant stress tests).
び試 験片 中央 の た わ み変 化 曲線 を求 め, プ ログ ラ ム荷
一 定 応 力 に よ る疲 労 試 験結 果 よ り得 られ たS-N曲 線
重 試 験 と して は, Fig. 3に 示 す よ うな3種 の五 段 多重
をFig. 4に 示す. 実 験 結 果 の応 力 として は, 弾 性 学 的
に計 算 した 公 称応 力 値 を もって示 してい る. 大 応 力 を
負 荷 す る と きは試 験 片 の発 熱 を伴 うの で, 40kg/mm2
以 上 の 応 力 に対 す る もの は す べ て 毎分 繰 返 し数20回
転 に対 す る もので, 応 力36kg/mm2に つ い て は 毎分 繰
返 し数1780お よび20回 転 の 両 方 に つ い て 行 な っ た.
なお, 本実 験 に使 用 した 材 料 で は, この 実 験範 囲 内で
繰 返 し速 度 は 疲 労 寿 命 に影 響 の な い もの と考 え られ
る.
る関 係 を もた せ, 繰 返 し数 は 応 力 ひ ん 度 が 対 数 正
期 の 繰 返 し数 n0 は い ず れ もn0=2517478と な る.
ま た, 繰 返 し 数 の 大 部 分 を 占 め る最 下 段 応 力 σ1が
疲 労 限 度 以 下 の値 に な る場 合 が 多 い ので, 疲 労 限度 以
下 の応 力 が 疲 労 強度 に いか に 影 響す るか を求 め るた め,
σ1を負 荷 しな い漸 増 漸 減 四段 多重 重 複試 験 を も行 な っ
Fig. 7. Variation of the ratio of horizontaly
た. to vertical deflexion during the constant
3 実 験 結 果 お よ び その 考 察 tests.
次 に, 実 験 中 に お け る試 験 片 中 央 の た わ みの 縦 方 向 に増 加 し, 次 い で ぼ ほ一 定 値 を保 ち破 断 前 に急 増 す る.
の変 化 をFig. 5に, 横 方 向 の 変化 をFig. 6に 示 す. 図
縦 た わみ と横 た わ み の比 の 変 化 をFig. 7に 示 した. す
か ら明 らか な よ うに, 応 力 の 大 きい場 合 には, 縦 た わ な わ ち, δh/δv=1とは試 験 片 が45°の方 向 に たわ む こ と
み お よび 横 た わ み と も初 め 急 激 に増 加 し, 以後 繰 返 を示 す か ら, た わ み方 向 角 の正 接 の値 を示 して い る こ
し数 の 増 加 と と もに減 少 の 傾 向 を示 し, 破 断前 に著 し とに な る. 図 よ り応 力30kg/mm2以 下 では 横 たわ み は
く増 加 し て い る. 応 力 の低 い場 合 は 繰 返 し数 の 初 め きわ め て小 さいが, 36kg/mm2に な る と横 た わ み は急
* Step of failure
昭 和43年2月 (17)
100 河本 実, 伊 吹 幸 彦, 石 川 浩
56-49-42-35-28→
C-6
N=123878
program loading).
多重 重 複 お よび漸 増 急 減
五 段 多重 重 複試 験 結 果 を
同様 にFig. 9に 示 した.
図 よ り急 増 漸 減 五 段 多重
重 複試 験 の寿 命 は漸 増 漸
減 五 段 多重 重 複 試 験 の場
合 に 比べ, 繰 返 し数 が1
周 期 に達 す る まで は 当然
の こ となが ら小 さい が,
破 壊 まで の繰 返 し周 期 数
Fig. 10. Variation of deflexion during the program loading tests. が 増 加 す るに従 って 増 加
昭 和43年2月 (19)
102 河本 実, 伊 吹幸 彦, 石 川 浩
た わみ と横 た わ み を比 較 す れ ば, 横 たわ み の変 化 は縦
た わみ の 変 化 よ りお くれ, 横 た わ み の増 加 の割 合 の大
き くな る こ とが認 め られ る. す な わ ち, Fig. 13の 上 図
に見 られ るよ うに, 最 初33kg/mm2の 応力を 負 荷 し
て も横 た わ み は きわ め て きん 少 で あ るが, σ4およ び
σ5を負 荷 した 後 に お い ては, 明 らか に横 た わ み が生 じ
て い るの が この例 であ る. ま た, 最 初 に 大 応 力 を負 荷
す る急 増 漸 減型 の応 力 負 荷 順 序 の場 合, Fig. 12お よ
び13に 見 られ る よ うに, 荷 重 を低 下 させ て も変形 の増
加 す る場 合 の あ るのが 見 られ た. Fig. 15. Relation between the maximum step
stress and cumulative cycle ratio.
繰 返 し 周 期 数 と最 上 段 応 力 σ5の関 係 をFig. 14に
示 した. 実 験 点 は破 壊 した 周 期数 す なわ ち最初 の周 期 る. す な わ ち, 破壊 ま で の 周期 数 の 多 い場 合, 応 力 負
荷 順 序 は あ ま り影 響 な く Σn/Nの 値 は 小 さ くな る もの
と考 え られ る.
4 結 論
S35C炭 素鋼 を用 い て, 最下 段 応 力 の2倍 の大 きさ
を最 大 ピー ク荷 重 として 含 み, 最 下 段 応 力 の 繰 返 し数
の大 な る五 段 多重 プ ログ ラ ム荷 重 回転 曲 げ 疲 労試 験 を
行 な い, 疲 労 強 度 お よ び試 験 中 の 試験 片 の たわ み の変
化 を考 察 し, 得 られ た お もな結 果 は 次 の よ うで あ る.
Fig. 14. Relation between the maximum (1) ピー ク荷 重 を含 む プ ログ ラム荷 重 を受 け る場 合,
step stress and number of program 一 般 に は Σn/N=1に て 破 壊 す る とい う考 え方 は 成 立
cycles to failure.
し ない. 最 下 段 応 力 が 小 さい と きは Σn/Nの 値 は きわ
内で 破 壊 した場 合 に は1, 1周 期 を負 荷 して少 しで も
め て小 さ くな る こ とが あ る.
次 の プ ロ グ ラ ムに はい った場 合 は2周 期 め で 破壊 した
(2) 大 応 力 を負 荷 す る と 試 験 片 の 横 たわ み δhと縦
もの として2の とこ ろ に示 して あ る. また, 中央 の破
た わみ δvの比 は, δh/δv=1に近 づ く.
線 は疲 労 限 度 の2倍 の応 力 の 位 置 を示 した もの で, こ
(3) ピー ク荷 重 を 負荷 す る と横 た わ み は一 般 に 負荷
れ よ り下 で は 最 下 段 応 力 σ1の大 き さが 疲 労 限 度 以 下
前 よ り増 加 す る傾 向 が認 め られ る.
で あ る こ とを示 して い る. 図 よ り明 らか な よ うに, 五
(4) 疲 労限 度 以 下 の 応 力 で もプ ロ グ ラ ム疲 労 寿 命 を
段 多 重 重 複試 験 結 果 に 比 べ て, 最 下 段 応 力 を負 荷 しな
低 下 させ る もの と思 わ れ る.
い漸 増 漸 減 四 段 多重 重 複 試 験結 果 の ほ うが 強 度 が大 で
(5) 破壊 ま で の周 期 数 の 多 い場 合, 応 力 負荷 順 序 は
あ るこ とが わ か る. これ は 疲 労 限度 以下 の 小 さい応 力
あ ま り影 響 な く Σn/Nの 値 は 小 さ くな る もの と考 え ら
で もプ ログ ラ ム疲 労寿 命 (破壊 まで の繰 返 し数) を低下
れ る.
させ るこ とを示 して い る. この こ とは機 械 設 計 上 特 に
(昭和42年9月22日 実働荷重における疲労に関するシンポシウム
注 目に価 す る もの と思 われ る. にて講演)
次 に, 直 線 被 害 則 に よ って求 めた Σn/Nと 最 上 段 応
参 考 文 献
力 σ5の関 係 をFig. 15に 示 した. 図 中 横 軸 に平 行 に引
1) 河本 実, 伊 吹幸 彦, 石 川 浩, 吉 崎 博, 日本
い た破 線 も疲 労 限度 の2倍 の 応 力 を示 し, これ よ り下
機 械 学 会 第44期 通 常 総 会 講 演会 講 演 論 文 集, No.
で は周 期 の 大 部分 を 占 め る σ1が疲 労 限度 以下 とな り,
166, 45 (1967).
Σn/Nの 計 算 に はい って い ない こ と を示 してい る. 図
2) 河本 実, 住 広 克 巳, 木 田宏 二, 材 料, 15, 49
よ り, 漸増 急 減 五 段 多 重重 複 試 験 結 果 の ば らつ きが 大
(1966).
き く, か つ Σn/Nの 値 も比 較 的小 さい もの と考 え られ