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オフィスビルにおけるトイレの計画に関する統計調査
オフィスビルにおけるトイレの計画に関する統計調査
正会員 〇 今井一貴 *
正会員 門脇耕三 **
オフィス トイレ ビルディングレター
同 長谷川敦大 ***
快適性
1. 研究の背景と目的 17 件
1960 年代 26 件
近年、業務形態やワーカーの価値観の多様化に伴い、オ 調査事例
収集事例
フィスに要求される性能も変化し、より快適なオフィス環 1970 年代 93 件 132 件
コア
を除外した 926 事例から、年代ごとに無作為にサンプリ
ングし、合計 361 事例のオフィスについて、トイレに限 センターコア 偏心コア ダブルコア
はその傾向が弱くなっており、どのオフィスでも平均す 5
ると 6m から 9m 内外におさまっている。このことから、
0
基準階面積がある程度大きくなると、トイレを分散させ 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800 2,000
基準階
るなどして、トイレまでの距離を一定に保っていること 面積(㎡)
がわかった。 図 7 基準階面積とトイレの距離
4. まとめ
2
本研究では、オフィスに関する資料を統計的に分析
し、オフィストイレの計画の実態を明らかにした。 0
1965 1975 1985 1995 2005 2015 年
昨今のオフィストイレは、トイレ面積や執務室からト 図 10 女子トイレにおける大便器一台あたりの面積の推移
イレまでの距離、トイレ器具数といった、利用における
快適性を担保するのに必要最低限な条件を満たしたうえ
で、採光の確保やトイレ面積の拡幅等、より快適性を追
参考文献
求した計画が個別に行われていることが、本研究を通し 1)一般財団法人日本建築センター(BCJ):ビルディングレター
て明らかになった。
本研究は、株式会社 LIXIL からの委託研究として、明治大学門脇耕三研究室、日本大
学山中新太郎研究室および古澤大輔・二瓶士門研究室が共同で行った調査に基づいて
いる。
* 明治大学大学院理工学研究科建築・都市学専攻 大学院生 * Grad. Student, Dept. of Arch., Graduate Sch. and Tech., Meiji Univ.
** 明治大学理工学部建築学科 専任講師・博士 ( 工学 ) ** Senior Assist. Prof. , Dept. of Arch., Sch. of Sci . and Tech., Meiji Univ., Ph.
*** 明治大学大学院理工学研究科建築・都市学専攻 博士後期課 ***Doctoral Student, Dept. of Arch., Graduate Sch. ofSci. and Tech., Meiji
程・修士 ( 工学 ) Univ.