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ホセア書

概要
1章
ホセアの妻と,妻が産んだ子供たち(1‐9節)
エズレル(4節),ロ・ルハマ(6節),ロ・アミ(9節)
復興と一致の希望(10,11節)
2章
不忠実なイスラエルへの処罰(1‐13節)
夫エホバのもとに戻る(14‐23節)
「あなたは私を夫と呼ぶ」(16節)
3章
ホセアは姦淫をしている妻を買い戻す(1‐3節)
イスラエルがエホバのもとに戻ってくる(4,5節)
4章
イスラエルに対するエホバの訴訟(1‐8節)
神についての知識がない(1節)
イスラエルの偶像崇拝とふしだらな行い(9‐19節)
不道徳な欲望によって道を踏み外す(12節)
5章
エフライムとユダは裁かれる(1‐15節)
6章
エホバのもとに戻ろうという呼び掛け(1‐3節)
揺るぎない愛がほとんど見られない(4‐6節)
大切なのは犠牲よりも揺るぎない愛(6節)
民の恥ずべき行い(7‐11節)
7章
エフライムの悪が語られる(1‐16節)
神の網から逃れることはできない(12節)
8章
偶像崇拝の結果を刈り取る(1‐14節)
風をまき,暴風を刈り取る(7節)
イスラエルは自分を造った神を忘れた(14節)
9章
エフライムは罪のために神に退けられる(1‐17節)
恥ずべき神に身を捧げる(10節)
10章
質の悪いブドウの木であるイスラエルは荒れ果てる(1‐15節)
まいて,刈り取る(12,13節)
11章
イスラエルは少年の頃から神に愛された(1‐12節)
「わが子をエジプトから呼び出した」(1節)
12章
エフライムはエホバのもとに戻るべき(1‐14節)
ヤコブは神と闘った(3節)
ヤコブは神の恵みを求めて泣いた(4節)
13章
エフライムは偶像を崇拝し,エホバを忘れた(1‐16節)
「死よ,さあ,とげで刺してみよ」(14節)
14章
エホバのもとに戻るようにとの呼び掛け(1‐3節)
賛美の言葉を捧げる(2節)
イスラエルは癒やされ,不忠実ではなくなる(4‐9節)
  1 章
  1 ユダの王ウジヤ,ヨタム,アハズ,ヒゼキヤの時代,イスラエルの王ヨアシュの子ヤラベアムの時代に,
エホバがベエリの子ホセアに語った言葉。 2 エホバがホセアを通して語り始めた時,エホバはホセアにこう言
った。「結婚しなさい。あなたの妻は売春をするようになり,あなたは妻の売春によって子供たちを持つ。こ
の土地は売春によってエホバに全く従わなくなったからだ」。
  3 そこでホセアはディブライムの娘ゴメルと結婚した。ゴメルは妊娠し,ホセアとの間に男の子が生まれ
た。
  4 エホバはホセアに言った。「その子をエズレルと名付けなさい。私は間もなくエヒウの子孫にエズレル
の流血行為の責任を問い,イスラエルの王国を終わらせるからだ。 5 その日,私はエズレルの谷でイスラエル
の弓を折る」。
  6 ゴメルは再び妊娠し,女の子を産んだ。神はホセアに言った。「その子をロ・ルハマと名付けなさい。私
はイスラエル国民にもう憐れみを示さないからだ。彼らを必ず追い払う。 7 だが,ユダ国民には憐れみを示し,
神である私エホバが救う。ただし,弓や剣や戦いや馬や騎手によって救うのではない」。
  8 ロ・ルハマが乳離れした後,ゴメルは妊娠して男の子を産んだ。 9 神は言った。「その子をロ・アミと
名付けなさい。あなたたちは私の民ではないし,私はあなたたちの神ではないからだ。
  10 イスラエルの民の数は海の砂のようになり,量ることも数えることもできないほどになる。彼らは,
『あなたたちは私の民ではない』と言われた場所で,『生きている神の子たち』と言われることになる。 11
ユダの民とイスラエルの民は集められて一つになり,自分たちのために1人の長を選び,そこから出ていく。
エズレルの日は大いなる日となるのである。
  2 章
  1 兄弟たちに,『私の民』と言え。
  姉妹たちに,『憐れみを示される女性』と言え。
  2 母親を訴えよ。訴えよ。
  彼女は私の妻ではなく,私は彼女の夫ではない。
  彼女は売春をやめるべきだ。
  乳房の間から姦淫を除くべきだ。
  3 さもないと,私は彼女を裸にして,生まれた日のようにする。
  彼女を荒野のようにし,
  水のない土地のようにし,
  喉の渇きで死なせる。
  4 私は彼女の子たちに憐れみを示さない。
  売春による子だからだ。
  5 その子たちの母親は売春をした。
  その子たちを身ごもったのは,恥ずべきことをした女性。
  『愛人たちに付いていこう。
  私には,パンと水,羊毛と亜麻,油と飲み物をくれる愛人たちがいる』と,彼女は言った。
  6 だから,私は彼女の道をいばらの垣根で遮る。
  石の塀を立てて,
  彼女が道を見つけられないようにする。
  7 彼女は愛人たちを追い掛けるが,追い付けない。
  彼らを捜すが,見つけられない。
  彼女は,『夫の所に帰ろう。
  あの頃の方が今よりもよかった』と言う。
  8 彼女は認めなかった。
  穀物や新しいぶどう酒や油を与えたのも,
  銀や金をたくさん与えたのも私であることを。
  彼女はそれらをバアルのために使った。
  9 『だから私は対応を変え,
  収穫の時に穀物を,
  取り入れの時に新しいぶどう酒を取り去る。
  裸を覆う羊毛と亜麻を彼女から奪い去る。
  10 今,私は彼女の局部を愛人たちにさらす。
  彼女を私の手から助け出す者はいない。
  11 私は彼女からあらゆる喜びを奪い,
  祭り,新月,安息日,祝祭全てを終わらせる。
  12 私は彼女のブドウとイチジクの木々を荒らす。
  彼女が「報酬としてもらったもの,愛人たちがくれたもの」と言った木々である。
  私はそれらをただの林にして,野生動物に食い荒らさせる。
  13 私は,彼女がバアルの像に犠牲を捧げた日々について責任を問う。
  その日々,彼女は指輪や装飾品で身を飾って,愛人たちを追い掛け,
  私のことを忘れた』と,エホバは宣言する。
  14 『私は彼女を荒野に行かせるが,
  彼女を説得する。
  彼女の心に語り掛ける。
  15 それ以後,私は彼女にブドウ園を返し,
  アコルの谷を希望の門として与える。
  彼女はそこで,若かった時と同じように,
  エジプトから出てきた日と同じように答える。
  16 その日,あなたは私を夫と呼ぶ。
  もう主人とは呼ばない』と,エホバは宣言する。
  17 『私は彼女がバアルの像の名前を口にすることがないようにする。
  その名前は二度と思い出されなくなる。
  18 その日,私は民のために,
  野生動物や鳥や地面を動く生き物と契約を結ぶ。
  この土地から弓と剣と戦いをなくし,
  彼らが安心して横になれるようにする。
  19 私はあなたに永遠の結婚の約束をする。
  正しさと公正と揺るぎない愛と憐れみによってあなたに約束する。
  20 私は誠実にあなたに約束する。
  あなたは必ずエホバを知る』。
  21 エホバは宣言する。
  『その日,私は答える。
  私は天に答え,天は地に答える。
  22 地は穀物と新しいぶどう酒と油に答え,
  それらの物はエズレルに答える。
  23 私は私の民を種のように地上にまく。
  憐れみを示されていなかった人たちに憐れみを示し,
  私の民ではなかった人たちに,「あなたは私の民である」と言う。
  彼らは,「あなたは私の神です」と言う』」。
  3 章
  1 エホバは私に言った。「別の男に愛され,姦淫をしているその女を,もう一度愛しなさい。ほかの神々
に頼り,干しぶどうの菓子を好んでいるイスラエルの民を,エホバは同じように愛する」。
  2 そこで私は銀15枚と大麦330リットルで彼女を買い取った。 3 そして彼女に言った。「長い間,
あなたは私のものとなる。あなたは売春をしてはならず,ほかの男と関係を持ってはならない。私もあなたと
関係を持たない」。
  4 これは,イスラエルの民が長い間,王も高官も犠牲も柱もエフォドやテラフィム像もなく住むことにな
るからである。 5 その後,イスラエルの民は戻ってきて,エホバ神に仕え,自分たちの王ダビデを探し求める。
最後の日々,彼らは善いものを頂こうとして,畏れを抱いてエホバのもとに来る。
  4 章
  1 イスラエルの民よ,エホバの言葉を聞け。
  エホバには,この土地の住民に対する訴訟がある。
  この土地には,真実も,揺るぎない愛も,神についての知識もないからだ。
  2 偽りの誓い,うそ,殺人,
  盗み,姦淫がはびこり,
  流血行為が相次いでいる。
  3 そのためこの土地は嘆き悲しみ,
  住民は皆,衰える。
  野生動物も鳥も,魚さえも死に絶える。
  4 「しかし,誰も言い争ったり戒めたりしてはいけない。
  あなたの民は,祭司と言い争う者たちのようだからだ。
  5 あなたは真昼につまずき,
  預言者もあなたと共につまずく。
  まるで夜であるかのように。
  私はあなたの母を沈黙させる。
  6 私の民は私を知らないので,沈黙させられる。
  あなたが私を知ろうとしなかったので,
  私もあなたを退けて,祭司として私に仕えさせることはもうしない。
  あなたが神の律法を忘れたので,
  私もあなたの子たちを忘れる。
  7 祭司は増えれば増えるほど,私に対してますます罪を犯した。
  私は彼らの栄光を恥に変える。
  8 彼らは私の民の罪に食い付き,
  民の過ちをむさぼる。
  9 民も祭司も同じようになる。
  私は彼らの行いについて責任を問う。
  行動の報いを受けさせる。
  10 彼らは食べても満たされない。
  ふしだらな関係を持っても子孫は増えない。
  エホバを軽視したからである。
  11 ふしだらな関係とぶどう酒と新しいぶどう酒は,
  正しいことをしようという気持ちを失わせる。
  12 私の民は木像に尋ね,
  つえが告げることを行う。
  彼らはふしだらな欲望によって道を踏み外し,
  ふしだらな関係によって神に従わなくなる。
  13 彼らは山の頂で犠牲を捧げ,
  丘で犠牲を焼いて煙にする。
  巨木やエゴノキや大木の下でそうする。
  木陰が心地よいからだ。
  そのため,あなたたちの娘は売春をし,
  嫁は姦淫をする。
  14 私は売春についてあなたたちの娘に,
  姦淫についてあなたたちの嫁に責任を問うことはしない。
  男たちが娼婦と一緒に出掛け,
  神殿娼婦と一緒に犠牲を捧げているからである。
  分かっていないそれらの民は破滅する。
  15 イスラエルよ,あなたは売春をしている。
  だが,ユダは罪を犯すな。
  あなたたちはギルガルやベト・アベンに行ってはいけない。
  『生きている神エホバに懸けて』と言って誓ってはいけない。
  16 頑固な雌牛のように,イスラエルは頑固になった。
  エホバは今,広い牧草地で若い雄羊を世話するように,彼らを世話するだろうか。
  17 エフライムは偶像と組んでいる。
  放っておけ!
  18 麦酒が底を突くと,
  彼らはふしだらな関係を持つ。
  支配者たちは恥ずべきことに溺れる。
  19 風の翼に巻き込まれ,
  彼らは捧げた犠牲を恥じることになる」。
  5 章
  1 「祭司たちよ,聞け。
  イスラエル国民よ,注意を払え。
  王家よ,耳を傾けよ。
  あなたたちは裁かれる。
  あなたたちはミツパのわな,
  タボルに広げられた網だからである。
  2 離れ落ちていく者たちは,ほふることにはまり込んだ。
  私は彼ら全てに警告する。
  3 私はエフライムを知っている。
  イスラエルは私の目から隠されてはいない。
  エフライムよ,あなたはふしだらな関係を持った。
  イスラエルは自分を汚した。
  4 彼らは行いのゆえに神のもとに戻れない。
  彼らの中にふしだらな欲望があるからだ。
  彼らはエホバを認めない。
  5 イスラエルの誇りが罪の証拠だ。
  イスラエルとエフライムは過ちを犯したため,倒れた。
  ユダも彼らと共に倒れた。
  6 羊や牛を連れ,彼らはエホバを探し求めに行った。
  だが,見つけられなかった。
  神は彼らから離れたのである。
  7 彼らはエホバを裏切った。
  外国人の子を持つようになった。
  1カ月のうちに,彼らは自分の分と一緒に滅ぼされる。
  8 ギベアで角笛を,ラマでラッパを吹き鳴らせ!
  ベト・アベンでときの声を上げよ!
  ベニヤミンよ,軍隊を率いよ。
  9 処罰の日,エフライムは恐怖の光景となる。
  イスラエルの部族の中で,必ず起きる事柄を私は知らせた。
  10 ユダの高官たちは境界線をずらす者のようだ。
  私は激怒を水のように彼らに浴びせる。
  11 エフライムは圧迫され,裁きで打ち砕かれる。
  自分の敵に従うことにしたからである。
  12 私はエフライムにとって蛾のようで,
  ユダにとって腐れのようだった。
  13 エフライムが自分の病気を,ユダが自分の潰瘍を見た時,
  エフライムはアッシリアに行き,大王のもとに使者を送った。
  だが,大王はあなたたちを癒やせなかった。
  あなたたちの潰瘍を治せなかった。
  14 私はエフライムに対して若いライオンのように,
  ユダに対して強いライオンのようになる。
  私は彼らを引き裂き,運び去る。
  救い出す者はいない。
  15 私は自分の場所に戻る。
  彼らが罪の報いを受けるまで。
  彼らは私の好意を求める。
  苦しむ中,私の助けを求める」。
  6 章
  1 「さあ,エホバのもとに戻ろう。
  神は私たちを引き裂いたが,癒やしてくださる。
  私たちを打ったが,傷を包んでくださる。
  2 神は2日後に私たちを生き返らせ,
  3日目に起き上がらせてくださり,
  私たちは神の前で生きる。
  3 私たちはエホバを知る。
  知ろうと真剣に努力する。
  朝日のように,神は必ず出てこられる。
  降り注ぐ雨のように,
  大地を潤す春の雨のように,私たちの所に来られる」。
  4 「エフライムよ,私はあなたをどうしたらよいのか。
  ユダよ,あなたをどうしたらよいのか。
  あなたたちが抱いていると言う揺るぎない愛は,
  朝の雲やすぐに消える露のようだ。
  5 だから私は預言者たちによってあなたを切り倒す。
  私の口の言葉であなたを殺す。
  あなたへの判決は光のように放たれる。
  6 私が喜ぶのは犠牲ではなく,揺るぎない愛である。
  全焼の捧げ物ではなく,神を知ることである。
  7 しかし彼らは,ただの人のように契約を破った。
  私をそこで裏切った。
  8 ギレアデは悪を行う者たちの町。
  血の足跡で覆われている。
  9 祭司の一団は待ち伏せする略奪隊のようだ。
  シェケムの路上で人を殺す。
  彼らは恥ずべきことを行う。
  10 私はイスラエルでおぞましいことを見た。
  エフライムはそこで売春をする。
  イスラエルは自分を汚した。
  11 そして,ユダよ,あなたのために収穫の時が定められている。
  その時,私は,私の民の捕らわれている人たちを集めて戻す」。
  7 章
  1 「私がイスラエルを癒やす時,
  エフライムの過ちとサマリアの悪は暴かれる。
  彼らは欺き,押し入って盗み,外では略奪を働く。
  2 私が彼らの悪全てを覚えているということを,彼らは考えもしない。
  今,彼らは自分の行いに取り囲まれている。
  彼らは私の顔の真ん前にいる。
  3 彼らは悪によって王を,
  欺きによって高官たちを喜ばせる。
  4 彼らは皆,姦淫をする。
  パン職人が火を付けたかまどのようだ。
  生地をこねて膨らむのを待つ間,かき立てなくてよいほど,燃え続ける。
  5 王の日に,高官たちはぐったりした。
  彼らはぶどう酒のせいで激怒する。
  王はあざける人たちに手を差し伸べた。
  6 彼らはかまどのように燃える心で近づく。
  パン職人は一晩中眠る。
  朝になると,かまどの火は燃え盛る。
  7 彼らは皆,かまどのように熱い。
  自分の支配者たちを食い尽くす。
  彼らの王たちは皆倒れた。
  彼らの誰も私に呼び掛けない。
  8 エフライムは国々と交じり合っている。
  エフライムは片面しか焼かれていない丸い菓子のようだ。
  9 よそ者たちに力を奪われたのに,それに気付かない。
  髪が白くなったのに,それに気付かない。
  10 イスラエルの誇りが罪の証拠だ。
  それにもかかわらず,彼らはエホバ神のもとに戻ることも,
  神を探し求めることもなかった。
  11 エフライムは,分別がない単純なハトのようだ。
  エジプトに助けを求めたり,アッシリアに行ったりした。
  12 彼らがどこに行こうと,私は彼らの上に網を広げる。
  彼らを空の鳥のように落とす。
  警告した通り,彼らを懲らしめる。
  13 彼らには災いがある! 私から逃げたからだ。
  彼らには破滅がある! 私に対して違反を犯したからだ。
  私は救おうとしたのに,彼らは私について偽りを語った。
  14 彼らは寝床で泣き叫びながらも,
  心から私を呼んで助けを求めることはなかった。
  穀物と新しいぶどう酒のために身を傷つけ,私に背く。
  15 私が訓練して,彼らの腕を強くしたにもかかわらず,
  彼らは私に逆らい,悪事をたくらむ。
  16 彼らは進路を変えたが,高いものに向かってはいない。
  彼らはたるんだ弓のように信頼できなかった。
  彼らの高官たちは,反抗的な言葉を放つため,剣によって倒れる。
  そうしてエジプトであざけりの的になる」。
  8 章
  1 「角笛を口に当てよ!
  エホバの家にワシのように向かってくる敵がいる。
  彼らが私の契約を破り,私の律法に違反したからだ。
  2 彼らは私に,『私の神よ,私たちイスラエルはあなたを知っています!』と叫ぶ。
  3 イスラエルは善いことを退けた。
  敵に追跡されるがいい。
  4 彼らは王を任命したが,それは私によるものではなかった。
  高官を任命したが,私の承認を得てはいなかった。
  銀や金で偶像を作り,身の破滅を招いた。
  5 サマリアよ,あなたの子牛は退けられた。
  彼らに対して私の怒りが燃え上がった。
  彼らはいつまで純潔になれないのか。
  6 それはイスラエルから出た。
  職人が作ったもので,神ではない。
  サマリアの子牛は粉々に砕かれる。
  7 彼らがまいているのは風。
  刈り取るのは暴風。
  穂を付ける麦は一つもなく,麦粉はできない。
  たとえできたとしても,外国人が食い尽くす。
  8 イスラエルは食い尽くされる。
  彼らは国々の中で,好ましくない器のようになる。
  9 孤立した野ロバのようにアッシリアに行ったからだ。
  エフライムは愛人を雇った。
  10 彼らが国々で愛人を雇っても,私はかき集める。
  彼らは,王や高官から課せられた重荷のせいで苦しみだす。
  11 エフライムは祭壇を増やして罪を犯した。
  それらは罪を犯すための祭壇になった。
  12 私は,私の律法の多くのことを書いて与えた。
  しかしそれらは関係のないものと見なされた。
  13 彼らは私に犠牲の供え物をし,その肉を食べるが,
  私エホバはそれを喜ばない。
  神は彼らの過ちを覚えていて,罪の罰を与える。
  彼らはエジプトのもとに戻った。
  14 イスラエルは自分を造った神を忘れ,幾つもの神殿を建てた。
  ユダも防備された町を増やした。
  私はその町々に火を放ち,
  火は各町の塔を焼き尽くす」。
  9 章
  1 「イスラエルよ,喜ぶな。
  国々のように浮かれるな。
  あなたは売春によって神から離れた。
  どの脱穀場でも売春の報酬を愛した。
  2 脱穀場にもブドウ搾り場にも養ってもらえなくなる。
  新しいぶどう酒からも見放される。
  3 エホバの土地に住み続けることはない。
  エフライムはエジプトに戻り,
  アッシリアで汚れたものを食べることになる。
  4 彼らはもうエホバにぶどう酒の捧げ物を注ぐことをしない。
  彼らの犠牲を神は喜ばない。
  それは嘆きのパンのようだ。
  それを食べる人は皆,自分を汚す。
  彼らのパンは自分だけのためのもの。
  エホバの家に持ってこられることはない。
  5 集合の日,エホバの祭りの日に,
  あなたたちは何をするのか。
  6 彼らは壊滅させられ,逃げざるを得ない。
  エジプトが彼らを集め,メンフィスが彼らを葬る。
  イラクサが彼らの銀の貴重な物を手に入れ,
  いばらが彼らの天幕の中に生える。
  7 処罰の時が来る。
  報復の時が来る。
  イスラエルは知るがいい。
  預言者は愚か者になり,神からの言葉を語る者は狂う。
  あなたの過ちが大きいため,あなたに対する敵意も大きい」。
  8 エフライムの見張りは私の神と共にいた。
  しかし預言者の全ての道は鳥を捕る者のわなのようだ。
  神の家には敵意がある。
  9 彼らはギベアの時のように,破滅へとはまり込んでいった。
  神は彼らの過ちを覚えていて,罪を罰する。
  10 「私は,荒野でブドウを見つけるかのように,イスラエルを見つけた。
  早い時期になるイチジクの最初の実を見つけるかのように,あなたたちの父祖たちを見つけた。
  しかし彼らはペオルのバアルのもとに行った。
  恥ずべきものに身を捧げ,
  自分が愛したもののように,極めて不快なものとなった。
  11 エフライムの栄光は鳥のように飛び去った。
  子を産むことも,妊娠することも,命を宿すこともない。
  12 彼らが子を育てても,私が一人残らず奪う。
  私が彼らから離れるとき,彼らには災いがある!
  13 牧草地に置かれたエフライムは,私にとってティルスのようだった。
  エフライムは今,ほふる者に子を差し出さなければならない」。
  14 エホバよ,与えるべきものを彼らに与えてください。
  流産する胎と,乳が出ない乳房を。
  15 「彼らの全ての悪がギルガルにあった。
  だから私はそこで彼らを憎むようになった。
  悪い行いのゆえに,私は彼らを私の家から追い払う。
  彼らをもう愛さない。
  彼らの高官は皆,頑固だ。
  16 エフライムは倒される。
  根が干からび,実を付けない。
  子を産むとしても,私はその貴重な子孫を死に至らせる」。
  17 私の神は彼らを退ける。
  彼らは神の言葉に耳を傾けなかった。
  国々をさまようことになる。
  10 章
  1 「イスラエルは,質の悪いブドウの木。
  実を付け,実が多くなればなるほど,祭壇を増やす。
  土地の実りが豊かになればなるほど,聖柱が立派になる。
  2 彼らの心は偽善的だ。
  彼らは有罪とされる。
  神は彼らの祭壇を壊し,柱を砕く。
  3 彼らは言う。『われわれに王はいない。
  われわれがエホバを畏れなかったからだ。
  だが,王がいたとしても,いったい何をしてくれるのか』。
  4 彼らは口先だけの言葉を発し,偽りの誓いをし,契約を結ぶ。
  裁きは,畑の畝に生え出る毒草のようだ。
  5 ベト・アベンの子牛の偶像のために,サマリアの住民たちは恐れる。
  民はその偶像について嘆き悲しむ。
  子牛の偶像とその栄光について喜んでいた外国の神の祭司たちも嘆き悲しむ。
  それは捕らえられて連れ去られるからである。
  6 それは大王への贈り物としてアッシリアに持っていかれる。
  エフライムは屈辱を味わい,
  イスラエルは従った助言のゆえに恥をかく。
  7 サマリアと王は必ず滅ぼされる。
  水に浮かぶ木切れのように。
  8 イスラエルの罪,ベト・アベンの高い場所は一掃される。
  いばらとアザミが祭壇の上に生い茂る。
  民は山に向かって,『われわれを覆ってくれ!』と言い,
  丘に向かって,『われわれにかぶさってくれ!』と言う。
  9 イスラエルよ,ギベアの時からあなたは罪を犯してきた。
  彼らは変わろうとしなかった。
  戦いは,ギベアの不正の子たちを圧倒しなかった。
  10 私は意のままに彼らを懲らしめる。
  彼らの2つの過ちが彼らにくくり付けられる時,
  彼らに対して国々が集められる。
  11 エフライムは飼いならされた若い雌牛で,喜んで脱穀していた。
  私はそのきれいな首には何もしないでおいた。
  今,私はエフライムに人を乗らせる。
  ユダは耕し,ヤコブはその人のために畑をならす。
  12 正しいことをまいて,揺るぎない愛を刈り取れ。
  自分たちのために耕作地を耕せ。
  まだエホバを探し求める時間があるうちに。
  そうすれば,私が行って正しいことを教えよう。
  13 あなたたちは悪を耕し,不正を刈り取った。
  欺きの実を味わった。
  自分のやり方を信じ,大勢の戦士たちに頼ったからだ。
  14 あなたの民に対してどよめきが起きる。
  あなたの防備された町々は全て荒らされる。
  シャルマンによってアルベルの家が荒廃したように。
  その戦闘の日,母親たちは子供と並んで打ち砕かれた。
  15 ベテルよ,あなたたちの甚だしい悪のゆえに,あなたたちに対してこうしたことが行われる。
  夜明けにイスラエルの王は必ず亡き者にされる」。
  11 章
  1 「私は,少年だった時のイスラエルを愛していた。
  わが子をエジプトから呼び出した。
  2 彼らは呼ばれれば呼ばれるほど,離れていった。
  バアルの像に犠牲を捧げ,
  彫像に犠牲を捧げ続けた。
  3 私はエフライムに歩き方を教え,腕の中に抱いた。
  だが,彼らは私に癒やされたことに気付きもしなかった。
  4 親切の縄で,愛の綱で,私は彼らを導き続けた。
  彼らの首からくびきを外してやり,
  それぞれに優しく食べ物を与えた。
  5 彼らはエジプトに戻らず,アッシリアが彼らの王となる。
  彼らが私のもとに戻ることを拒んだからだ。
  6 彼らが悪事を企てたので,
  剣が町々に向かって振り回され,
  かんぬきが破壊され,彼らは食い尽くされる。
  7 私の民は私に対してひたすら不忠実だ。
  上の方に呼ばれても,誰一人立ち上がらない。
  8 エフライムよ,どうしてあなたを見放せるだろうか。
  イスラエルよ,どうしてあなたを引き渡せるだろうか。
  どうしてあなたをアドマのように扱えるだろうか。
  どうしてあなたをツェボイイムのようにできるだろうか。
  私の心は変わり,同情に駆られた。
  9 私は燃える怒りをぶつけはしない。
  エフライムを再び滅ぼすことはしない。
  私は神であって人間ではない。
  あなたたちのただ中にいる聖なる者である。
  激怒してあなたたちに向かっていくことはない。
  10 彼らはエホバに従って歩む。
  神はライオンのようにほえる。
  ほえる時,西から子供たちが震えながらやって来る。
  11 彼らは小鳥のように震えながらエジプトから出てくる。
  ハトのように震えながらアッシリアから出てくる。
  私は彼らを家に住まわせる」と,エホバは宣言する。
  12 「エフライムはうそで私を囲み,
  欺きでイスラエルを囲んだ。
  だがユダはまだ神と共に歩き回り,
  最も聖なる者に忠実である」。
  12 章
  1 「エフライムは風にすがっている。
  一日中,東風を追い掛けている。
  うそと暴力を重ねる。
  アッシリアと契約を結び,エジプトに油を持っていく。
  2 エホバには,ユダに対する訴訟がある。
  ヤコブの歩み方について責任を問う。
  ヤコブの行いに応じて返報する。
  3 彼は胎内で兄のかかとをつかんだ。
  力強く神と闘った。
  4 天使と闘い続け,優位に立った。
  泣いて,恵みを求めた」。
  神はベテルで彼を見つけ,そこで私たちに語った。
  5 大軍を率いる神エホバ,
  エホバという名で,神は記憶される。
  6 「神のもとに戻れ。
  揺るぎない愛と公正を守れ。
  希望を抱いていつも神を待て。
  7 貿易商はごまかしのはかりを手にし,
  だまし取ることを楽しむ。
  8 エフライムは言い続ける。
  『私は金持ちになった。富を築いた。
  私の労苦の中に悪や罪を見つける者はいない』と。
  9 私は,エジプトの時からあなたの神エホバである。
  決められた時の日々のように,
  私はあなたを再び天幕に住まわせる。
  10 私は預言者たちに話し,
  多くの幻を見せ,
  預言者たちを通して例え話を語った。
  11 ギレアデに欺きと偽りがある。
  民はギルガルで雄牛を捧げてきた。
  彼らの祭壇は畑の畝に積まれた石のよう。
  12 ヤコブはアラムの領土に逃げた。
  イスラエルはそこで妻を得るために仕えた。
  妻を得るために羊の番をした。
  13 エホバは預言者によってイスラエルをエジプトから連れ出した。
  イスラエルは預言者によって守られた。
  14 エフライムは神をひどく怒らせてきた。
  流血の罪を負っている。
  主は,受けた侮辱のことでエフライムに返報する」。
  13 章
  1 「エフライムが語ると,人々は震えた。
  彼はイスラエルで際立つ存在だった。
  しかしバアルのことで罪を犯し,死んだ。
  2 今,彼らは罪を重ね,金属像を銀で作る。
  彼らは偶像を器用に作る。
  どれも職人の仕事である。
  彼らは,『犠牲を捧げる人は子牛に口づけせよ』と言う。
  3 彼らは朝の雲のようになる。
  すぐに消える露,
  脱穀場から吹き飛ばされるもみ殻,
  屋根の穴から出る煙のようになる。
  4 私は,エジプトの時からあなたの神エホバである。
  あなたが知っていた神は私だけだった。
  私のほかに救い主はいない。
  5 荒野で,水のない土地で,
  私はあなたを世話した。
  6 彼らは牧草地で草をはみ,満ち足りた。
  満ち足りると高慢になり,私を忘れた。
  7 私は彼らに対して若いライオンのようになる。
  道端で待ち伏せするヒョウのようになる。
  8 子を奪われた熊のように彼らを襲って胸を引き裂く。
  ライオンのように彼らを食らう。
  野獣が彼らを引き裂く。
  9 イスラエルよ,あなたは滅ぼされる。
  あなたを助ける者である私に逆らったからだ。
  10 どの町でも救ってくれるはずの,あなたの王はどこにいるのか。
  あなたを治める者たちはどこにいるのか。
  あなたは『王と高官たちを与えてほしい』と言った。
  11 私は怒りを抱いて王を与えた。
  私は憤りを抱いて王を取り去る。
  12 エフライムの過ちはくるまれ,
  罪は保管されている。
  13 産みの苦しみが襲う。
  彼は愚かな子で,生まれる時になっても出てこない。
  14 私は墓から彼らを救い出す。
  死から彼らを取り戻す。
  死よ,さあ,とげで刺してみよ。
  墓よ,さあ,破滅させてみよ。
  私は同情を示さない。
  15 たとえエフライムがアシの中で生い茂っても,東風が吹き付ける。
  エホバの風だ。
  砂漠から吹き付け,井戸を枯れさせ,泉を干上がらせる。
  あらゆる貴重な物の宝物庫が略奪に遭う。
  16 サマリアは有罪とされる。
  神に逆らってきたからだ。
  彼らは剣によって倒れる。
  子供は打ち砕かれ,妊婦は切り裂かれる」。
  14 章
  1 「イスラエルよ,エホバ神のもとに戻れ。
  あなたは過ちを犯したため,倒れた。
  2 次の言葉と共に,エホバのもとに戻れ。
  こう言うのだ。『どうか過ちを許してくださいますように。
  私たちからの良いものを受け入れてください。
  私たちは,若い雄牛を捧げるように賛美の言葉を捧げます。
  3 アッシリアは救ってくれません。
  私たちはもう馬に乗りません。
  自分たちで作ったものに,「私たちの神よ!」とはもう言いません。
  あなたは,父親のいない子供に憐れみを示してくださるからです』。
  4 私の癒やしによって,彼らは不忠実ではなくなる。
  私は彼らを喜んで愛する。
  私の怒りは彼らから離れたからだ。
  5 私はイスラエルのために露のようになる。
  彼はユリのように咲き誇り,
  レバノンの木々のように根を下ろす。
  6 小枝を伸ばし,
  オリーブの木のように立派になる。
  香りはレバノンのよう。
  7 彼らは私の陰に再び住む。
  穀物を育て,ブドウの木のように花を咲かせる。
  私の名声はレバノンのぶどう酒のようになる。
  8 エフライムは,『私には偶像とこれ以上何の関わりがあるだろうか』と言う。
  私は答え,見守る。
  私は生い茂ったネズの木のようになる。
  あなたは私から実を採る」。
  9 賢い人はいるか。これらのことを理解せよ。
  思慮深い人はいるか。これらについて悟れ。
  エホバの道は正しい。
  正しい人がそこを歩み,
  違反を犯す人はそこでつまずく。

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