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(抜粋版)

プログラムとは

プログラムとは
NC旋盤による加工では、機械の動作を命令するためのプログラムが必要です。
このプログラムを作る作業をプログラミングといいます。
プログラミングには以下のような方法があります。

1.ワーク図 指 定 の な い 端 は C 0 .5 と す る

Φ 330
Φ 248
C1
C 0 .5

65
10°

317.5
105
Φ 300
Φ 380

承 ・ ・  ・ ー        -         -  
認 ・  ・ ・ ー        -         -  
検 承 認 担 当 年  月   日 訂    正     理    由 標    準     部    品     名 個 数
図 材  質 個  数 年   月  日
担 尺 品
当 度 名
製 図
図 処 理 工 程 仕          様 番

2.プログラム作成
① 機械にて直接に入力する方法 ② パソコン等でプログラミング作成 ③ CAD/CAM による自動プログラミング
・ADMAC-Parts FANUC ポスト(オプション)

3.機械にプログラムを読み込ませて加工

完成品

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座標系

座標系

1.横型 旋盤 シリーズ 2.立型 旋盤 シリーズ

刃物台

刃物台

Z軸

X軸
X軸

主軸 Z軸

主軸

3.横型 旋盤 2SP シリーズ( 2 サドル機 )

L 主軸 R 主軸

L刃物台 R刃物台

X軸 X軸

Z軸 Z軸

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原点

原点
NC 旋盤では、2 種類の原点を持っています。

1. 機械原点
機械固有の原点で、原点復帰操作により X 軸 Z 軸が、零になる位置です。
現在位置画面の絶対値表示では、X 軸は内径ホルダー中心と主軸中心位置までの
距離が表示されます。(Z 軸は、ゼロとなっています)
機械は全てこの位置を基準にして制御されています。

2. プログラム原点
プログラムを作成する場合の基準となる点で任意に設定できます。

機械原点 X0、Z0 原点復帰位置

(工具出発点)

X+方向

Z-方向 Z+方向

プログラム原点 X0、Z0
X-方向
(加工原点)

3.原点復帰位置と工具出発点
工具の出発点は 原点復帰位置から動き、プログラム原点からのプログラム
指令で動きます。
プログラムを作成するにあたり、立旋盤、2SP 旋盤、複合旋盤などでも
横型旋盤としてプログラムを作成してください。 (上記の図を参照)
加工の基準は、“X0 Z0”のプログラム原点となりますのでプログラムを
作成する前に図面上のどの位置を“Z0”とするか決める必要があります。
“X0”は他の機能との兼ね合いで必ずワーク中心(主軸中心)としています。

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指令方法と小数点入力

座標の指令方法と小数点入力

1.座標の指令方法
・ アブソリュート指令(絶対値指令)
X 軸は、図面上の寸法を直径で指令します。
Z 軸は、プログラム原点(Z0)からの座標を指令します。
・ インクレメンタル指令(増分値指令)
アブソリュート指令と区別する為に
X 軸を“U”で、Z 軸を“W”で指令します。

40
③ 左の図での指令方法
② ①
◎ ・ アブソリュート指令
① X80.0 Z0
X80 Z40 ② Z-30.0
φ100

φ80

③ X100.0 Z-60.0

・ インクレメンタル指令
① W-40.0
X0 Z0 ② W-30.0
30 ③ U20.0 W-30.0

60 直径指令

2.小数点入力
FANUC 制御では、小数点を入力としています。小数点は、距離、時間、
送り速度等での単位をもつものに使用します。

小数点入力の可能なアドレスは、次の通りです。
X、Z、U、W、I、K、R、F、G (特殊コード)

小数点入力の不可能なアドレスは、次の通りです。
O、P、Q、N、S、T、M

3.最小設定単位
制御装置に命令(入力)できる移動量の最小単位です。
本機での標準設定は 0.001mm としてあります。

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プログラムフォーマット

プログラムフォーマット
基本的なプログラミングを下のワークを例題として考えてみましょう。

60 動く動作
1 E 20 ・ A → E への加工
C 1
D ・A アプローチ位置
B
A ・E 逃げる位置

φ70
φ80
φ100

X0 Z0
プログラム原点

上のワークのプログラム例を示します。

O1000
プログラム NO
N101 G28 U0 W0 T00
シーケンス NO 原点復帰動作指令 補正キャンセル
N102 G50 S2000
主軸最高回転数指令
N103 T0101 M36
工具旋回 補正読み インタロック解除
N104 G96 S180 M03
周速一定入 周速指令 主軸正転
N105 G00 X70.0 Z30.0 M08
早送り 切削水入
N106 Z1.0 …………………………… A
アプローチ点
N107 G01 Z-20.0 F0.18 ……………… B
切削送り 送り
N108 X80.0 …………………………………… C

N109 Z-60.0 ………………………… D

N110 X102.0 …………………………………… E


逃げる点
N111 G00 X150.0 Z30.0 M09
早送り 切削水切
N112 G28 U0 W0 T00 M05
原点復帰動作指令 補正キャンセル 主軸停止
M30
エンド・オブ・プログラム

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プログラムに必要な記号一覧表

プログラムに必要な記号一覧表
●プログラム構成
記号 記号の説明
プログラム番号
O○○○○
アルファベット O (オー) の後に 4 桁以下の数字を付けて表します。
NC プログラムの先頭に必ず指令し、プログラムを管理します。
(例)第一工程、第二工程を加工するとします。
第一工程 O 1001
第二工程 O 1002 とします。

シーケンス番号
N○○
アルファベット N (エヌ) の後に 数字を付けて表します。
プログラムのチェック、編集、加工での工程箇所、呼び出し等で使用します。
シーケンス番号はプログラム全部に付けるのではなく、工程ごとにつけるのが便利です。
シーケンス番号は、動作には関係はありません。
(例) N10 T0101 M36
シーケンス番号

ブロック
プログラムを作成するにあたり書く順序があります。

N113 G00 X50.0 Z10.0 F0.2 S500 M03 T01 EOB

シーケンス 準備 ワードとデータ 主軸 補助 工具 ブロック


番号 機能 機能 機能 機能 の終わり

アドレス
下記アドレスを使用します。

O プログラム番号
N シーケンス番号
G 準備機能
X アブソリュート指令のX軸座標(直径)
Z アブソリュート指令のZ軸座標
U インクレメンタル指令のX軸移動量(直径)
W インクレメンタル指令のZ軸移動量
I 円弧半径のX軸成分
K 円弧半径のZ軸成分
R 円弧半径の半径成分
F 1回転当たりの送り及びネジのリード指令
S 主軸の回転数及び周速度指令
T 工具選択及び工具補正番号選択
M 補助機能
P シーケンス番号の指令
Q 繰り返し回数

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プログラムに必要な記号一覧表

●G コード(準備機能)
G○○ アルファベット G (ジー) に続く数字で指令します。
G コードには、2 種類があります。
ワンショット G コード … 指令されたブロックにだけ有効な G コード
モーダル G コード … 同じグループでの G コードが指令されるまで有効な G コード
・モーダル G コードでグループが異なる G コード は、同一ブロック内に指令する事ができます。
・特別仕様の G コードで、仕様が実装されていない G コードを指令すると、アラームとなります。
・ワンブロック内に同じグループの G コードが指令された場合は、後に指令した G コードが有効
です。
・電源投入時は、下記の G コード状態となっています。
グループ 電源投入の時
01 G00 早送り G01 切削送り G02、G03 円弧補間
02 G97 周速一定制御キャンセル G96 周速一定制御入り
05 G99 主軸1回転当たりの送り G98 1分間当たりの送り
07 G40 刃先R補正キャンセル G41 刃先R補正 左 G42 刃先R補正 左

記号 記号の説明
早送り位置決め
G00 現在位置から G00 と同一ブロックで指
令された目標点へ、刃物台が早送り
で移動します。
各軸毎の速度、及び加減速が行わ
れるので経路は、必ずしも直線はなり
ません。
φ60 φ50

30
60

G01 直線切削
G02 時計回り円弧切削
G03 反時計回り円弧切削

100
G03 始点 ( 182 , 0 )
80 終点 80
終点 ( 190 , -4 )
R5 半径 4 中心 ( 182 , -4 )
φ190

5
中心
始点 終点
中心
4
φ210

半径 5
R4 始点 ( 190 , -15 )
φ190
φ182

100
終点 ( 200 , -20 ) G02 始点

中心 ( 200 , -15 )
φ190

G04 休止(ドウェル)指令 同一ブロックに休止時間を F○○(秒)で指令します

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プログラムに必要な記号一覧表

記号 記号の説明
G10 プログラマブルデータ 入力 (オプション)
G11 プログラマブルデータ 入力キャンセル (オプション)
自動原点復帰指令
G28
工具旋回位置及び加工開始点と加工終了点位置に自動で移動する。
指令方法( 準備機能 G28 U0 W0 と指令する )
U0…アルファベットの U(ユウ)と数字のゼロ
W0…アルファベットの W(ダブル)と数字のゼロ
動作内容:G28 U0 W0 T00 を読み込むと、補正をキャンセルしてから、原点位置
まで動きます。
G30 自動原点復帰 (第 2 原点への復帰)
G31 スキップ 機能
G32 ねじ切り
G40 ノーズ R 補正切
G41 ノーズ R 補正左入
G42 ノーズ R 補正右入
G50 主軸最高回転数指令
G65 マクロ呼出し (オプション)
G70 複合形固定サイクル(仕上げ用) (オプション)
G71 複合形固定サイクル(外径荒削り) (オプション)
G72 複合形固定サイクル(端面荒削り) (オプション)
G73 複合形固定サイクル(閉ループ切削) (オプション)
G74 複合形固定サイクル(端面突切り) (オプション)
G75 複合形固定サイクル(外径突切り) (オプション)
G76 複合形固定サイクル(ネジ切り) (オプション)
G80 穴あけ用固定サイクルキャンセル (オプション)
G83 正面ドリルサイクル (オプション)
G84 正面タップサイクル (オプション)
G86 正面ボーリングサイクル (オプション)
G87 側面ドリルサイクル (オプション)
G88 側面タップサイクル (オプション)
G89 側面ボーリングサイクル (オプション)
G90 単一形固定サイクル (外径用)
G92 単一形固定サイクル (ネジ切り)
G94 単一形固定サイクル (端面用)
G96 周速一定制御 入
G97 周速一定制御キャンセル
G98 時間当たりの送り (mm/min)
G99 主軸一回転当たりの送り (mm/rev)

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プログラムに必要な記号一覧表

●M コード(補助機能)
M○○ アルファベット M (エム) に続く数字で指令します。主軸の始動・停止やプログラム
の終りなどを指令する補助機能です。
移動指令と補助機能の指令を同時に開始します。1 ブロックに 1 つだけ有効な
タイプと 最大 3 つまで指令可能タイプがあります。同一グループのMコードが
指令された場合は、後に指令したMコードが有効です。
記号 記号の説明
M00 プログラムストップ
M01 オプショナルストップ
操作盤上の“オプショナルストップスイッチ”が ON の時のみ一時停止します。
M03 主軸正転(反時計方向に回転)

M04 主軸逆転(時計方向に回転)

M05 主軸停止
M08 切削水 入
M09 切削水 切
M10 油圧チャック 閉
M11 油圧チャック 開
M17 ロボット/ローダーサービス要求 (オプション)
M19 主軸定位置停止 (オプション)
M20 油圧チャック圧力 低圧指令 (オプション)
M21 油圧チャック圧力 高圧指令 (オプション)
M26 自動ドア 閉 (オプション)
M27 自動ドア 開 (オプション)
M30 リセット&メモリー リワインド
自動運転を停止し、リセット状態にしてプログラムの先頭に戻ります
M34 主軸速度到着信号インターロック解除
M36 T 指令と同時に指令すると X/Z 軸原点以外での刃物台旋回が可能
M41 主軸巻線切替え 低速側選択 (オプション)
M42 主軸巻線切替え 高速側選択 (オプション)
M46 ネジ切りチャンファリング 入り
M47 ネジ切りチャンファリング 切り
M90 カウンター歩進
M98 サブプログラムの呼出し
M99 エンドオブサブプログラム

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プログラムに必要な記号一覧表

●その他のコード
記号 記号の説明
T○○○○ 工具及び工具補正番号選択指令
アルファベット T(ティー)に続く 4 桁の数字で指令します。
工具は左図のように刃物台に取り付けます。
工具を使用する時は、
① 工具番号(刃物台上の工具の取り付いている番号)
② 使用する工具の工具補正番号

T 01 01
工具補正番号を指定します(標準は 1~32 番)
工具番号を指定します
※工具補正番号は、2 サドル仕様の場合、
各刃物台で 1~32 番が指令できます。
指令方法
・T0100 … 工具選択のみ( 省約した 指令方法 T100 )
・T0001 … 補正のみ 読み込み動作します( 省約した 指令方法 T01 指令 )
・T0101 … 工具選択と補正を読み込み動作します( 省約した 指令方法 T101 )
・T0000 … 工具補正をキャンセルします( 省約した 指令方法 T00 )
・T0108 … 工具選択は 1 番で、補正番号は 8 番に入力したデータを読み込み動作します
刃物台上の工具は、X 軸、Z 軸とも原点復帰位置で旋回します。
・G28 U0 W0 T00 … X 軸、Z 軸とも原点復帰位置に移動と工具補正キャンセル
・T101 M36 … 刃物台 1 番の旋回指令と工具補正番号 1 番の読込みとインターロック解除指令
M36 を同時に指令すると原点位置でなくても旋回できます。

送り指令
F○.○○
主軸 1 回転当たりの送り(G99)と 1 分間当たりの送り(G98)の指令です。
指令方法 ( 準備機能 G コードにて指令する )
・G99…主軸 1 回転での指令 F0.2 … 主軸が 1 回転すると 0.2mm すすむ
(機械の電源を投入すると G99 になるように設定されています )

・G98…毎分送り F250 … 1 分間で 250mm すすむ


主軸回転数指令
S
主軸の回転数指令と定周速度指令をします。
指令方法 ( 準備機能 G コードにて指令する )

・G97…回転数の直接指令 G97 S100 (100 min-1 )


G96…切削速度で定周速を指令 G96 S100 (100 m/min)

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プログラム例題 ①

プログラム例題 ①
次のワークの座標をひろってから、プログラムの空欄をうめてください
尚、図でのバイトの向きは考えず 主軸正回転としています。

80 T0101 外径仕上げ 
55 切削速度V=180m/min
P6
30
送り速度F=0.2mm/rev
1
C1
P5 P4
P3 P2
T0303 内径仕上げ
P1

φ80
切削速度V=160m/min
φ60
40
φ100

送り速度F=0.15mm/rev
P10
P12
P11
C1
φ30
φ25

P13

O0001
N100 G28 U0 W0 T00
N101 G00 T0101 M36
N102 G50 S2000
N103 G96 S180 M03
N104 G00 X150.0 Z30.0 M08
P1 N105 X Z
P2 N106 G01 X Z F
P3 N107 Z
P4 N108 X Z
P5 N109 Z
P6 N110 X
N111 G00 X150.0 Z30.0 M09
N112 G28 U0 W0 T00 M05
N113 M01
N200 G00 T0303 M36
N201 G96 S160 M03
N202 G00 X150.0 Z30.0 M08
P10 N203 X Z
P11 N204 G01 X Z F
P12 N205 Z
P13 N206 X
N207 G00 X22.0 Z30.0 M09
N208 G28 U0 W0 T00 M05
M30

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プログラム例題 ②

プログラム例題 ②
下図のワークを、プログラムしてください
尚、図でのバイトの向きは考えず、主軸正回転としてください。

50 T101
◎ 加工起動
C1 切削速度 V=150
R3
送り速度 F=0.3
C1 T101
φ100

φ80 T202
C1 切削速度 V=140
送り速度 F=0.15 T202
C1
R2
φ50

40
φ30

O0002 (MONDAI 2)

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プログラム例題 ② 参考例

プログラム例題 ② 参考例
下図のワークを、プログラムしてください
尚、図でのバイトの向きは考えず、主軸正回転としてください。

50 T101 ◎ 加工起動
C1 切削速度 V=150
R3
送り速度 F=0.3 T101
C1
φ100

φ80 T202
C1 切削速度 V=140
送り速度 F=0.15 T202
C1
R2
φ50

40
φ30

O0002 (MONDAI 2)
G28 U0 W0 T00 X28.0 Z-42.0
G50 S1500 G00 Z30.0 M09
N1 T101 M36 X150.0
G96 S150 M03 G28 U0 W0 T00 M05
G00 X76.0 Z30.0 M08 M30
Z1.0
G01 X80.0 Z-1.0 F0.3
Z-47.0
G02 X86.0 Z-50.0 R3.0
G01 X98.0
X102.0 Z-52.0
G00 X150.0 Z30.0 M09
G28 U0 W0 T00 M05
M01
N2 T202 M36
G96 S140 M03
G00 X54.0 Z30.0 M08
Z1.0
G01 X50.0 Z-1.0 F0.15
Z-38.0
G03 X46.0 Z-40.0 R2.0
G01 X32.0

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