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2008 Japanese
2008 Japanese
外国語試験(日本語)問題
注 意 事 項
1.
試験開始の指示があるまで,この問題冊子及び別冊の解答用紙は,開かないでください。
2.
問題は,1ページから7ページまであります。解答用紙は,3枚あります。ページの脱落等に
気が付いたときは,手をあげて監督者に知らせてください。
3.
監督者の指示に従って,すべての解答用紙の該当欄に必ず志望専攻及び受験番号を記入してく
ださい。
4.
時計のアラーム(計時機能以外の機能を含む。)は使用しないでください。
5.
携帯電話,PHS等は,電源を切って,カバン等に入れてください。
試験終了まで退室できませんので,試験時間中に用がある場合は,手をあげてください。 試験終了後,この問題冊子は持ち帰ってください。
6.
7.
問題1.‘
氓フ文章を読んで問に答えなさい。
チンパンジーの利き手の研究がすすんだおかげで1ヒトの利き手や大脳半球機能の分化につい
て、新しい(a)カセツが考えられるようになった。かいつまんで説明しよう。
イヌやネコのように哺乳類は四足で歩くので「四足動物」と呼ばれる。・哺乳類のなかで霊長類は.、
四肢の末端で物をつかめる。手で木をつかんで身体を支えるという特徴をもっている。これは樹
上生活への(b)テキオウだ。木をつかむために、四つの足が、四つの手になった。「(ア)動物」
というより「(イ)動物」なのであるσ 木の幹を登るためには、体幹てっまり胴体)が、地表に対して直立になる。四足動物の体幹は地
表に対して水平だから、四足はふつう前肢と後肢と呼ぶ。しかし霊長類は体幹が直立しているの
で、上下の区別が生まれて、 (ウ)は上肢と下肢になった。
霊長類は、休むときには、体幹を直立させたまま足を投げ出して座ったり、膝を曲げてしゃが
む。こうすると、上肢(その先端部分を「手」ど呼ぶ)が、からだを支えることから解放されて、 自由に動くようになった。下肢(その先端部分を「足」と呼ぶ!がからだを支える。こうして、上
(①)噛で物をつかみ、それを指できわろうとすると(②)、しか空いていない。(③)で
物を操るという動作は、.先行する(④)での保持に付随して進化してきた、と考えられる。こ うして左右の手が別のはたらきをするようになり、右手で細かい動作をするという傾向が、ヒト でさらに強まった。ところで、体の右側半分の動作は左の大脳半球が制御している。また、手や
指の動きを制御する脳の部位の近くに、唇や舌の動きを制御する部位が位置している。手指のは
たらきが(d)セイミツになると、対応する脳の部位のはたらきが高まる。すると、その近くの脳 の部位のはたらきも高まり、結果として、唇や舌の動きは左の大脳半球が司るようになった。こ
うして(カ)の手のはたらきの分化から’、ヒトの(キ)利き手が生まれ、 (ク)の大脳半球
の言語機能が生じてきた。
ヒトの言語機能が左の大脳半球に局在しているという事実が、霊長類の利き手の進化という
(e)シテンから、新しく説明されようとしている。
(松沢哲朗.『チンパンジーはちんばんじん』)
問1.下線部(a)∼(e)のカタカナを、漢字に直して書きなさい。
問2。空欄(ア)∼(ク)に入る最も適当な言葉を、次のA∼Fの中からそれぞれ選び、記号で
答えなさい。 (同じものを二度使ってもよい)
A.四手 B.四足 C.二手・二足 D.右 「E.左「 F.左右
問3 空欄(①)∼(④)に入る言葉の組み合わせとして、最も適当なものを、次のA∼E
の中から選び、記号で答えなさい。
② 左手
② 右手
②右手
② 左手 ② 左手
問4.問題文の内容と一致しないものを、次の1∼6の中から2っ選び、番号で答えなさい。
1.霊長類の手は体を支えることから解放された。 2.霊長類では四つ足に前後の区別が生まれた。 β.三猿類の多くの種な左手で物をつかむ傾向がある。
4..体の右半分の動作は左の大脳半球が制御している。
5.手や指の動きと唇や舌の動きほ脳の同じ部位で制御する。
6.・利き手との関係からヒトの左大脳半球の言語機能が発達した。
問題■.次の文章を読んで問に答えなさい6 「ひと月に35目雨が降る。」といわれるように、屋久島は雨の多い島とし℃有名です。屋久島は
標高1000メートル以上の山々を擁していることから、北上する黒潮(注1)の影響を受けた温かい水蒸
気が、山の斜面を上昇する際に急激に冷却され雲になりやすいことが雨の多い要因です。
年間降水量は、東京では1400ミリメートル程度ですが、屋久島では平地で4000ミリメートル前
後、山間部では8000ミリメートル以上に(a)達します。屋久島内で(b)降水量の分布は異なり、東
の平均気温が5度を超える月については5度を差し引き、平均気温が5度以下の月はゼロとして
1年分を積算したものです。熱帯多雨林帯が240度・月以上、亜熱帯多雨林帯が』180∼240度・,月\ 照葉樹林帯が85∼180度・,月夏緑樹林帯が45∼85度.・月㍉亜寒帯針葉樹林は15∼45度・月、ツンド
ラ帯は0∼15度・,月と定義されています。
屋久島測候所の気象データから曜かさの指数を算出すると170。2度・月となり、屋久島の低地は、
(’A )から(B )へ移行する境界付近になります。
(金谷整マ・吉卑博志『屋久島の森のすがた』/一部表現を改めた)
(注1)the Black Current
問1.下線蔀(a)∼(e)の漢字の読み方を、ひらがなで書きなきい。
問寒湿び三三示すグラフを・下の(1)∼(4騨れそれ選三号で答1
(、) (、)’, (・) (4)
30
蓼20
℃1
豪畿・ 』 ・’ ゑ 一
㍉
mm ’ 1
㎜
01357911135791113、5791捌357911 月
各地域における月別の平均気温と降水量の平年値
ダ 問3.なぜ屋久島では降水量が多いのか、その理由を説明している一文を、問題文中から抜き出
して書きなさい。
問∵即紀当て醐 こと∵文中から葡 呼な
4
ゆうじ かりん ’
問題皿. 「ぼく(遠慮)」は転校先の中学校で、 「佑司」と「花梨」という二人の同級生と友だち
になった。次の文章を読んで問に答えなさい。
ふたま 佑司の家を訪れたのは、もう1学期も終わろうとする7月の第3週のことだった。二間しかない
平屋の賃貸住宅で、同じようなつくりの建物が狭い敷地に8棟押し込められていた。 ’ 佑司の父親は驚いたことに(① )長身だった。そしておそろしくやせていた。立ち枯れし
かんぼく
た灌木みたいな印象の男性だった。佑司と同じ黒いプラスチックラレームのめがねをかけ、太く
て隠そうな髪を(a)無造作に額に下ろしていた。
かもい ぼくらが部屋に上がったとき、彼は庭に向いた窓の鴨居に手を掛け外の景色を眺めていた。も
う一方の手にはコーヒ「カップがあった。彼の視線をたどってみたけど、そこにあるのは隣家の
ひび割れた壁と、小さな土地に(b)ひしめき合って生えているノゲシぐらいなものだった。
「お父さん」と佑司が声をかけると、彼は(② )こちらに顔を向けた。
「初めて来た友達、遠’山君ていうんだ」, 1
はじめまして。ぼくがそう言って頭を下げると、佑司の父親は「いらっしゃい」と、その細い身
体には似合わな旧くよく通る声で言った・生命加な隙弱炉が返ってくるだろうと思って
いたぼくは、少し驚いた。
「おじさん、こんにちは」
花梨は佑司の父親とはずいぶんと親しそうだった。
「やあ、花梨さん」
「新しい小説は進んでるの?」 ’ − L
めじり 彼女が聞くと、佑司の父親は目を細め、柔ちかな笑みを浮かべた。目尻に深い鍛が(③ )
浮かんだ。
「進んでいると言えば進んでいるし」
彼は言った。
「進んでいないと言えば進んでいない」
「どっちなの?」
「少なくとも、原稿用紙のマス目(注)はまだ(④ )埋まっていない」
「じゃあ、進んでいないってことじゃないの?」 彼は佑司によく似た丸い目を何度か(c)しばたたかせた。
「でも、こう考えたらどうだろう?」
そう言って前髪をかき上げ、後ろに流した。量の多い真っ黒な髪だった。 「小説は[=亘)]のようなものだと」 一
「匝]?」
そう、と彼はうなずいた。 「[=亘工コは心の表現だ。内塗る感情の等値概念だ」
「トウチガイネン?」
「じゃあ、視覚的等価物と言い直してもいい」
「だから?」
5
「つまりは、[=⊆亘]は目に見えるものだが、そこに至る内的プロセスは誰にも見えない」
「うん」
、「[=亘)=コを原稿のマス目を埋める言葉と考えればいい」
「ああ、’そうか」
花梨はこの小説家のクセのある表現をきちんと理解していた。もちろん、ぼくには何のζとや
ら(⑤ γ分からなかった。でも、花梨の隣で分かったようなふりをして一緒にうなずいてい
た。
「だから、まだ原稿のマス目は埋まってないけど、目に見えない『内的プロセス』は、もうすで
に進んでいるってことだよね」
「そうだ。そのとおりだよ」、
佑司の父親がうなずいたので、ぼくもまた慌てて.うなずいた。 「どこかにある臨界点を超えたら、言葉は自律的に埋められていく」
彼は言った。
「匝]がこぼれ始めたら止まらないのと一緒だよ」
あとでぼくはこっそり佑司に言っ・てみた,
「佑司のお父さんて、すごく頭のいいひとなんだね」
それはもう絶対に(d)揺るぎない真実のように思っそいたのに、佑司はそれが意外だというよ
うな顔をした。 「頭がいい?」 、
可うん。さすが小説家だよね」
佑司は首を傾け、それからこれもまた彼にとっては自明のことであるかのような口調で言った。
「もし、うちのお父さんがせめて(e)人並みに頭の働くひとだったら、ぼくらはこんなに貧乏な
暮らしはしていないだろうし、もう少し思慮のあるひとだったら、お母さんはきっとこの家を出
ていかなかったと思うよ」
なんて言うか、ぼくが最高にかわいいと思っている女の子が、クラスの男の間では全く評判が
悪いと知ったときのような気分になった(往々にして、それは実際に起こった。いわく.、『全然
駄目だよ。がりがりにやせていて、おまけにめがねまでかけてるんだぜ』うんぬん)。
要は、’[A]視点ひとつで評価はいかようにも変わるということだ。 (市川拓司『そのときは彼によろしく』/一部表記・表現を改めた)
(注)原稿用紙のマス目1
\め、彼なが旧くヒ、佑惹の父親1ま邑 ,.
桑かな笑み左塞ベプミ。
’6
、問恥空欄(①)∼(⑤)に入る最も適当なことばを、次の1∼6の中から選び、番号で答えなさい。
1.,いつもの 2.さっぱり 3.何回も
4’卿5脚1一●ひとつも
問2.下線部(a)∼ぐe)の文中での意味として最も適当なものを、次の中からそれぞれ選び、番
号で答えなさい。
(。)しそろえて 2.きれいに 31そのまま 4.まとめて1
(b)1.助け合うように 2.押し合うように 3.話し合うように 4..引き合うように ・(c)1.しきりにまばたきした 2.しきりにこすった
3.しきりにおさえた 4.しきりにつりあげた
(d)1・ゆするき脚2・ゆるくなりやす∵・ゆれすぎない4・ゆらぐこと伽
(・)1・世界並みに 2・齢並みに 3・世継みに 4・1岬並みに’
問3.’
刀i・)に入る最心当な語を考え、灘・文字(またはひちがな3爵)・で書きなさ
い。
問4・空棚(2)聯撒語句を次の1∼4の
1.佑司の言葉はやはり間違うていた 2.ぼくの考えはやはり間違っていた 3.佑司の言葉も間違ってはいなかった
d∵ 答 r㍗
4・ぼくの考え三三ってはい樋〉つた
旧式・下血[A]の例とその理由を、それぞれ、自分で考えて書きなさい澗題文中力・鋤き
出してはいけません。