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TB6560AHQ2相バイポーラステッピングモータードライバキット説明書

ver0.1

木製CNC/周次建築事務所
山田 周次
2013/4
東芝セミコンダクタ製TB6560AHQ2相バイポーラステッピングモータードライバICを
使ったステッピングモータードライバキットです。

TB6560AHQの詳細な特性は東芝セミコンダクタ社のデータシート及びアプリケーショ
ントートを参照してください。
http://www.semicon.toshiba.co.jp/

この基板では、電流検出抵抗に0.16Ωの抵抗を使い100%出力時の電流を相当たり
3Aとしてあります。
また、内部発振器の発振周波数設定用コンデンサを100pFとし、入力最小クロックパ
ルス幅は10μSです。

ロジック電源と、モーター駆動電源の2電源が必要で、このキットではロジック電源側は
5V、モーター駆動電源電圧は24Vとしてあります。

よく整流されたロジック側5V電源とモーター側5∼24V電源を使用してください。

ICの作動範囲のモーター駆動電源電圧は4.5V 34Vです。

各種設定はジャンパピンを使用し設定します。
回路図

注意 回路図上にあるモーター出力のフライバックダイオードはこのキットには付属いた
しません。
部品表

C1 100μ/50V

C2 100μ/16V

C3 0.1μ/50V 104

C4 1μ/50V 105

C5 100p/50 101

C6 0.1μ/50V 104

C7 1μ/50V 105

C8 0.1μ/50V 104

R1 0.16Ω/2W

R2 0.16Ω/2W

R5 1kΩ 茶黒赤金
R6 1K 茶黒赤金
LED1 赤色LED

LED2 赤色LED

JP1 ヘッダピン 2x10

X1 端子台2P緑

X2 端子台2P緑

X3 端子台2P青

X4 端子台2P青

ジャンパ ジャンパ黄色 8個
基板 1枚
基板
組み立て例

R1、C3、C6、C8はヒートシンクと干
渉してしまうため、裏面にシルク印刷はありませんが背面実装します。ハンダ付けしたと
ころはヒートシンクとの干渉を避けるためにアセテートテープか、ビニールテープにて絶
縁したほうが良いです。

背面実装の取り付けと干渉しやすいので、TB6560AHQを基板いっぱいに差し込まず
に、足を切らない程度で取り付けると 大きな放熱板が、取り付けやすいです。

LED1,2はこの画像の状態で左上側がアノード側(キット付属LEDで足の長い方)、右
下側がカソード(キット付属LEDで足の短い方です。
付属のC5、100pFのセラミックコンデンサは2.54ピッチで、基板の取付穴は5.04
ピッチになってます。足を広げてください。

R5、R6は立てて取り付けます

大きな放熱板を取り付ける際、X2の端子台の端子台同士を嵌合させるアリが干渉する場
合がありますので、カッターナイフ等で削りとっておきます。

この画像の端子台の上部、フライバックダイオードを取り付けるためのパットですが、短
絡の危険性が高いのでここも、アセテートテープ、または、電気工事用のビニールテープ
にて、保護しておいたほうが良いでしょう。

放熱板を取り付けての運用をお願いいたします。
(アルミ板、銅板等でもないよりマシです。)
使用状況により、ファン等の冷却をしたほうが良いかもしれません。
発熱にて内部FETが痛みます。

キット付属の端子台の適応した電線の太さはAWG14 22です。

長期使用によるはんだ接合部の熱疲労等が考えられますので、モーター電源配線、モー
ター配線には棒圧着端子を圧着後、端子台に接続することをおすすめします。
設定

TB6560AHQは全制御入力端子に100kΩのプルダウン抵抗がついているので、ピンを
開放(キットでは、ジャンパを接続しない)状態で、Lowです。
ジャンパを使用して5Vと接続するとHighとなります。

制御入力端子のHigh最小入力電圧は2.0V(最大5V)、入力電流は最大80μAなの
で、マイクロコントローラー等を入力端子に接続し、使用できます。

励磁設定

M1ピン M2ピン モード(励磁) 1ステップの分割数

Low Low 2相 1

High Low 1-2相 1/2

Low High 4W1-2相 1/16

High High 2W1-2相 1/8

Dedayモード設定

DCY1ピン DCY2ピン 電流衰減設定

Low Low Nomalモード(0%)

High Low 25%Decayモード

Low High 50%Decayモード

High High 100%Decayモード

Decayモードは定電流制御時の電流衰減を設定します。
Nomalモードが最も衰減が小さく、100%Decayモードが最も衰減が速いです。

適切なDecayモードはモーター回転状況、モーターの大きさにより異なってきます。
本来は、モーター出力電流の波形をオシロスコープにて測定、波形の形を見て決定します
が、低速から最大回転数まで使用する場合、100%Decayモードで使用したほうが良い
ように思います。
おかしな波形の場合、モーターからの駆動音も、おかしいので音で判断するのも一つの手
だと思います。

トルク設定(電流値設定)

このキットでの電流設定値は3Aです。括弧内はこのキットでの電流値です。

TQ1 TQ2 電流比(電流値)

Low Low 100%(3A)

High Low 75%(2.25A)

Low High 50%(1.5A)

High High 20%(0.6A)

モーターにかかる最大電流値を設定します。

/Resetピン

/ResetピンがLow の場合リセット状態となり励磁状態は初期状態となって、LED Mo
が点灯します。Stepピンにパルスを入力してもモーター出力がありません。Highにした
ときに励磁状態は初期状態からの励磁となります。

Enableピン

EnableピンがLow 状態の場合、モーター出力はOFFになりますが、制御回路は動いてい
るので、Stepピンにパルス入力があると、励磁状態は進行します。
EnableピンがHigh状態の時はモーター出力がONとなります。

Stepピン(CLK)

ロジックパルスを入力します。パルスの立ち上がりエッジにて、励磁を進行させます。
このキットでは、内部発振周波数設定コンデンサを100pFとしてあるので、最小ク
ロックパルス幅は10μSです。

Dirピン(CW/CCW)

ロジックのHighとLowによって、回転方向を指定します。
Lowの場合、CW(clockwise、時計回り、右回り)となります。
Highの場合、CCW(Counter clock Wise、左回り)となります。
LED Protect

熱遮断回路作動時に点灯します。
通常時は点灯しません。

LED Mo

励磁状態が初期位置に来たときに点灯します。
モーターを回転させ、励磁を進めていくと励磁が1周してもどってくるとまた点灯しま
す。モーターを連続的に回転させると点滅します。

注意
東芝セミコンダクタのTB6560AHQデータシート及びアプリケーションノー
トにより、厳密に電源投入順序が定義されています。
場合によってはICが壊れてしまうので、厳守してください。
その他

このキットには、TB6560AHQのモーター出力に外部フライバックダイオードを取り付け
ることができるパッドがあります。

東芝セミコンダクタでは内部FETの寄生ダイオードにより、外部フライバックダイオード
は必要ないとしています。
しかし、IC既定値内では取り付けても構わないとのこと。
但し電源にリンギングが発生するのでその対策が必要です。

外部フライバックダイオードを使用しても、パワー段のFETの端子がICよりすべて出てい
るわけではないのでFET内部寄生ダイオードの機能を殺しているわけではありません。

下記に改造例を示しますが、自己責任にて行ってください。
改造時は、十分にモーター出力波形、電源電圧等をオシロスコープにて確認して、IC既定
値内であることを確認してからの運用してください。
使用するモーターにより条件がかなり変わる場合があります。
秋月電子で販売されているショットキーバリアダイオードSK54をフライバックダイオー
ドとして、使用した例。
電源電圧へのノイズ、モーター駆動電流へのの影響はありませんが、ダイオード自体の漏
れ電流が気になるところ。

こちらも秋月電子で販売されているファストリカバリーダイオードER504を無理やり取り
付けたところ。
ショットキーバリアダイオードに比べリカバリ時間は長いですが、漏れ電流は少ないで
す。
モーター電源へ結構な電圧でノイズガ乗ります。対策が必要です。
この基板の端子台はダイオードと干渉してしまうので、秋月電子で販売しているターミナ
ルブロック�2ピン(青)(斜め)を使用しています。
また、C2の電解コンデンサを背面実装としています。
TB6560AHQ端子説明
端子 I/O 端子記号 端子説明
番号
1 In TQ1 トルク設定入力(ロジック) IC内部プルダウン

2 In TQ2 トルク設定入力(ロジック) IC内部プルダウン

3 In CLK Step入力 IC内部プルダウン

4 In ENABLE Highでモーター出力Lowで出力Off IC内部プルダウン

5 In /RESET Lowでロジック励磁位置をイニシャル状 IC内部プルダウン


態にリセット
6 - SGND 制御側回路GND

7 - OSC 内部発振器周波数設定コンデンサ接続

8 In VMB モーター側電源端子(B相)

9 Out OUT_BM OUT_Bモーター出力

10 - PGNDB モーター側GND(B相)

11 - NFB B相側出力電流検出端子。電流検出抵抗
接続。
12 Out OUT_BP OUT_Bモーター出力

13 Out OUT_AM OUT_Aモーター出力

14 - NFA A相側出力電流検出端子。電流検出抵抗
接続。
15 - PGNDA モーター側GND(B相)

16 Out OUT_AP OUT_Aモーター出力

17 Out MO 励磁位置イニシャル検出出力。イニシャ オープンドレイン


ル状態でON
18 In VMA モーター側電源端子(A相)

19 Out Protect 熱遮断回路作動時ON、通常Z オープンドレイン

20 In VDD 制御側電源
端子 I/O 端子記号 端子説明
番号
21 In CW/CCW 正転逆転切替端子 Lowで正転、High IC内部プルダウン
で逆転
22 In M2 励磁モード設定入力(ロジック) IC内部プルダウン

23 In M1 励磁モード設定入力(ロジック) IC内部プルダウン

24 In DCY2 電流衰減モード設定入力(ロジック) IC内部プルダウン

25 In DCY1 電流衰減モード設定入力(ロジック) IC内部プルダウン

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