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民数記

概要
1章
兵役に就く男性の登録(1‐46節)
レビ族は兵役を免除される(47‐51節)
宿営の秩序ある配置(52‐54節)
2章
宿営は3部族から成る分隊に組織される(1‐34節)
ユダの分隊は東側(3‐9節)
ルベンの分隊は南側(10‐16節)
レビの宿営は真ん中(17節)
エフライムの分隊は西側(18‐24節)
ダンの分隊は北側(25‐31節)
登録された男性の総数(32‐34節)
3章
アロンの子たち(1‐4節)
レビ族が仕えるよう選ばれる(5‐39節)
長男の買い戻し(40‐51節)
4章
コハト氏族の奉仕(1‐20節)
ゲルション氏族の奉仕(21‐28節)
メラリ氏族の奉仕(29‐33節)
人口調査のまとめ(34‐49節)
5章
汚れた人の隔離(1‐4節)
告白と弁償(5‐10節)
姦淫の疑いを水で判定する(11‐31節)
6章
ナジルの誓約(1‐21節)
祭司が祝福を願う(22‐27節)
7章
幕屋を献じる時の捧げ物(1‐89節)
8章
アロンは7つのランプをともす(1‐4節)
レビ族は清められ,奉仕を始める(5‐22節)
レビ族の奉仕の年齢制限(23‐26節)
9章
月遅れの過ぎ越し(1‐14節)
幕屋の上の雲と火(15‐23節)
10章
銀のラッパ(1‐10節)
シナイを出発(11‐13節)
出発の順番(14‐28節)
ホバブはイスラエル人の案内を頼まれる(29‐34節)
宿営を畳む時のモーセの祈り(35,36節)
11章
民は文句を言い,神の火が燃え上がる(1‐3節)
民は肉を求める(4‐9節)
モーセは自分が力不足だと感じる(10‐15節)
エホバは70人の長老に聖なる力を与える(16‐25節)
エルダドとメダドのことで,ヨシュアはモーセの心配をする(26‐30節)
ウズラが送られ,民は貪欲さのために処罰される(31‐35節)
12章
ミリアムとアロンがモーセに逆らう(1‐3節)
モーセは際立って温厚(3節)
エホバはモーセを擁護する(4‐8節)
ミリアムは重い皮膚病にかかる(9‐16節)
13章
カナンの偵察に12人が遣わされる(1‐24節)
10人からの悪い報告(25‐33節)
14章
民はエジプトに戻りたがる(1‐10節)
ヨシュアとカレブの良い報告(6‐9節)
エホバの怒り,モーセのとりなし(11‐19節)
罰: 荒野で40年(20‐38節)
イスラエルはアマレク人に打ち破られる(39‐45節)
15章
捧げ物に関する律法(1‐21節)
生来のイスラエル人と外国人居住者に同じ律法(15,16節)
意図しない罪のための捧げ物(22‐29節)
故意の罪に対する罰(30,31節)
安息日を破った人が死刑にされる(32‐36節)
服の裾に飾りを付ける(37‐41節)
16章
コラ,ダタン,アビラムの反逆(1‐19節)
反逆者たちに対する裁き(20‐50節)
17章
芽が出たアロンのつえ(1‐13節)
18章
祭司とレビ族の務め(1‐7節)
祭司の取り分(8‐19節)
塩の契約(19節)
レビ族が受け取る10分の1と,与える10分の1(20‐32節)
19章
赤い雌牛と清めの水(1‐22節)
20章
ミリアムがカデシュで死ぬ(1節)
モーセは岩を打って罪を犯す(2‐13節)
エドムはイスラエルを通らせない(14‐21節)
アロンの死(22‐29節)
21章
アラドの王を打ち破る(1‐3節)
銅の蛇(4‐9節)
イスラエルはモアブを迂回して進む(10‐20節)
アモリ人の王シホンを打ち破る(21‐30節)
アモリ人の王オグを打ち破る(31‐35節)
22章
バラクがバラムを雇う(1‐21節)
バラムのロバが話す(22‐41節)
23章
バラムの最初の格言的な詩(1‐12節)
バラムの2つ目の格言的な詩(13‐30節)
24章
バラムの3つ目の格言的な詩(1‐11節)
バラムの4つ目の格言的な詩(12‐25節)
25章
モアブ人の女性たちとのイスラエルの罪(1‐5節)
ピネハスは行動する(6‐18節)
26章
イスラエルの部族の2度目の人口調査(1‐65節)
27章
ツェロフハドの娘たち(1‐11節)
ヨシュアがモーセの後継者として任命される(12‐23節)
28章
さまざまな捧げ物の手順(1‐31節)
毎日(1‐8節)
安息日(9,10節)
毎月(11‐15節)
過ぎ越しの時(16‐25節)
七週の祭りの時(26‐31節)
29章
さまざまな捧げ物の手順(1‐40節)
ラッパの吹奏の日(1‐6節)
贖罪の日(7‐11節)
仮小屋の祭りの時(12‐38節)
30章
男性の誓約(1,2節)
女性と娘の誓約(3‐16節)
31章
ミディアンに対する復讐(1‐12節)
バラムは殺される(8節)
戦利品に関する指示(13‐54節)
32章
ヨルダン川の東での定住(1‐42節)
33章
荒野でのイスラエルの行程(1‐49節)
カナン征服に関する指示(50‐56節)
34章
カナンの境界線(1‐15節)
土地を分けるよう指名された人たち(16‐29節)
35章
レビ族の町(1‐8節)
避難の町(9‐34節)
36章
女性相続人の結婚に関する律法(1‐13節)
  1 章
  1 エホバは,民がエジプトを出て2年目の第2の月の1日に,シナイの荒野で,会見の天幕の中でモーセ
に話した。 2 「イスラエル人の民全体の人口調査を行い,氏族ごとに,父方の家ごとに,全ての男性の名前を
1人ずつ挙げなさい。 3 あなたとアロンは,イスラエルで兵役に就くことができる20歳以上の人全員をグル
ープごとに登録する。
  4 それぞれの部族から,部族の長1人があなたたちのもとにいるようにしなさい。 5 あなたたちを補佐
する人たちの名前は以下の通りである。ルベンからは,シェデウルの子エリツル。 6 シメオンからは,ツリシ
ャダイの子シェルミエル。 7 ユダからは,アミナダブの子ナフション。 8 イッサカルからは,ツアルの子ネ
タヌエル。 9 ゼブルンからは,ヘロンの子エリアブ。 10 ヨセフの子のうち,エフライムからは,アミフド
の子エリシャマ,マナセからは,ペダツルの子ガマリエル。 11 ベニヤミンからは,ギドオニの子アビダン。
12 ダンからは,アミシャダイの子アヒエゼル。 13 アシェルからは,オクランの子パグイエル。 14 ガドか
らは,デウエルの子エルヤサフ。 15 ナフタリからは,エナンの子アヒラ。 16 以上が民の中から呼び出され
る人で,父の部族の長,イスラエルの数千人を率いる人たちである」。
  17 モーセとアロンは指名された人たちを来させた。 18 そして第2の月の1日に民全員を集合させた。
20歳以上の人を,父方の家ごとに,氏族ごとに,1人ずつ名前で登録するためである。 19 エホバがモーセ
に命じた通りである。モーセはシナイの荒野で登録をした。
  20 ルベンの子たち,イスラエルの長男の子孫について,父方の家ごとに,氏族ごとに名前が記載された。
兵役に就ける20歳以上の男性全員が1人ずつ数えられ, 21 ルベン族で登録された人は4万6500人だっ
た。
  22 シメオンの子孫について,父方の家ごとに,氏族ごとに名前が記載された。兵役に就ける20歳以上の
男性全員が1人ずつ数えられ, 23 シメオン族で登録された人は5万9300人だった。
  24 ガドの子孫について,父方の家ごとに,氏族ごとに名前が記載された。兵役に就ける20歳以上の男性
全員が数えられ, 25 ガド族で登録された人は4万5650人だった。
  26 ユダの子孫について,父方の家ごとに,氏族ごとに名前が記載された。兵役に就ける20歳以上の男性
全員が数えられ, 27 ユダ族で登録された人は7万4600人だった。
  28 イッサカルの子孫について,父方の家ごとに,氏族ごとに名前が記載された。兵役に就ける20歳以上
の男性全員が数えられ, 29 イッサカル族で登録された人は5万4400人だった。
  30 ゼブルンの子孫について,父方の家ごとに,氏族ごとに名前が記載された。兵役に就ける20歳以上の
男性全員が数えられ, 31 ゼブルン族で登録された人は5万7400人だった。
  32 ヨセフの子エフライムの子孫について,父方の家ごとに,氏族ごとに名前が記載された。兵役に就ける
20歳以上の男性全員が数えられ, 33 エフライム族で登録された人は4万500人だった。
  34 マナセの子孫について,父方の家ごとに,氏族ごとに名前が記載された。兵役に就ける20歳以上の男
性全員が数えられ, 35 マナセ族で登録された人は3万2200人だった。
  36 ベニヤミンの子孫について,父方の家ごとに,氏族ごとに名前が記載された。兵役に就ける20歳以上
の男性全員が数えられ, 37 ベニヤミン族で登録された人は3万5400人だった。
  38 ダンの子孫について,父方の家ごとに,氏族ごとに名前が記載された。兵役に就ける20歳以上の男性
全員が数えられ, 39 ダン族で登録された人は6万2700人だった。
  40 アシェルの子孫について,父方の家ごとに,氏族ごとに名前が記載された。兵役に就ける20歳以上の
男性全員が数えられ, 41 アシェル族で登録された人は4万1500人だった。
  42 ナフタリの子孫について,父方の家ごとに,氏族ごとに名前が記載された。兵役に就ける20歳以上の
男性全員が数えられ, 43 ナフタリ族で登録された人は5万3400人だった。
  44 以上の人たちが,モーセとアロンとイスラエルの長12人によって登録された。12人はそれぞれ部族
を代表していた。 45 イスラエルで兵役に就くことができる20歳以上のイスラエル人全員が父方の家ごとに
登録され, 46 登録された人の総数は60万3550人だった。
  47 ただしレビ族は,父の氏族に従って他の人たちと一緒に登録されることはなかった。 48 エホバはモ
ーセに告げた。 49 「レビ族だけは登録しない。彼らの数を他のイスラエル人と一緒にしてはならない。 50
レビ族には,証しの幕屋,その全ての器具,関係する全ての物を管理させるべきである。レビ族は幕屋とその
全ての器具を運び,幕屋に関する奉仕をする。そして幕屋の周囲に宿営する。 51 幕屋を移動するときにはレ
ビ族が解体し,幕屋を設営するときにもレビ族が組み立てる。許可されていない人が近づくなら,死刑にされ
るべきである。
  52 イスラエル人はそれぞれ割り当てられた宿営地に自分の天幕を張るべきである。それぞれ自分の分隊に
従ってグループごとに張る。 53 レビ族は証しの幕屋の周囲に宿営を張る。イスラエル人の会衆に対する憤り
が生じないようにするためである。レビ族は証しの幕屋を世話する責任を果たさなければならない」。
  54 イスラエルの民は,エホバがモーセに命じた全ての事柄を行った。まさにその通りにした。
  2 章
  1 エホバはモーセとアロンに話した。 2 「イスラエル人は,自分の分隊が割り当てられた場所,父方の
家の旗の近くに宿営を張るべきである。会見の天幕の方に向かってその周囲に宿営する。
  3 日の出の方向である東側にグループごとに宿営するのは,ユダの宿営を含む分隊である。ユダの子たち
の長はアミナダブの子ナフションで, 4 彼の軍に登録された人は7万4600人である。 5 その横に宿営す
るのは,一方の側にイッサカル族である。イッサカルの子たちの長はツアルの子ネタヌエルで, 6 彼の軍に登
録された人は5万4400人である。 7 もう一方の側にゼブルン族である。ゼブルンの子たちの長はヘロンの
子エリアブで, 8 彼の軍に登録された人は5万7400人である。
  9 ユダの宿営の軍隊に登録された人は合計18万6400人である。最初に出発すべきである。
  10 ルベンの宿営を含む分隊は南側に,グループごとに位置する。ルベンの子たちの長はシェデウルの子エ
リツルで, 11 彼の軍に登録された人は4万6500人である。 12 その横に宿営するのは,一方の側にシメ
オン族である。シメオンの子たちの長はツリシャダイの子シェルミエルで, 13 彼の軍に登録された人は5万
9300人である。 14 もう一方の側にガド族である。ガドの子たちの長はレウエルの子エルヤサフで, 15
彼の軍に登録された人は4万5650人である。
  16 ルベンの宿営の軍隊に登録された人は合計15万1450人である。2番目に出発すべきである。
  17 会見の天幕が移動するとき,レビ族の宿営は全ての宿営の真ん中に来るべきである。
  全ての部族は宿営を張るときと同じ順番で,それぞれ自分の位置を保って分隊ごとに進む。
  18 エフライムの宿営を含む分隊は西側に,グループごとに位置する。エフライムの子たちの長はアミフド
の子エリシャマで, 19 彼の軍に登録された人は4万500人である。 20 その横に来るのは,一方の側にマ
ナセ族である。マナセの子たちの長はペダツルの子ガマリエルで, 21 彼の軍に登録された人は3万2200
人である。 22 もう一方の側にベニヤミン族である。ベニヤミンの子たちの長はギドオニの子アビダンで,
23 彼の軍に登録された人は3万5400人である。
  24 エフライムの宿営の軍隊に登録された人は合計10万8100人である。3番目に出発すべきである。
  25 ダンの宿営を含む分隊は北側に,グループごとに位置する。ダンの子たちの長はアミシャダイの子アヒ
エゼルで, 26 彼の軍に登録された人は6万2700人である。 27 その横に宿営するのは,一方の側にアシ
ェル族である。アシェルの子たちの長はオクランの子パグイエルで, 28 彼の軍に登録された人は4万150
0人である。 29 もう一方の側にナフタリ族である。ナフタリの子たちの長はエナンの子アヒラで, 30 彼の
軍に登録された人は5万3400人である。
  31 ダンの宿営に登録された人は合計15万7600人である。全ての分隊の最後に出発すべきである」。
  32 以上が,父方の家ごとに登録されたイスラエル人である。宿営で軍隊のために登録された人の総数は6
0万3550人だった。 33 ただし,エホバがモーセに命じた通り,レビ族は他のイスラエル人と一緒に登録
されることはなかった。 34 イスラエル人はエホバがモーセに命じたことを全てその通りに行い,分隊ごとに
宿営を張り,また畳んだ。それぞれ氏族ごとに,父方の家ごとにそのようにした。
  3 章
  1 以下は,エホバがシナイ山でモーセと話した時点のアロンとモーセの一族である。 2 アロンの子の名
前は,長男ナダブ,アビフ,エレアザル,イタマルである。 3 これらがアロンの子たちの名前であり,選ばれ
た祭司で,祭司として仕えるよう任命されていた。 4 しかしナダブとアビフは,シナイの荒野で,許可されて
いない火をエホバの前に捧げた時にエホバの前で死んだ。2人には子供がいなかった。エレアザルとイタマル
は父アロンと共に引き続き祭司として仕えた。
  5 エホバはモーセに言った。 6 「レビ族を来させ,祭司アロンの前に立たせなさい。レビ族はアロンに
仕える。 7 会見の天幕の前で,アロンと民全員のために務めを果たし,幕屋に関係する奉仕を行う。 8 会見
の天幕の全ての備品を管理し,イスラエル人のために務めを果たし,幕屋に関係する奉仕を行う。 9 あなたは
レビ族をアロンとその子たちに与える。レビ族は与えられた者たちで,イスラエル人の中からアロンに与えら
れている。 10 あなたはアロンとその子たちを任命し,彼らが祭司職を担う。許可されていない人が近づくな
ら,死刑にされるべきである」。
  11 エホバは続けてモーセに言った。 12 「さあ,私はイスラエル人の中からレビ族を取ってイスラエル
人の長男の代わりとする。レビ族は私のものとなる。 13 初子は全て私のものだからである。私は,エジプト
で全ての初子を打った日に,人間から動物までイスラエルの全ての初子を私のために神聖なものとした。彼ら
は私のものとされるべきである。私はエホバである」。
  14 エホバはシナイの荒野で,モーセにさらにこう話した。 15 「レビの子たちを,父方の家ごとに,氏
族ごとに登録しなさい。生後1カ月以上の全ての男性を登録する」。 16 モーセはエホバの指示に従って彼ら
を登録し,命じられた通りにした。 17 レビの子の名前は,ゲルション,コハト,メラリである。
  18 ゲルションの子の名前を氏族ごとに挙げると,リブニ,シムイ。
  19 コハトの子は氏族ごとに,アムラム,イツハル,ヘブロン,ウジエル。
  20 メラリの子は氏族ごとに,マフリ,ムシ。
  これらが父方の家ごとに挙げたレビ族の氏族だった。
  21 ゲルションから出たのは,リブニ氏族とシムイ氏族で,これらがゲルションに属する氏族だった。 22
登録された生後1カ月以上の男性の数は7500人だった。 23 ゲルション氏族は幕屋の後ろ,西側に宿営を
張った。 24 ゲルション氏族の家長は,ラエルの子エルヤサフだった。 25 ゲルションの子たちが会見の天幕
で担当したのは,幕屋,その布と覆い,会見の天幕の入り口の幕, 26 庭の横幕,幕屋と祭壇を囲む庭の入り
口の幕,その綱,および関係する種々の奉仕である。
  27 コハトから出たのは,アムラム氏族,イツハル氏族,ヘブロン氏族,ウジエル氏族で,これらがコハト
に属する氏族だった。 28 生後1カ月以上の男性の数は8600人で,聖なる場所を担当した。 29 コハトの
子たちの氏族は幕屋の南側に宿営した。 30 コハト氏族の家長は,ウジエルの子エリザパンだった。 31 コハ
ト氏族が担当したのは,証しの箱,食卓,ランプ台,2つの祭壇,聖なる場所での奉仕に使う器具,間仕切り
の幕,および関係する種々の奉仕である。
  32 レビ族の長たちの長は,祭司であるアロンの子エレアザルで,聖なる場所の務めを果たす人たちを監督
した。
  33 メラリから出たのは,マフリ氏族とムシ氏族で,これらがメラリに属する氏族だった。 34 登録され
た生後1カ月以上の男性の数は6200人だった。 35 メラリ氏族の家長は,アビハイルの子ツリエルだった。
メラリ氏族は幕屋の北側に宿営を張った。 36 メラリの子たちが監督するよう割り当てられたのは,幕屋の木
枠,横木,柱,受け台,全ての器具,および関係する種々の奉仕, 37 庭の周囲の柱,その受け台と杭と綱で
ある。
  38 幕屋の正面である東側,会見の天幕の前,日の出の方向に宿営するのは,モーセ,アロンとその子たち
で,イスラエル人のために聖なる所での務めを担当した。許可されていない人が近づくなら,死刑にされる。
  39 モーセとアロンがエホバの指示に従って氏族ごとに登録した生後1カ月以上のレビ族の男性の総数は,
2万2000人だった。
  40 エホバはモーセに言った。「イスラエル人の生後1カ月以上の長男を全員登録し,人数を数えて名前を
書き出しなさい。 41 私のためにレビ族を取ってイスラエル人の長男の代わりとし,レビ族の家畜を取ってイ
スラエル人の家畜の初子の代わりとしなければならない。私はエホバである」。 42 モーセは,エホバに命じ
られた通り,イスラエル人の全ての長男を登録した。 43 名前で登録された生後1カ月以上の長男の数は2万
2273人だった。
  44 エホバは続けてモーセに言った。 45 「レビ族を取ってイスラエル人の長男の代わりとし,レビ族の
家畜を取ってイスラエル人の家畜の代わりとしなさい。レビ族は私のものとならなければならない。私はエホ
バである。 46 イスラエル人の長男のうち,レビ族の人数を上回った273人の贖いの代価として, 47 あな
たは1人当たり聖なる標準重りで57グラムを取る。標準重りは11.4グラムである。 48 そのお金を,レ
ビ族の人数を上回った人たちの贖いの代価としてアロンとその子たちに渡す」。 49 モーセは,レビ族によっ
て贖われる人数を上回った人たちのために買い戻しの代価のお金を集めた。 50 イスラエル人の長男のために
聖なる標準重りで16キロを集めた。 51 そして,贖いの代価のお金をエホバの言葉に従ってアロンとその子
たちに渡した。エホバに命じられた通りである。
  4 章
  1 エホバはモーセとアロンに話した。 2 「レビの子たちのうちコハトの子たちについて,氏族ごとに,
父方の家ごとに人口調査をすべきである。 3 30歳以上50歳未満で,会見の天幕での仕事を割り当てられる
グループに属する全ての人についてである。
  4 会見の天幕でコハトの子たちが行う奉仕は,極めて聖なるものに関することで,以下の通りである。 5
宿営を畳んで出発するとき,アロンとその子たちが中に入り,間仕切りの幕を取り外し,それで証しの箱を覆
う。 6 それにアザラシの皮の覆いを掛け,その上に青色の一枚布を広げ,箱を運ぶ棒をはめる。
  7 また,供えのパンの食卓の上に青色の布を広げ,その上に,皿と杯と鉢,飲み物の捧げ物のための水差
しを置く。いつも捧げるパンはそこに置いたままにすべきである。 8 それらの上に緋色の布を広げ,それをア
ザラシの皮の覆いで覆い,食卓を運ぶ棒をはめる。 9 青色の布を取って,明かりのためのランプ台を,ランプ,
芯つまみ,燃えかす入れ,ランプに使う油の入れ物全てと一緒に覆う。 10 それを全ての器具と一緒にアザラ
シの皮の覆いで包み,それを運ぶ台の上に置く。 11 また,金の祭壇の上に青色の布を広げ,それをアザラシ
の皮の覆いで覆い,祭壇を運ぶ棒をはめる。 12 聖なる場所での奉仕にいつも使う全ての器具を取って,青色
の布に入れ,アザラシの皮の覆いで覆い,それを運ぶ台の上に置く。
  13 祭壇から灰を取り除き,その上に紫の羊毛の布を広げる。 14 その上に,祭壇での奉仕に使う全ての
器具を置く。炭入れ,肉刺し,シャベル,鉢など,祭壇の全ての器具である。その上にアザラシの皮の覆いを
広げ,祭壇を運ぶ棒をはめる。
  15 アロンとその子たちは,宿営を畳んで出発するときに,聖なる場所と聖なる場所の全ての備品とを覆い
終えていなければならない。その後,コハトの子たちが中に入ってそれらを運ぶ。しかし,聖なる場所に触れ
てはならない。死ぬことのないためである。以上が会見の天幕に関係するコハトの子たちの務めである。
  16 祭司であるアロンの子エレアザルは,明かりの油,香り高い香,日々の穀物の捧げ物,注ぎ油について
監督する責任がある。聖なる場所とその器具をはじめ,幕屋全体とその中の全ての物を監督する」。
  17 エホバはモーセとアロンにさらにこう話した。 18 「コハト氏族がレビ族の中から除かれるようなこ
とがあってはならない。 19 コハト氏族のためにこのことを行って,彼らが生き続け,極めて聖なるものに近
づいて死ぬことがないようにしなさい。アロンとその子たちが中に入り,それぞれに奉仕と運ぶ物とを割り当
てる。 20 コハト氏族は,中に入って一瞬でも聖なるものを見てはならない。死ぬことのないためである」。
  21 エホバはモーセに話した。 22 「ゲルションの子たちについて,父方の家ごとに,氏族ごとに人口調
査をすべきである。 23 30歳以上50歳未満で,会見の天幕で奉仕するグループの全ての人を登録する。
24 ゲルション氏族が手入れや運搬を割り当てられる物は,以下の通りである。 25 彼らが運ぶのは,幕屋の
布,会見の天幕の布,その覆い,その上に掛けるアザラシの皮の覆い,会見の天幕の入り口の幕, 26 庭の横
幕,幕屋と祭壇を囲む庭の入り口の幕,綱と全ての器具,幕屋の奉仕に使う全ての物である。これが彼らの仕
事である。 27 ゲルション氏族の全ての奉仕と運ぶ荷は,アロンとその子たちが監督すべきである。これらの
全ての荷を彼らに割り当てる。 28 以上が,会見の天幕でゲルション氏族が行う奉仕であり,祭司アロンの子
イタマルの指示の下で務めを果たす。
  29 メラリの子たちについて,父方の家ごとに,氏族ごとに登録する。 30 30歳以上50歳未満で,会
見の天幕で奉仕するグループの全ての人を登録する。 31 メラリの子たちは会見の天幕での奉仕に関係して以
下の物を運ぶ責任がある。幕屋の木枠,横木,柱,受け台, 32 周囲の庭の柱,その受け台,杭,綱,全ての
付属品。そして関係する奉仕がある。あなたたちは名前を挙げて,彼らが運ぶ責任がある物を割り当てる。 33
これが,祭司アロンの子イタマルの指示の下,メラリの子たちの氏族が会見の天幕で行う奉仕である」。
  34 モーセとアロンと民の長たちは,コハト氏族の子たちを,氏族ごとに,父方の家ごとに登録した。 35
30歳以上50歳未満で,会見の天幕で奉仕するグループの全ての人である。 36 氏族ごとに登録された人の
総数は2750人だった。 37 これらがコハトに属する氏族のうち登録された人で,全員,会見の天幕で仕え
る人である。モーセとアロンが,モーセを通して与えられたエホバの指示に従って登録した。
  38 ゲルションの子たちが,氏族ごとに,父方の家ごとに登録された。 39 30歳以上50歳未満で,会
見の天幕で奉仕するグループの全ての人である。 40 氏族ごとに,父方の家ごとに登録された人の総数は26
30人だった。 41 これらがゲルションの子たちの氏族の登録された人で,全員,会見の天幕で仕える人であ
る。モーセとアロンがエホバの指示に従って登録した。
  42 メラリの子たちが,氏族ごとに,父方の家ごとに登録された。 43 30歳以上50歳未満で,会見の
天幕で奉仕するグループの全ての人である。 44 氏族ごとに登録された人は3200人だった。 45 これらが
メラリの子たちの氏族の登録された人たちで,モーセとアロンが,モーセを通して与えられたエホバの指示に
従って登録した。
  46 モーセとアロンとイスラエルの長たちがこれらのレビ族を,氏族ごとに,父方の家ごとに登録した。
47 30歳以上50歳未満の人たちで,全員,会見の天幕に関係する奉仕と運搬を割り当てられた。 48 登録
された人の総数は8580人だった。 49 モーセを通して与えられたエホバの指示に従って,それぞれ割り当
てられた奉仕と担う荷に基づいて登録された。エホバがモーセに命じた通りに登録された。
  5 章
  1 エホバはモーセにさらにこう話した。 2 「イスラエル人に命じて,重い皮膚病の人や何らかの流出が
ある人,死体によって汚された人を皆,宿営から出しなさい。 3 男性でも女性でも出すべきである。宿営の外
に出し,彼らが私の民の宿営を汚すことがないようにすべきである。私は民のただ中に住んでいる」。 4 イス
ラエル人はその通りにし,その人たちを宿営の外に出した。エホバがモーセに告げた通りにした。
  5 エホバは続けてモーセに言った。 6 「イスラエル人にこう告げなさい。『男性または女性が何らかの
罪を犯してエホバに不忠実なことをした場合,その人は有罪である。 7 犯した罪を告白し,罪の償いとして全
額を弁償するだけでなく,その5分の1を加える。それを被害者に与える。 8 しかし,被害者が死んでいて,
弁償を受ける近親者がいなければ,それはエホバに返され,祭司のものとなる。贖罪を行うための贖罪の雄羊
に加えてである。
  9 イスラエル人から祭司に差し出される聖なる寄進物は全てその祭司のものとなる。 10 各人が差し出す
聖なるものは祭司自身のものであり,各人が祭司に与える物は何でも,その祭司のものとなる』」。
  11 エホバは続けてモーセに言った。 12 「イスラエル人にこう告げなさい。『以下のような場合の扱い
であるが,仮に,ある人の妻が道を踏み外して夫に不忠実になり, 13 別の男性と性関係を持ったが,そのこ
とが夫に知られず発覚することもなく,妻は自分を汚したのに証人がいなくて捕らえられずにいて, 14 夫が
嫉妬し,身を汚した妻の忠実さを疑うようになった場合,あるいは,夫が嫉妬し,身を汚していないのに妻の
忠実さを疑う場合, 15 夫は妻を祭司の所に連れていき,妻のための捧げ物として大麦粉2.2リットルを持
っていかなければならない。捧げ物に油を注いだり乳香を添えたりしてはならない。それは嫉妬の穀物の捧げ
物,罪を思い起こさせる穀物の捧げ物だからである。
  16 祭司はその女性を来させ,エホバの前に立たせる。 17 祭司は土の器に聖なる水を取り,幕屋の地面
から土を取って水に入れる。 18 祭司は女性をエホバの前に立たせ,女性の髪をほどき,思い起こしの穀物の
捧げ物,つまり嫉妬の穀物の捧げ物を女性の両手のひらに載せる。祭司は,処罰をもたらす苦い水を手に取る。
  19 祭司は女性に次のように言い,誓わせる。「夫と結婚して以来ほかの男性と性関係を持っておらず,道
を踏み外して汚れてはいないなら,処罰をもたらすこの苦い水の影響を受けませんように。 20 しかし,夫と
結婚しているのに道を踏み外して自分を汚し,夫以外の男性と性関係を持ったのなら,―」。 21 祭司は処罰
を伴う誓いを女性にさせる。祭司はこう言う。「エホバがあなたを,処罰を伴う誓いで述べられる前例としま
すように。エホバはあなたのももを衰えさせ,あなたの腹を膨れさせる。 22 処罰をもたらすこの水はあなた
の腸に入って腹を膨れさせ,ももを衰えさせる」。女性はこれに対して,「アーメン,アーメン!」と言うべ
きである。
  23 祭司はこの誓いの言葉を書に記し,それを苦い水の中で洗い落とす。 24 処罰をもたらす苦い水を女
性に飲ませると,その水は体内に入り,苦い結果を生じさせる。 25 祭司は嫉妬の穀物の捧げ物を女性の手か
ら取って,エホバの前で揺り動かし,祭壇の近くに持っていく。 26 そして,覚えてもらうための分として穀
物の捧げ物を一握り取って,祭壇で焼いて煙にする。その後,その水を女性に飲ませる。 27 その水を飲ませ
ると,もし女性が自分を汚して夫に不忠実な行いをしていたなら,処罰をもたらす水は体内に入って苦いもの
となり,腹は膨れ,ももは衰え,女性は処罰を伴う誓いで述べられる前例となる。 28 しかし,もし女性が自
分を汚していなくて清いなら,そのような処罰を受けることはない。女性は妊娠して子供を産むことができる。
  29 以上が嫉妬に関する律法であり,女性が夫と結婚しているのに道を踏み外して自分を汚した場合, 30
あるいは,夫が嫉妬し,妻の忠実さを疑う場合の律法である。夫は妻をエホバの前に立たせるべきであり,祭
司はその女性に対してこの律法にある全てのことを行わなければならない。 31 夫は罪を問われないが,妻は
罪の責任を負う』」。
  6 章
  1 エホバはモーセにさらにこう話した。 2 「イスラエル人に告げなさい。『男性でも女性でも,特別な
誓約をしてエホバとの関係でナジルとして生活する場合, 3 ぶどう酒などの酒を避けるべきである。ぶどう酒
などの酒からできた酢を飲んでもならない。ブドウから作ったどんな飲み物も飲んではならず,生でも干した
物でもブドウを食べてはならない。 4 ナジルである間はずっと,熟していない実も皮も,ブドウのつるにでき
る物は一切食べてはならない。
  5 ナジルの誓約が続いている間はずっと,頭にかみそりを当ててはならない。エホバのために取り分けら
れている期間が終わるまで,髪の毛を伸ばしておくことによって聖なる人であるべきである。 6 エホバのため
に分けられている間はずっと,死んだ人に近づいてはならない。 7 父,母,兄弟,姉妹が死んだとしても,自
分を汚してはならない。神との関係でナジルであることを示す髪が頭にあるからである。
  8 ナジルである間はずっと,エホバにとって聖なる人である。 9 しかし,誰かがそばで急に死んだため
に,神のために分けられていることを示す髪を汚したなら,清いと宣言される日に頭をそらなければならない。
7日目にそるべきである。 10 8日目に,ヤマバト2羽か若いイエバト2羽を会見の天幕の入り口にいる祭司
の所に持っていくべきである。 11 祭司は1羽を罪の捧げ物,もう1羽を全焼の捧げ物とし,死んだ人に関す
るその人の罪のために贖罪を行う。その日,その人は頭を神聖なものとしなければならない。 12 そして,ナ
ジルとしての日数だけ再度エホバのために分けられた人とならなければならない。また,1歳未満の若い雄羊
を有罪の捧げ物として持っていく。ナジルとしての立場を汚したので,以前の日数は数えられない。
  13 さて,以下はナジルに関する律法である。ナジルである期間が終わった時に,その人は会見の天幕の入
り口に連れてこられる。 14 エホバに捧げ物を差し出さなければならない。傷のない1歳未満の若い雄羊1匹
を全焼の捧げ物として,傷のない1歳未満の雌の子羊1匹を罪の捧げ物として,傷のない雄羊1匹を共食の犠
牲として, 15 また,上等の麦粉で作って油を混ぜ込んだ無酵母の輪型パンと油を塗った無酵母の薄焼きパン
が入った籠,穀物の捧げ物と飲み物の捧げ物を差し出す。 16 祭司はそれらをエホバの前に差し出し,罪の捧
げ物と全焼の捧げ物を捧げる。 17 エホバへの共食の犠牲である雄羊を,籠に入った無酵母パンと一緒に捧げ,
穀物の捧げ物と飲み物の捧げ物も捧げる。
  18 ナジルは会見の天幕の入り口で,頭をそらなければならない。ナジルである間に伸びたその髪の毛を取
って,共食の犠牲の下にある火で燃やす。 19 祭司は,その雄羊の肩を煮た物と,籠にある無酵母の輪型パン
1つと無酵母の薄焼きパン1つを取り,ナジルであることを示す髪をそり落とされた人の両手のひらに置く。
20 祭司はそれらを振揺の捧げ物としてエホバの前で揺り動かさなければならない。それは,振揺の捧げ物の胸
と寄進物の脚に加えて,祭司にとって聖なるものである。その後,ナジルだった人はぶどう酒を飲んでもよい。
  21 ナジルが誓約をする場合の律法は次の通りである。自分にできる範囲で,ナジルとして要求されている
以上にエホバに捧げ物をするという誓約をする場合,ナジルについての律法に配慮しつつ誓約を果たさなけれ
ばならない』」。
  22 エホバはモーセに言った。 23 「アロンとその子たちに告げなさい。『あなたたちはイスラエルの民
のためにこのように祝福を願うべきである。こう言いなさい。
  24 「エホバがあなたを祝福して守ってくださいますように。
  25 エホバが笑顔をあなたに向け,恵みを与えてくださいますように。
  26 エホバがあなたに向かって顔を上げ,平和を与えてくださいますように」』。
  27 彼らはイスラエルの民のために私の名を言わなければならない。私が民を祝福するためである」。
  7 章
  1 モーセは,幕屋を組み立て終わった日に,それに油を注ぎ,全ての備品,祭壇とその全ての器具と共に,
幕屋を神聖なものとした。油を注いで神聖なものとすることが終わった時, 2 イスラエルの長たち,すなわち
部族の長たちは,捧げ物をした。登録を監督したこの長たちは, 3 覆いの付いた荷車6台と牛12頭を捧げ物
としてエホバの前に持ってきた。長2人につき荷車1台,1人につき雄牛1頭である。これらを幕屋の前に差
し出した。 4 エホバはモーセに言った。 5 「それを受け取りなさい。会見の天幕の奉仕に使える。それをレ
ビ族に,それぞれの仕事に応じて与えるべきである」。
  6 モーセは荷車と牛を受け取り,レビ族に与えた。 7 ゲルションの子たちに,仕事に応じて荷車2台と
牛4頭を与え, 8 メラリの子たちに,仕事に応じて荷車4台と牛8頭を与え,祭司アロンの子イタマルに監督
させた。 9 しかし,コハトの子たちには何も与えなかった。聖なる場所の奉仕が関係する仕事だったからであ
る。彼らは聖なるものを肩に担いで運んだ。
  10 長たちは,祭壇が油を注がれる日,それが献じられる際に捧げ物をした。長たちが捧げ物を祭壇の前に
差し出した時, 11 エホバはモーセに言った。「毎日,長の1人が順番に,祭壇を献じるための捧げ物を差し
出す」。
  12 1日目に捧げ物を差し出したのは,ユダ族のアミナダブの子ナフションだった。 13 彼の捧げ物は,
聖なる標準重りで1.5キロの銀の皿1枚と0.8キロの銀の鉢1個で,両方とも,穀物の捧げ物として油を混
ぜた上等の麦粉が満たしてあった。 14 さらに,香を満たした110グラムの金の杯1個, 15 全焼の捧げ物
として若い雄牛1頭,雄羊1匹,1歳未満の雄の子羊1匹, 16 罪の捧げ物として子ヤギ1匹, 17 共食の犠
牲として牛2頭,雄羊5匹,雄ヤギ5匹,1歳の雄の子羊5匹。以上がアミナダブの子ナフションの捧げ物で
ある。
  18 2日目は,イッサカルの長,ツアルの子ネタヌエルが捧げ物をした。 19 彼が捧げ物として差し出し
たのは,聖なる標準重りで1.5キロの銀の皿1枚と0.8キロの銀の鉢1個で,両方とも,穀物の捧げ物とし
て油を混ぜた上等の麦粉が満たしてあった。 20 さらに,香を満たした110グラムの金の杯1個, 21 全焼
の捧げ物として若い雄牛1頭,雄羊1匹,1歳未満の雄の子羊1匹, 22 罪の捧げ物として子ヤギ1匹, 23
共食の犠牲として牛2頭,雄羊5匹,雄ヤギ5匹,1歳の雄の子羊5匹。以上がツアルの子ネタヌエルの捧げ
物である。
  24 3日目は,ゼブルンの子たちの長,ヘロンの子エリアブが 25 捧げ物をした。聖なる標準重りで1.5
キロの銀の皿1枚と0.8キロの銀の鉢1個で,両方とも,穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉が満たし
てあった。 26 さらに,香を満たした110グラムの金の杯1個, 27 全焼の捧げ物として若い雄牛1頭,雄
羊1匹,1歳未満の雄の子羊1匹, 28 罪の捧げ物として子ヤギ1匹, 29 共食の犠牲として牛2頭,雄羊5
匹,雄ヤギ5匹,1歳の雄の子羊5匹。以上がヘロンの子エリアブの捧げ物である。
  30 4日目は,ルベンの子たちの長,シェデウルの子エリツルが 31 捧げ物をした。聖なる標準重りで1.
5キロの銀の皿1枚と0.8キロの銀の鉢1個で,両方とも,穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉が満た
してあった。 32 さらに,香を満たした110グラムの金の杯1個, 33 全焼の捧げ物として若い雄牛1頭,
雄羊1匹,1歳未満の雄の子羊1匹, 34 罪の捧げ物として子ヤギ1匹, 35 共食の犠牲として牛2頭,雄羊
5匹,雄ヤギ5匹,1歳の雄の子羊5匹。以上がシェデウルの子エリツルの捧げ物である。
  36 5日目は,シメオンの子たちの長,ツリシャダイの子シェルミエルが 37 捧げ物をした。聖なる標準
重りで1.5キロの銀の皿1枚と0.8キロの銀の鉢1個で,両方とも,穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の
麦粉が満たしてあった。 38 さらに,香を満たした110グラムの金の杯1個, 39 全焼の捧げ物として若い
雄牛1頭,雄羊1匹,1歳未満の雄の子羊1匹, 40 罪の捧げ物として子ヤギ1匹, 41 共食の犠牲として牛
2頭,雄羊5匹,雄ヤギ5匹,1歳の雄の子羊5匹。以上がツリシャダイの子シェルミエルの捧げ物である。
  42 6日目は,ガドの子たちの長,デウエルの子エルヤサフが 43 捧げ物をした。聖なる標準重りで1.5
キロの銀の皿1枚と0.8キロの銀の鉢1個で,両方とも,穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉が満たし
てあった。 44 さらに,香を満たした110グラムの金の杯1個, 45 全焼の捧げ物として若い雄牛1頭,雄
羊1匹,1歳未満の雄の子羊1匹, 46 罪の捧げ物として子ヤギ1匹, 47 共食の犠牲として牛2頭,雄羊5
匹,雄ヤギ5匹,1歳の雄の子羊5匹。以上がデウエルの子エルヤサフの捧げ物である。
  48 7日目は,エフライムの子たちの長,アミフドの子エリシャマが 49 捧げ物をした。聖なる標準重り
で1.5キロの銀の皿1枚と0.8キロの銀の鉢1個で,両方とも,穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉
が満たしてあった。 50 さらに,香を満たした110グラムの金の杯1個, 51 全焼の捧げ物として若い雄牛
1頭,雄羊1匹,1歳未満の雄の子羊1匹, 52 罪の捧げ物として子ヤギ1匹, 53 共食の犠牲として牛2頭,
雄羊5匹,雄ヤギ5匹,1歳の雄の子羊5匹。以上がアミフドの子エリシャマの捧げ物である。
  54 8日目は,マナセの子たちの長,ペダツルの子ガマリエルが 55 捧げ物をした。聖なる標準重りで1.
5キロの銀の皿1枚と0.8キロの銀の鉢1個で,両方とも,穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉が満た
してあった。 56 さらに,香を満たした110グラムの金の杯1個, 57 全焼の捧げ物として若い雄牛1頭,
雄羊1匹,1歳未満の雄の子羊1匹, 58 罪の捧げ物として子ヤギ1匹, 59 共食の犠牲として牛2頭,雄羊
5匹,雄ヤギ5匹,1歳の雄の子羊5匹。以上がペダツルの子ガマリエルの捧げ物である。
  60 9日目は,ベニヤミンの子たちの長,ギドオニの子アビダンが 61 捧げ物をした。聖なる標準重りで
1.5キロの銀の皿1枚と0.8キロの銀の鉢1個で,両方とも,穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉が
満たしてあった。 62 さらに,香を満たした110グラムの金の杯1個, 63 全焼の捧げ物として若い雄牛1
頭,雄羊1匹,1歳未満の雄の子羊1匹, 64 罪の捧げ物として子ヤギ1匹, 65 共食の犠牲として牛2頭,
雄羊5匹,雄ヤギ5匹,1歳の雄の子羊5匹。以上がギドオニの子アビダンの捧げ物である。
  66 10日目は,ダンの子たちの長,アミシャダイの子アヒエゼルが 67 捧げ物をした。聖なる標準重り
で1.5キロの銀の皿1枚と0.8キロの銀の鉢1個で,両方とも,穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉
が満たしてあった。 68 さらに,香を満たした110グラムの金の杯1個, 69 全焼の捧げ物として若い雄牛
1頭,雄羊1匹,1歳未満の雄の子羊1匹, 70 罪の捧げ物として子ヤギ1匹, 71 共食の犠牲として牛2頭,
雄羊5匹,雄ヤギ5匹,1歳の雄の子羊5匹。以上がアミシャダイの子アヒエゼルの捧げ物である。
  72 11日目は,アシェルの子たちの長,オクランの子パグイエルが 73 捧げ物をした。聖なる標準重り
で1.5キロの銀の皿1枚と0.8キロの銀の鉢1個で,両方とも,穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉
が満たしてあった。 74 さらに,香を満たした110グラムの金の杯1個, 75 全焼の捧げ物として若い雄牛
1頭,雄羊1匹,1歳未満の雄の子羊1匹, 76 罪の捧げ物として子ヤギ1匹, 77 共食の犠牲として牛2頭,
雄羊5匹,雄ヤギ5匹,1歳の雄の子羊5匹。以上がオクランの子パグイエルの捧げ物である。
  78 12日目は,ナフタリの子たちの長,エナンの子アヒラが 79 捧げ物をした。聖なる標準重りで1.5
キロの銀の皿1枚と0.8キロの銀の鉢1個で,両方とも,穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉が満たし
てあった。 80 さらに,香を満たした110グラムの金の杯1個, 81 全焼の捧げ物として若い雄牛1頭,雄
羊1匹,1歳未満の雄の子羊1匹, 82 罪の捧げ物として子ヤギ1匹, 83 共食の犠牲として牛2頭,雄羊5
匹,雄ヤギ5匹,1歳の雄の子羊5匹。以上がエナンの子アヒラの捧げ物である。
  84 イスラエルの長たちは以上の物を,祭壇に油が注がれた時に,祭壇を献じるための捧げ物として捧げた。
銀の皿12枚,銀の鉢12個,金の杯12個であり, 85 重さは,銀の皿1枚が1.5キロ,鉢1個が0.8キ
ロで,器の銀を全て合わせると,聖なる標準重りで27キロ余りになった。 86 香を満たした12の金の杯は,
1個の重さが聖なる標準重りで110グラムであり,杯の金は全部で1.3キロ余りになった。 87 全焼の捧
げ物のための家畜を全て合わせると,雄牛12頭,雄羊12匹,1歳の雄の子羊12匹で,穀物の捧げ物もあ
り,罪の捧げ物のための子ヤギは12匹だった。 88 共食の犠牲の家畜を全て合わせると,雄牛24頭,雄羊
60匹,雄ヤギ60匹,1歳の雄の子羊60匹だった。以上が,祭壇に油が注がれた後に,祭壇を献じるため
の捧げ物として捧げられた。
  89 モーセは,神と話すために会見の天幕に入る時にはいつも,証しの箱のふたの上,2つのケルブの間か
ら話す声を聞いた。神がモーセに話したのである。
  8 章
  1 エホバはモーセに話した。 2 「アロンに告げなさい。『ランプをともす時,7つのランプがランプ台
の前方を照らすようにすべきである』」。 3 アロンはその通りにした。ランプ台の前方に向けてランプをとも
し,エホバがモーセに命じた通りにした。 4 ランプ台の作りについては,それは金を鍛造したもの,幹から花
まで鍛造したもので,エホバがモーセに示した幻に従って作られていた。
  5 エホバはさらにモーセに言った。 6 「イスラエル人の中からレビ族を取って,清めなさい。 7 次のよ
うに清めるべきである。罪を清める水をレビ族に振り掛ける。レビ族は全身をかみそりでそり,服を洗い,自
分を清めなければならない。 8 そして,若い雄牛と,それに伴う穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉を
用意する。あなたは罪の捧げ物のために別の若い雄牛を用意する。 9 レビ族を会見の天幕の前に立たせ,イス
ラエル人の民全員を集合させる。 10 レビ族をエホバの前に立たせ,イスラエル人がレビ族に手を置く。 11
アロンは,レビ族をイスラエル人からの振揺の捧げ物としてエホバに捧げなければならない。レビ族はエホバ
の奉仕を行うことになる。
  12 レビ族は2頭の雄牛の頭に手を置く。その後,1頭は罪の捧げ物,もう1頭は全焼の捧げ物としてエホ
バに捧げられ,レビ族のために贖罪が行われる。 13 あなたはレビ族をアロンとその子たちの前に立たせ,エ
ホバへの振揺の捧げ物として捧げる。 14 レビ族をイスラエル人から分けなければならない。レビ族は私のも
のとなる。 15 その後,レビ族は中に入って会見の天幕で奉仕する。あなたは以上のようにレビ族を清め,振
揺の捧げ物として捧げるべきである。 16 レビ族は与えられた者であり,イスラエル人の中から私に与えられ
ている。イスラエル人の全ての長男の代わりとして,私は自分のためにレビ族を取る。 17 イスラエル人の全
ての初子は,人間も動物も,全て私のものだからである。私は彼らを,エジプトの全ての初子を打った日に,
私のために神聖なものとした。 18 私はレビ族を取ってイスラエル人の全ての長男の代わりとする。 19 イス
ラエル人の中から与えられた者としてレビ族をアロンとその子たちに与え,会見の天幕でイスラエル人のため
の奉仕を行わせ,イスラエル人のために贖罪を行わせる。イスラエルの民が聖なる場所に近づいてイスラエル
人の間に災厄が起きる,ということのないためである」。
  20 モーセとアロンとイスラエル人の民全員は,レビ族についてそのようにした。エホバがレビ族に関して
モーセに命じたこと全てに従って,イスラエル人は行った。 21 レビ族は自分を清めて服を洗い,その後,ア
ロンはレビ族を振揺の捧げ物としてエホバに捧げた。そして贖罪を行ってレビ族を清めた。 22 その後,レビ
族は中に入り,アロンとその子たちの下で会見の天幕での奉仕を行った。民は,エホバがレビ族に関してモー
セに命じた通りに行った。
  23 エホバはモーセに話した。 24 「以下はレビ族に関することである。25歳以上の人が会見の天幕で
の奉仕に加わる。 25 しかし,50歳を過ぎたら奉仕から退き,もう奉仕をしない。 26 会見の天幕で務めを
果たす兄弟たちに仕えることはできるが,そこで奉仕を行ってはならない。あなたはレビ族とその務めに関し
て,このようにすべきである」。
  9 章
  1 エホバは,民がエジプトを出て2年目の第1の月に,シナイの荒野でモーセに話した。 2 「イスラエ
ル人は,決められた時に過ぎ越しの犠牲を用意すべきである。 3 この月の14日の夕暮れ時,決められた時に
用意すべきである。全ての法令と決められた手順に従って用意する」。
  4 モーセはイスラエル人に,過ぎ越しの犠牲を用意するように告げた。 5 民は,第1の月の14日の夕
暮れ時に,シナイの荒野で過ぎ越しの犠牲を用意した。イスラエル人は,全てエホバがモーセに命じた通りに
行った。
  6 死体に触って汚れたためにその日に過ぎ越しの犠牲を用意できない人たちがいた。その人たちがその日
にモーセとアロンの前にやって来て, 7 こう言った。「私たちは死体に触って汚れています。でもどうして,
ほかのイスラエル人と一緒に,決められた時にエホバへの捧げ物を捧げてはいけないのでしょうか」。 8 モー
セは言った。「そこで待っていてください。あなたたちについてエホバが何と指示するか,私が聞きましょ
う」。
  9 エホバはモーセに言った。 10 「イスラエル人にこう告げなさい。『あなたたちや後の世代の誰かが死
体に触って汚れたり,遠くに旅に出たりしている場合でも,その人はエホバへの過ぎ越しの犠牲を用意しなけ
ればならない。 11 第2の月の14日の夕暮れ時に用意し,それを無酵母パンと苦菜と一緒に食べなさい。
12 どの部分も朝まで残しておいてはならない。その骨を折ってはならない。過ぎ越しに関する全ての法令に従
って用意すべきである。 13 しかし,清い状態にあり,旅に出ていたのでもないのに,過ぎ越しの犠牲の用意
を怠ったのなら,その人は民の中から除かれなければならない。決められた時にエホバへの捧げ物を捧げなか
ったからである。その人は罪の責任を負う。
  14 外国人居住者があなたたちと一緒に住んでいるなら,その人もエホバへの過ぎ越しの犠牲を用意すべき
である。過ぎ越しに関する法令と決められた手順に従って用意する。外国人居住者にもあなたたちにも,同じ
法令が適用されるべきである』」。
  15 幕屋を組み立てた日,雲が幕屋つまり証しの天幕を覆い,夕方から朝までは火のようなものが幕屋の上
にとどまった。 16 その後もそうなり,昼には雲が,夜には火のようなものが幕屋を覆った。 17 イスラエル
人は,雲が天幕から持ち上がるとすぐに出発し,雲がとどまる場所に宿営した。 18 エホバの指示で出発し,
エホバの指示で宿営した。雲が幕屋の上にとどまっている間は,そのまま宿営していた。 19 雲が幕屋の上に
何日もとどまる時,イスラエル人はエホバに従い,出発しなかった。 20 雲が幕屋の上に数日とどまることが
あった。民はエホバの指示で宿営し続け,エホバの指示で出発した。 21 雲が夕方から朝までしかとどまらな
いこともあり,雲が朝に持ち上がると,民は出発した。雲が持ち上がるのが昼でも夜でも,民は出発した。 22
2日でも1カ月でもそれ以上でも,雲が幕屋の上にとどまっている間は,イスラエル人は宿営し続け,出発し
なかった。しかし,雲が持ち上がると,出発した。 23 民はエホバの指示で宿営し,エホバの指示で出発した。
モーセを通して与えられたエホバの指示通りにし,エホバに従った。
  10 章
  1 エホバはモーセに言った。 2 「あなたのために銀のラッパを2つ作りなさい。銀を鍛造して作り,民
を呼び集めるためと宿営を畳むために用いなさい。 3 ラッパが2つとも吹かれたら,民全体が会見の天幕の入
り口にいるあなたの所に集まらなければならない。 4 1つだけ吹かれたら,イスラエルの数千人を率いる長た
ちだけがあなたの所に集まる。
  5 音を震わせてラッパを吹いたら,東側に宿営している人たちが出発する。 6 2度目に音を震わせてラ
ッパを吹いたら,南側に宿営している人たちが出発する。各分隊が出発する際に,そのように吹くべきである。
  7 会衆を呼び集める時にもラッパを吹くべきだが,音を震わせてはならない。 8 祭司であるアロンの子
たちがラッパを吹くべきであり,その用い方は法令として代々ずっと守るべきである。
  9 もしあなたたちの土地で,攻めてくる侵略者たちと戦いを始めるのであれば,ラッパで軍隊招集の合図
をすべきである。あなたたちの神エホバが思い出し,敵から救ってくださる。
  10 祭りや月初めという喜ばしい時にも,全焼の捧げ物と共食の犠牲に向けてラッパを吹くべきである。神
はあなたたちのことを思い起こす。私はあなたたちの神エホバである」。
  11 2年目の第2の月の20日に,雲は証しの幕屋の上から持ち上がった。 12 イスラエル人は,決まっ
た順番でシナイの荒野を旅立ち始めた。やがて雲はパランの荒野にとどまった。 13 こうして,モーセを通し
て与えられたエホバの指示に従って,初めて出発した。
  14 ユダの子たちの宿営を含む分隊がグループごとに最初に出発した。アミナダブの子ナフションがユダ族
を率いた。 15 イッサカル族を率いたのは,ツアルの子ネタヌエルだった。 16 ゼブルン族を率いたのは,ヘ
ロンの子エリアブだった。
  17 幕屋が解体されると,幕屋を運ぶゲルションの子たちとメラリの子たちが出発した。
  18 次に,ルベンの宿営を含む分隊がグループごとに出発した。シェデウルの子エリツルがルベン族を率い
た。 19 シメオン族を率いたのは,ツリシャダイの子シェルミエルだった。 20 ガド族を率いたのは,デウエ
ルの子エルヤサフだった。
  21 次に,聖なる所の物を運ぶコハト氏族が出発した。彼らが着くまでに,幕屋は組み立てられている。
  22 次に,エフライムの子たちの宿営を含む分隊がグループごとに出発した。アミフドの子エリシャマがエ
フライム族を率いた。 23 マナセ族を率いたのは,ペダツルの子ガマリエルだった。 24 ベニヤミン族を率い
たのは,ギドオニの子アビダンだった。
  25 次に,ダンの子たちの宿営を含む分隊が,宿営全体の後衛となり,グループごとに出発した。アミシャ
ダイの子アヒエゼルがダン族を率いた。 26 アシェル族を率いたのは,オクランの子パグイエルだった。 27
ナフタリ族を率いたのは,エナンの子アヒラだった。 28 このような順番で,イスラエル人はグループごとに
出発した。
  29 モーセは,しゅうとであるミディアン人レウエルの子ホバブに言った。「私たちは,エホバが与えると
約束した場所に向かいます。ぜひ一緒に来てください。私たちはあなたを大切にします。エホバはイスラエル
に良いことを約束しているのです」。 30 しかしホバブは言った。「私は行きません。親族がいる故郷に戻り
ます」。 31 モーセは言った。「どうか,私たちを見捨てないでください。荒野でどこに宿営したらよいかを
知っているあなたに,案内をしてほしいのです。 32 一緒に来てくれたら,エホバが私たちに与えてくださる
良いものを必ずあなたにも差し上げます」。
  33 こうしてエホバの山から出発し,3日間の旅をした。エホバの契約の箱は3日の旅の間,民の前を行き,
民の休み場所を探した。 34 宿営した場所を旅立つ時,昼はエホバの雲が民の上にあった。
  35 箱が移動する時にはいつも,モーセはこう言った。「エホバ,立ち上がってください。あなたの敵が散
らされますように。あなたを憎む人たちがあなたの前から逃げ去りますように」。 36 箱を下ろす時にはこう
言った。「エホバ,戻ってきてください。イスラエルの無数の人々の所に」。
  11 章
  1 民はエホバの前でひどく文句を言い始めた。エホバはそれを聞くと怒りに燃え,エホバの火が民に対し
て燃え上がり,宿営の外れにいる人たちを焼き尽くし始めた。 2 民がモーセに向かって叫びだすと,モーセは
エホバに祈願し,火は収まった。 3 その場所はタブエラと呼ばれるようになった。エホバの火が民に対して燃
え上がったからだった。
  4 民の中にいたさまざまな外国人が利己的な願望を口にし,イスラエル人も泣いてこう言いだした。「誰
が肉を食べさせてくれるのか。 5 エジプトでただで食べていた魚が本当に懐かしい。それに,キュウリやスイ
カ,ネギ,タマネギ,ニンニクもだ。 6 それが今,私たちは痩せ衰えている。目にするのはこのマナばかり
だ」。
  7 ところで,マナはコリアンダーの種に似ていて,ブデリウム樹脂のように見えた。 8 民は散らばって
それを拾い,ひき臼でひくか,つき臼でつぶし,鍋で煮たり丸いパンにしたりした。油を入れた甘い菓子のよ
うな味がした。 9 夜に露が宿営に降りると,マナもそこに降りた。
  10 モーセは,民がどの家族も,それぞれ自分の天幕の入り口で泣いているのを聞いた。エホバは非常に怒
り,モーセも不快に思った。 11 モーセはエホバに言った。「どうして私を苦しめるのですか。どうして私は
あなたの好意を得られず,この民全てを重荷として負わされているのでしょうか。 12 私がこの民全てを身ご
もったのでしょうか。彼らを産んだのは私でしょうか。それであなたは私に,父祖たちに誓った土地に連れて
いくため,『子守が赤ん坊を抱くように彼らを懐に入れて抱きなさい』とおっしゃるのですか。 13 この民全
てに与える肉がどこで手に入るでしょうか。民は私の前で泣き続け,『肉を食べさせてくれ』と言っているの
です。 14 私独りで,この民全てを負うことはできません。私には無理です。 15 このままにされるつもりで
したら,どうぞ今,私を殺してください。私があなたの好意を得ているのでしたら,もう災難を見ないで済む
ようにしてください」。
  16 エホバはモーセに答えた。「イスラエルの長老を70人集めなさい。民の長老で主立った人だとあなた
が認める人たちだ。その人たちを会見の天幕に連れていき,あなたと一緒に立たせなさい。 17 私は下ってい
き,そこであなたと話す。あなたが受けている聖なる力の一部を取って,その人たちに与える。その人たちは,
あなたが民の重荷を負うのを助け,あなたが独りで負わずに済むようにする。 18 あなたは民にこう言うべき
である。『明日のために自分を神聖なものとしなさい。あなたたちは必ず肉を食べる。エホバに聞こえる所で
泣いて,「誰が肉を食べさせてくれるのか。エジプトにいた時の方がよかった」と言ったからである。エホバ
は必ず肉を与え,あなたたちは食べる。 19 食べるのは,1日ではなく,2日,5日,10日,20日でもな
く, 20 丸1カ月,肉が鼻から出て,肉にうんざりするまでである。あなたたちのただ中にいるエホバを退け,
その方の前で泣いて,「どうして私たちはエジプトを出たりしたのか」と言ったからである』」。
  21 モーセは言った。「私と一緒にいる民は,徒歩で行く男性だけで60万人います。それなのに,あなた
は,『肉を与える。民は丸1カ月は食べられる』と言われました。 22 羊や牛を全て殺しても,それで足りる
でしょうか。海の魚を全て捕っても,それで足りるでしょうか」。
  23 エホバはモーセに言った。「それはエホバにできないことだろうか。私が言った通りになるかどうか,
すぐに分かる」。
  24 モーセは出ていって,エホバの言葉を民に話した。そして民の長老の中から70人を集め,天幕の周囲
に立たせた。 25 するとエホバは雲のうちに下ってきてモーセに話し,モーセが受けている聖なる力の一部を
取って,70人の長老一人一人に与えた。その人たちは聖なる力を受けるとすぐ,預言者のように振る舞い始
めた。しかし,再びそう振る舞うことはなかった。
  26 70人のうちの2人が宿営に残っていた。2人の名前はエルダドとメダドだった。この2人も名前を書
き記された人たちで,天幕の所には出ていかなかったが,聖なる力を受けて宿営で預言者のように振る舞い始
めた。 27 ある若者が走ってきて,モーセに報告した。「エルダドとメダドが宿営で預言者のように振る舞っ
ています」。 28 それを受けて,若い時からモーセの奉仕者だったヌンの子ヨシュアが言った。「モーセ,ど
うか2人を止めてください」。 29 しかしモーセは言った。「私が軽く扱われないかと心配しているのですか。
でも私は,エホバの民全員が預言者で,エホバが皆に聖なる力を与えてくださったらと願います」。 30 その
後モーセは,イスラエルの長老たちと宿営に戻った。
  31 エホバのもとから風が起き,海からウズラを運んできて,宿営の周りに落とした。ウズラは宿営の周囲
一帯に,歩いて1日かかる所まで,1メートルほどの高さで積もった。 32 民はその日1日,また夜通し,さ
らに次の日も1日,寝ずにウズラを集めた。一番少ない人でも2200リットルは集めた。そして,自分たち
のために宿営の周囲一帯に並べていった。 33 しかし,肉を口に入れて食べている間に,民に対してエホバの
怒りが燃え,エホバは民を打ち始め,非常に大勢の人を滅ぼした。
  34 その場所はキブロト・ハタアワと呼ばれるようになった。利己的な渇望を示した人々をそこで葬ったか
らである。 35 民はキブロト・ハタアワからハツェロトに向けて出発し,ハツェロトにとどまった。
  12 章
  1 ミリアムとアロンがクシュ人の妻のことでモーセを非難するようになった。モーセにはクシュ人の妻が
いたのである。 2 2人は言った。「エホバが話したのはモーセを通してだけでしょうか。私たちを通しても話
したのではありませんか」。エホバはこれを聞いていた。 3 ところで,モーセは地上の全ての人の中で際立っ
て温厚な人だった。
  4 突然エホバはモーセとアロンとミリアムに言った。「3人とも,会見の天幕の所に出なさい」。3人は
出ていった。 5 エホバは雲の柱のうちに下ってきて,天幕の入り口に立ち,アロンとミリアムを呼んだ。2人
は前に出た。 6 神は言った。「私の言葉を聞いてもらいたい。あなたたちの間にエホバの預言者がいるとした
ら,私は幻の中で自分のことをその人に知らせ,夢の中でその人に話す。 7 私に仕えるモーセについてはそう
ではない! 彼は私の民全体を託されている。 8 私は顔を合わせて彼に話し,謎を用いずにはっきり語る。彼
はエホバの姿を見る。それなのに,どうしてあなたたちは恐れずに,私に仕えるモーセを非難したのか」。
  9 エホバは2人に対して怒りに燃え,去っていった。 10 雲は天幕の上から離れた。すると,ミリアムは
重い皮膚病にかかって雪のように白くなった。アロンがミリアムの方を振り向くと,ミリアムは重い皮膚病に
かかっていた。 11 すぐにアロンはモーセに言った。「お願いです。どうかこの罪を私たちに負わせないでく
ださい! 私たちは愚かなことをしました。 12 どうかミリアムを,死んで生まれた子供のように,腐りかけの
状態にはしておかないでください!」 13 モーセはエホバに向かって叫び,「神よ,どうか姉を癒やしてくだ
さい! お願いします」と言い始めた。
  14 エホバはモーセに答えた。「父親が彼女の顔に唾を吐き掛けたとすれば,彼女は7日間辱められるので
はないか。彼女を7日間宿営の外に隔離しなさい。その後,連れ戻してもよい」。 15 ミリアムは7日間宿営
の外に隔離された。民はミリアムが連れ戻されるまで旅立たなかった。 16 その後,民はハツェロトを出発し,
パランの荒野に宿営するようになった。
  13 章
  1 エホバはモーセに話した。 2 「男性たちを遣わして,私がイスラエル人に与えるカナン地方を偵察さ
せなさい。父祖の部族ごとに1人,長である人を遣わすべきである」。
  3 モーセは,エホバの指示通り,その人たちをパランの荒野から遣わした。皆イスラエル人の長だった。
4 名前は以下の通りである。ルベン族からは,ザクルの子シャムア。 5 シメオン族からは,ホリの子シャフ
ァト。 6 ユダ族からは,エフネの子カレブ。 7 イッサカル族からは,ヨセフの子イグアル。 8 エフライム
族からは,ヌンの子ホシェア。 9 ベニヤミン族からは,ラフの子パルティ。 10 ゼブルン族からは,ソディ
の子ガディエル。 11 ヨセフ族からは,マナセ族のためにスシの子ガッディ。 12 ダン族からは,ゲマリの子
アミエル。 13 アシェル族からは,ミカエルの子セトル。 14 ナフタリ族からは,ボフシの子ナフビ。 15
ガド族からは,マキの子ゲウエル。 16 以上が,土地を偵察させるためにモーセが遣わした人たちの名前であ
る。モーセはヌンの子ホシェアをヨシュアと呼んだ。
  17 モーセは,カナン地方を偵察させるためにその人たちを遣わす時,こう言った。「ネゲブに行き,山地
に上っていきなさい。 18 そこがどんな土地か,そこに住む人々が強いか弱いか,少ないか多いかを見なけれ
ばなりません。 19 その土地が良いか悪いか,人々が住む町は防備されているかいないかについてもです。
20 肥沃な土地か不毛な土地か,そこに木があるかどうかも調べなさい。勇気を出し,土地の果物をいくらか取
ってこなければなりません」。それは,熟したブドウの初物の時期だった。
  21 その人たちは出ていき,その土地をチンの荒野からレボ・ハマトに近いレホブまで偵察した。 22 ネゲ
ブに入った時にヘブロンに来た。そこには,アナク人であるアヒマン,シェシャイ,タルマイがいた。なお,
ヘブロンはエジプトのツォアンより7年前に建てられた。 23 その人たちはエシュコルの谷に来た時,ブドウ
が1房付いた枝を切り取った。それは,棒に掛けて2人で運ばなければならなかった。ザクロとイチジクも同
じようにした。 24 その場所をエシュコルの谷と呼んだのは,イスラエル人がそこで切り取った房にちなんで
のことだった。
  25 40日がたち,その人たちは偵察から戻った。 26 そして,パランの荒野のカデシュにいたモーセと
アロンおよびイスラエル人の民全員の所に来た。民全員に報告を持ち帰り,土地の果物を見せた。 27 モーセ
に次のように報告した。「あなたが遣わした土地に入りました。まさしく非常に肥沃な所でした。これがそこ
の果物です。 28 でも,そこに住む人々は強く,町は非常に大きく,防備されています。しかも,アナク人も
見ました。 29 ネゲブ地方にはアマレク人が住み,山地にはヘト人,エブス人,アモリ人,海辺とヨルダン川
沿いにはカナン人が住んでいます」。
  30 カレブは,モーセの前にいる民を静めようとして,言った。「すぐに向かっていきましょう。必ずその
土地を取得できます。間違いなく征服できるのです」。 31 しかし,一緒に行った人たちは言った。「あの人
たちの所に攻めていくなんて無理だ。彼らは私たちより強い」。 32 そして,偵察してきた土地についてイス
ラエル人にあれこれと悪い報告をして言った。「偵察のために通った土地は,住む人たちを食い尽くす土地だ。
そこで見た人たちは皆,並外れて大きかった。 33 そこでネフィリムを見た。ネフィリムから出たアナクの子
たちだ。それに比べると,私たちはバッタのようだった。彼らもそう思ったに違いない」。
  14 章
  1 民全員が声を上げ,夜通し大声で泣き続けた。 2 イスラエル人は皆モーセとアロンに対して不満を口
にし始め,民全体がこう言った。「私たちはエジプトで死んでいればよかった。あるいは,この荒野で死んで
いればよかった。 3 どうしてエホバは私たちをこの土地に連れてきて,剣によって倒れるようにするのか。妻
や子供たちも連れ去られてしまう。エジプトに戻った方がよいのではないか」。 4 民は,「指導者を立ててエ
ジプトに戻ろう」と言い合うまでになった。
  5 モーセとアロンは,集まったイスラエル人の会衆全体の前でひれ伏した。 6 土地を偵察しに行った人
たちのうちヌンの子ヨシュアとエフネの子カレブは,自分の衣服を引き裂き, 7 イスラエル人の民全員にこう
言った。「私たちが偵察のために通った土地は,とても,とても良い土地です。 8 エホバが私たちのことを喜
んでくださっているなら,私たちをその土地に連れて入り,その非常に肥沃な土地を与えてくださるはずです。
9 エホバに反逆してはなりません。その土地の民を恐れてはなりません。彼らを征服できます。彼らを保護す
るものはなくなっており,エホバは私たちと共にいます。彼らを恐れないでください」。
  10 しかし民は皆,2人を石打ちにすることについて話した。すると,エホバの栄光がイスラエルの民全て
に,会見の天幕の上に現れた。
  11 エホバはモーセに言った。「この民はいつまで私に不敬な振る舞いをするのか。私が彼らの間で行った
全ての奇跡を見ながら,いつまで私に信仰を持たないのか。 12 私は彼らを疫病で打って追い払おう。あなた
から彼らより偉大で強い国民が生まれるようにしよう」。
  13 しかしモーセはエホバに言った。「そうなると,エジプト人がそれを耳にするでしょう。彼らは,あな
たがこの民を自分たちの中から力によって連れ出したことを知っており, 14 そのことをこの土地の住民たち
に話すでしょう。住民たちは,あなたエホバがこの民のうちにいて,民の目の前に現れたことも聞いています。
あなたはエホバであられ,あなたの雲は民の上に立っており,あなたは,昼は雲の柱のうち,夜は火の柱のう
ちにいて民の前を進んでおられるのです。 15 あなたがこの民を一度に死に至らせたら,あなたの名声を聞い
ていた国々の人はこう言うでしょう。 16 『エホバは,与えると誓った土地にこの民を連れて入ることができ
なかったので,荒野で殺したのだ』と。 17 ですから今,エホバよ,どうか,宣言なさった通りにあなたの大
きな力を発揮してください。あなたはこう言われました。 18 『エホバ,すぐに怒らず,揺るぎない愛に満ち,
過ちと違反を許す神。しかし,罪がある人を処罰しないことは決してなく,父の過ちに対する処罰を子や孫や
ひ孫に及ぼす神』と。 19 あなたの大きくて揺るぎない愛に従って,どうかこの民の過ちをお許しください。
エジプトの時からずっとこの民を許してこられたのと同じようにです」。
  20 エホバは言った。「あなたの言葉を受けて,彼らを許す。 21 それでも,生きている私自身に懸けて
誓うが,エホバの栄光が地上全体に満ちる。 22 とはいえ,私の栄光と,私がエジプトと荒野で行った奇跡と
を見ながら,これまで10回も私を試し,私の言うことを聞かなかった人は誰も, 23 私が父祖たちに誓った
土地を見ることはない。私に不敬な振る舞いをする人は誰もそれを見ない。 24 ただし,私に仕えるカレブは,
異なる精神を持っており,心から私の後に従ってきたので,私は,彼が行った土地に必ず彼を連れていく。彼
の子孫はそこを所有する。 25 アマレク人とカナン人が谷に住んでいるので,あなたたちは明日引き返し,紅
海の道を通って荒野に向かうべきである」。
  26 エホバはモーセとアロンに言った。 27 「この悪い民は,いつまで私に対して不満を口にし続けるの
か。イスラエル人が私に対して不満を口にするのを私は聞いている。 28 民に言いなさい。『エホバは宣言す
る。「生きている私自身に懸けて誓う。私はあなたたちが話したことを聞いており,その通りあなたたちに行
う! 29 あなたたちはこの荒野で倒れて死体となる。20歳以上の登録された人全て,私に対して不満を口に
した人全員である。 30 あなたたちは私が住まわせると誓った土地に入ることはない。ただし,エフネの子カ
レブとヌンの子ヨシュアは別である。
  31 私は,連れ去られるとあなたたちが言った子供たちをその土地に入らせる。あなたたちが拒否した土地
を子供たちが知るようになる。 32 しかし,あなたたちはこの荒野で倒れて死体となる。 33 あなたたちの息
子は40年間,荒野で羊飼いとなり,あなたたちの不忠実な行いの責任を負わなければならない。あなたたち
の最後の1人が荒野で倒れて死体となるまでである。 34 土地を偵察するのにかけた日数が40日だったので,
1年に対して1日,1年に対して1日として,あなたたちは40年,過ちの責任を負う。私に反抗するとどう
なるかを知る。
  35 私エホバが語っている。この悪い民全員,私に逆らって集合した人たちに,このことを行う。彼らはこ
の荒野で終わりを迎え,そこで死ぬ。 36 土地を偵察させるためにモーセが遣わした人たち,戻った時にその
土地について悪い報告をして民全体がモーセに対して不満を口にするようにした人たち, 37 すなわち,その
土地について悪い報告を持ち帰った人たちは,エホバの前で打たれて死ぬ。 38 しかし,土地を偵察しに行っ
た人たちのうちヌンの子ヨシュアとエフネの子カレブは必ず生き続ける」』」。
  39 モーセがこの言葉をイスラエル人全員に話すと,民は深く嘆き悲しむようになった。 40 さらに,民
は朝早く起き,山頂に登っていこうとして,こう言った。「さあ,用意ができた。エホバが言った場所へ上っ
ていこう。私たちは罪を犯したのだ」。 41 しかしモーセは言った。「どうしてエホバの指示に背こうとする
のですか。それは成功しません。 42 上っていってはなりません。エホバは皆さんと共にいません。皆さんは
敵に打ち破られます。 43 そこではアマレク人とカナン人が向かってきて,皆さんは剣によって倒れます。皆
さんがエホバに従うことをやめたので,エホバは共にいてくださらないのです」。
  44 ところが,民はあえて山頂に向かった。しかし,エホバの契約の箱とモーセは宿営の中から出ていかな
かった。 45 その山に住むアマレク人とカナン人が下ってきてイスラエル人を討ち,ホルマまで追い散らした。
  15 章
  1 エホバはモーセにさらに話した。 2 「イスラエル人にこう話しなさい。『私が与えて住まわせる土地
にやがて入ったなら, 3 牛や羊の群れの中からエホバへの火による捧げ物を捧げるとき,すなわち,エホバに
とって心地よい香りとするために全焼の捧げ物,特別な誓約を果たすための犠牲,自発的な捧げ物,季節ごと
の祭りの際の捧げ物を捧げるとき, 4 捧げ物をする人は,上等の麦粉2.2リットルに油0.9リットルを混
ぜた穀物の捧げ物も,エホバに差し出さなければならない。 5 また,全焼の捧げ物や犠牲である雄の子羊1匹
ごとに,飲み物の捧げ物としてぶどう酒0.9リットルも捧げるべきである。 6 雄羊の場合には,上等の麦粉
4.4リットルに油1.2リットルを混ぜた穀物の捧げ物を捧げるべきである。 7 そして,飲み物の捧げ物と
してぶどう酒1.2リットルを差し出す。それはエホバにとって心地よい香りとなる。
  8 全焼の捧げ物,特別な誓約を果たすための犠牲,共食の犠牲として,雄牛をエホバに捧げるのであれば,
9 雄牛と共に,上等の麦粉6.6リットルに油1.8リットルを混ぜた穀物の捧げ物も差し出すべきである。
10 また,飲み物の捧げ物としてぶどう酒1.8リットルも差し出す。それは火による捧げ物であり,エホバに
とって心地よい香りとなる。 11 雄牛,雄羊,雄の子羊,ヤギの1匹ごとに,以上のようにする。 12 何匹捧
げるとしても,1匹ごとにそうしなさい。 13 生来のイスラエル人は皆,火による捧げ物をこの通りに差し出
すべきである。それはエホバにとって心地よい香りとなる。
  14 外国人があなたたちと一緒に住んでいたり代々あなたたちの中にいたりして,その人が,エホバにとっ
て心地よい香りとして,火による捧げ物を捧げるのであれば,あなたたちがする通りにすべきである。 15 会
衆に属するあなたたちと,あなたたちと一緒に住む外国人とは,同じ法令を持つ。それはあなたたちが代々ず
っと守るべき法令である。外国人居住者はエホバの前であなたたちと同じでなければならない。 16 あなたた
ちにも,一緒に住む外国人にも,同じ律法と同じ法規が適用されるべきである』」。
  17 エホバは続けてモーセに言った。 18 「イスラエル人にこう告げなさい。『私が連れていく土地に入
ったなら, 19 土地の産物を食べる時に,エホバへの寄進をしなさい。 20 粗びき粉の初物で輪型パンを作っ
て寄進すべきである。脱穀場からの寄進物と同じようにして寄進する。 21 粗びき粉の初物の幾らかをエホバ
への寄進物として代々供えるべきである。
  22 もしあなたたちが間違いをして,エホバがモーセに話したこれら全てのおきてを守らなかった場合,
23 すなわち,エホバが命令を出した日から代々にわたるものとしてモーセを通してエホバが命じた全てのこと
を守らなかった場合, 24 民が知らない間に,間違ってなされたことであるなら,民全体は全焼の捧げ物とし
て若い雄牛1頭を捧げてエホバにとって心地よい香りとし,決められた手順通りに穀物の捧げ物と飲み物の捧
げ物も捧げ,子ヤギ1匹を罪の捧げ物として捧げなければならない。 25 祭司はイスラエル人の民全体のため
に贖罪を行い,民は許される。それは間違ってなされたことであり,民は,その間違いのために捧げ物として,
エホバへの火による捧げ物と罪の捧げ物をエホバの前に持ってきたからである。 26 イスラエル人の民全体と
民の間に住んでいる外国人は許される。民の全てが間違ってしたことだからである。
  27 もしある人が間違って罪を犯したのであれば,1歳未満の雌ヤギを罪の捧げ物のために差し出さなけれ
ばならない。 28 祭司は,意図しない罪によってエホバの前で間違いをした人のために贖罪を行う。そのため
に贖罪を行い,その人は許される。 29 生来のイスラエル人とその間に住んでいる外国人には,意図せずにし
たことに関して,同じ律法が適用されるべきである。
  30 しかし,何かを故意に行う人は,生来のイスラエル人であれ外国人居住者であれ,エホバを冒涜してい
るのであり,民の中から除かれなければならない。 31 その人はエホバの言葉を軽んじ,おきてを破ったので,
必ず除かれるべきである。過ちの責任を負う』」。
  32 イスラエル人は,荒野にいた間に,安息日に薪を拾い集めている人を見つけた。 33 薪を拾い集めて
いるのを見つけた人たちは,その人をモーセとアロンおよび民全体の所に連れてきた。 34 その人は拘禁され
た。その人をどうすべきか,はっきり述べられていなかったからである。
  35 エホバはモーセに言った。「その人は必ず死刑にされるべきである。民全体が宿営の外で石打ちにすべ
きである」。 36 民全体がその人を宿営の外に連れていって石打ちにし,その人は死んだ。エホバがモーセに
命じた通りである。
  37 エホバは続けてモーセにこう言った。 38 「イスラエル人に話し,代々,自分のために服の裾に飾り
を作るように告げなさい。そして裾の飾りの上に青ひもを付けなければならない。 39 『この飾りを付けなけ
ればならない。それを見てエホバの全てのおきてを思い出し,守るためである。自分の心と目に従ってはなら
ない。それらに従うなら,私に不忠実になる。 40 この命令によって,あなたたちは思い出すことができ,私
の全てのおきてを守って,神にとって聖なる人となる。 41 私はあなたたちの神エホバであり,あなたたちの
神であることを示すためにあなたたちをエジプトから連れ出した。私はあなたたちの神エホバである』」。
  16 章
  1 レビの子コハトの子であるイツハルの子コラが,エリアブの子であるダタンとアビラム,およびペレト
の子オン,すなわちルベンの子孫と共に立ち上がった。 2 その人たちは,イスラエル人男性250人と共にモ
ーセに対して立ち上がった。民の長で,会衆の選ばれた著名な人たちである。 3 モーセとアロンに逆らって集
結し,こう言った。「あなたたちにはもううんざりだ。民全体,その全員が聖なる人で,エホバはその中にい
るのだ。それなのに,どうしてエホバの会衆の上に立とうとするのか」。
  4 モーセはそれを聞いて,直ちにひれ伏した。 5 そして,コラとその支持者たちに言った。「朝になっ
たら,エホバは,誰がご自分のものか,聖なる人か,ご自分に近づくべきかを知らせます。誰でも神が選ぶ人
が近づくことになります。 6 こうしてください。コラとその支持者の皆さんは,香入れを取り, 7 明日,エ
ホバの前でそれに炭火を入れ,香を載せてください。エホバが選ぶ人,それが聖なる人です。レビの子たち,
皆さんはすでに度を越えています!」
  8 モーセはコラに言った。「レビの子たち,どうか聞いてください。 9 イスラエルの神は皆さんをイス
ラエルの民から取り分けてご自分に近づかせ,エホバの幕屋の奉仕を行い,民の前に立って民に仕えるように
してくださいました。それは皆さんにとってそんなに小さなことなのですか。 10 神はあなたを,レビの子で
あるあなたの兄弟全員と共に近くに来させてくださったではありませんか。祭司職まで自分のものにしなけれ
ばならないというのですか。 11 ですから,あなたも,集結している支持者たちも,エホバに逆らっているの
です。アロンが何者だというので彼に対して不満を口にするのですか」。
  12 その後モーセはエリアブの子であるダタンとアビラムを呼びに行かせたが,2人はこう言った。「私た
ちは行かない! 13 あなたは私たちを非常に肥沃な土地から連れ出して荒野で死なせようとしている,これは
そんなに小さなことか。しかも,私たちの上に君臨しようとしているではないか。 14 だが,あなたは非常に
肥沃な土地に連れていってくれてもいないし,畑やブドウ園を所有地として与えてくれてもいない。この人た
ちの目をえぐり取ろうというのか。私たちは行かない!」
  15 モーセは非常に怒り,エホバに言った。「彼らの穀物の捧げ物には目を向けないでください。私は彼ら
からロバ1頭も取り上げたことはなく,彼らのうちの誰かを傷つけたこともありません」。
  16 モーセはコラに言った。「あなたと支持者の皆さんは,明日エホバの前に出てください。あなたたちと
アロンが出ます。 17 各自,自分の香入れを取って,その上に香を置くべきです。そして香入れをエホバの前
に差し出します。250個の香入れです。あなたとアロンも,それぞれ香入れを持っていきます」。 18 彼ら
は一人一人,自分の香入れを取って炭火を入れ,香を載せて,モーセとアロンと共に会見の天幕の入り口に立
った。 19 コラが支持者を集めて会見の天幕の入り口で2人に向かわせると,エホバの栄光が民全員の前に現
れた。
  20 エホバはモーセとアロンに告げた。 21 「この人たちから離れなさい。私は彼らを瞬く間に根絶やし
にする」。 22 2人はひれ伏して,言った。「神よ,全ての人に命を与える神よ,1人の人の罪のせいで民全
体に対して憤られるのですか」。
  23 エホバはモーセに言った。 24 「民に告げなさい。『コラ,ダタン,アビラムの天幕の周りから離れ
なさい!』と」。
  25 モーセは立ってダタンとアビラムの所に行った。イスラエルの長老たちも一緒に行った。 26 モーセ
は民に告げた。「どうか,この邪悪な人たちの天幕から離れてください。彼らのものに触れてはなりません。
彼らの全ての罪のために皆さんも滅ぼされることのないためです」。 27 民は直ちにコラ,ダタン,アビラム
の天幕から,その辺りから離れた。ダタンとアビラムが出てきて,自分の天幕の入り口に立った。妻,息子,
幼い子供も一緒だった。
  28 モーセは言った。「これから分かりますが,エホバが私を遣わしてこの全てを行わせているのであり,
それは私の心から出ているのではありません。 29 この人たちが全ての人と同じようにして死に,全ての人が
受けるのと同じ処罰を受けるのであれば,エホバが私を遣わしたのではありません。 30 しかし,エホバが普
通でないことを行い,地面が開いて彼らと彼らの全てのものをのみ込み,彼らが生きたまま墓に下るのであれ
ば,この人たちがエホバに不敬な振る舞いをしたということがはっきり分かります」。
  31 モーセがこの全てを話し終えるとすぐ,彼らの足元の地面が裂けた。 32 大地が開いて,彼らと彼ら
の家の人たち,コラの側に付いた全ての人,全ての物をのみ込んだ。 33 彼らと彼らの側に付いた全ての人は,
生きたまま墓に下り,大地が彼らを覆った。こうして彼らは会衆から消え去った。 34 周りにいたイスラエル
人は皆,彼らの絶叫を聞いて逃げた。「大地が私たちものみ込むかもしれない」と言った。 35 また,エホバ
のもとから火が出て,香を捧げていた250人を焼き尽くした。
  36 エホバはモーセに言った。 37 「祭司であるアロンの子エレアザルに,火の中からそれらの香入れを
取るように言いなさい。それらは聖なるものである。そして,炭火を遠くにまき捨てるように言いなさい。 38
罪を犯して命を落とした人たちの香入れは,板金にし,祭壇に張るべきである。それはエホバの前に差し出さ
れ,聖なるものとなったからである。それはイスラエル人に対する警告のしるしとなる」。 39 祭司エレアザ
ルは,焼き尽くされた人たちが差し出した銅の香入れを取り,打ち延ばして祭壇に張った。 40 エホバがモー
セを通して告げた通りである。それは,アロンの子孫でない許可されていない人が近づいてエホバの前で香を
たいてはならないこと,誰もコラとその支持者のようになってはならないことを,イスラエル人が思い起こす
ためだった。
  41 その次の日,イスラエル人の民全体がモーセとアロンに対して不満を口にし始め,「あなたたちはエホ
バの民を死なせた」と言った。 42 民はモーセとアロンに逆らって集合した。皆が会見の天幕の方を向くと,
雲がそれを覆い,エホバの栄光が現れ始めた。
  43 モーセとアロンは会見の天幕の前に行った。 44 エホバはモーセに言った。 45 「民から遠ざかりな
さい。私は彼らを瞬く間に根絶やしにする」。2人はひれ伏した。 46 モーセはアロンに言った。「香入れを
取り,祭壇からそれに炭火を入れ,香を載せ,急いで民の所に行って,彼らのために贖罪をしなさい。エホバ
の憤りが表されたからです。災厄が始まっています」。 47 アロンはすぐ,モーセが言った通りに香入れを取
り,会衆の中に走っていった。民の間で災厄が始まっていた。アロンは香を載せ,民のために贖罪を始めた。
48 そして死んだ人と生きている人との間に立ち続け,神罰はついにやんだ。 49 この神罰で死んだ人は1万
4700人で,ほかにコラの件で死んだ人たちがいた。 50 神罰がやんだ後,アロンは会見の天幕の入り口に
いたモーセの所に戻った。
  17 章
  1 エホバはモーセに言った。 2 「イスラエル人に話して,部族ごとに1本のつえを,それぞれの部族の
長から取りなさい。全部で12本である。つえにそれぞれの人の名前を記す。 3 レビのつえにはアロンの名前
を記しなさい。部族ごとに,長のつえは1本なのである。 4 それらのつえを,会見の天幕の中の証しの箱の前,
私がいつも現れる場所に置きなさい。 5 私が選ぶ人のつえから芽が出る。こうして私は,イスラエル人が私に
対して,またあなたたちに対して口にしている不満を静める」。
  6 モーセはイスラエル人に話し,長たちは皆,つえを渡した。部族の長それぞれが1本,全部で12本で
ある。アロンのつえもそこにあった。 7 モーセはそれらのつえをエホバの前,証しの天幕の中に置いた。
  8 次の日,モーセが証しの天幕に入ると,何と,レビの家のアロンのつえが芽を出していた。芽が出て花
が咲き,アーモンドの実がなっていた。 9 モーセは全てのつえをエホバの前からイスラエルの民の所に運び出
し,それぞれの人が見て自分のつえを取った。
  10 エホバはモーセに言った。「アロンのつえを証しの箱の前に戻しなさい。それは,反逆しようとする人
たちに対する警告のしるしとして保管する。私に対する不満がやみ,その人たちが死なずに済むためである」。
11 モーセは直ちに,エホバに命じられた通りにした。まさにその通りにした。
  12 イスラエル人はモーセに言った。「ああ,私たちは死んでしまい,きっと滅びます。みんな滅びてしま
います。 13 誰でもエホバの幕屋に近づく人は死ぬのです! 私たちはそのようにして死んでしまうのですか」。
  18 章
  1 エホバはアロンに言った。「あなたとあなたの子たち,あなたの一族は,聖なる所に対する過ちの責任
を負う。あなたとあなたの子たちは,あなたたちの祭司職に対する過ちの責任を負う。 2 あなたの父祖の部族
であるレビ族の兄弟たちを近くに来させなさい。彼らがあなたに加わり,証しの天幕の前で,あなたとあなた
の子たちに奉仕するためである。 3 レビ族は,あなたと天幕全体に対する務めを果たす。ただし,聖なる場所
の器具と祭壇に近づいてはならない。レビ族もあなたたちも死ぬことのないためである。 4 レビ族はあなたに
加わり,会見の天幕に関する務めと天幕の全ての奉仕に関する務めを果たす。許可されていない人はあなたた
ちに近づいてはならない。 5 あなたたちは聖なる場所と祭壇のための務めを果たし,イスラエルの民に対して,
これ以上憤りが生じないようにしなければならない。 6 私が,あなたたちの兄弟であるレビ族をイスラエル人
の中から取って,あなたたちへの贈り物とした。レビ族は,会見の天幕の奉仕を行うためにエホバに与えられ
ている。 7 あなたとあなたの子たちは,祭壇と幕の内側の事柄に関する祭司職の責任がある。あなたたちがこ
の奉仕を行う。私はあなたたちに祭司職の奉仕を贈り物として与えた。許可されていない人が近づくなら,死
刑にされるべきである」。
  8 エホバはアロンにさらに話した。「私は,私への寄進物をあなたに委ねた。イスラエル人が寄進する全
ての聖なるものの一部分を,あなたとあなたの子たちに,ずっと続く取り分として与えた。 9 火による捧げ物
で極めて聖なるものの一部分があなたの分となる。民が私のもとに持ってくる穀物の捧げ物,罪の捧げ物,有
罪の捧げ物など,全ての捧げ物である。それはあなたとあなたの子たちのための極めて聖なるものである。 10
極めて聖なる場所でそれを食べるべきである。全ての男性が食べてよい。それはあなたにとって聖なるものと
なる。 11 以下の物もあなたのものである。民が寄進する供え物とイスラエル人の全ての振揺の捧げ物である。
私はそれを,あなたとあなたの息子や娘に,ずっと続く取り分として与えた。あなたの家の清い人は皆,それ
を食べてよい。
  12 最も良い油の全てと,最も良い新しいぶどう酒と穀物の全て,すなわち民がエホバに捧げる初物を,私
はあなたに与える。 13 土地の全ての初物で,民がエホバのもとに持ってくる物は,あなたのものとなる。あ
なたの家の清い人は皆,それを食べてよい。
  14 イスラエルで完全に捧げられた全ての物は,あなたのものとされるべきである。
  15 生き物の全ての初子,民がエホバに差し出すものは,人間も動物も,あなたのものとされるべきである。
ただし,長男は必ず買い戻し,汚れた動物の初子も買い戻しなさい。 16 生後1カ月以後,買い戻しの代価,
聖なる標準重りで銀57グラムという評価額で買い戻すべきである。標準重りは11.4グラムである。 17
ただし,雄牛の初子,雄羊の初子,ヤギの初子は買い戻してはならない。それは聖なるものである。その血は
祭壇に振り掛け,脂肪は火による捧げ物として焼いて煙にすべきである。それはエホバにとって心地よい香り
となる。 18 その肉はあなたのものとされる。振揺の捧げ物の胸や右の後ろ脚と同じようにである。 19 私は,
イスラエル人がエホバに寄進する全ての聖なる寄進物を,ずっと続く取り分として,あなたとあなたの息子や
娘に与えた。これはあなたとあなたの子孫のための,エホバの前でずっと続く塩の契約である」。
  20 エホバは続けてアロンに言った。「あなたはイスラエルで,相続させる土地を持たない。イスラエルの
土地にあなたの分はない。イスラエル人の間で,私があなたの分であり,私があなたを養う。
  21 さあ,私はレビの子たちに,彼らが行っている奉仕,会見の天幕の奉仕に対して,イスラエルで生み出
される物の10分の1を全て財産として与えた。 22 今後,イスラエルの民は会見の天幕に近づいてはならな
い。そうしないと,罪を負って死ぬ。 23 レビ族が会見の天幕の奉仕を行い,民の過ちの責任を負う。レビ族
はイスラエル人の間で土地を所有しないというのが,代々ずっと守るべき法令となる。 24 私はレビ族に,イ
スラエルの民がエホバに寄進する10分の1を財産として与えた。それで,『イスラエル人の間で,レビ族は
土地を所有しない』と言ったのである」。
  25 エホバはモーセに言った。 26 「レビ族にこう告げなさい。『あなたたちはイスラエル人から,私が
あなたたちに財産として与えた10分の1を受け取る。あなたたちは,その中から10分の1をエホバへの寄
進物として寄進すべきである。 27 それはあなたたちの寄進物と見なされ,あなたたちが脱穀した穀物,ブド
ウや油の搾り場で作った物として扱われる。 28 こうして,あなたたちも,イスラエル人から受け取る全ての
10分の1の中からエホバへの寄進物を差し出す。エホバへの寄進物を祭司アロンに与えるのである。 29 あ
なたたちへの全ての贈り物のうち最も良い物の中から,エホバへのあらゆる寄進物を捧げる。それは聖なるも
のである』。
  30 レビ族にこう言わなければならない。『あなたたちが贈り物のうち最も良い物を寄進したなら,後はあ
なたたちのものであり,レビ族が脱穀した物,ブドウや油の搾り場で作った物と見なされる。 31 あなたたち
と家の人たちは,どこでもそれを食べてよい。それは,会見の天幕での奉仕に対して与えられる報酬だからで
ある。 32 贈り物の中から最も良い物を寄進する限り,罪を負うことはない。イスラエル人の聖なるものを汚
してはならない。そうしないと死ぬことになる』」。
  19 章
  1 エホバはさらにモーセとアロンに言った。 2 「これはエホバが命じた律法による法令である。『イス
ラエル人に告げて,傷のない赤い雌牛,欠陥がなく,くびきを負ったことがないものを連れてこさせなさい。
3 それを祭司エレアザルに与える。エレアザルはそれを宿営の外に連れていき,それは彼の前でほふられる。
4 祭司エレアザルはその血を指で取り,会見の天幕の正面に向けて真っすぐ7回はね飛ばす。 5 雌牛は彼の
目の前で焼かれる。皮と肉と血がふんと共に焼かれる。 6 祭司は杉の枝とヒソプと緋色の布を取り,雌牛を焼
いている火に投げ込む。 7 祭司は服を洗い,水を浴びる。その後,宿営に入ってよい。しかし,夕方まで汚れ
た人となる。
  8 雌牛を焼いた人も服を洗い,水を浴びる。夕方まで汚れた人となる。
  9 清い人が雌牛の灰を集め,宿営の外の清い場所に置く。イスラエル人の会衆は,清めに使う水のために
それを保管すべきである。この雌牛は罪の捧げ物である。 10 雌牛の灰を集めた人は服を洗う。夕方まで汚れ
た人となる。
  イスラエル人とその間に住んでいる外国人は,以下の法令をずっと守るべきである。 11 死んだ人に触れ
た人は,7日間,汚れた人となる。 12 その人は3日目に清めの水で自分を清めるべきであり,7日目に清く
なる。しかし,3日目に自分を清めないなら,7日目に清くはならない。 13 死んだ人の体に触れたのに自分
を清めない人は皆,エホバの幕屋を汚しているのであり,その人はイスラエルの中から除かれなければならな
い。清めの水が振り掛けられていないので,その人は汚れたままである。依然として汚れている。
  14 人が天幕の中で死んだ場合は,次の律法が適用される。その天幕に入る人やその中にいた人は皆,7日
間,汚れた人となる。 15 ふたが閉まっていなくて口が開いていた器は全て,汚れている。 16 野原で,剣で
殺された人,死体,人の骨,墓に触れた人は皆,7日間,汚れた人となる。 17 汚れた人のために,罪の捧げ
物を焼いてできた灰をいくらか取って器に入れ,きれいな水を注ぐべきである。 18 清い人がヒソプを取って
その水に浸し,その天幕と全ての器とそこにいた人たちに,また骨,殺された人,死体,墓に触れた人にはね
掛ける。 19 清い人は3日目と7日目に,汚れた人に水をはね掛け,7日目にその人を罪から清める。その人
は服を洗い,水を浴びる。そして夕方に清くなる。
  20 しかし,汚れているのに自分を清めない人は,会衆の中から除かれなければならない。エホバの聖なる
所を汚したからである。清めの水が振り掛けられなかったので,その人は汚れている。
  21 この法令をずっと守るべきである。清めの水をはね掛ける人も服を洗うべきであり,清めの水に触れた
人は夕方まで汚れた人となる。 22 汚れた人が触れた物は全て汚れたものとなり,それに触れた人も夕方まで
汚れた人となる』」。
  20 章
  1 イスラエル人の民全体は,第1の月にチンの荒野に入り,民はカデシュにとどまることになった。ミリ
アムはそこで死に,葬られた。
  2 そこには民のための水がなく,民はモーセとアロンに逆らって集合した。 3 民はモーセに不平を言っ
た。「兄弟たちがエホバの前で死んだ時に,私たちも死んでいればよかった。 4 どうしてエホバの会衆をこの
荒野に連れてきて,私たちと家畜をここで死なせるのか。 5 どうして私たちをエジプトから連れ出して,こん
なひどい場所に連れてきたのか。ここでは種をまけず,イチジクやブドウやザクロも育たない。飲む水もな
い」。 6 モーセとアロンは会衆の前から離れ,会見の天幕の入り口に来てひれ伏した。するとエホバの栄光が
現れ始めた。
  7 エホバはモーセに言った。 8 「つえを取って民を呼び集め,あなたと兄のアロンが民の目の前で大岩
に話して,水を出させなさい。あなたは民のために大岩から水を出し,民と家畜に飲ませる」。
  9 モーセは命じられた通りにエホバの前からつえを取った。 10 モーセとアロンは会衆を大岩の前に呼び
集め,モーセが民に言った。「さあ聞きなさい,反逆者たち! この大岩から私たちがあなたたちのために水を
出さないといけないのですか」。 11 モーセは手を上げ,つえで大岩を2度打った。すると,たくさんの水が
出てきて,民と家畜は飲みだした。
  12 その後エホバはモーセとアロンに言った。「あなたたちは,私に信仰を示さず,イスラエルの民の目の
前で私を神聖なものとしなかったので,私が与える土地にこの会衆を連れて入ることはない」。 13 これがメ
リバの水である。イスラエル人がそこでエホバに不平を言い,神は彼らの間で自分を神聖なものとした。
  14 モーセはカデシュからエドムの王に使者を遣わして,こう言わせた。「あなたの兄弟イスラエルはこの
ように申しております。『あなたは,私たちが経験したさまざまな困難をよくご存じです。 15 父祖たちがエ
ジプトに行き,私たちは長年エジプトに住んでいました。エジプト人は私たちと父祖たちを虐待しました。 16
それで私たちがエホバに向かって叫ぶと,神はそれを聞いて天使を送り,私たちをエジプトから連れ出してく
ださいました。私たちは今,あなたの領土の境界の町カデシュに来ています。 17 どうかあなたの土地を通ら
せてください。私たちは畑やブドウ園は通らず,井戸の水も飲みません。王の道路を進み,右にも左にも曲が
らずに領土を通り抜けます』」。
  18 ところがエドムの王は言った。「われわれの領土を通ってはならない。通ろうとしたら,剣を持って出
迎える」。 19 イスラエル人は言った。「私たちは街道を進みます。もし私たちや家畜があなたの水を飲んだ
ら,代金をお支払いします。歩いて通り抜けたいだけなのです」。 20 それでも王は,「通ってはならない」
と言った。そして,イスラエル人と戦うために強力な大軍を率いて出てきた。 21 このようにエドムの王は,
イスラエルが領土を通るのを許さなかった。それでイスラエルはそこを離れた。
  22 イスラエルの民全体は,カデシュを出発してホル山に来た。 23 エホバは,エドム地方の境界沿いの
ホル山で,モーセとアロンに言った。 24 「アロンは死んで先祖たちと共に横たわる。私がイスラエル人に与
える土地には入らない。あなたたちはメリバの水に関して私の指示に背いたからである。 25 アロンとその子
エレアザルを連れて,ホル山に登りなさい。 26 アロンの服を脱がせて,その子エレアザルに着せなさい。ア
ロンはそこで死ぬ」。
  27 モーセはエホバに命じられた通りにし,3人は民全員の目の前でホル山に登っていった。 28 モーセ
はアロンの服を脱がせて,その子エレアザルに着せた。その後アロンは山頂で死に,モーセとエレアザルは山
を下りた。 29 民全員はアロンが死んだことを知り,イスラエルの民全体はアロンのために30日間泣いた。
  21 章
  1 カナン人でネゲブに住むアラドの王は,イスラエルがアタリムを通ってやって来たことを聞き,イスラ
エルを攻撃して,何人かを捕虜として連れ去った。 2 イスラエルはエホバに誓約をしてこう言った。「この民
を私の手に渡してくださるなら,必ず彼らの町を滅ぼし尽くします」。 3 エホバはイスラエルの声に耳を傾け,
そのカナン人たちを渡した。イスラエルは彼らと彼らの町を滅ぼし尽くした。それで,その場所はホルマと名
付けられた。
  4 民はホル山からの旅を続け,エドム地方を通り抜けずに紅海の道を進み,旅のために疲れ果てた。 5
民は神とモーセを何度も非難し,こう言った。「どうして私たちをエジプトから連れ出して荒野で死なせるの
か。食べ物も水もない。私たちはこの貧弱なパンにうんざりした」。 6 エホバは民の中に毒蛇を送り,蛇が民
を次々にかんだので,多くのイスラエル人が死んだ。
  7 民はモーセの所に来て,言った。「私たちはエホバとあなたを非難して,罪を犯しました。蛇を取り除
いてくださるよう,エホバに祈ってください」。モーセは民のために祈った。 8 エホバはモーセに言った。
「毒蛇の複製を作り,さおに取り付けなさい。かまれた人は,それを見て生き続けるように」。 9 モーセはす
ぐに銅の蛇を作り,さおに取り付けた。蛇にかまれても銅の蛇を見るなら,その人は生き延びた。
  10 その後,イスラエル人は出発し,オボトに宿営した。 11 それからオボトを出発し,イエ・アバリム,
すなわちモアブに面する東方の荒野に宿営した。 12 そこを出発し,ゼレドの谷のそばに宿営した。 13 そこ
を出発し,アルノンの地域に宿営した。それはアモリ人の国境から広がる荒野にある。アルノンの谷はモアブ
の境界であり,モアブとアモリ人との間にある。 14 そのため,「エホバの戦いの書」でこう言われている。
「スファのワヘブとアルノンの谷, 15 その谷の流れ。それはアルという場所に向かい,モアブの国境に接す
る」。
  16 次にベエルに進んだ。これは,エホバがモーセに「民を集めなさい。私は彼らに水を与える」と言った
井戸である。
  17 その時イスラエルはこの歌を歌った。
  「井戸よ,湧き上がれ! (応えよ!)
  18 高位の人たちが掘り,高貴な人たちが掘り下げた井戸。
  司令官のつえと自分たちのつえで」。
  次に荒野からマタナに行った。 19 そしてマタナからナハリエルに,ナハリエルからバモトに, 20 バモ
トからモアブの領土にある谷,ピスガの頂上に行った。そこからはエシモンを見下ろせる。
  21 イスラエルは,アモリ人の王シホンに使者を送って,こう言った。 22 「あなたの土地を通らせてく
ださい。私たちは道からそれて畑やブドウ園に入ったりはしません。井戸の水も飲みません。王の道路を進ん
で領土を通り抜けます」。 23 ところが,シホンはイスラエルが領土を通るのを許さなかった。かえって兵士
全てを集め,荒野にいるイスラエルに向かって出てきた。そしてヤハツに来て,イスラエルと戦い始めた。 24
しかし,イスラエルはシホンを剣で討った。彼の土地をアルノンの谷からヤボクの谷まで,アンモン人の近く
までを手に入れたが,ヤゼルは越えなかった。そこがアンモン人の領土の境界だからである。
  25 イスラエルはそれらの町全てを取った。そして,アモリ人の全ての町,ヘシュボンと周辺の全ての町に
住むようになった。 26 ヘシュボンはアモリ人の王シホンの都市だった。シホンは以前にモアブの王と戦って,
アルノンの谷まで彼の全ての土地を取ったのである。 27 そのため,次のようなあざけりの格言がある。
  「ヘシュボンに来い。
  シホンの都市は築かれ,しっかり据えられよ。
  28 火がヘシュボンから,炎がシホンの町から出たからだ。
  それはモアブのアルを,アルノンの谷の高い所の領主たちを焼き尽くした。
  29 おまえには災いがある,モアブ! おまえは滅ぼされる,ケモシュの民!
  ケモシュは息子たちを難民に,娘たちをアモリ人の王シホンの捕虜にする。
  30 彼らを討とう。
  ヘシュボンはディボンまで滅びる。
  ノファハまで荒廃させよう。
  火はメデバまで広がる」。
  31 イスラエルはアモリ人の土地に住むようになった。 32 モーセはヤゼルを偵察させた。イスラエル人
はヤゼル周辺の町を攻め取り,そこにいたアモリ人を追い払った。 33 その後,向きを変えてバシャンの道を
上っていった。バシャンの王オグは兵士全てと共に出てきて,エドレイで迎え撃とうとした。 34 エホバはモ
ーセに言った。「彼を恐れてはならない。私は彼と兵士全てと彼の土地をあなたの手に渡す。あなたは,ヘシ
ュボンに住んでいたアモリ人の王シホンにしたように,彼にもしなければならない」。 35 イスラエル人はオ
グとその子たちと兵士を一人残らず討っていった。こうして彼の土地を手に入れた。
  22 章
  1 イスラエル人は出発し,モアブの砂漠平原に宿営した。そこはヨルダン川を挟んでエリコの対岸である。
2 チッポルの子バラクは,イスラエルがアモリ人に行った全てのことを知った。 3 モアブ人はイスラエル人
を非常に恐れるようになった。数が多かったからである。モアブ人は恐怖と嫌悪を感じるのだった。 4 モアブ
人はミディアンの長老たちに言った。「今にこの群衆は,牛が野原の草を食い尽くすようにして私たちの周囲
のものを全て食い尽くしてしまうだろう」。
  チッポルの子バラクはその時モアブの王だった。 5 バラクはペトルにいるベオルの子バラムに使者を送っ
た。そこは彼が生まれた土地を流れる川の近くだった。バラクはバラムを呼んで,こう言った。「見てくださ
い,ある民がエジプトから出てきました。見てください,彼らは地上を覆ってしまい,私の真ん前に住んでい
ます。 6 どうか来て,私のためにこの民に災いがあるよう願い求めてください。彼らは私より強大なのです。
もしかしたら,私は彼らを打ち破ってこの土地から追い払えるかもしれません。私は次のことをよく知ってい
るからです。あなたが,ある人への祝福を願うとその人は祝福を受け,災いを願うとその人は災いを受けるの
です」。
  7 モアブの長老たちとミディアンの長老たちは占いの謝礼を携えて旅をし,バラムのもとに行って,バラ
クの言葉を伝えた。 8 バラムはその人たちに言った。「今夜はここに泊まってください。エホバが私に告げる
言葉を伝えに戻ってきます」。モアブの高官たちはバラムの所にとどまった。
  9 神はバラムの所に来て,言った。「あなたの所にいるこの人たちは誰か」。 10 バラムは真の神に言っ
た。「モアブの王でチッポルの子であるバラクが使者を遣わし,こう言ってきました。 11 『見てください,
エジプトから出てきている民が地上を覆っています。来て,私のために彼らに災いがあるよう願い求めてくだ
さい。もしかしたら私は彼らと戦って追い払えるかもしれません』」。 12 神はバラムに言った。「その人た
ちと一緒に行ってはいけない。あの民への災いを願ってはいけない。彼らは祝福されているからだ」。
  13 バラムは朝起きて,バラクに仕える高官たちに言った。「国に戻ってください。エホバは,私があなた
方と一緒に行くことを許しませんでした」。 14 モアブの高官たちは去っていき,バラクのもとに戻って,
「バラムは一緒に来ることを断りました」と言った。
  15 バラクは再び高官たちを遣わした。前より大人数で,さらに位の高い人たちである。 16 その人たち
がバラムの所に来て,言った。「チッポルの子バラクはこのように申しました。『どうか,ぜひともおいでく
ださい。 17 私はあなたに大きな栄誉を与え,あなたが言われることを何でもいたします。ですから,どうか
おいでください。私のためにこの民に災いがあるよう願い求めてください』」。 18 しかし,バラムはバラク
の家来たちにこう答えた。「たとえバラクが銀や金でいっぱいの彼の家を与えてくれるとしても,私は事の大
小にかかわらず,私の神エホバの指示に背くことは何も行えません。 19 でもあなた方も,どうぞ今夜はここ
にとどまってください。そうしたら,私はエホバがさらに告げることを聞くことができます」。
  20 神は夜にバラムの所に来て,言った。「この人たちがあなたを呼びに来たのであれば,一緒に行きなさ
い。ただし,話してよいのは,私があなたに告げる言葉だけである」。 21 バラムは朝起きてロバにくらを置
き,モアブの高官たちと一緒に出掛けた。
  22 ところが,バラムが出掛けたために神の怒りが燃え,エホバの天使が彼を行かせまいとして道路に立っ
た。バラムはロバに乗り,従者2人を連れていた。 23 ロバは,エホバの天使が剣を抜いて道路に立っている
のを見て,道路から脇にそれようとした。しかしバラムは,ロバを道路に戻そうとしてたたき始めた。 24 す
ると,エホバの天使はブドウ園の間の狭い道に立った。両側に石の塀があった。 25 ロバはエホバの天使を見
て,体を塀に押し付けたので,バラムの足も塀に押し付けられた。それでバラムはまたロバをたたき始めた。
  26 エホバの天使は再びそばを通り過ぎて,右にも左にもよけられない狭い場所に立った。 27 ロバはエ
ホバの天使を見て,バラムを乗せたままうずくまった。バラムは激怒し,ロバをつえでたたき続けた。 28 つ
いにエホバはロバが話せるようにした。ロバはバラムに言った。「私が何をしたので,3度もたたくのです
か」。 29 バラムはロバに答えた。「おまえが私をばかにしたからだ。剣を持っていれば,おまえを殺してや
るのに」。 30 ロバはバラムに言った。「私は,今日まであなたがずっと乗ってこられたロバではありません
か。私が今まで,あなたにこんなふうにしたことがあったでしょうか」。バラムは,「いや,ない」と答えた。
31 エホバがバラムの目を開くと,バラムにも,エホバの天使が剣を抜いて道路に立っているのが見えた。バ
ラムはすぐに身をかがめてひれ伏した。
  32 エホバの天使はバラムに言った。「どうしてロバを3度もたたいたのですか。私はあなたを行かせまい
として出てきたのです。あなたの道が私の意志に反しているからです。 33 このロバは私を見て,3度もよけ
ようとしました。よけようとしていなかったら,どうでしょうか。私はあなたを殺して,ロバは生かしておい
たでしょう」。 34 バラムはエホバの天使に言った。「私は罪を犯しました。あなたが道路に立って行く手を
阻んでおられることを知らなかったのです。行くのが良くないようでしたら,私は引き返します」。 35 エホ
バの天使はバラムに言った。「この人たちと一緒に行きなさい。ただし,話してよいのは,私があなたに告げ
る言葉だけです」。バラムはそのまま,バラクに仕える高官たちと行った。
  36 バラクは,バラムが来たことを聞くと,モアブの町で迎えるため直ちに出ていった。アルノンの谷の川
岸,領土の境界にある町である。 37 バラクはバラムに言った。「使者を遣わしてお招きしませんでしたか。
どうして来てくださらなかったのですか。私があなたに大きな栄誉を与えることができないと思われたのです
か」。 38 バラムは答えた。「私は今あなたの所に来ています。しかし,私は語ることを許されるでしょうか。
神が伝えてくださる言葉しか話せません」。
  39 バラムはバラクと一緒に出掛け,キルヤト・フツォトに来た。 40 バラクは牛と羊を犠牲として捧げ,
その一部をバラムおよび彼と共にいた高官たちに渡した。 41 朝になると,バラクはバラムを連れていき,バ
モト・バアルに上らせた。そこから民全てを見ることができた。
  23 章
  1 バラムはバラクに言った。「ここに祭壇を7つ作り,雄牛7頭と雄羊7匹を用意してください」。 2
バラクはすぐバラムが言った通りにした。バラクとバラムは各祭壇で雄牛と雄羊を捧げた。 3 バラムはバラク
に言った。「全焼の捧げ物のそばにいてください。私は行ってきます。エホバは私と接触を持つかもしれませ
ん。何でも神が明らかにしてくださることをあなたに話します」。バラムは不毛の丘に行った。
  4 神が接触を持ち,バラムは神に言った。「私は7つの祭壇を並べて,各祭壇で雄牛と雄羊を捧げまし
た」。 5 エホバは,話すべき言葉をバラムに伝えて,こう言った。「バラクの所に戻りなさい。このことをあ
なたは話すべきである」。 6 戻ると,バラクとモアブの全ての高官たちは全焼の捧げ物のそばに立っていた。
7 バラムは格言的な詩を述べた。
  「モアブの王バラクが私をアラムから,
  東の山々から連れてきた。
  『ぜひ来て,私のためにヤコブに災いがあるよう願い求めよ。
  来て,イスラエルを糾弾せよ』と。
  8 神が災いを宣告していない人たちへの災いをどうして願い求められるだろうか。
  エホバが糾弾していない人たちをどうして糾弾できるだろうか。
  9 私は岩の頂上から彼らを見,
  丘から彼らを見る。
  彼らは1つの民として自分たちだけで住む。
  自分たちは他の国民とは違うと考えている。
  10 誰が,砂のような多さのヤコブを数えられるか。
  イスラエルの4分の1をさえ数えられるか。
  私は正直者として死に,
  彼らのように終わりを迎えよう」。
  11 バラクはバラムに言った。「何ということをしてくれたのですか。敵への災いを願うためにお連れした
のに,ひたすら彼らへの祝福を願われました」。 12 バラムは答えた。「私は,何でもエホバが伝えてくださ
る言葉を話すべきではありませんか」。
  13 バラクは言った。「どうか,彼らが見える別の場所に一緒に来てください。彼らの一部だけが見えて,
全ては見えません。私のためにそこから彼らへの災いを願い求めてください」。 14 そしてバラムをツォフィ
ムの野原,ピスガの頂上に連れていき,祭壇を7つ作って各祭壇で雄牛と雄羊を捧げた。 15 バラムはバラク
に言った。「私があちらで神と接触を持つ間,全焼の捧げ物のそばにいてください」。 16 エホバはバラムと
接触を持ち,話すべき言葉を伝えて,こう言った。「バラクの所に戻りなさい。このことをあなたは話すべき
である」。 17 バラムが戻ると,バラクは全焼の捧げ物のそばで待っており,モアブの高官たちも一緒にいた。
バラクは,「エホバは何と言いましたか」と尋ねた。 18 バラムは格言的な詩を述べた。
  「立て,バラク,そして耳を傾けよ。
  聞け,チッポルの子。
  19 神は,偽りを語る人間のようではなく,
  考えを変える人のようでもない。
  神は何かを言ったら,それを行うのではないか。
  語ったら,それを実行するのではないか。
  20 私は祝福を願うために連れてこられた。
  神は祝福した。私がそれを覆すことはできない。
  21 神はヤコブに対する魔力の行使を容認せず,
  イスラエルに災難が降り掛かるのを許さない。
  エホバ神は彼らと共におり,
  彼らの間で王として熱烈に称賛される。
  22 神は,彼らをエジプトから連れ出していく。
  彼らにとって野牛の角のようである。
  23 ヤコブに対する不吉なしるしはなく,
  イスラエルに対する悪い占いもない。
  今,ヤコブとイスラエルに関して言える。
  『神がしたことを見よ』と。
  24 民がライオンのように起き上がり,
  ライオンのように身を起こす。
  獲物を食い,殺された動物の血を飲むまで,
  民は横たわらない」。
  25 バラクはバラムに言った。「あなたが彼らへの災いを願えないのであれば,祝福も願うべきではありま
せん」。 26 バラムは答えた。「『私はエホバが話すことを全て行います』と言わなかったでしょうか」。
  27 バラクはバラムに言った。「どうか来てください。もう1つの場所にお連れしましょう。私のためにそ
こから彼らへの災いを願うのは正しいことだと,真の神から見なされるかもしれません」。 28 バラクはエシ
モンに面するペオルの頂上にバラムを連れていった。 29 バラムはバラクに言った。「ここに祭壇を7つ作り,
雄牛7頭と雄羊7匹を用意してください」。 30 バラクはバラムが言った通りにし,各祭壇で雄牛と雄羊を捧
げた。
  24 章
  1 バラムは,イスラエルへの祝福を願うことがエホバに喜ばれるのが分かり,もう不吉なしるしを求めに
行こうとはせず,荒野の方に顔を向けた。 2 バラムが目を上げて,イスラエルが部族ごとに宿営しているのを
見ると,神の聖なる力が彼に働いた。 3 バラムは格言的な詩を述べた。
  「ベオルの子バラムの言葉,
  目を開かれた男の言葉,
  4 神の言葉を聞く者,
  全能者の幻を見て,
  目を開いたまま倒れ込んだ者の言葉。
  5 ヤコブよ,あなたの天幕は何と美しいことか,
  イスラエルよ,あなたの幕屋は!
  6 それは長く延びた。谷のように,
  川辺にある庭園のように,
  エホバが植えた沈香樹のように,
  水辺にある杉のように。
  7 彼の2つの革製のバケツから水が常に滴り,
  彼の種は水がたくさんある所にまかれる。
  彼の王もアガグより偉大で,
  彼の王国は強大になる。
  8 神は,彼をエジプトから連れ出していく。
  彼にとって野牛の角のようである。
  彼は,自分を虐げる国々を食い尽くす。
  彼らの骨をしゃぶり,彼らを矢で砕く。
  9 彼は身をかがめ,ライオンのように横たわる。
  ライオンのようにである。誰があえて起こすだろうか。
  あなたへの祝福を願う人は祝福を受け,
  あなたへの災いを願う人は災いを受ける」。
  10 バラクはバラムに激怒した。あざけるように手をたたき,バラムに言った。「あなたを呼んだのは,私
の敵への災いを願うためだ。それなのに,あなたは3度もひたすら彼らへの祝福を願った。 11 さあ,早く家
に帰れ。私はあなたに大きな栄誉を与えるつもりだったが,エホバが栄誉を受けさせなかったのだ」。
  12 バラムは答えた。「あなたが遣わした使者にこう言わなかったでしょうか。 13 『たとえバラクが銀
や金でいっぱいの彼の家を与えてくれるとしても,私は,エホバの指示に背くことは,良いことも悪いことも
自分の意志で行うことはできない。エホバが告げることしか話さない』と。 14 今,私は自分の民の所に行き
ます。さあ,この民が将来あなたの民に行うことを知らせましょう」。 15 バラムは格言的な詩を述べた。
  「ベオルの子バラムの言葉,
  目を開かれた男の言葉,
  16 神の言葉を聞く者,
  至高者についての知識を持つ者の言葉。
  彼は目を開いたまま倒れ込んでいた間に,
  全能者の幻を見た。
  17 私は彼を見る。今ではない。
  私は彼を見つめる。すぐにではない。
  星がヤコブから出て,
  王笏がイスラエルから現れる。
  彼は必ずモアブの額を割り,
  荒々しい戦士全ての頭蓋骨を割る。
  18 エドムは所有物となる。
  そうだ,セイルは敵の所有物となる。
  イスラエルは勇気を示す。
  19 ヤコブから出る者が従わせていき,
  町で生き残った人を滅ぼす」。
  20 バラムはアマレクを見た時,格言的な詩を続けた。
  「アマレクは国々の最初,
  しかし,最後には滅びる」。
  21 ケニ人を見た時,格言的な詩を続けた。
  「あなたの住まいは安全で,あなたの家は大岩の上に据えられている。
  22 しかしカインは焼き払われる。
  アッシリアがあなたを捕虜にして連れ去るまで,あとどれほどか」。
  23 バラムは格言的な詩を続けた。
  「ああ! 神がそうする時,誰が生き残れるだろうか。
  24 船がキッテムの沿岸から来て,
  アッシリアを苦しめ,
  エベルを苦しめる。
  しかし彼も完全に滅びる」。
  25 バラムはそこを去り,自分の所に戻った。バラクも自分の道を行った。
  25 章
  1 イスラエルがシッテムに住んでいた時,民はモアブの娘たちと性的に不道徳な行為をし始めた。 2 女
性たちは,自分たちの神々に犠牲を捧げる時に民を誘い,民は食べたり神々にひれ伏したりするようになった。
3 イスラエルはペオルのバアルの崇拝に加わり,エホバはイスラエルに激怒した。 4 エホバはモーセに言っ
た。「この人々の指導者を全員捕らえて処刑し,真昼にエホバの前で杭に掛けなさい。エホバの燃える怒りが
イスラエルから離れるためである」。 5 モーセはイスラエルの裁判人たちに言った。「それぞれ,ペオルのバ
アルの崇拝に加わったこの男たちを殺しなさい」。
  6 ちょうどその時,1人のイスラエル人がミディアン人女性を兄弟たちの近くに連れてきた。それはモー
セとイスラエル人の民全員の目の前であり,民は会見の天幕の入り口で泣き悲しんでいた。 7 祭司であるアロ
ンの子エレアザルの子ピネハスはそれを見ると,すぐに民の中から立ち上がり,やりを手に取った。 8 そして,
そのイスラエルの男性の後を追って天幕に入り,2人を突き刺した。そのイスラエルの男性とその女性の生殖
器とを刺し通したのである。すると,イスラエル人に対する神罰はやんだ。 9 神罰で死んだ人は2万4000
人に上った。
  10 エホバはモーセに言った。 11 「祭司であるアロンの子エレアザルの子ピネハスは,私の憤りを民か
ら遠ざけた。イスラエルの民の間で私に対抗するものを一切容認しなかったのである。それで私は,全くの専
心を求めてイスラエル人を根絶やしにすることはしなかった。 12 そこで,こう言いなさい。『私は平和の契
約を彼と結ぶ。 13 それは,彼と彼の子孫にとって,ずっと続く祭司職の契約となる。ピネハスが自分の神に
対抗するものを容認せず,イスラエルの民のために贖罪を行ったからである』」。
  14 ところで,ミディアンの女性と一緒に殺されたイスラエル人男性はジムリといい,サルの子で,シメオ
ン族の家長だった。 15 殺されたミディアン人女性はコズビといい,ツルの娘だった。ツルは,ミディアンで
父の氏族の指導者だった。
  16 その後エホバはモーセに言った。 17 「ミディアン人を攻めて,倒しなさい。 18 彼らは,ペオルの
件,またその件で神罰が下された日に殺されたミディアンの長の娘コズビの件で,ずる賢く行動してあなたた
ちを苦しめているからである」。
  26 章
  1 神罰の後,エホバはモーセと祭司であるアロンの子エレアザルに言った。 2 「イスラエル人の民全体
の人口調査を行い,父方の家ごとに,イスラエルで兵役に就くことができる20歳以上の人全員を数えなさ
い」。 3 モーセと祭司エレアザルは,ヨルダン川のそば,エリコの向かいのモアブの砂漠平原で民に話した。
4 「エホバがモーセに命じた通り,20歳以上の人の人口調査を行いなさい」。
  エジプトを出たイスラエルの子たちは以下の通りだった。 5 イスラエルの長男ルベン。ルベンの子たちは,
ハノクからハノク氏族,パルからパル氏族, 6 ヘツロンからヘツロン氏族,カルミからカルミ氏族。 7 これ
らがルベン族の氏族で,登録された人は4万3730人となった。
  8 パルの子はエリアブ。 9 エリアブの子はネムエル,ダタン,アビラム。このダタンとアビラムは民の
選ばれた人で,コラたちと一緒にモーセとアロンに逆らった。エホバに逆らったのである。
  10 その時,大地が開いて彼らをのみ込んだ。コラは,火が250人を焼き尽くした時に,支持者と共に死
んだ。彼らに起きたことは警告となっている。 11 しかし,コラの子たちは死ななかった。
  12 シメオンの子たちは氏族ごとに,ネムエルからネムエル氏族,ヤミンからヤミン氏族,ヤキンからヤキ
ン氏族, 13 ゼラハからゼラハ氏族,シャウルからシャウル氏族。 14 これらがシメオン族の氏族で,2万2
200人だった。
  15 ガドの子たちは氏族ごとに,ツェフォンからツェフォン氏族,ハギからハギ氏族,シュニからシュニ氏
族, 16 オズニからオズニ氏族,エリからエリ氏族, 17 アロドからアロド氏族,アルエリからアルエリ氏族。
18 これらがガドの子たちの氏族で,登録された人は4万500人だった。
  19 ユダの子はエルとオナン。しかし,エルとオナンはカナン地方で死んだ。 20 ユダの子たちは氏族ご
とに,シェラからシェラ氏族,ペレツからペレツ氏族,ゼラハからゼラハ氏族。 21 ペレツの子たちは,ヘツ
ロンからヘツロン氏族,ハムルからハムル氏族。 22 これらがユダ族の氏族で,登録された人は7万6500
人だった。
  23 イッサカルの子たちは氏族ごとに,トラからトラ氏族,プワからプニ氏族, 24 ヤシュブからヤシュ
ブ氏族,シムロンからシムロン氏族。 25 これらがイッサカル族の氏族で,登録された人は6万4300人だ
った。
  26 ゼブルンの子たちは氏族ごとに,セレドからセレド氏族,エロンからエロン氏族,ヤフレエルからヤフ
レエル氏族。 27 これらがゼブルン族の氏族で,登録された人は6万500人だった。
  28 ヨセフの子たちは氏族ごとに,マナセとエフライム。 29 マナセの子たちは,マキルからマキル氏族。
マキルの子はギレアデで,ギレアデからギレアデ氏族。 30 ギレアデの子たちは,イエゼルからイエゼル氏族,
ヘレクからヘレク氏族, 31 アスリエルからアスリエル氏族,シェケムからシェケム氏族, 32 シェミダから
シェミダ氏族,ヘフェルからヘフェル氏族。 33 ヘフェルの子ツェロフハドには息子がなく娘しかいなかった。
ツェロフハドの娘たちの名前はマフラ,ノア,ホグラ,ミルカ,ティルツァだった。 34 これらがマナセ族の
氏族で,登録された人は5万2700人だった。
  35 エフライムの子たちは氏族ごとに,シュテラハからシュテラハ氏族,ベケルからベケル氏族,タハンか
らタハン氏族。 36 シュテラハの子たちは,エランからエラン氏族。 37 これらがエフライムの子たちの氏族
で,登録された人は3万2500人だった。以上が,氏族ごとに挙げたヨセフの子たちである。
  38 ベニヤミンの子たちは氏族ごとに,ベラからベラ氏族,アシュベルからアシュベル氏族,アヒラムから
アヒラム氏族, 39 シェフファムからシュファム氏族,フファムからフファム氏族。 40 ベラの子はアルデと
ナアマンで,アルデからアルデ氏族,ナアマンからナアマン氏族。 41 これらが氏族ごとに挙げたベニヤミン
の子たちで,登録された人は4万5600人だった。
  42 ダンの子たちは氏族ごとに,シュハムからシュハム氏族。これが氏族ごとに挙げたダン族の氏族だった。
43 シュハム氏族に属する全ての氏族の登録された人は6万4400人だった。
  44 アシェルの子たちは氏族ごとに,イムナからイムナ氏族,イシュビからイシュビ氏族,ベリアからベリ
ア氏族。 45 ベリアの子たちのうち,ヘベルからヘベル氏族,マルキエルからマルキエル氏族。 46 アシェル
の娘の名前はセラハだった。 47 これらがアシェルの子たちの氏族で,登録された人は5万3400人だった。
  48 ナフタリの子たちは氏族ごとに,ヤフツェエルからヤフツェエル氏族,グニからグニ氏族, 49 イエ
ツェルからイエツェル氏族,シレムからシレム氏族。 50 これらが氏族ごとに挙げたナフタリ族の氏族で,登
録された人は4万5400人だった。
  51 イスラエル人の登録された人の総数は60万1730人になる。
  52 その後エホバはモーセに言った。 53 「この人たちの間で,名前の一覧表に従って土地を分け,相続
していく土地とするべきである。 54 大人数であれば,相続していく土地を多くし,小人数であれば,少なく
すべきである。それぞれ,登録された人の数に比例して与えられるべきである。 55 ただし,くじによって土
地を配分し,民は父の部族の名前に従って土地を得るべきである。 56 土地はくじの結果に基づいて,大きな
部族にも小さな部族にも配分される」。
  57 レビ族の登録された人は氏族ごとに,ゲルションからゲルション氏族,コハトからコハト氏族,メラリ
からメラリ氏族。 58 レビ族の氏族を挙げると,リブニ氏族,ヘブロン氏族,マフリ氏族,ムシ氏族,コラ氏
族。
  コハトの子はアムラム。 59 アムラムの妻はヨケベドといい,レビの娘で,エジプトでレビに生まれた。
彼女はアムラムに,アロン,モーセ,彼らの姉ミリアムを産んだ。 60 アロンには,ナダブ,アビフ,エレア
ザル,イタマルが生まれた。 61 しかしナダブとアビフは,許可されていない火をエホバの前に差し出したた
めに死んだ。
  62 登録された人の総数は2万3000人で,生後1カ月以上の男性全員である。レビ族はイスラエル人の
中には登録されなかった。イスラエル人の間で彼らに土地は与えられないことになっていたからである。
  63 以上が,ヨルダン川のそば,エリコの向かいのモアブの砂漠平原でモーセと祭司エレアザルがイスラエ
ル人を登録した際に登録された人たちである。 64 しかし,この中に,シナイの荒野でモーセと祭司アロンが
イスラエル人の人口調査を行った際に登録された人はいなかった。 65 エホバはその人たちについて,「必ず
荒野で死ぬ」と言っていた。そのため,エフネの子カレブとヌンの子ヨシュア以外は,誰も残っていなかった。
  27 章
  1 ツェロフハドの娘たちが近づいてきた。ツェロフハドは,マナセの子マキルの子であるギレアデの子ヘ
フェルの子で,ヨセフの子マナセに属する氏族の人だった。娘たちの名前は,マフラ,ノア,ホグラ,ミルカ,
ティルツァである。 2 娘たちは,会見の天幕の入り口で,モーセと祭司エレアザルと長たちと民全員の前に立
って,こう言った。 3 「父は荒野で死にましたが,コラの支持者,エホバに逆らった集団の1人ではありませ
んでした。自分の罪のために死んだのです。そして,息子がいませんでした。 4 息子がいなかったからといっ
て,どうして父の名前が氏族から消えてよいでしょうか。父の兄弟たちと同じく私たちにも所有地を与えてく
ださい」。 5 モーセは彼女たちの訴えをエホバの前に提出した。
  6 エホバはモーセにこう言った。 7 「ツェロフハドの娘たちは正しい。彼女たちに,父の兄弟たちと同
じく相続地として所有地をぜひとも与えるべきである。父が受ける分を渡しなさい。 8 イスラエル人に告げな
さい。『人が死んで息子がいない場合,相続地は娘に渡さなければならない。 9 娘もいなければ,相続地はそ
の人の兄弟に与える。 10 兄弟もいなければ,相続地はその人の父の兄弟に与える。 11 その人の父に兄弟が
いなければ,相続地は氏族の中で一番近い肉親に与え,その人が所有する。この法規はイスラエル人のための
法令となる。エホバがモーセに命じた通りである』」。
  12 エホバはモーセに言った。「アバリムのあの山に登り,私がイスラエル人に与える土地を見なさい。
13 あなたはそこを見てから,死んで先祖たちと共に横たわる。あなたの兄弟アロンと同様である。 14 あな
たたちは,チンの荒野で民が私に不平を言った時,水に関して民の前で私を神聖なものとするようにという指
示に背いたからである。チンの荒野にあるカデシュのメリバの水のことである」。
  15 モーセはエホバに言った。 16 「全ての人に命を与える神エホバが,民の上に立つ1人の男性を任命
してくださいますように。 17 民の先頭に立つ人,民を率いて出入りする人です。エホバの民が羊飼いのいな
い羊のようにならないためです」。 18 エホバはモーセに言った。「健全な精神を持つ,ヌンの子ヨシュアを
選び,彼に手を置きなさい。 19 そして彼を祭司エレアザルと民全員の前に立たせ,皆の目の前で彼を指導者
に任命しなければならない。 20 あなたの権威の一部を彼に授けなさい。イスラエル人の民全員が彼の言うこ
とを聞くためである。 21 ヨシュアは祭司エレアザルの前に立ち,エレアザルが彼のためにエホバに尋ね,ウ
リムによって判断を知る。皆,指示を受けて出ていき,指示を受けて入ってくる。ヨシュア,彼と一緒にいる
イスラエル人全員,民全員がそうする」。
  22 モーセはエホバに命じられた通りにした。ヨシュアを選び,祭司エレアザルと民全員の前に立たせ,
23 手を置いて彼を指導者に任命した。エホバがモーセを通して告げた通りである。
  28 章
  1 エホバはモーセに言った。 2 「イスラエル人に命じて言いなさい。『私のパンである私への捧げ物を
確実に差し出すべきである。私にとって心地よい香りとなる火による捧げ物は,決められた時に捧げられなけ
ればならない』。
  3 そしてこう言いなさい。『エホバに差し出す火による捧げ物は以下の通りである。全焼の捧げ物として,
傷のない1歳の雄の子羊を毎日2匹, 4 1匹は朝に捧げ,もう1匹は夕暮れ時に捧げる。 5 オリーブをつぶ
して採った油0.9リットルを混ぜた上等の麦粉2.2リットルを穀物の捧げ物として添える。 6 これは日々
の全焼の捧げ物であり,心地よい香り,エホバへの火による捧げ物としてシナイ山で定められたものである。
7 雄の子羊1匹につき飲み物の捧げ物0.9リットルも一緒に捧げる。聖なる場所で飲み物の捧げ物としてエホ
バに酒を注ぎ出すのである。 8 夕暮れ時に2匹目の雄の子羊を,朝と同じ穀物の捧げ物と飲み物の捧げ物と一
緒に,火による捧げ物として捧げる。それはエホバへの心地よい香りとなる。
  9 また安息日には,傷のない1歳の雄の子羊2匹,穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉4.4リット
ル,飲み物の捧げ物を捧げる。 10 これは安息日のための全焼の捧げ物であり,日々の全焼の捧げ物やそれに
伴う飲み物の捧げ物と共に捧げられる。
  11 月の初めには,エホバへの全焼の捧げ物として,若い雄牛2頭と雄羊1匹,傷のない1歳の雄の子羊7
匹を差し出す。 12 雄牛1頭につき穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉6.6リットル,雄羊1匹につ
いては穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉4.4リットル, 13 雄の子羊1匹につき穀物の捧げ物とし
て油を混ぜた上等の麦粉2.2リットルを捧げる。全焼の捧げ物,心地よい香り,エホバへの火による捧げ物で
ある。 14 飲み物の捧げ物は,雄牛1頭についてぶどう酒1.8リットル,雄羊について1.2リットル,雄の
子羊1匹について0.9リットルとすべきである。これが月々の全焼の捧げ物であり,1年を通して毎月捧げら
れる。 15 さらに,子ヤギ1匹が,エホバへの罪の捧げ物として,いつもの全焼の捧げ物や飲み物の捧げ物に
加えて捧げられるべきである。
  16 第1の月の14日にはエホバの過ぎ越しが行われる。 17 この月の15日には祭りがある。7日間,
無酵母パンを食べる。 18 初日に聖なる大会がある。どんな労働もしてはならない。 19 エホバへの火による
全焼の捧げ物として,若い雄牛2頭,雄羊1匹,1歳の雄の子羊7匹を差し出す。傷のないものを捧げるべき
である。 20 それに伴う穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉を捧げる。雄牛1頭について6.6リット
ル,雄羊について4.4リットルである。 21 7匹の雄の子羊について,1匹につき2.2リットルを捧げる。
22 罪の捧げ物としてヤギ1匹も捧げ,あなたたちのために贖罪を行う。 23 これらを日々の全焼の捧げ物で
ある朝の全焼の捧げ物のほかに捧げる。 24 これらを7日間,毎日同じように捧げる。それは食物,火による
捧げ物であり,エホバへの心地よい香りとなる。日々の全焼の捧げ物や飲み物の捧げ物と共に捧げるべきであ
る。 25 7日目に聖なる大会を開く。どんな労働もしてはならない。
  26 新しい穀物の捧げ物をエホバに差し出す初物の日,七週の祝祭の時に,聖なる大会を開くべきである。
どんな労働もしてはならない。 27 全焼の捧げ物として,若い雄牛2頭,雄羊1匹,1歳の雄の子羊7匹を差
し出す。それはエホバへの心地よい香りとなる。 28 それに伴う穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉を
捧げる。雄牛1頭につき6.6リットル,雄羊1匹について4.4リットル, 29 7匹の雄の子羊について1匹
につき2.2リットルである。 30 子ヤギ1匹も捧げ,あなたたちのために贖罪を行う。 31 これらを日々の
全焼の捧げ物や穀物の捧げ物に加えて捧げる。それらの動物は傷のないものであるべきで,飲み物の捧げ物を
添える。
  29 章
  1 第7の月の1日に,聖なる大会を開くべきである。どんな労働もしてはならない。それはラッパを吹く
べき日である。 2 全焼の捧げ物として,若い雄牛1頭,雄羊1匹,1歳の雄の子羊7匹,全て傷のないものを
捧げる。それはエホバへの心地よい香りとなる。 3 それに伴う穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉を捧
げる。雄牛について6.6リットル,雄羊について4.4リットル, 4 7匹の雄の子羊について1匹につき2.
2リットルである。 5 罪の捧げ物として雄の子ヤギ1匹を捧げ,あなたたちのために贖罪を行う。 6 これと
は別に,月々の全焼の捧げ物と日々の全焼の捧げ物,それらに伴う穀物の捧げ物と飲み物の捧げ物があり,決
められた手順通りに捧げられる。それは心地よい香り,エホバへの火による捧げ物となる。
  7 この第7の月の10日に,聖なる大会を開くべきである。自分を苦しめなければならない。どんな仕事
もしてはならない。 8 エホバへの全焼の捧げ物として,若い雄牛1頭,雄羊1匹,1歳の雄の子羊7匹,全て
傷のないものを差し出す。それは心地よい香りとなる。 9 それに伴う穀物の捧げ物として油を混ぜた上等の麦
粉を捧げる。雄牛について6.6リットル,雄羊1匹について4.4リットル, 10 7匹の雄の子羊について1
匹につき2.2リットルである。 11 罪の捧げ物として子ヤギ1匹を捧げる。これらは,贖罪のための罪の捧
げ物や,日々の全焼の捧げ物とそれに伴う穀物の捧げ物,それらに伴う飲み物の捧げ物とは別である。
  12 第7の月の15日に,聖なる大会を開くべきである。どんな労働もしてはならない。7日間,エホバの
祭りを行わなければならない。 13 全焼の捧げ物として,若い雄牛13頭,雄羊2匹,1歳の雄の子羊14匹,
全て傷のないものを差し出す。それは火による捧げ物,エホバへの心地よい香りとなる。 14 それに伴う穀物
の捧げ物として油を混ぜた上等の麦粉を捧げる。13頭の雄牛について1頭につき6.6リットル,2匹の雄羊
について1匹につき4.4リットル, 15 14匹の雄の子羊について1匹につき2.2リットルである。 16 罪
の捧げ物として子ヤギ1匹を捧げる。これらは,日々の全焼の捧げ物とそれに伴う穀物の捧げ物や飲み物の捧
げ物とは別である。
  17 2日目には,若い雄牛12頭,雄羊2匹,1歳の雄の子羊14匹,全て傷のないもの。 18 雄牛,雄
羊,雄の子羊の数に応じて,決められた手順通りに捧げる穀物の捧げ物と飲み物の捧げ物。 19 罪の捧げ物で
ある子ヤギ1匹。これらは,日々の全焼の捧げ物とそれに伴う穀物の捧げ物とそれらに伴う飲み物の捧げ物と
は別である。
  20 3日目には,雄牛11頭,雄羊2匹,1歳の雄の子羊14匹,全て傷のないもの。 21 雄牛,雄羊,
雄の子羊の数に応じて,決められた手順通りに捧げる穀物の捧げ物と飲み物の捧げ物。 22 罪の捧げ物である
ヤギ1匹。これらは,日々の全焼の捧げ物とそれに伴う穀物の捧げ物や飲み物の捧げ物とは別である。
  23 4日目には,雄牛10頭,雄羊2匹,1歳の雄の子羊14匹,全て傷のないもの。 24 雄牛,雄羊,
雄の子羊の数に応じて,決められた手順通りに捧げる穀物の捧げ物と飲み物の捧げ物。 25 罪の捧げ物である
子ヤギ1匹。これらは,日々の全焼の捧げ物とそれに伴う穀物の捧げ物や飲み物の捧げ物とは別である。
  26 5日目には,雄牛9頭,雄羊2匹,1歳の雄の子羊14匹,全て傷のないもの。 27 雄牛,雄羊,雄
の子羊の数に応じて,決められた手順通りに捧げる穀物の捧げ物と飲み物の捧げ物。 28 罪の捧げ物であるヤ
ギ1匹。これらは,日々の全焼の捧げ物とそれに伴う穀物の捧げ物や飲み物の捧げ物とは別である。
  29 6日目には,雄牛8頭,雄羊2匹,1歳の雄の子羊14匹,全て傷のないもの。 30 雄牛,雄羊,雄
の子羊の数に応じて,決められた手順通りに捧げる穀物の捧げ物と飲み物の捧げ物。 31 罪の捧げ物であるヤ
ギ1匹。これらは,日々の全焼の捧げ物とそれに伴う穀物の捧げ物や飲み物の捧げ物とは別である。
  32 7日目には,雄牛7頭,雄羊2匹,1歳の雄の子羊14匹,全て傷のないもの。 33 雄牛,雄羊,雄
の子羊の数に応じて,決められた手順通りに捧げる穀物の捧げ物と飲み物の捧げ物。 34 罪の捧げ物であるヤ
ギ1匹。これらは,日々の全焼の捧げ物とそれに伴う穀物の捧げ物や飲み物の捧げ物とは別である。
  35 8日目に,特別な集まりを開くべきである。どんな労働もしてはならない。 36 全焼の捧げ物として,
雄牛1頭,雄羊1匹,1歳の雄の子羊7匹,全て傷のないものを差し出す。それは火による捧げ物,エホバへ
の心地よい香りとなる。 37 それに伴う穀物の捧げ物と飲み物の捧げ物を,雄牛,雄羊,雄の子羊の数に応じ
て,決められた手順通りに捧げ, 38 罪の捧げ物としてヤギ1匹を捧げる。これらは,日々の全焼の捧げ物と
それに伴う穀物の捧げ物や飲み物の捧げ物とは別である。
  39 これらのものを,季節ごとの祭りの時に,誓約の捧げ物や自発的な捧げ物に加えてエホバに捧げる。そ
れらは全焼の捧げ物,穀物の捧げ物,飲み物の捧げ物,共食の犠牲である』」。 40 モーセは,エホバが命じ
たことを全てイスラエル人に告げた。
  30 章
  1 モーセはイスラエルの部族の長たちに話した。「エホバはこう命じました。 2 男性がエホバに誓約す
るか,誓いを立てて,何かをしないという誓約をした場合,自分の言葉に背いてはなりません。誓約した通り
にすべきです。
  3 女性が若くて父親の家に住んでいる間に,何かをする誓約あるいは何かをしない誓約をエホバにした場
合, 4 父親がその娘の誓約を聞きながら,異議を唱えないなら,何かをするとかしないという娘の誓約は全て
有効になります。 5 しかし,父親が娘の誓約を聞いた時に反対するなら,誓約は有効にはなりません。エホバ
は彼女を許します。父親が反対したからです。
  6 もし女性が誓約や軽率な約束をしたまま結婚する場合, 7 夫がそれを聞きながら,それを聞いた日に
異議を唱えないなら,何かをするとかしないという妻の誓約は有効になります。 8 しかし,夫がそれを聞いた
日に反対するなら,妻の誓約や軽率な約束を無効にできます。エホバは彼女を許します。
  9 やもめや離婚された女性が誓約した場合,誓った全てのことに拘束力があります。
  10 女性が夫の家で,何かをするとかしないという誓約をした場合, 11 夫がそれを聞きながら,異議を
唱えたり反対したりしないなら,その妻の誓約は全て有効になります。 12 しかし,何かをするとかしないと
いう妻のどんな誓約も,夫がそれを聞いた日に完全に無効にしたなら,それは有効にはなりません。夫がそれ
を無効にしたのであり,エホバは彼女を許します。 13 どんな誓約も,自分に制限を課す誓約に関するどんな
誓いも,夫が有効にするか無効にするべきです。 14 夫が全く異議を唱えずに日が過ぎるなら,夫は妻の誓約
を全て有効と認めているのです。誓ったことを聞いた日に異議を唱えなかったので,有効と認めていることに
なります。 15 それを聞いた日からしばらく後に無効にするなら,夫が妻の罪の責任を取ります」。
  16 以上は,夫と妻について,また父親と若くて父親の家に住んでいる娘について,エホバがモーセに命じ
た規定である。
  31 章
  1 エホバはモーセに告げた。 2 「イスラエル人のためにミディアン人に復讐しなさい。その後,あなた
は死んで先祖たちと共に横たわる」。
  3 モーセは民に話した。「皆さんの中から人々を選んでミディアンと戦うための装備をさせ,ミディアン
に対するエホバの復讐を行いなさい。 4 イスラエルの各部族から1000人ずつ軍隊に出すように」。 5 そ
こで,イスラエルの大勢の人のうち各部族から1000人が割り当てられ,1万2000人が戦いの装備をし
た。
  6 モーセは,各部族から1000人ずつ兵士を送り出した。エレアザルの子で軍隊に同行する祭司ピネハ
スも一緒だった。ピネハスは,聖なる器具と合図のラッパを持っていた。 7 彼らは,エホバがモーセに命じた
通りミディアンと戦い,男性を全員殺した。 8 殺された人の中には,ミディアンの王たち,すなわちエビ,レ
ケム,ツル,フル,レバというミディアンの5人の王がいた。ベオルの子バラムも剣で殺された。 9 とはいえ
イスラエル人は,ミディアンの女性と子供を捕虜として連れ去った。また,ミディアンの全ての家畜,全ての
所有物を奪い取った。 10 そして,ミディアン人が定住していた全ての町と宿営を火で焼いた。 11 イスラエ
ル人は,人も動物も全ての戦利品と略奪品を手に入れた。 12 そして,捕虜と略奪品と戦利品を,モーセと祭
司エレアザルとイスラエル人の会衆の所に運んできた。宿営は,ヨルダン川の近く,エリコの向かいのモアブ
の砂漠平原にあった。
  13 モーセと祭司エレアザルと民の長たち全員は,宿営の外まで迎えに出た。 14 ところがモーセは,戦
闘部隊の任命された人たち,軍事遠征から戻った千人長と百人長に対して憤った。 15 モーセは言った。「女
性を皆生かしておいたのですか。 16 見なさい,この女性たちこそ,バラムの言葉に促されてイスラエル人を
唆し,ペオルの件でエホバに対して不忠実な行為をさせた人たちです。そのためエホバの民に神罰が下ったの
です。 17 さあ,男の子は全員殺し,男性と性関係を持ったことがある女性も全員殺しなさい。 18 男性と性
関係を持ったことがない娘は生かしておいてよいでしょう。 19 皆さんは7日間,宿営の外にとどまりなさい。
誰かを殺した人や,殺された人に触れた人は全員,皆さんも捕虜も,3日目と7日目に自分を清めるべきです。
20 また,服,革製品,ヤギの毛でできた物,木製品も全部,罪から清めるべきです」。
  21 祭司エレアザルが,戦いに行ってきた兵士たちにこう言った。「これはエホバがモーセに命じた律法に
よる法令です。 22 『金,銀,銅,鉄,スズ,鉛, 23 すなわち火で処理できる物は全部,火の中を通しなさ
い。それは清くなる。ただし,清めの水によっても清める。そして,火で処理できない物は全部,水の中を通
しなさい。 24 あなたたちは7日目に服を洗って清くなるべきである。それから宿営に入ってよい』」。
  25 エホバはモーセにこう言った。 26 「祭司エレアザルと民の家長たちと一緒に,捕らえた人と動物の
両方を数え,略奪品の目録を作りなさい。 27 略奪品を2つに分け,戦いに加わった兵士の分と民の残りの人
たちの分とするように。 28 エホバへの税として,戦いに行った兵士たちから,人,牛,ロバ,羊について5
00分の1を取る。 29 彼らに与える半分の中からそれを取り,祭司エレアザルに渡してエホバへの寄進物と
すべきである。 30 他のイスラエル人に与える半分からは,人,牛,ロバ,羊,あらゆる家畜について50分
の1を取り,エホバの幕屋に関係する務めを果たすレビ族に渡すべきである」。
  31 モーセと祭司エレアザルは,エホバがモーセに命じた通りにした。 32 戦利品,すなわち遠征に行っ
た人々が略奪した物の残りは次の通りである。羊67万5000匹, 33 牛7万2000頭, 34 ロバ6万1
000頭。 35 男性と性関係を持ったことがない女性は3万2000人だった。 36 戦いに行った人たちが受
ける分である半分は,羊について33万7500匹となり, 37 そのうちエホバへの税は675匹となった。
38 牛は3万6000頭で,エホバへの税は72頭だった。 39 ロバは3万500頭で,エホバへの税は61
頭だった。 40 人は1万6000人で,エホバへの税は32人だった。 41 モーセは,税をエホバへの寄進物
として祭司エレアザルに渡した。エホバがモーセに命じた通りである。
  42 イスラエル人のものとなる半分,すなわち戦った人たちのものとは別にした分は,次の通りである。
43 羊33万7500匹, 44 牛3万6000頭, 45 ロバ3万500頭, 46 人1万6000人。 47 モ
ーセは,イスラエル人のものとなる半分から,人と動物について50分の1を取り,エホバの幕屋の務めを果
たすレビ族に渡した。エホバがモーセに命じた通りである。
  48 千人隊の任命された人たち,千人長と百人長がモーセの所に来て, 49 こう言った。「指揮下の兵士
を数え,全員無事であることを確認いたしました。 50 ですから,各自が見つけた物,すなわち金の物品,足
首の飾り,腕輪,認印指輪,耳輪などの装飾品をエホバへの捧げ物として差し出させてください。エホバの前
で私たち自身のために贖罪を行うためです」。
  51 モーセと祭司エレアザルは,彼らから金を,装飾品全部を受け取った。 52 千人長と百人長がエホバ
に捧げた寄進物の金は全部で190キロとなった。 53 兵士たちはそれぞれ自分のために略奪品を手に入れて
いた。 54 モーセと祭司エレアザルは,千人長と百人長から金を受け取って会見の天幕の中に持っていき,エ
ホバがしてくださったことをイスラエルの民が思い起こすようにした。
  32 章
  1 ルベンの子たちとガドの子たちは非常に多くの家畜を持っていた。そしてヤゼルやギレアデの土地を見
ると,そこは家畜に適した場所だった。 2 それでモーセと祭司エレアザルと民の長たちの所に来て,こう言っ
た。 3 「アタロト,ディボン,ヤゼル,ニムラ,ヘシュボン,エルアレ,セバム,ネボ,ベオンなど, 4 エ
ホバがイスラエルの民のために征服してくださった土地は,家畜に適した土地です。そして私たちには家畜が
たくさんおります」。 5 さらにこう言った。「私たちがあなたの好意を得ていましたら,この土地を私たちの
所有地としてお与えください。私たちがヨルダン川を渡らなくてもよいようにしてください」。
  6 モーセはガドの子たちとルベンの子たちに言った。「兄弟たちが戦いに行く一方で,皆さんはここで暮
らしているというのですか。 7 一体どうして,エホバが与えてくださるはずの土地に渡っていこうとするイス
ラエルの民の意欲を失わせるのですか。 8 皆さんの父親たちも,その土地を見るためにカデシュ・バルネアか
ら遣わされた時に,そのようにしました。 9 エシュコルの谷まで上っていって,エホバが与えてくださるはず
の土地を見た時に,その土地に入っていこうとするイスラエルの民の意欲を失わせたのです。 10 その日,エ
ホバは怒りに燃え,こう誓いました。 11 『エジプトから出てきた20歳以上の人たちは,私がアブラハム,
イサク,ヤコブに誓った土地を見ない。私に心から従わなかったからである。 12 ただし,ケナズ人エフネの
子カレブとヌンの子ヨシュアは別である。2人はエホバに心から従ったからである』。 13 エホバはイスラエ
ルに対して怒りに燃え,彼らを40年間,荒野でさまよわせました。そしてエホバから見て悪を行っていた世
代の人は皆,終わりを迎えました。 14 今度は皆さんが,イスラエルに対するエホバの燃える怒りを激しくさ
せる罪深い人たちの子として,父親たちと同じように立ち上がっています。 15 神に従うことをやめるなら,
神は必ず民を再び荒野に置きます。皆さんのせいで,この民全てが滅びることになります」。
  16 その後,彼らはモーセの所に来て,こう言った。「ここに,家畜のために石囲いを,子供たちのために
町を造らせてください。 17 それでも,私たちは戦う態勢を保ち,イスラエル人を皆彼らの場所に連れていく
まで,先頭を行きます。その間,私たちの子供たちは防備された町にいて,この土地の住民から守られます。
18 私たちは,イスラエル人がそれぞれ自分の土地を得るまでは家に帰りません。 19 とはいえ,ヨルダン川
の向こう側で彼らと一緒に土地を得ることはしません。ヨルダン川の東側で土地を得ているからです」。
  20 モーセは答えた。「もし皆さんがエホバの前で戦いのために武器を取るつもりなら, 21 エホバの前
で武器を取ってヨルダン川を渡るなら,神が敵をご自分の前から追い払い, 22 土地がエホバの前で制圧され
た後,皆さんは帰ることができます。エホバとイスラエルの前で罪はありません。この土地はエホバの前で皆
さんの所有地となります。 23 しかし,もしそうしないなら,エホバに対して罪を犯すことになります。その
場合,罪の報いを受けることになるでしょう。 24 子供たちのために町を,羊のために石囲いを造って構いま
せん。しかし,約束したことを果たさなければなりません」。
  25 ガドの子たちとルベンの子たちはモーセに言った。「私たちはご命令通りにいたします。 26 子供と
妻たちと全ての家畜は,ギレアデの町々にとどまります。 27 しかし男性は,お言葉通り,皆エホバの前で戦
うために武装して渡っていきます」。
  28 モーセは彼らに関して,祭司エレアザルとヌンの子ヨシュア,イスラエルの部族の家長たちに命令を与
えた。 29 モーセは言った。「ガドの子たちとルベンの子たちでエホバの前で戦うために武装した男性全員が,
皆さんと一緒にヨルダン川を渡り,皆さんが土地を制圧したなら,ギレアデの土地を彼らの所有地として与え
なさい。 30 しかし,もし武器を取って皆さんと一緒に渡っていかないなら,彼らはカナン地方で皆さんの間
に定住することになります」。
  31 それに対してガドの子たちとルベンの子たちは言った。「エホバが私たちに話されたことをその通りに
いたします。 32 私たちは武器を取って,エホバの前でカナン地方に渡っていきます。それでも,私たちが授
かる所有地はヨルダン川のこちら側です」。 33 モーセは,ガドの子たちとルベンの子たち,またヨセフの子
マナセの部族の半分に,アモリ人の王シホンの王国とバシャンの王オグの王国,領土内の町々の土地や周辺地
域の町々を与えた。
  34 ガドの子たちは以下の町を造った。ディボン,アタロト,アロエル, 35 アトロト・ショファン,ヤゼ
ル,ヨグベハ, 36 ベト・ニムラ,ベト・ハラン。防備された町である。また,羊のために石囲いを造った。
37 ルベンの子たちは以下の町を造った。ヘシュボン,エルアレ,キルヤタイム, 38 ネボ,バアル・メオン
(これらの名前は変えられている),そしてシブマ。彼らは再建した町の名前を変えていった。
  39 マナセの子マキルの子たちはギレアデに進軍し,そこを攻め取り,そこにいたアモリ人を追い払った。
40 モーセはギレアデをマナセの子マキルの子たちに与え,彼らはそこに住むようになった。 41 マナセの子
ヤイルも進軍してその地域の天幕村を攻め取り,ハボト・ヤイルと呼ぶことにした。 42 ノバハも進軍してケ
ナトと周辺の町を攻め取り,そこに自分の名前を付けてノバハと呼ぶことにした。
  33 章
  1 モーセとアロンに率いられてグループごとにエジプトを出たイスラエルの民の行程は以下の通りだった。
2 モーセはエホバの指示で各行程の出発地を記録していった。以下が,ある出発地から次の所までの行程であ
る。 3 イスラエル人は第1の月の15日にラメセスを出発した。過ぎ越しの翌日に,全てのエジプト人が見る
中,意気揚々と出ていった。 4 エジプト人は,エホバが打った全ての初子を葬っていた。エホバは彼らの神々
を裁いて処罰したのである。
  5 イスラエル人はラメセスを出発して,スコトに宿営した。 6 スコトを出発して,荒野の端にあるエタ
ムに宿営した。 7 エタムを出発し,バアル・ツェフォンが見えるピハヒロトに向かって引き返し,ミグドルの
前に宿営した。 8 ピハヒロトを出発し,海の中を通って荒野に入り,エタムの荒野を3日間進んで,マラに宿
営した。
  9 民はマラを出発してエリムに来た。エリムには12の泉と70本のヤシの木があったので,そこに宿営
した。 10 エリムを出発して,紅海のそばに宿営した。 11 紅海を出発して,シンの荒野に宿営した。 12
シンの荒野を出発して,ドフカに宿営した。 13 ドフカを出発して,アルシュに宿営した。 14 アルシュを出
発して,レフィディムに宿営した。そこには民の飲む水がなかった。 15 レフィディムを出発して,シナイの
荒野に宿営した。
  16 民はシナイの荒野を出発して,キブロト・ハタアワに宿営した。 17 キブロト・ハタアワを出発して,
ハツェロトに宿営した。 18 ハツェロトを出発して,リトマに宿営した。 19 リトマを出発して,リモン・ペ
レツに宿営した。 20 リモン・ペレツを出発して,リブナに宿営した。 21 リブナを出発して,リサに宿営し
た。 22 リサを出発して,ケヘラタに宿営した。 23 ケヘラタを出発して,シェフェル山に宿営した。
  24 民はシェフェル山を出発して,ハラダに宿営した。 25 ハラダを出発して,マクヘロトに宿営した。
26 マクヘロトを出発して,タハトに宿営した。 27 タハトを出発して,テラに宿営した。 28 テラを出発し
て,ミトカに宿営した。 29 ミトカを出発して,ハシュモナに宿営した。 30 ハシュモナを出発して,モセロ
トに宿営した。 31 モセロトを出発して,ベネ・ヤアカンに宿営した。 32 ベネ・ヤアカンを出発して,ホル・
ハギドガドに宿営した。 33 ホル・ハギドガドを出発して,ヨトバタに宿営した。 34 ヨトバタを出発して,
アブロナに宿営した。 35 アブロナを出発して,エツヨン・ゲベルに宿営した。 36 エツヨン・ゲベルを出発し
て,チンの荒野,カデシュに宿営した。
  37 民はカデシュを出発して,エドム地方の境界にあるホル山に宿営した。 38 祭司アロンはエホバの指
示でホル山に登っていき,イスラエル人がエジプトを出てから40年目,第5の月の1日にそこで死んだ。 39
アロンはホル山で死んだ時,123歳だった。
  40 カナン地方のネゲブに住むカナン人,アラドの王は,イスラエル人が来ることを聞いた。
  41 民はホル山を出発して,ツァルモナに宿営した。 42 ツァルモナを出発して,プノンに宿営した。 43
プノンを出発して,オボトに宿営した。 44 オボトを出発して,モアブの国境にあるイエ・アバリムに宿営し
た。 45 イイムを出発して,ディボン・ガドに宿営した。 46 ディボン・ガドを出発して,アルモン・ディブラ
タイムに宿営した。 47 アルモン・ディブラタイムを出発して,ネボの前にあるアバリムの山地に宿営した。
48 アバリムの山地を出発して,ヨルダン川のそば,エリコの向かいのモアブの砂漠平原に宿営した。 49 民
は,ベト・エシモトからアベル・シッテムにかけて,モアブの砂漠平原に,ヨルダン川沿いに宿営していた。
  50 エホバは,ヨルダン川のそば,エリコの向かいのモアブの砂漠平原でモーセに話した。 51 「イスラ
エル人にこう告げなさい。『あなたたちはヨルダン川を渡ってカナン地方に入る。 52 その土地の住民を皆あ
なたたちの前から追い払い,彼らの石の彫り物や金属像を全て打ち壊さなければならない。彼らの聖なる高い
場所を全て破壊すべきである。 53 あなたたちはその土地を手に入れてそこに住む。私が必ず所有地として与
えるからである。 54 あなたたちは,氏族間でくじによって土地を配分しなければならない。大人数であれば,
相続していく土地を多くし,小人数であれば,少なくすべきである。くじで当たる所が所有地となる。父の部
族に従って,相続していく所有地を得る。
  55 しかし,もしその土地の住民をあなたたちの前から追い払わないなら,残しておいた人たちは目に入る
とげ,脇腹を刺すいばらとなって,あなたたちが住む土地であなたたちを悩ませる。 56 私は,彼らに行うつ
もりだったことをあなたたちに行う』」。
  34 章
  1 エホバはモーセにさらにこう話した。 2 「イスラエル人にこう指示しなさい。『あなたたちがカナン
地方に入る時,あなたたちが授かる土地,カナン地方の境界線は以下の通りとする。
  3 南の境界は,エドムの横のチンの荒野から延びる。南の境界線は,東は塩の海の先端から始まる。 4
境界線は向きを変えてアクラビムの上り坂の南を通り,チンに続き,カデシュ・バルネアの南に達する。それか
らハツァル・アッダルに延びて,アツモンに続く。 5 そしてアツモンで向きを変えてエジプトの谷に向かい,
海に達する。
  6 西の境界線は,大海とその沿岸である。これが西の境界線となる。
  7 北の境界線は次の通りである。大海からホル山まで境界線を引く。 8 ホル山からレボ・ハマトまで境界
線を引き,境界線はツェダドに達する。 9 そしてジフロンに延びて,ハツァル・エナンに達する。これが北の
境界線となる。
  10 東は,ハツァル・エナンからシェファムまで境界線を引く。 11 境界線はシェファムから,アインの東
のリブラに延びる。境界は下ってキネレト湖の東斜面を横切る。 12 そしてヨルダン川に延び,塩の海に達す
る。以上があなたたちの土地と周囲の境界線となる』」。
  13 モーセはイスラエル人に指示し,こう言った。「これがくじによって所有地として配分する土地です。
エホバが9部族半に与えるようにと命じた通りです。 14 ルベン族とガド族,マナセ族の半分は,すでに土地
を得ているからです。 15 その2部族半は,エリコのそばのヨルダン川の地方の東,日の出の側ですでに土地
を得ています」。
  16 エホバはモーセにさらに話した。 17 「あなたたちに所有地として土地を分ける人たちの名前は,祭
司エレアザルとヌンの子ヨシュアである。 18 また,あなたたちが授かる土地を分けるため,各部族から長を
1人取る。 19 以下がその人たちの名前である。ユダ族からエフネの子カレブ。 20 シメオンの子たちの部族
からアミフドの子シェムエル。 21 ベニヤミン族からキスロンの子エリダド。 22 ダンの子たちの部族から長
としてヨグリの子ブキ。 23 ヨセフの子のうち,マナセの子たちの部族からは長としてエフォドの子ハニエル。
24 エフライムの子たちの部族からは長としてシフタンの子ケムエル。 25 ゼブルンの子たちの部族から長と
してパルナクの子エリザパン。 26 イッサカルの子たちの部族から長としてアザンの子パルティエル。 27 ア
シェルの子たちの部族から長としてシェロミの子アヒフド。 28 ナフタリの子たちの部族から長としてアミフ
ドの子ペダフエル」。 29 以上が,カナン地方でイスラエル人に土地を分配するようエホバが命じた人たちで
ある。
  35 章
  1 エホバは,ヨルダン川のそば,エリコの向かいのモアブの砂漠平原で,続けてモーセに言った。 2
「イスラエル人に,所有する土地の中からレビ族に住む町を与えるよう指示しなさい。町の周囲の牧草地もレ
ビ族に与えるべきである。 3 レビ族はそれらの町に住み,牧草地は彼らの家畜,所有物,他の全ての動物のた
めのものとなる。 4 レビ族に与える町の牧草地は,町の周囲の城壁から外側に450メートルである。 5 町
を真ん中にして外側を,東側は900メートル,南側は900メートル,西側は900メートル,北側は90
0メートル測るべきである。これがレビ族の町の牧草地となる。
  6 レビ族に与える町は,6つの避難の町,すなわち人を殺した者が逃げるための町,および42の町であ
る。 7 レビ族に合計48の町とその牧草地を与える。 8 イスラエル人の所有地の中からそれらの町を与える。
大きな部族からは多く取り,小さな部族からは少なく取る。各部族が,授かった土地に応じて幾つかの町をレ
ビ族に与える」。
  9 エホバは続けてモーセに言った。 10 「イスラエル人に告げなさい。『あなたたちはヨルダン川を渡っ
てカナン地方に行く。 11 自分たちにとって都合の良い町を選び,避難の町とすべきである。意図せずに人を
殺した者はそこに逃げるべきである。 12 それらの町は復讐者からの避難所となる。これは,人を殺した者が
民の前で裁かれるまでに死ぬことのないためである。 13 あなたたちが与える6つの避難の町がこの目的を果
たす。 14 ヨルダン川のこちら側で3つの町,カナン地方で3つの町を避難の町とする。 15 これら6つの町
は,イスラエル人,外国人居住者,共にいる移住者にとって避難所となり,誰でも意図せずに人を殺した者は
そこに逃げられる。
  16 しかし,ある者が鉄の道具で誰かを打って,その人が死んだなら,その者は殺人者である。必ず死刑に
されるべきである。 17 また,人を死なせかねない石で誰かを打って,その人が死んだなら,その者は殺人者
である。必ず死刑にされるべきである。 18 また,人を死なせかねない木の道具で誰かを打って,その人が死
んだなら,その者は殺人者である。必ず死刑にされるべきである。
  19 復讐者である人が殺人者を死刑にする。その人が,殺人者に出会った時に,死刑にする。 20 また,
ある者が誰かを憎んで突き飛ばしたり,悪意をもって物を投げ付けたりして,その人が死んだなら, 21 ある
いは誰かを憎んで素手で殴り,その人が死んだなら,その者は必ず死刑にされる。その者は殺人者である。復
讐者はその殺人者に出会った時に死刑にする。
  22 しかし,憎んではいないが思わず,誰かを突き飛ばしたり悪意なく誰かに物を投げたりした場合, 23
あるいは,見えていなくて誰かの上に石を落としてしまい,敵意も傷つけるつもりもなかった場合,その人が
死んだなら, 24 裁判人はこれらの規定に沿って,加害者と復讐者との裁判を開くべきである。 25 裁判人は,
人を殺した者を復讐者から救い,その者が逃げていた避難の町に戻す。聖なる油で任命された大祭司の死まで,
その者はそこにとどまらなければならない。
  26 人を殺した者が,逃げ込んだ避難の町の境界から出るなら, 27 復讐者は避難の町の境界の外でその
者を見つけて殺したとしても,流血の罪を負わない。 28 その者は大祭司の死まで避難の町にとどまっていな
ければならないからである。大祭司の死後は,人を殺した者は自分が所有する土地に戻ってよい。 29 以上は,
どこに住んでいても,代々守るべき裁きの法令となる。
  30 人を殺した者は,証人たちの証言によって殺人者として死刑にされるべきである。誰も,ただ1人の証
人の証言によって死刑にされることはない。 31 死に値する殺人者の命のための贖いを受け取ってはならない。
その者は必ず死刑にされるべきだからである。 32 また,避難の町に逃げた人のための贖いを受け取って,大
祭司の死の前に自分の土地に戻って住むのを許してもならない。
  33 あなたたちが住む土地を汚してはならない。血が土地を汚すのである。土地に流された血に関して,そ
れを流した者の血による以外に贖罪はなされない。 34 あなたが暮らす土地,私が住んでいる土地を汚しては
ならない。私エホバはイスラエルの民の中に住んでいるのである』」。
  36 章
  1 ヨセフの子たちの氏族のうち,マナセの子マキルの子ギレアデの子孫の氏族の長たちが近づいてきて,
モーセとイスラエル人の長たちの前で話した。 2 こう言った。「エホバはあなたに,土地をくじによってイス
ラエル人に所有地として分配するようにとお命じになりました。また,あなたは,私たちの兄弟ツェロフハド
が授かる土地を彼の娘たちに与えるようにとの命令をエホバからお受けになりました。 3 とはいえ,彼女たち
がイスラエルの他の部族の男性と結婚したら,彼女たちが相続する土地は,私たちの父たちの相続分から外れ,
彼女たちが所属するようになる部族の土地に加えられます。くじで配分された私たちの土地からは外れてしま
うのです。 4 イスラエルの民にとってヨベルが来ても,彼女たちが相続する土地は彼女たちが所属している部
族の土地に加えられたままです。こうして,彼女たちが相続する土地は,私たちの父たちの部族の土地から外
れることになります」。
  5 モーセは,エホバの指示でイスラエル人にこう命じた。「ヨセフの子たちの部族が言うことは正しいで
す。 6 ツェロフハドの娘たちのためにエホバはこう命じました。『彼女たちは望む人と結婚してよい。ただし,
父親の部族内の氏族の人と結婚すべきである。 7 イスラエル人の相続地を部族から部族へと移してはならない。
イスラエル人は父祖の部族の相続地を保持するべきである。 8 イスラエルの部族の中で相続地を所有する娘は
皆,父親の部族の人の妻となるべきである。イスラエル人が自分の父祖の相続地を所有し続けるためである。
9 相続地を1つの部族から別の部族へと移してはならない。イスラエルの各部族は自分の相続地を保持すべき
である』」。
  10 ツェロフハドの娘たちはエホバがモーセに命じた通りにした。 11 マフラ,ティルツァ,ホグラ,ミ
ルカ,ノア,すなわちツェロフハドの娘たちは,父親の兄弟の子たちと結婚した。 12 ヨセフの子マナセに属
する氏族の男性の妻となった。彼女たちが相続する土地が,父親の部族内にとどまるためだった。
  13 以上が,ヨルダン川のそば,エリコの向かいのモアブの砂漠平原で,エホバがモーセを通してイスラエ
ル人に与えたおきてと法規である。

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